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2005年6月20日 (月)

アメリカってそんなに悪い?

9.11テロ以後、私のような家庭の主婦も、アメリカや中東問題について少しは考えるようになりました。

当事者ではないので報道で判断するしかありませんが、アメリカについては、だいたいは「覇権国家アメリカの横暴が世界の混乱を招いている」みたいな論調です。

でも私は過激なイスラム原理主義者の行動やそれらにシンパシーを寄せる勢力の言い分を見聞きしていて、「思い込みに陥ってるのではないか」といつも思ってきました。

アメリカの、自分勝手とも見えるあれらの行動はいったい何であるか。
石油利権、武器産業、ユダヤ系米国人の陰謀、そりゃあ、ありとあらゆるアメリカの悪口が並べ立てられます。
アメリカは一人勝ちしたい、つまり、自分たちだけが豊かに暮らせればそれで良いと思っている極めて自分勝手な国家だ、なんて非難され続けます。

でも、ほんとにそうなんですか?
私はね、アメリカが一人勝ちで憎らしいからアメリカのやり方に反対する、という考え方はよくないと思うんです。
アメリカが世界を支配したいなら、そして、そうすることで一応は秩序が保たれ、今より多くの人が幸せになれるというならそうなれば良いと思うんです。

アメリカが世界で一番強くて豊かなのはまぎれもない事実です。
そのアメリカに抵抗、反対することで混乱が長引き、多くの不幸な人たちがなかなか幸せになれないのなら、むやみとアメリカ批判を続けることが私にはとてもむなしいことに思えてきます。
極端な言い方をすれば、世界中がアメリカの味方になればテロリストは活動できなくなるんじゃないですか。
もちろん、実際の国際関係というものはそんなに簡単なものではないでしょうけど、少なくとも、アメリカ批判することでテロの乱暴狼藉に口実を与えてしまうような愚かしい真似だけはやめたほうがよろしんじゃないですか、と私は繰り返し言ってきました。

アメリカは世界のそれぞれの国の文化までも破壊しません。

「厳しい競争に勝った人間だけが富と名声を得られ、享楽的な生活を楽しめる。そしてそれは精神の荒廃につながり、『アメリカ化』の名のもとに、世界中を汚染する。ディズニーランド、ファスト・フード、若者の風俗・・・、これらの影の部分が教育の崩壊、精神の崩壊を引き起こしている。」

アメリカ化に対するこういった批判がそこここに見受けられますが、これは言いがかりというものではないでしょうか。

何もかもアメリカが悪いのでしょうか。教育の荒廃までもアメリカのせいにするのでしょうか。
アメリカ文化が危険だと思うのなら、拒否する意思はこちらが持つべきですし、そういう時の愛国心じゃないんですか。

・・・・・、というようなことを、9・11テロの後、私はYahoo掲示板に書き続け、反米サヨクの人にずいぶん意地悪をされました。

実際は彼(彼ら?)は、私の言うことに対して、きちんとした反論をするのでなく、ただネチネチと嫌味を書き連ねてくるだけでしたので、まったく「議論」というようなものではありませんでしたが。

ところで、こんなことを書いているのは、舎 亜歴さんの記事を読んだからです。

同時に、先日6月6日朝日新聞「時流自論」で池内恵(いけうち・さとし)氏の評論を思い出したからです。

「中東論が映す日本の思想状況」と題されたこの一文で、池内氏は、次のように述べます。

【・日本の中東論では、関心は中東ではなく、自動的にアメリカ論に転化していく。背景は「中東=反米」という印象が根付いているからだ。しかしこれは正しくない。中東の諸問題を生み出したのは米国ではない。イギリスの中東政策である。
 ・「米国がアラブの腐敗政権を支えた」というより、「フセインはソ連が育てた」、というほうが事実に近い。
 ・アフガニスタンに侵攻して長い内線を引き起こしたのはソ連であって米国ではない。
 ・どうやら「米国が全ての原因であるはずだ」という固定観念と「米国を批判してスッキリしたい」という欲求が先にあるようだ。】

長い文章の中から、抜粋しました。
あまり要約してしまうと、文章の本意が伝わらなくなるかもしれませんが、全体を読みたいかたは、ネット検索するとどこかに出てるかもしれません。
こういうの載せてくれるから朝日新聞好きなんだ。

