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2005年2月22日 (火)

天皇制について語ってみる

ベルリン映画祭にイッセー尾形主演の天皇の映画(ロシア映画)が出品され、賞はとらなかったものの好評を得ているそうです。

日本で天皇制問題を俎上にあげることに恐れをなしているあいだに他国に先を越されてしまったような気がします。

日本での公開は予定されてないそうですが、もし上映されればたぶん今よりもっと皇室関連問題が気軽に語られるようになるんじゃないでしょうか。

ブログで天皇制について掘り下げて語っている人はあまり見かけないのですが、(ikkiさんが皇室に対する気持ちを軽く語っておられましたが)やはりこういう問題ってタブーなんですか。

私は今まで、二つほど皇室について書いたと思いますが、怒鳴り込んでくる人はいなかったので大丈夫でしょう、きょうは天皇制の是非について書いてみたいと思います。ちょっとこわいけど。

_____

世の中には「天皇制など廃止すればいい」という考えの人もいます。
しかし、世界の王室と国民との関係を眺めていると、同じ人間だということはわかりきっているのにどうして人は王室という特殊な存在、現代においては不可思議とも言える存在を、とまどいながらも残しておこうとするのだろう、と考えざるを得ません。

理屈で説明できない「憧れ」を持っていたいのか。
大衆にはない「品位」をお手本として掲げていたいのか。
高尚な文化の担い手として存在していてほしいのか。
あるいは、平板な「平等」のお題目の裏にひそむ「退屈」より、「高貴」の具現を保存しておきたいのか。

あの、超大国アメリカ、ほしいものは何でも手に入る豊かな国アメリカの唯一のコンプレックスは、「王室を持っていない」などと言われますね。
フランス人は自分たちの手で1789年に王家を断絶させたことをちょっぴり後悔してるなんて話もよく聞きます。

たぶん、「雲の上の人」を仰ぎ見、垣間見ていたいという無意識の願望が人間というものにはあるのかもしれません。

「人間は平等だ!天皇制は理不尽だ!あんなものなくせ!」と気勢をあげる人も、いざ、皇室がなくなったら、「なんかつまんない」と、しょぼんとしてしまうかもしれません。
一度なくしてしまったものは二度と取り戻すことはできませんから。

ところで、皇室の人々にとっては、同じ人間なのに、崇め奉られ、自由が束縛され、人権もない、さぞかし窮屈なことと思います。だから、皇室にお嫁に行こうなんていう人も、皇女をお嫁さんにしようなどという人も少なくなり、皇室の結婚問題は年々深刻化します。
だから、先般の皇太子殿下の「人間宣言」(私たちだって人格があるんだ)は私にはよく理解できますし、発言を支持します。

しかし、だからといって、あまり一般の人と同じメンタリティを持ちすぎると、皇室の存在意義をなくすことになります。
英国の人々はスキャンダルにまみれた王室をいったいどんな気持ちで抱え込んでいるのでしょう。
ああいうの見てると、日本の皇室のお行儀の良さに感心します。

私はいずれ天皇制は終わりがくると思っていますし、世界中の王室もまたそういう運命にあると思っています。不条理そのものだからです。
しかし、今、痛切に願うことは、困難に満ちた皇室に希望と志をもって嫁したあの勇気ある女性にぜひとも元気になっていただきたい、ということです。
そのために、新しい時代の皇室のあり方について、皇太子ご夫妻の気持ちを国民がもっと真剣に酌んで差し上げなければいけないのではないかと思います。

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コメント

アワワワワアワ・・・!
ビックリしました。お久しぶりです
相変わらずグタグタの文ですいません

天皇制ね・・・どうなんですかね?
結構皇族側も気にしてるんじゃないでしょうか?
昔と比べて立場が「象徴」ということで微妙だし

例えばぼくが

天皇って何のためにいるんだよ?

と思ってるのと同じように
天皇も

私たちは一体なんなのだろう?
なんでこんな特別扱いをされているんだ?

