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2005年4月26日 (火)

国家って何、なんて考えたことあります?

kakuさんのブログで「ナショナル・アイデンティティ」についての論議が活発です。興味のあるかたはご覧になってみてください。

論客のひとり、真魚さんは仰います。
 【右派が主張している日本のナショナル・アイデンティティとは、きわめて偏った日本イメージです。】

天皇を頂き、日の丸君が代を崇めることが国を愛することなんかではないことはほとんどの人がわかっているのに、皇室の存続を希望し、日の丸君が代を好きだと言えば、それは国を愛することではない、と、あらためて言われてしまいます。

しかし、世界中の国々と同様、「歴史」がこの国を形作ってきたのはまぎれもない事実であり、その歴史の中で、政治的文化的に天皇制が果たしてきた役割が無視できないほど大きなものであるのも事実であり、皇室が好きとか嫌いとかにかかわらず、これが長い間かけてこういうかたちになって我々が住んでいるニッポンなんだという認識を持つのは、いったい無意味なことなんでしょうか。

無意味だとしたら、「国家」とはいったいなんでしょうか。

「天皇を中心とした神の国」などと言う気は毛頭ありませんが、歴史が作り上げてきた国の気風やわれわれ日本人の気質を無視する気も毛頭ありません。

真魚さんのコメントは続きます。
【今後は、「天皇」とか「皇国」とか「神道」とか「君が代」とか「日の丸」とかいったもの(のみ)を通して日本を愛するという教育はもう成り立たなくなると思います。】

私もそう思います。当然、「(のみ)」ではおかしいです。
それでは、国家のアイデンティティをいったいどうするか、という話になりますと、これはまた古臭いイデオロギー論争、終わりなき神学論争を招きかねません。

真魚さんは、「嫌国教育」へのコメントで、
 【「がっこう」というところは、そもそも偽善なんですよ。】
 【「がっこう」というのはそうした偽善を教えるところなんです。】

上のように書いておられます。
これは正しいと思います。子どもに道徳をたたきこむのは社会の秩序を安定させるために必要なことです。
同時に、「国の発展」を願い、「国のために働く」ということを教えるのも必要なことです。どうしてかというと、それが結局は自分たちの幸福につながるからです。

大国になりたい、とか、きちんと主張する国になりたいとか、他国とうまくつきあいたいとか、そんなことは手段であって、結局は「幸せになる」、というとっても単純な目的のためなんですよ。

だから、今、中国のなりふりかまわぬ図々しさを私たちは苦々しく見つめますが、ある意味、あの「愛国教育」は国家としては当然のことをやっているのだと思います。へたですけどね。
他の国々はひんしゅくを買わないようにもっとうまくやってるんじゃないでしょうか。
もしかしたら中国は「偽善」が大嫌いな国なのかもしれません。

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コメント

robitaさん、またまた取り上げていただき有難うございますそしてコメントも。

>これは正しいと思います。子どもに道徳をたたきこむのは社会の秩序を安定させるために必要なことです。<

私は「道徳」や人としての「倫理」「理想」を「偽善」とは言いたくありませんね。そういうナナメな視点が9/11の際の日本人の中途半端な冷血な態度を取らせた、と思います。

ところで私、ロストを初め皆さんがなぜそんなに「愛国」に反応を示すかが分からないんです。robitaさん言うところの「原理主義者」の悲しさなんでしょうか。物事って、知れば知るほど、考えれば考えるほど見えなくなってくる、私はそれが一番怖いです。

投稿: kaku | 2005年4月26日 (火) 22時35分

kakuさん 、コメントありがとうございます。

>私は「道徳」や人としての「倫理」「理想」を「偽善」とは言いたくありませんね<

はい、たしかに。でも、私なんとなく真魚さんの仰る意味がわかるんですけど、やっぱり人間って「幻想」を持ちながら生きる生き物だと思うんです。国家という幻想、明るく仲の良い家庭という幻想、男女平等という幻想・・、「偽善」という言い方はもしかしたら間違っているかもしれないけど、ニュアンス的にはそんなところかなあ


 

投稿: robita | 2005年4月27日 (水) 10時29分

>ところで私、ロストを初め皆さんがなぜそんなに「愛国」に反応を示すかが分からないんです。<

たぶん、日本以外の他の国の人たちが「愛国」を当然のこととして特にそんなこと議論の対象にもならない(そうなんでしょ?)、そういう現実をkakuさんが知ってるからなんじゃないでしょうか。