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コメント

robitaさん、

これについては、僕も以前ブログに書きました。もうお読みかもしれませんがTBしておきます。

投稿: 真魚 | 2005年6月20日 (月) 22時51分

>真魚さん
今見てみたら、私が初めて真魚さんのところにお邪魔したのが去年の8/15ですね。TBしていただいた過去のこの記事は、日本と比較してすごくわかりやすいですね。
そういえば、掲示板やってた頃、私が「イラクの人はなんでこうも自立心がないんだ」と批判して、kakuさんに叱られたことがあります。まあ、これは私が「比べて北朝鮮の人民は、独裁者さえいなくなれば勤勉に働き、きっと良い国作りに励むだろう」と、イラク人の怠惰さみたいなことを言ったので、kakuさんは、人間には民族によって怠惰だとか勤勉とかの差はないはずだ、ときっぱり仰ったのです。
でも私はその時こう書いたと思います。「なぜ、『このままではいけないのだ。一刻も早く戦いを終わりにして、新しい国を作らなければならないのだ』と、言論でリーダーシップをとる人がイラク人の中から出てこないのでしょう。」と。真魚さんの仰ること全く同じですね。

投稿: robita | 2005年6月21日 (火) 10時23分

つづき、

私の今回の記事の主旨は、「アメリカ帝国が世界を平定して何が悪いの?」ということなんですが、こういう考え方は間違っているのでしょうか?

投稿: robita | 2005年6月21日 (火) 10時28分

robitaさん、

「アメリカ帝国が世界を平定して何が悪いの?」という考え方は、間違っているわけではありません。英米に従っていればすべてうまくいくという考え方をする人は数多くいます。

重要な点は、ここちょっとややこしいですが、アメリカは果たして本当に「帝国化」しているだろうかということと、果たしてアメリカは「帝国化」しえるのだろうかということだと思います。アメリカという国は、もちろん世界中に影響力があるわけですが、あくまでもアメリカ合衆国として世界に影響が強いだけで、「地球連邦の政府」になっているわけではないです。

投稿: 真魚 | 2005年6月22日 (水) 00時09分

(つづき)

次に、それではアメリカは「帝国化」すべきなのだろうかということについては、アメリカは本来「共和国」であって「帝国」になる必要はないと主張する知識人がアメリカ国内にも数多くいます。実質的に「世界の警官」をやるには負担が大きく、今後もアメリカはその負担に耐えることができるかどうかは疑問視されています。

つまり、「アメリカ帝国が世界を平定して何が悪いの?」という問いかけは、今のアメリカが世界を平定しうるということが前提になっていると思いますが、その前提が果たしてそうなのか、そうであるべきなのかと疑問に思う人はアメリカ国内にも数多くいるということです。まーアメリカは超大国みたいに見られていますが、実質的にはいろいろ問題を抱えているんですよ。

投稿: 真魚 | 2005年6月22日 (水) 00時09分

「帝国」というのはもちろん比喩的な表現で、ローマ帝国や徳川幕府みたいにみんなを飲み込んで面倒をみたり支配したりということではなく、「帝国化」し得るかどうかは当のアメリカ自身が一番よくわかっているはずですよね。
要するに、民主主義という、もっとも混乱を少なくする方法をアメリカが世界中に広げようとしているのをどうしてみんなでサポートしないんだ、ということなんです。アメリカにどんな陰謀があろうがなかろうが、とにかく「民主主義を広めよう」と言ってるのだから、そのことに世界中が協力したら良いと思うんです。
大事なことは、今、食べたくても食べられない人、病気になっても医者に見てもらえない人、教育を受けられない人をなんとかしてあげなければいけないということでしょう。戦争を長引かせることでそういう人たちの生活がなかなか改善されないのはおかしいと思います。

投稿: robita | 2005年6月22日 (水) 08時47分

アメリカはもともと人工的な国ですから、自分たちの政治システムは世界一良いものだと信じていますし、だから、こうした良いものなのだから世界に広めたいという意識があります。これは、アメリカの善意でもあり、おっせっかいとも言えます。

ニューヨークタイムズの記者のトーマス・フリードマンという人は、マクドナルドがある国は戦争をしないと書いています。今の時代は、国がお金を得ようと思うのならば、どうしてもグローバル経済に参加する必要があります。robitaさんは「アメリカは世界のそれぞれの国の文化までも破壊しません。」と書かれていますが、グローバル経済はその地域の伝統的な文化を破壊するとは避けられません。問題なのは、その社会にとって、それは新しい時代への進歩なのか、それとも古き良き価値観の破壊なのか。どちらであるかは、その人の年齢や立場でおのおの異なると思います。

