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2005年8月 1日 (月)

人間には慈悲の心がある

6ヵ国協議での日本はカッコ悪い・・かな」の記事に友郎さんからコメントをいただきましたのでお返事を書きます。

私が「この世は弱肉強食」と書いたことに対して、友郎さんはこのように返されました。
>弱肉強食をとーぜんのように言い切るならばその異常な国家体制うんぬんは理由にならないのではないでしょうか?<

個人でも、国家でも、ある程度の「弱肉強食」と、ある程度の「助け合い」で、成り立っているのではないですか。「生存」とはそういうことだと思います。

「弱肉強食」というと、ライオンが容赦なく小動物をかみ殺すイメージがあるので残酷だというなら、「生存競争」と言い換えます。
弱肉強食というのは象徴的な言い方であって、「生存競争」だって、個人や国家にとって苛酷なものです。

佐藤貴彦著「大人の言うことを聞きなさい」という本の中にこういうことが書いてあります。

「先進国が豊かさのなかに“惑溺”している反面、第三世界では、生存権が“収奪”されるという事態があります。第三世界では人びとは、自分たちの固有の文化の中で生活を維持するために必要な、最小限の物質的・精神的基盤さえも失われており、それらの国ぐにの予算の半ばは、先進国からの債務の償還と軍事費に用いられ、弱きもの、子ども、女性、老人に不幸なしわよせが背負わされているのです。先進国による「暴力としての開発」ともいわれるのも、そのためです。・・・以下略。  大田堯『国連子どもの権利条約を読む』」

まったく、おっしゃること、ごもっともである。貧しい国の子どもたちは「最善の利益」を受けるどころか、慢性的な飢餓に苦しみ、「生きる権利」すらあやしいのである。ところが一方、先進国では穀物が余りに余って、それを牛や豚にやって、その肉をムシャムシャ食っている。しかもそのうえ、日本に供給された食料のうちの20%以上は残飯として捨てている。さらにそのうえ、ブクブク太りすぎてダイエットまでやっているのである!
いやいや、私はこういうことにいちいち憤慨しているのではない。ヨーロッパや日本などの先進国が贅沢しているということ、そのこと自体を非難するつもりなんてさらさらない。なぜなら、これは理念やイデオロギーの問題ではなくて、経済の問題であるからである。世界経済の上では、食糧というものは、自動車やパソコンと同じく、ひとつの商品であるにすぎない。それがいかに生命の維持のために必要不可欠なものであろうとも、購買力のないところには供給されないし、逆にカネのあるところにはいくらでも過剰に供給される。したがって、いかに穀物が豊富であろうとも、それは貧しい国の子どもたちの口には入らず、先進国の牛や豚のエサになる、ということが起こりうるのである。

したがって、この問題を根本的に解決するためには、少なくとも食糧の供給に関しては、経済構造を根本的に改めるしかない。すなわち、食糧にかぎっては商品流通とすることを止め、完全な配給制として国連の監視下に置き、世界中に平等に分配する。こうでもしないかぎり、第三世界の子どもの飢餓は絶対になくならない。
しかしながら、国連でそうした提案がなされることはない。なぜか。その理由は明白である。「第三世界の飢えた子どもたちのために、自分たちの食生活の贅沢をあきらめるつもりはない」というのが、先進国の人々のホンネだからである。__中略__ 自分は毎日肉をムシャムシャ食いながら、第三世界の悲惨な状態を嘆いているつもりになっているのだ 

この文をどう受け止められるでしょうか。
人の世とは苛酷なものですね。
でも、ライオンと違って人間には慈悲の心があります。それで、助け合いの精神を掲げ、肉をムシャムシャ食べながらも、少しでもおすそ分けをしようとするし、苦しんでいる人たちをなんとか救えないものかと知恵をしぼります。

で、私など、博愛精神が不足しているのか、隣のお子さんより自分の子どものほうが大事だし、遠いイラクの子どもより、北朝鮮に拉致された同胞の子どものほうがずっと可哀想なのです。早く助けてあげて、と祈らずにはいられません。
私は冷酷でしょうか。