投稿: robita | 2005年4月27日 (水) 10時30分

>robitaさん言うところの「原理主義者」の悲しさなんでしょうか。物事って、知れば知るほど、考えれば考えるほど見えなくなってくる、私はそれが一番怖いです。<

「物事の根本に立ち返れ」というのが「原理主義」なら、私は原理主義者なんですが、(ま、何が根本かはこれまた議論百出だと思いますが)、いうなれば、一番搾りだのスーパードライだの生搾りだのいろいろ飲んだけどやっぱり昔ながらのビールに戻っちゃうね、とか、インスタントラーメンいろんなのが出たけどやっぱり原点のチキンラーメン結構おいしかったじゃないの、みたいな、あ、ちがいます?
でも、ロストさんたちと議論したことは決して無駄でなく、そういうプロセスは大きな意味があると思いますよ。ロストさん冷静な良いかただったじゃないですか。 

投稿: robita | 2005年4月27日 (水) 10時32分

失礼します。

>robitaさん
>ロストさんたちと議論したことは決して無駄でなく

嘘でもそう言っていただけるのは嬉しいです。


私にとって有意義だったのは

>「道徳」や人としての「倫理」「理想」
このように「当たり前」と主張すれば
済むと思っている人とは議論にならない

この点です。


「当たり前」「道徳」「倫理」などは
時代とともに変化します。
(江戸期に庶民にまで浸透したといわれる
 「貞女は二夫に見えず」等)

「理想」にいたっては人間の数だけあるとも考えられます。

投稿: ロスト | 2005年5月 7日 (土) 14時16分

私は冷静を保つよう努力しましたが、残念ながら
熱くなってしまいその点、robitaさんには謝罪します。


しかし、年長者に対して失礼ですが
kakuさんの
「人を小馬鹿にするような態度」
には正直閉口してしまいました。

私は、保守の方の考えは大好きですが

自分を信じて疑わない保守とは話をしても
無駄だと感じました。
それこそ宗教のように。


話せばわかると思っていた私の若さを
再認識できたのも収穫でしょうか。

では、ご迷惑をお掛けしました点
お詫びします。
失礼しました。

投稿: ロスト | 2005年5月 7日 (土) 14時16分

ロストさん、こんにちわ
>嘘でもそう言っていただけるのは嬉しいです。<

嘘じゃないです。

 >私は冷静を保つよう努力しましたが、残念ながら
 熱くなってしまいその点、robitaさんには謝罪します。<

私はネット上で冷静でない人いっぱい見てきました。ロストさんは問題ないと思いますよ。

 

投稿: robita | 2005年5月 8日 (日) 14時54分

>kakuさんの
 「人を小馬鹿にするような態度」
 には正直閉口してしまいました。<

kakuさんと私、掲示板でよくイヤミ合戦してたんです。その頃のクセが出ちゃった、というとロストさんには失礼ですけど、案外そんなところかなあ。
人間の会話って毒を含むと周りが注目するってことあるんですよね。そういう表現をすると読んでもらえるんです。「**さんの言葉グサグサきます。気持ちがいいくらい」なんて言われたこともあります。ネットは読んでもらわなければ意味ありませんから。
人間は建前で美しく飾らなくちゃいけない時もあるし、本音を「イヤミ」という形で表現することもまた会話の面白さだと思います。

投稿: robita | 2005年5月 8日 (日) 14時57分

このブログに「クソ真面目につっかかってくる人」が何人かおいでになりましたけど(最初の頃)、私ずいぶんイヤミを言わせていただきましたねえ。「いじわるなおばさん」みなさんそう思われたでしょう。いーんです。いじわるばあさんがいなきゃ世の中面白くないんですよ。
イヤミなんか絶対言いたくない、いつも良い人でいたい、みんなと仲良くしたい、そういう人はそういう人ですごく立派なことだと思います。
でも、皮肉、イヤミ、毒舌、こういうのをうまく使えれば会話って格段に面白くなるんですよね。きれいごとばかりじゃなく。
ただ、kakuさん自身とても真面目な人なので、イヤミがまだ板についてないのかも(kakuさんごめんね)。

投稿: robita | 2005年5月 8日 (日) 14時58分

>「当たり前」「道徳」「倫理」などは
 時代とともに変化します。
 (江戸期に庶民にまで浸透したといわれる
  「貞女は二夫に見えず」等)

