高校生の退屈
学者や評論家たちが昨今の人心の荒廃を嘆き、「武士道を復活せよと言うのではないが・・」「教育勅語の良さを見直せと言うのではないが・・」と、しきりに「・・・というわけではない」と強調しながら、現状を変えていかなければならない、教育のあり方を見直さねばならない、と結論付けます。結論になっていないと思うけど。
なぜ、彼らはあんなに遠慮がちなのでしょう。どうして誰も「人の精神を鍛え上げる支柱となる思想が必要だ」とはっきり言わないのでしょう。たまに言う人がいると「過激だ」とか「右翼だ」とか言われてしまいます。
子どもの精神力を鍛えるのに一つの思想が必要なのかどうか考えてみましょう。
人というものは、ただやみくもに頑張り物事に耐えるということはできません。「・・・のために」という目標や希望があって始めて頑張るし重労働にも耐えようという気になります。
しかし、特に頑張らなくてもそこそこ生活できる現代日本では、若者が刹那的になるのは当然といえば当然です・・・というのはよく言われます。
若者は平和と豊かさがもたらす退屈世界の被害者ではないのだろうか、と考えてしまいます。
末息子が冗談ともつかぬ口調で「北朝鮮が戦争しかけて来りゃあいいんだ」などと言います。自分が死ぬかもしれないのに、それでも良い、退屈より良い、とでも言いたげなニュアンスです。
もちろん戦争なんて大変なことであるのは理屈ではわかっているのに、やり場のない不安や倦怠感をもてあましているようです。彼は特に問題のない普通の高校生で(たぶん)、大学進学を希望しており、やらなくてはいけないことは山ほどあります。単に勉強が嫌い、という結論は簡単ですが、どうも若者全体に蔓延している空気はそう単純なものではないらしい。
一所懸命勉強して、大学に入って、仕事に就いて、そしてそのあと何なの、何か良いことあるの、といった、我々が若いころには思いもしなかったけだるさを総体的に若者が持っているように思うのです。
やり場のないモヤモヤを持つことがいつの時代も若者の特徴だ、とも言われますが、現代の若者のそれは何かちがう。もっと気の毒な状態のように思えます。
甘えている、と言下に突っぱねるのも簡単です。
では、なぜ彼らは退屈なのか、なぜ甘えているのか。
この最も基本的な問いに答えることができなければ、若者のけだるさも甘えも、そしてたぶん少子化も好転しないと私は思います。
平和で豊かになるということは目標がなくなるということで、つまり、それは、希望がなくなる、ということであるならば、平和で豊かな状態のまま、刺激や希望の持てる国にするしかないではないですか。
もう貧乏には戻れないし、戦争だってしたくないのですから。
その健全な形というのはやはり、肉体的鍛錬につながる生産作業と愛国心教育だと私は思います。
収穫の喜びというのは人間の生の原点ではないですか。行動の目標が具体的に提示される、ということでもあります。
肉体的鍛錬は、もちろん、戦時中のような理不尽なものであってはならないし、愛国心教育も、どこかの国のように隣国を敵に見立てて国をまとめる、とか、独裁者を崇めさせ一方的に思想を押し付けるたりする教育であってはならないのは当然です。
「良い国を作ろう」これで充分ではないですか。
「愛国心」というと、悪いもののように忌み嫌う人たちが存在するのも事実です。しかし、国を愛する気持ちを持つのがどうしていけないのか、私にはさっぱりわかりません。
そもそも、自国を愛せなければ良い国なんか作れないし、良い国が作れなければ個々人の自由や幸せは守れないのではないですか。
しかし、「教育に農業を!」とか「愛国心教育を!」とか叫ぶ候補者がいれば、ぜひ一票投じたい、とは思うものの、こういうことを第一に掲げるのは決まってアヤしい泡沫候補なんだよね。
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コメント
またまたお邪魔
現代の高校生気質がどのようか詳しい事は この年齢になるとわかりません。
robitaさんの記事をみていると 高等学校 高校生と今は様変わりしているようですね。
私達田舎の高校生も 倦怠感 退屈を持っていたのは変りありません。
行動にはお金がない、バイトなんかもする場所がないで 制約を受けていました。
ただただ友達と野球 水泳 ほんのたまに映画 冬は小学校で篭球する。
今の高校生は 一人で家に居ても過ごせます。このへんは前の私たちとちがいます。
しかし人間って妙なもので、高校生の頃何かの拍子で変ることができるみたいです。良いようにも悪いようにもです。
この良し悪しになる%は 昔も今も変化ないとおもいます。
この程度は昔と差があるんじゃないでしょうか。
悪いほうでは 今は人を簡単に殺すようですね。人を殺して自分の人生潰すはめになることは避ける。これがいまないようです。
自分の行く末考える 今の高校生もあるでしょう。勉強するにしても体力これが私の自論です。落字誤字ごめんなさい。
投稿: kutinasi1 | 2004年9月30日 (木) 11時29分
kutinasiさん、コメントありがとうございます。
月曜日に書きます。
投稿: robita | 2004年10月 2日 (土) 09時57分