もうひとつの友郎さんの疑問です;
>自国は核保有もしているし実験したがっているのに他の国が持つのはけしからんていったいどういう理屈なんですか?<

単刀直入に言えば、「持っていい国」と「持ってはいけない国」がある、ということではないでしょうか。

仮に、アメリカが、核を放棄したとすると、世界はどうなるでしょう。おそらく大混乱に陥るでしょうね。滅亡するかもしれません。

考えてもみてください。世にも恐ろしいあの超大国アメリカが、核を両手に引っさげて仁王立ちしてるんですよ。終末戦争へのこれ以上の抑止力がありましょうか。

世界はいつだって覇権争いです。ついこの間までソ連という国がアメリカと王者の地位を争っていました。そして今は中国が世界の覇者になろうとはりきっています。

私たち日本人にとって、世界の覇者はソ連がよかったでしょうか、それとも、中国がいいでしょうか。

アメリカはなんと頼もしい用心棒だろうかと思わずにはいられません。

それとも、日本も核武装して、ほんとうの「自立」を試みてみますか。

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コメント

>robita様

 丁寧なお返事ありがとうございました。(長くなるので2回に分けます。)

「弱肉強食」を「生存競争」と言い換えて考えますと納得できそうです。一つ気になるのは自分達身内が生きながらえるために必要最低限な奪取(敢えて汚い言い方をしますが)なら生存競争の範囲内と言えるでしょうが、過剰に力を鼓舞するのはどういう訳なんでしょう?私にはよく分かりませんがイデオロギー的な物なのか?何なのか?

>私は冷酷でしょうか?
 
 決してそのように思ったりしていません。私も家族が最も大切でもし家族が誰かに傷つけられたら理屈抜きで報復します。

>「持っていい国」「悪い国」
 
 これに対してのrobita様の考えは一つの考え方としてよく分かります。私も同じ考えです。でも、アメリカの下になりたくない、マクドナルドはいらないと考える人達も理解できます。

投稿: 友郎 | 2005年8月 1日 (月) 15時17分

また、アメリカ主導の協調体制がいいのか、EU、ロシア、中国などの他の大国が並び立つ「多極化」の状態(マルチ・ポラリズム)がいいのか世の中が変わろうとしている時期でもあるので http://tanakanews.com/ このままアメリカの軍事力に頼る事が出来るのかも怪しいです。

>佐藤貴彦著「大人の言うことを聞きなさい」より

 著者の言うことを実践するとなると共産国のようになりませんか?
 慈悲深い人間が集まった新しい国を作ってもらいたいです。そこはアメリカも口出ししてはいけないって事にして。
そうすれば軍事費をすべて生活に宛てられるじゃないですか。余ったらよそに上げればいいし。話しがズレましてすみません。

投稿: 友郎 | 2005年8月 1日 (月) 15時27分

>友郎さん、

>過剰に力を鼓舞するのはどういう訳なんでしょう?<

アメリカは自分たちだけ豊かになろうとしている、と思っている人は多いですね。
確かに、私も去年8/24の記事「太ったアメリカ人」で書いたように、アメリカ人の資源の消費の仕方を腹立たしく思います。でも、彼らはたぶん節約のしかたを知らないのです。それは周りが教えてあげて少しずつでも学習していけばいいと思います。
ただ、アメリカがイラクを攻撃したのはいろいろな理由はあると思いますよ。
虐げられたイラクの人たちもあの頃は「早く戦争起こしてフセインを倒してほしい」なんて言ってたわけですし。

投稿: robita | 2005年8月 2日 (火) 08時40分

(つづき)

アメリカの考え方には「民主主義を広める」、この理想を実現しようとする側面だってたしかにあるはずです。
そうでなければ、こんなに嫌われてまで、こんなに戦費を使ってまで、誰が戦争なんて恐ろしいことをやるでしょうか。
誰だって「いい子」でいたいのです。フランスやドイツや、そして世界の多くの国々は「戦争をしないこと」や「戦争に反対すること」や「戦争をするアメリカを批判すること」で、「いい子」になってます。
アメリカがひとり「悪い子」になってまで戦っているのはどうしてでしょう。イギリスはその「理想」を支えているんじゃないでしょうか。

投稿: robita | 2005年8月 2日 (火) 08時42分

(つづき)
>また、アメリカ主導の協調体制がいいのか、EU、ロシア、中国などの他の大国が並び立つ「多極化」の状態(マルチ・ポラリズム)がいいのか世の中が変わろうとしている時期でもあるので http://tanakanews.com/ このままアメリカの軍事力に頼る事が出来るのかも怪しいです。<

