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2004年8月17日 (火)

「志」を育てる

私は普段あまりスポーツに興味はないけれど、やはり、オリンピックで日本勢がどれだけ金メダルをとったかということには関心を持ちます。

日本時間では真夜中の競技が多いので、リアルタイムでは見ませんが、翌朝のニュースハイライトでも、勝利の瞬間は興奮するものです。

でも、
夜中じゅう起きて競技を見ていた小学生が「眠気がどっかいっちゃいました!」なんて目を輝かせています。

これなんですよね〜。翌日のダイジェスト版じゃダメ。実際の時間を共有しないと感動は半減するんですね。

長野冬季オリンピックで、当時受験生だった長男がテレビの前に釘付けになっていました。ジャンプ競技で船木選手が飛距離を大きく伸ばし日本チームの勝利を決めた時、普段あまり感情をあらわにしない長男の感動の様子は今も忘れることができません。

「感動」を体感することは、「受験生なんだからオリンピックより勉強」だとか、「小学生は早く寝なさい」、だとかの説諭のたぐいとは比べものにならないくらいの教育的効果があります。

話は変わりますが、

NHKの“プロジェクトX”という番組があります。
この番組を、「組織のために身を粉にして働く人間性無視の企業戦士を美化している」と批判する左翼言論人がいます。

しかし、(たしかにマンネリ気味ではありますが)あの番組に感動し、勇気付けられた人だって少なくないはずです。

あの番組に文句をつける人たちだって、実は、子どものころから、昔話や偉人伝などを読み、たとえそこに多少誇張の部分や嘘の部分があったにしろ、そういった成功物語や勧善懲悪ものによって、努力することの大切さや正義の美しさを学んできたのではないですか。
私たち大人自身が、そういうものに育まれて、今ここにまっとうな大人として存在してるんです。

出来の悪い教師のお説教などに百万言を費やすより、優れた偉人のエピソードひとつのほうが楽しくて遥かに教育的効果があるものです、と中曽根元総理も言っていますが、私もその通りだと思います。

現総理のひとつ覚えじゃないですが、「感動」こそ、人間の行動の原動力なんですよね。

今の子どもって、感動してるかなあ。するとしたらどんなことに感動してるんだろう。

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