ジレンマ?
日本人っておとなしい、あまり自己主張しない、と、これらが欠点のように言われます。
でも、日本が世界に類を見ない目ざましい経済発展を遂げたのは、そういう性格のおかげで国内闘争があまりなかったからかな、と思うことがあります。
つまり、国民が政府のやることにあまり文句を言わず、言われるままに働き、生活し、「不正を暴く」などという勇ましいことから遠ざかっていたからなんじゃないでしょうかね。
お上のはかりごとで着工された数々の構築物、例えば成田空港など、農民と左翼学生の生き残りなどが一緒になって正義の闘争を繰り広げるも、結局成田は完成し、経済発展に大いに役立つこととなります。
談合がけしからんと言って心ある人たちは憤激しますが、それはその業界のみならずまわりまわって国内経済全体を浮揚させるのだなんて話を聞くと、そんなものなのかあ、なんて思ってしまいます。
たしかに、我々の血税を無駄遣いすることは許しがたい行為なんですが、多くの人が「談合はなくならない」、経団連の会長さんまでがそういうことを言うに及んでは、何か庶民にはわからない経済のからくりが働いているのかなあ、などとぼんやり思います。
二大政党になれば、政権交代が可能になり、癒着が根付きにくい、だから、日本もそうなれば良い、などと私たちは思いますが、たぐい稀なるこの国の経済大躍進を支えたものは、政府のやることにあまり文句を言わず、黙々と働き続けた大衆の従順さだった、ということなのでしょうか。
不況からなかなか脱しきれないのは、民衆が目覚めて自己主張するようになったからなんでしょうか。
そんなことに今ごろ気付いたのか、と言われちゃいますかね。
日本的社会主義は今のところ最善のシステムなんだ、とか、芸術的民主主義なんだ、とか言われちゃいますかね。
コラム二スト山本夏彦のこんな言葉:
「この世は清廉潔白になるだろうに、しないのは彼らまた我らがみんなグルだということだ。浮世のことは笑うよりほかない、と何度も言うゆえんである。」
権力に挑みかかる気骨と、豊かさ、との二者択一ではないとは思いますが、どうなのかなあ。
しかし世界中がつながっている今、そういう日本的システムを終わらせないといけない時代なんでしょう。
日本人がそう決断すれば、しばらくは厳しい時代が続くかもしれませんが、たぶんそれを乗り越えないと本当の自由競争社会に到達することはできないでしょう。
でも、とりあえずは景気回復につとめなければならない・・・、私たちはジレンマに陥っているのですか?
経済のことが私にはわかりません。
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