投稿: 真魚 | 2005年6月24日 (金) 01時41分

(つづき)

アメリカの民主主義は良いものなのだから、すぐに導入しようじゃあないかということにはなかなかなりません。さらに、民主主義を導入するだけでオワリにはならず、それに付随してまた様々な問題も起きます。もちろん、戦争なんかやっている場合じゃあないんですけど。

人間というのは、度し難いところがある、というその一言になってしまうのかもしれません。まーしかたありませんね。それが現実ですから。人は、その現実をしっかり認識して、少しずつ良い社会へ向かって歩んでいくしかないようです。

投稿: 真魚 | 2005年6月24日 (金) 01時42分

>真魚さん、
>グローバル経済はその地域の伝統的な文化を破壊するとは避けられません<

古代から人間は戦争をし文化の破壊、融合を行ってきて、それがすなわち歴史ですよね。
その中でこれだけは、と歴史の荒波に揉まれながらも守ってきたものはあるし、郷土を愛する心のなせるわざだと思います。

とにかく私が思うことは、アメリカ批判して反戦を唱え、それで自分は平和主義者だと悦にいってるだけでは、いま、現在、苦しんでいる人たちの助けにはならない、ということです。

投稿: robita | 2005年6月27日 (月) 09時25分

robitaさん、

>>その中でこれだけは、と歴史の荒波に揉まれながらも守ってきたものはあるし、郷土を愛する心のなせるわざだと思います。<<

ニューヨークタイムズの記者のトーマス・フリードマンは、それを「レクサスととオリーブの木」という本のタイトルで表しています。グローバル経済がトヨタの車の「レクサス」で、みんなそれを欲しいと思うと、しかしその一方で古くからある共同体の価値観のようなものを「オリーブの木」という言葉で表し、こちたも捨てがたいと思うと。

>>アメリカ批判して反戦を唱え、それで自分は平和主義者だと悦にいってるだけ<<

そうですね、ただ嫌米であるのではなく、例えばそれではグローバル経済をどう考えるのかとか、国の安全をどう保証するのかといったことを考えることが必要ですね。ただのアメリカ嫌いでは感情論になってしまいます。

投稿: 真魚 | 2005年6月27日 (月) 22時19分

(つづき)

今の時代は、例えばベトナムでは資本主義が広がっていて、若者の多くはアメリカへ行きたいと思っているそうです。ホー・チーミンやベトコンの精神はどこへ行ったんでしょうねということになります。今の中国なんて、毛沢東が見たら怒るでしょう。つまり端から見ると、なんだかんだ言っているけど、ホンネではみんなアメリカみたくなりたいんじゃあないかということになっちゃうんです。トーマス・フリードマンの言う「レクサス」ですね。で、その反動としてイスラム原理主義みたいなものが出てきます。「オリーブの木」至上主義とでもいいましょうか。ようするに、こうした状況を踏まえて、アメリカをどう見るのかということを考えなくてはならないと思います。

投稿: 真魚 | 2005年6月27日 (月) 22時19分

>真魚さん、
 >レクサスとオリーブの木<
   
文化を破壊してるのはアメリカだけじゃないんですね。

 >若者の多くはアメリカへ行きたいと思って<

中東の人々も本音はアメリカに憧れてるそうですね。
もっとみなさん素直になったらどうでしょうか。アメリカと仲良くするとこんなに平和だよ、こんなに豊かになるよ、と言ってあげたいくらいです。
そういう日本は伝統文化こわれてませんよね?いつだって一所懸命守ってきましたよね。近代史見つめ直して日本人のアイデンティティというものを考えてみようという動きも活発です。民主主義という素晴らしいものも手に入れて、日本はまあ満足度の高い国と言えます。
時にはマクドナルドやディズニーランド楽しんで何の悪いことがありましょうか。