 「理想」にいたっては人間の数だけあるとも考えられます<

このことは、あの議論とはまた別の話なんですが(私も当ブログの過去の記事でそういうことを何度か言っています)、それを言い出すとまた本筋と離れて「言葉」とか「価値観」についての話を延々としなくちゃならなくなります。
ロストさんの仰るように、

 >自分を信じて疑わない保守とは話をしても
 無駄だと感じました。
 それこそ宗教のように。<

お互いに相手をこう思ってしまうんです。

ところで、ロストさんお若いんですね。落ち着いた文体なので意外でした。

 >では、ご迷惑をお掛けしました点
 お詫びします。
 失礼しました。<

なにもご迷惑なことなどありませんて。恐縮してしまいます。

投稿: robita | 2005年5月 8日 (日) 14時59分

>kakuさんと私、掲示板でよくイヤミ合戦してたんです。その頃のクセが出ちゃった、というとロストさんには失礼ですけど、案外そんなところかなあ。

やはり私の言い過ぎですよね。自己嫌悪。

私もリアルやweb上で目上の方に対して
軽口をたたくことがありますが
前提として、「ある程度見知った相手」に限りますが。

>お互いに相手をこう思ってしまうんです。

これには心底同意します。

「ある程度見知った相手」でないのが理由ではないかと
感じますがいかがでしょう?

投稿: ロスト_29 | 2005年5月 9日 (月) 09時38分

webで「ある程度見知った相手」になるには
過去の発言を読むなり、相手の考えを知ることが重要だと
私は考えています。

そのためにも

「それを言い出すとまた本筋と離れて「言葉」とか「価値観」についての話を延々としなくちゃならなくなります。」

延々としていてはキリないですが
ある程度前提を共有することなしに議論は成り立ちません。

しかも本筋にその「価値観」等が
含意するならばそれこそ避けられないのではないでしょうか?

そして「ある程度見知った相手」になるためにも。


ただこれは、相手に強要できるものではないので

「いちいちいってられない」
と言われれば、こちらとしても退くしかありません。
理解し合うことなくすれ違ったと認識します。

投稿: ロスト | 2005年5月 9日 (月) 09時46分

ロストさん、コメントありがとうございます。
一読して、この人はわかり合える人だと思いました。(もちろん以前からの文体でそう感じていましたが)

「ある程度見知った相手」になりたいですね。
もし、ブログをお持ちでしたら教えていただけるとすごく嬉しいです。

いきなり「ナショナルアイデンティティの確立のしかた」なんていう困難な問題から入ったので、ちょっとぎくしゃくしてしまったのかもしれません。

投稿: robita | 2005年5月 9日 (月) 11時29分

>「いちいちいってられない」<

これはね、正直言ってある程度本音です。
私も色んなことに興味があって、書きたいことがあふれていて、もちろんみなさん同じでしょうが、現実生活も抱えています。
だから、申し訳ないけど、「ある程度本音」と遠慮なく言わせていただきます。

でもね、ロストさん色々な話しませんか。
このブログはテーマが一貫してなくて話題が雑多です。
話をするうち、人となりもわかってくるし、毒舌をぶつけ合える仲にもなるんじゃないですか?
分かり合うって、やっぱり時間をかけないとだめだと思うんです。

投稿: robita | 2005年5月 9日 (月) 11時32分

ロストさん、robitaさん、私の名前が度々上がっていると無視できぬ性格ゆえ、ちと言わせて頂きますね。

私はイヤミなどを言ったつもりはないんですよ。議論の本筋でふざけたつもりも無いのです。ただ、山口百恵はふざけたかな。それは謝罪します。

もう一度読み返していただけると嬉しいのですが、私のしていたことは常に「話を本筋に戻す」ことだけなんですよ。議論はお友達との日常会話とは異なります。ちょっとずつ論点がずれていっても見過ごして、最後は何となく…と言うことは私は敢えてしないようにしています。

私はそれを「いじわる」ではなく、「優しさ」だと思ってしまうので、私の感覚がずれているのかもしれませんね。

投稿: kaku | 2005年5月 9日 (月) 12時32分

ところでロストさん、真魚さんがコメント下さっていますよ。真魚さんは議論するうえで本当に愛のある対応を下さる方です。私のところがお嫌ならば、彼のブログで是非、お胸を借りてみてはいかがでしょうか。鍛えられますよ。

投稿: kaku | 2005年5月 9日 (月) 12時32分

私のblogなどはつまらないものなので
明記しませんでした、申し訳ないです。

>これはね、正直言ってある程度本音です。
当然だと思います、わかります。

で、これが「議論をする」となると
話は別です。

私は、彼の場所で議論にたどり着く前
前提の共有を失敗した段階で、撤退しました。

理由は、前提の共有を
「いちいちいってられない」
という理由で拒否されたからです。

投稿: ロスト | 2005年5月 9日 (月) 13時10分

たまごが先かにわとりが先か?