と妙な違和感を感じているのでは・・・?
盛り立てられる側も大変ですねw

雅子さんについては直ぐに元気になるでしょう
心労の元が解決したという事で

投稿: ikki | 2005年2月22日 (火) 16時59分

ikkiさん、コメントありがとうございます。

>天皇って何のためにいるんだよ?
 と思ってるのと同じように
 天皇も
 私たちは一体なんなのだろう?
 なんでこんな特別扱いをされているんだ?
 と妙な違和感を感じているのでは・・・?<

これはね、ちょっと違うと思いますよ。
皇族のかたがたはそういう場所に生まれ育ち、自分たちの役割というものをしっかりと認識し納得しながら成長をされているものと思います。 つまりまぎれもなく人格の一部としてとらえていると思います。
逡巡はあると思います。それも一般大衆の人生と同じように(規模の差はあれ)、折り合いをつけながらの人生であると思います。

皇族や華族がたくさんいたころは、貴族社会というある程度広がりのあった社会であまり悩みもなく過ごしてこられたでしょうが、今のようにものすごく小さくなってしまった特殊な環境の中で、しかも、配偶者を民間から選ばなければならない、という状況では、天皇家も宮内庁もさぞ悩みが大きいだろうなあとは思います。
だから、皇太子殿下の「時代とともに変わらなければ」というご発言はまことに正しく、翻す必要はまったくないと私は考えます。

女性天皇についてですが、これはほんとうに問題が大きく、単に「男女平等」の考え方だけで解決されるものではないようです。
長くなるのでまたの機会にしますが、「男系男子」にどういう意味があるか、祭祀をつかさどる天皇の座に女性が就くこと自体が「祭祀」そのものを否定してしまうジレンマがあるとか、なかなか一筋縄ではいかないようです。

それから、ikkiさんがご自分のブログに書いていらっしゃる「皇室の人に対する敬語」ですが・・・
尊敬の念を持っていないのに敬語を駆使する場面なんて実際この社会にいくらでもあることですよね。
人間って「形式」の生き物なんです。
だとすれば、尊敬できない上司や大臣に使いたくもない敬語を使うより、皇族として自分を抑えて立派に生き方を示してくださっている天皇家のかたがたに私は敬意を表したいと思います。
日本社会の慣例上、「天皇陛下が崩御あらせられました」などと使うのを、私など違和感なく聞けるのですが、やはり年のせいでしょうか。

投稿: robita | 2005年2月23日 (水) 10時48分

はじめまして.
珍獣の杜さんとこから飛んできました.

あたしは天皇陛下がいてくださってほんとによかった〜と思ってます.理由は,海外からの要人とか他国の皇室の方とか来られたときに,堂々とホスト役として振舞えるのは,天皇陛下や皇室の方々をおいて他にいないと思うから.もし,天皇陛下がいなかったら,総理大臣ですか?うーん,どーかなー?なんか品格が足りなくないですか?それにしょっちゅう替わっちゃうし.

という,かなり具体的理由で,天皇陛下がいてくれてよかったなぁと思ってます.

偶然立ち寄ったに等しいので,次回,お邪魔できるようにリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?

投稿: とと | 2005年2月24日 (木) 00時57分

ととさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

 >海外からの要人とか他国の皇室の方とか来られたときに,堂々とホスト役として振舞えるのは,天皇陛下や皇室の方々をおいて他にいないと思うから.<

これはとても重要なご指摘だと思いますよ。
外交というのは、ただ相手の裏をさぐりながら駆け引きしたり丁々発止のやりとりしたり、というだけのものではないと思います。

武力で国際貢献できない日本はODAなどの経済協力に励み、敵を作らないよう努力を重ねてきました。そういう面で皇室外交というものも決して無駄でないどころか、かなり重要な役割を果たしていると思います。
見識教養高く洗練された会話で各国の要人と親交を深めることのできる穏やかで上品な天皇皇后両陛下、また皇太子同妃殿下を知って、世界の人たちは、こういう素晴らしい皇室を大切にする日本人に対し、敬意こそ示せ敵意など抱くはずがないと私は思います。まさに日本というお行儀の良い国を表す象徴という存在であると思います。

私は日本の大臣クラスの人々が外国の要人と会った時など、非常に気になるのですが、彼らは恥ずかしいのか、例外なく、握手してもすぐ目をそらします。最近では町村外務大臣とライス国務長官。ライスさんがじーっと町村さんの顔を見続けているのに町村さんのほうは一瞬顔を合わせただけですぐカメラのほう向いてしまいました。(町村さんは嫌いじゃないけど)、目ヂカラを使って気合入れなきゃだめでしょうが。そんなにすぐカメラのほう向かなくていいんだってば。

 >偶然立ち寄ったに等しいので,次回,お邪魔できるようにリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?