投稿: robita | 2005年6月28日 (火) 10時27分

要するに、この記事で真魚さんと私が話してきたような会話すら、中東の人々の間では行われることがないということが問題なのだと思います。

欧米民主主義国に住んで幸せに暮らしている中東出身の人たちはいったい何を考えているんでしょう。
何かを発信しようとは思わないんでしょうか。

投稿: robita | 2005年6月28日 (火) 10時31分

アメリカが帝国たるべきかどうかについて、確かにアメリカ人の中でも見解の相違はあるようです。ただどのように論争をつくしても、アメリカが大英帝国の後継者であるという事実は動きません。すなわち自由貿易、民主主義、市場経済、コモンロー、英語文化・・・・・大英帝国が作り上げた世界のシステムを受け継いだのがアメリカです。またアメリカ社会自体が大英帝国から生まれた社会です。
ただ、真魚さんも指摘されたように保守であろうとリベラルであろうとアメリカ人の中にも、この事実を認めたがらない人が多いのはもどかしいです。保守派の中には植民地時代から受け継いだ自主独立の気風を大事にしようという人もいます。こうした人達にとって、アメリカとはヨーロッパの権力政治から切り離された「約束の地」なので、帝国への進化には抵抗があるのでしょう。

投稿: 舎 亜歴 | 2005年6月28日 (火) 21時35分

(続き)
一方ですでに20世紀初頭には、外交問題評議会、ブルッキングス研究所、カーネギー国際平和財団といった現在でもよく知られたシンクタンクが林立しました。大英帝国に代わって自由主義に基づく世界秩序をアメリカが担うべく体制は、こうして出来上がっていきました。

こうしてみると、反米感情の持ち主はもっと歴史を振り返って欲しいです。アメリカ人にもこの自覚は欲しいです。

最近買ったばかりのEmpireという本では、イギリスの歴史学者ニール・ファーガソン(ハーバード大学教授、オックスフォード大学上級研究員)がこの問題を深く論じています。

投稿: 舎 亜歴 | 2005年6月28日 (火) 21時58分

続き

ちなみに在外の中東出身者についてですが、欧米で民主化運動を行なっている人も多いです。イラクの場合は亡命イラク人の働きかけでサダム・フセインが倒されました。

イランの場合は、欧米にいる活動家が国内の運動と緊密に連絡をとっているようです。これに関連して、レザ・パーレビ元皇太子の記事をTBします。リンク先をクリックするとテレビ画面も視聴できます。

投稿: 舎 亜歴 | 2005年6月28日 (火) 22時04分

>舎さん

 >亡命イラク人の働きかけでサダム・フセインが倒されました。<

えっ そうだったんですか。それはすごいことですね。なんだ、そんなすごいエネルギーを持っている人たちがいるんですね。
舎さんの「イラン大統領選挙」についての記事も読ませていただきました。亡命したパーレビ元皇太子もイラン国民自身による国の改革を呼びかけ、積極的に活動しているのですね。
知らないことばかりです。
イランの人は保守強硬派の大統領選んじゃって、これからどうするつもりなのかなあ。

投稿: robita | 2005年6月29日 (水) 11時10分

robitaさん、

亡命イラク人の声が、アメリカを動かしたことは事実です。イラクに大量破壊兵器があるとCIAに言ってきたのは亡命イラク人だと思います。イラク戦争後、アメリカ政府の中には、亡命イラク人にだまされたという見方も出てきました。

しかしながら亡命イラク人は、イラクの民衆からはあまりウケはよくありません。なにしろ、国を捨てて外国へ行った(行くことができたのはお金持ちだったから)ので、フセイン体制崩壊後、イラクへ戻った人々もいるのですが民衆の支持はいまひとつです。

投稿: 真魚 | 2005年6月30日 (木) 01時35分

>真魚さん、
貧乏人とお金持ちの間の境界人のような人が現れないとだめなんでしょうかね。
お金持ちへの妬みからは何も生まれない、と言ってくれる強力なリーダーが現れないものか。
貧しい人は貧しい人でいま現在のこの貧困状態をなんとかしてほしい、と思うのは当然のことだろうし、貧困を改善するためのお手伝いを日本などが率先してやるべきなのでしょうが、そのためにはまず、戦闘状態を終わらせなければいけない・・・・。
これはやっぱり、世界中が協力して、イラク(中東)に向けて大合唱しなければなりませんね。
中立放送局でも使って、誰か感動的な大演説してくれないでしょうか。