民主主義国が増えれば、世界をどうするかの話し合いももう少し進めやすくなるかも知れませんね。。


>著者の言うことを実践するとなると共産国のようになりませんか?<

もちろん、この人は共産主義的分配方法を提唱しているのでなく、第三世界の飢餓を憐れむ先進国の人々の欺瞞を皮肉っているわけです。
この文章だけ取り出すと、「実践しよう」と言っているように見えますね。
小気味の良い面白い本です。

投稿: robita | 2005年8月 2日 (火) 08時45分

>robita様

 お返事ありがとうございました。robita様のブログ上で私の愚問に対し誠実にお返事いただけた事、感謝いたします。

 今回のお返事でrobita様のヨーロッパ各国、対イラクの米・英の捉え方などが分かりました。ここからまたいくつかの論点が出てくるのでしょうが取りあえず一旦は閉じたいと思います。robita様のブログには他にたくさんの賢者方がいらっしゃっているようですので後はその方々はどう捉えていらっしゃるか興味があります。ありがとうございました。

投稿: 友郎 | 2005年8月 2日 (火) 13時50分

こんばんは.
私は,友郎さんのコメント中の賢者ではありませんが,2つの点でrobitaさんとは違う気持ちを持っています.
一つ目は,核を「持っていい国」と「持ってはいけない国」があるという点.二つ目は,アメリカが頼もしい用心棒という点です.

ここのコメント欄は長く書けないので,この話題には口を出すまいと思っていたのですが,友郎さんにつられちゃいました.(笑)
私の気持ちに関しては,自分のブログにまとめてみたいと思いますが,すぐにはまとまらないと思うのでちょっとだけ書いておきますね.

(次へ)

投稿: とと | 2005年8月 2日 (火) 23時02分

(続き)
甘いと言われるでしょうけど,私はやはり,核は全廃を目指すのが理想だと思っています.その過程では,持っている国と持っていない国が出てくるでしょうけれど.最後まで核を持っている国には,ちゃんと機能する民主主義が求められるし,世界との良好な関係や高度な外交手腕が求められるでしょう.
また私には,アメリカは頼もしい用心棒というより,子分を従えたガキ大将にも見えます.
今はアメリカと仲良しの日本ですが,60年前には2度も原子爆弾を投下した国です.いつまた,ケンカするとも限らないと思ってしまうのは杞憂なのかな?
もうすぐ8月6日です.被爆した祖父母や母や多くの親戚のことを思うと,核は使ってはいけないし,使えないものは保管していても意味がないはずだと思ってしまうのです.

投稿: とと | 2005年8月 2日 (火) 23時12分

>ととさん、

世界中の人が平和を望み、核兵器のみならず、武器を全廃すればこの世から戦争はなくなるでしょう。
仰ることはまことに正しく、私はこれ以上の言葉を持ちません。まいりました。
祖父母様、お母様またご親戚のかたがたが被爆なさったとのこと、辛い経験をお持ちなのですね。
記事、楽しみにしています。

投稿: robita | 2005年8月 3日 (水) 09時03分

>友郎さん、
私は57年生きてきました。
乏しい経験の中から、57年なりの歴史で色々なことを判断します。
ようするに、57歳の専業主婦のおばちゃんの考えることですから、たいしたことはないのです。どころか、ものすごい「悪」かもしれません。
またいらしてくださいね。

投稿: robita | 2005年8月 3日 (水) 09時28分

>とと様

 コメントありがとうございました。ブログ、楽しみにしています。(プレッシャーじゃないですよ(^。^)

>robita様

 以前、robita様は仰っていたじゃないですか。井戸端会議じゃ始まらない何かをご自分のブログで出来たらいいみたいなことを。そして、以前からあなたのブログのファンでもあります。言葉の使い方も好きでした。よく考えるととと様のように自分のブログにトラバさせる方がスマートですよね。
早く専用ブログを立ち上げたいと思います。そして、私はまだまだ若輩ものです。57年の経験からどんどん仰っていただいてそれに私なりに答えていきたいと思います。たまにはビッグコミック・オリジナルネタでも話しましょうよ。 

投稿: 友郎 | 2005年8月 3日 (水) 20時11分

>robitaさん,友郎さん

長くなってしまったけど,ようやく書きました.TBしました.
筆力が足りないので,上手く伝わるかどうかわからないけど,今の時点で思っていることです.
今後,考えが変わる可能性もあります.

普通の人の普通の考えのひとつと思っていただければ・・・・と思います.

投稿: とと | 2005年8月 6日 (土) 00時21分

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