嬉しいです。どうかよろしくお願いいたします。

投稿: robita | 2005年2月25日 (金) 12時27分

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» 女系天皇か!?(速報) [百色華火〓momoiro-hanabi〓]
女系天皇・・・ 女性天皇・・・ どの呼び方が正しいんだっけ? ちょっと前に入ったニュースなんだけれど ついに愛子ちゃん(さま)が正式に皇位を継ぐことが決まったらしい ととさん、はじめまして。コメントありがとうございます。  >海外からの要人とか他国の皇室の方とか来られたときに,堂々とホスト役として振舞えるのは,天皇陛下や皇室の方々をおいて他にいないと思うから.< これはとても重要なご指摘だと思いますよ。 外交というのは、ただ相手の裏をさぐりながら駆け引きしたり丁々発止のやりとりしたり、というだけのものではないと思います。 武力で国際貢献できない日本はODAなどの経済協力に励み、敵を作らないよう努力を重ねてきました。そういう面で皇室外交というものも決して無駄でないどころか、かなり重要な役割を果たしていると思います。 見識教養高く洗練された会話で各国の要人と親交を深めることのできる穏やかで上品な天皇皇后両陛下、また皇太子同妃殿下を知って、世界の人たちは、こういう素晴らしい皇室を大切にする日本人に対し、敬意こそ示せ敵意など抱くはずがないと私は思います。まさに日本というお行儀の良い国を表す象徴という存在であると思います。 私は日本の大臣クラスの人々が外国の要人と会った時など、非常に気になるのですが、彼らは恥ずかしいのか、例外なく、握手してもすぐ目をそらします。最近では町村外務大臣とライス国務長官。ライスさんがじーっと町村さんの顔を見続けているのに町村さんのほうは一瞬顔を合わせただけですぐカメラのほう向いてしまいました。(町村さんは嫌いじゃないけど)、目ヂカラを使って気合入れなきゃだめでしょうが。そんなにすぐカメラのほう向かなくていいんだってば。  >偶然立ち寄ったに等しいので,次回,お邪魔できるようにリンクさせていただいてもよろしいでしょうか? 嬉しいです。どうかよろしくお願いいたします。 [続きを読む]

受信: 2005年2月22日 (火) 17時00分

» 「現代思想」の3月号を読んで [深夜のNews]
 「現代思想」の3月号は、松本清張の特集であった。松本清張というと、米倉涼子の『 ととさん、はじめまして。コメントありがとうございます。  >海外からの要人とか他国の皇室の方とか来られたときに,堂々とホスト役として振舞えるのは,天皇陛下や皇室の方々をおいて他にいないと思うから.< これはとても重要なご指摘だと思いますよ。 外交というのは、ただ相手の裏をさぐりながら駆け引きしたり丁々発止のやりとりしたり、というだけのものではないと思います。 武力で国際貢献できない日本はODAなどの経済協力に励み、敵を作らないよう努力を重ねてきました。そういう面で皇室外交というものも決して無駄でないどころか、かなり重要な役割を果たしていると思います。 見識教養高く洗練された会話で各国の要人と親交を深めることのできる穏やかで上品な天皇皇后両陛下、また皇太子同妃殿下を知って、世界の人たちは、こういう素晴らしい皇室を大切にする日本人に対し、敬意こそ示せ敵意など抱くはずがないと私は思います。まさに日本というお行儀の良い国を表す象徴という存在であると思います。 私は日本の大臣クラスの人々が外国の要人と会った時など、非常に気になるのですが、彼らは恥ずかしいのか、例外なく、握手してもすぐ目をそらします。最近では町村外務大臣とライス国務長官。ライスさんがじーっと町村さんの顔を見続けているのに町村さんのほうは一瞬顔を合わせただけですぐカメラのほう向いてしまいました。(町村さんは嫌いじゃないけど)、目ヂカラを使って気合入れなきゃだめでしょうが。そんなにすぐカメラのほう向かなくていいんだってば。  >偶然立ち寄ったに等しいので,次回,お邪魔できるようにリンクさせていただいてもよろしいでしょうか? 嬉しいです。どうかよろしくお願いいたします。 [続きを読む]

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