投稿: robita | 2005年6月30日 (木) 12時00分

robitaさん、

ですから、例えば北朝鮮は核兵器もっているぞとか言っているし、日本人を拉致し続けていて、それで国民は貧窮しているわけじゃあないですか、で、そうしたことに対して、そんなバカなことをするなと堂々と国連とかでなぜ言えないだろうと思います。イラクに対しても殺し合いしているんじゃねーとか、アメリカは横暴なことをするなとか。もっとストレートにホンネを言うことがなぜできないのかと思います。内政干渉をしてはならないということになっていますが、むしろ内政干渉し合って、お互いにガンガンホンネを言い合うようにならないものかと思います。

投稿: 真魚 | 2005年7月 1日 (金) 00時30分

そうだよそうだよ。みんな本音隠しちゃってさ、きれいごとばっかり言っちゃってさ、「やめろよぉ」とか「そんなことばっかりやってるとひとりぼっちになっちゃうんだぞぉ」とか「お前なんかに分けてやんないぞぉ」とか、ガンガン言っちゃえばいいのにねえ。

国際関係の微妙さ難しさを熟知している真魚さんにこんなことまで言わせてしまう世界が間違っとる!

投稿: robita | 2005年7月 1日 (金) 10時31分

robitaさん

貧富の格差とは良いところをついていますね。確かに今までの中東では豊かで一流な教育機会に恵まれた人が一般国民の生活向上に充分な関心を持ってなかったと言えます。ただし、中東にも自分の国にとどまって改革を行なおうという人が多くいます。亡命中の元皇太子、政治家、将軍・・・・こうした「偉い人」が国の体制変革を訴えるばかりではありません。

実は「幸か不幸か専業主婦」のような人からも男性から女性への暴力中止を訴えたり、地域社会の生活向上を働きかけたりという動きがあります。彼らも無気力に現状を甘受してはいないのです。

投稿: 舎 亜歴 | 2005年7月 2日 (土) 08時31分

イラクの不幸は、官僚機構という優秀なロボットはいてもイラク人自身から指導者がでてこなかったことでしょうか。

しかし真魚さん、
イラクの戦争が妥当か否かは別として、これを機会に世界から中東の改革への関心が高まったのは事実です。アメリカがそこまで言うのならということで、アラブ諸国も改革に向けて思い腰を上げでいます。ヨルダンやサウジアラビアなど王制諸国は上からの改革なので、国民にどこまで浸透するか?

そう考えると「幸か不幸か専業主婦」の出番でしょうか?政府には強大な権力があるように見えても、行動には大きな制約があります。だから本音で侃々諤々の議論ができないのです。

投稿: 舎 亜歴 | 2005年7月 2日 (土) 08時44分

>舎さん、
紛争の大きさゆえ、みんなが世界平和について考えるようになったのですね。必然といえば必然ですが。
ご存知かも知れませんが、「遅すぎないうちに」(カルメン・ビンラディン著)という本の書評を読んだことがあります。
スイスとイランの混血女性で、あのオサマ・ビンラディンの兄と結婚しサウジの富豪の一族になるも、スイスやアメリカでの生活が身についている彼女にはイスラムの習慣が耐えきれず、離婚し、その壮絶な経験を本に著したものです。すごくドラマチックで読み始めたらやめられないほど面白い、だそうです。
自由社会を知っているこういう中東出身の人たちの発信はこれからますます活発になるんでしょうね。

投稿: robita | 2005年7月 4日 (月) 11時16分

舎さん、

ご承知のように中近東の近代化では、トルコのケマル・パシャ(ムスタファ・ケマル・アタテュルク)がトルコ近代革命の英雄とされています。ケマル・パシャのような優れた指導者が中近東に今後現れるかどうかなのではないでしょうか。それは今の王族や外国亡命者たちからは現れないのではないかと思うのですが。欧米諸国はケマル・パシャの再来は望まないでしょう。そうした状況下で、イスラムの文化や伝統もよく理解し、かつ欧米の文明も理解する政治指導者が出てくるかどうかだと思います。

投稿: 真魚 | 2005年7月 5日 (火) 01時32分

そうした人物には、ノーベル平和賞のシリン・エバディ現テヘラン大学法学部教授が挙げられます。中東の場合、一般に思われているよりも女性の教育水準は高いので、期待できる人材が眠っているのではないでしょうか?

先進国も含めて、女性は未開発の人材資源という人もいます。

ケマル・パシャの再来?こうした大英雄の再来を目指すと、とんでもない人物が出かねません。そういえば、サダム・フセインは自らをナセルの再来に擬していたようです。

投稿: 舎 亜歴 | 2005年7月 7日 (木) 22時44分

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