これが水掛け論になる理由は

たまご・にわとりという語の定義を
せずに議論をはじめるからです。

共観的(シノプティク)
共観的な事柄=事実


「絶対的な何か」は共観的には話し得ないことがらに含まれます。

言うのが「めんどくさい」でも「当たり前」でも
結果は同じです。


使用されている語の意味を明確にしないまま
議論を進めることを私は有意でないと考えます。

>kakuさん
お気持ち感謝いたしますが
あなたのblogを見るのは当分控えるつもりですので
失礼ながら辞退いたします。

投稿: ロスト | 2005年5月 9日 (月) 13時27分

kakuさん、ごめんね。メールにしようかと思いましたが、裏でやりとりするより公開のほうが色々見えてくるかなと思います。もしかしたらかえってぐちゃぐちゃになるかもしれないけど。
当ブログの【中国人は悪くない】という記事のコメントの中、kakuさんの、>おおおお、そうですか、今度は「辛い」と言う単語が気になりますか<、こんな言葉が「小馬鹿にされている」とロストさんは感じられたのだと私は思っていました。
一方で、ロストさんもその前のコメントで、ちょっと「小馬鹿に」したような表現なさっています。その前をさかのぼってkakuさんのブログでの議論を見ると、いったいどうなんだ、そっちが先だ、いやあんたのほうだ、という話になってですね、それこそ本筋ではありません。

投稿: robita | 2005年5月 9日 (月) 18時17分

「真魚さんの胸を借りたらどうですか」はちょっとキツイかなあ。キツイよぉ。いや、kakuさんは「イヤミでもなんでもない、文字通りの提案です」と仰るかもしれないけど、言われる方はそうととれないかもしれない。プライド傷ついちゃうかもしれない。。
お二人とも優れた論客なのに、言葉の使い方だけでお互いに不快感を持ってしまうのはもったいないと思います。

投稿: robita | 2005年5月 9日 (月) 18時18分

robitaさん、まあ…人には「相性」があるのではないでしょうか、と言う以上の言葉を私は持ちません。

自分より深い知識を持っている人に話を聞かせていただくのを「胸を借りる」と表現しますよね。私自身、真魚さんに借りまくり…と認識しています。そもそも私にはどうしてそれが「プライドを傷つける」のかも分からないんですよ…そんなんだから、robitaさんに「イヤミ合戦」と思われていた事にも気づかずにいたのだと思います。正直、ビックリ&ショック。

今後は、心に留めつつお話する様にします。

投稿: kaku | 2005年5月 9日 (月) 21時51分

人と人をとりなすのってむずかしいですね。どっちかをたててるつもりもないんですけど、あっちをたてればこっちがたたず、みたいなことかな。

人間関係(特に字だけの場合)には誤解がつきものですし、「相性」、これもつきもの。

ま、こんなところです。

投稿: robita | 2005年5月10日 (火) 11時08分

robitaさんお気遣い感謝します。

>kakuさん
>自分より深い知識を持っている人に話を聞かせていただくのを
>「胸を借りる」と表現しますよね。
ご存じのとおり相撲用語からきています。
相撲の世界は年齢よりも実力主義ですから
そういった背景から言葉が生まれました。

・「胸を借りる」を私がへりくだって使うのと
・第三者(kakuさん)が上位(真魚さん)下位(ロスト)の認定を勝手に行う。
これはまったく意味が違います。


これを、私の中の「常識」では

「失礼な行為」と判断します。


まあ、年長者にありがちなのですがね。
なので、私は彼のblogより撤退しました。

投稿: ロスト | 2005年5月10日 (火) 11時41分

「真魚さんの胸を借りたらどうですか」
という表現で傷つくプライドは
残念ながらありませんでした。

思った事は


この人は
悪意があるのか
失礼なだけなのか
はたまた
自分の言葉で第三者がどう感じるか
想像する能力の欠如ゆえなのか


いわゆる

「お話にならない」

と感じました。


robitaさんのblogにこれ以上居座るのは
お二人のご迷惑になりそうなので
これでコメントをお仕舞いにしたいと思います。

お付き合い有り難うございました。

投稿: ロスト | 2005年5月10日 (火) 12時03分

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