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2005年2月28日 (月)

資本主義への脱皮

ライブドア問題なんですけど、堀江さんが「哲学」や「理念」もなく、ただお金儲けのためだけに大企業を乗っ取ろうとしている、という批判がありますよね。
私も当初そう思っていましたし、今もよくわかりません。放送とインターネットを融合させればいろいろな可能性が期待できるし、メディアも飛躍的に発展する、とかなんとか説明聞いても、あまりよくわからないし、これ以上情報量ふやしてどうすんの、という気持ちもあります。

ただ、企業買収という資本主義社会のダイナミズムという点においては、もう抗ってはいられない、という世界的な情勢があるのかもしれません。アメリカではこんな企業買収はめずらしいことではないそうですね。

日本は「社会主義的資本主義」とよく言われますが、いままでは、そういう「もたれあい」「転覆も沈没もなくみんなが少しずつ幸せ」的な国の中で、国民はぬくぬくと暮らしてきました。
「鎖国」状態を続けるのならそれもいいかもしれませんが、世界が一つになろうとしている時にそんな一国平和主義はもう通用しないかもしれません。

ずいぶん前から、日本にとってこの時代は「明治維新」「第二次世界大戦敗戦」に匹敵する第3の大変革期だと言われてきました。しかし、日本の体制に目に見えて大きな変革は起こってないように見えます。人々は期待した小泉総理の「改革」にもがっかりさせられ、「なんだ、何も変わらないじゃないか」と失望しています。

たぶん、日本の「変革」は、政治じゃなくて、こういう経済界の思い切った動きによって「社会主義」から「ホンモノの資本主義」へと移行することから起こってくるんじゃないかしらなんて思います。

それを考えると、堀江さんは「金持ちになれる人間は遠慮なく金持ちになれ。それが世界に伍していける強いニッポンを作ることにつながるんだ」と言ってるようにも思えるし、そうだとすればそれなりの国家観を持っているとも言えますし、日本を変えようとする勇気ある先駆者と言えるかもしれません。

私はととさんのブログで堀江さんの国家観に言及したのですが、そういうふうに考えればすっきりします。

そして、その意味で私は若い世代がこの堀江さんを支持していることに明るい未来を感じます。だって、堀江さんのようなやり方、つまり、アメリカのような熾烈なホンモノの資本主義の競争にこの日本社会がさらされる、ということは、チャンスが増えると同時に手ひどい痛みをこうむる人も多くなる、ということで、その容赦のない荒波を若い人たちが「受けて立とうじゃないか」と言う、その勇猛果敢な姿勢に頼もしさを感じるからです。若い世代けっこう腹据わってるじゃん、覚悟決めてるじゃん、って。
単に年寄りと若者の喧嘩を見物して面白がっているだけでないなら。

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コメント

先日コメントしました「和論」のわひろです。
>若い世代がこの堀江さんを支持していることに明るい未来を感じます。
まったくの同感です。90年代前半以降、閉塞感に満ちた社会情勢だったからこそ、こういう破天荒な人物に期待してしまう気持ちは、なんとなくわかる気がします。仮に「金儲け」が目的だったとしても、「それは悪だ」と決めつける風潮に問題もあるかと。なんとなくライブドア批判って、年寄りのひがみに思えるのは私だけでしょうか?

※追記
毎回参考になる話が多いので、リンクさせてもらいました。

投稿: わひろ | 2005年3月 1日 (火) 00時03分

わひろさん、コメントありがとうございます。
若い世代が堀江さんを応援しているのだと思っていましたが、昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」によると、20代より30代より40代より、50代の人たちが一番支持してるそうです。
解説によると、保守に風穴をあけようと大きなうねりを起こした経験を持つ「団塊の世代」が、この若者にシンパシーを感じているらしい、とのことです。
それにライブドアが裁判所に申し立てをしていることが通れば、外資がもっと日本に流れ経済が活性化するということらしいので、そういうことがわかっている年代だからかもしれません。
堀江社長は好かんけど、という但し書きでライブドアを支持している人もいました。
毎朝門前に待ち構えるマスコミに穏やかにていねいに答える日枝会長と、インタビューでも人を小ばかにしたようなしゃべり方をする生意気そうな堀江社長じゃ、好感度は断然前者に軍配あがりますね。
ビジネス上でも品格の有無はものを言うようです。こんなこと言うと「くだらないこと言うのやめてくださいよ。上品な人しか株取引できないっていうんですか。」って堀江さんに突っ込まれそうですけど。

団塊の世代の私としては、リスクを背負っても挑戦しようという若者が増えてほしいと思うし、一方で年配者の言うこともよくわかるし・・・、でもやっぱり、「第3の大変革期」であるならば、辛くても進めなければいけないことなのかな、と思います。
ただ、今回は「放送」という、世論に大きな影響を与える業種であることが、多くの人の懸念の種になっているんじゃないでしょうか。フジサンケイグループというのがもともと政府と財界の複合体として誕生したそうですから、ここを制するということはそんな点でも大きな意味があるんでしょうね。

>リンクさせてもらいました<

ありがとうございます。

投稿: robita | 2005年3月 1日 (火) 15時59分

読んでいて,なぜか昔の自分を恥かしく思い出しました.TBしてみました.お暇なときに覗きに来て下さいね.
でもrobitaさんの言いたかったこととは,ちょっと違うかもしれないけど.

>だって、堀江さんのようなやり方、つまり、アメリカのような熾烈なホンモノの資本主義の競争にこの日本社会がさらされる、ということは、チャンスが増えると同時に手ひどい痛みをこうむる人も多くなる、ということで、その容赦のない荒波を若い人たちが「受けて立とうじゃないか」と言う、その勇猛果敢な姿勢に頼もしさを感じるからです。若い世代けっこう腹据わってるじゃん、覚悟決めてるじゃん、って。

この部分って,あたしは「あんたたち,覚悟できてる?」っていう感じに受け止めてます.

投稿: とと | 2005年3月 4日 (金) 22時22分

ととさん、TBとコメントありがとうございます。
ととさんの方に書かせていただきました。

 >この部分って,あたしは「あんたたち,覚悟できてる?」っていう感じに受け止めてます.<

覚悟しなきゃいけない時代が来ているんでしょうし、熾烈な社会は人を成長させるとも思います。(ひとごとみたいな言い方ですみません。若者だけでなく私たちもまたグズグズ生きてちゃいけないんですね。よおし!)

投稿: robita | 2005年3月 5日 (土) 10時21分

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同じ職場のおじさんが, 「いいなぁ〓,女性は・・・.結婚したら仕事辞められるんだ ととさん、TBとコメントありがとうございます。 ととさんの方に書かせていただきました。  >この部分って,あたしは「あんたたち,覚悟できてる?」っていう感じに受け止めてます.< 覚悟しなきゃいけない時代が来ているんでしょうし、熾烈な社会は人を成長させるとも思います。(ひとごとみたいな言い方ですみません。若者だけでなく私たちもまたグズグズ生きてちゃいけないんですね。よおし!) [続きを読む]

受信: 2005年3月 4日 (金) 21時27分

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