« 投票率67.5% | トップページ | 続・「おばあさん仮説」 »

2005年9月13日 (火)

「本気度」を示すこと

昨日の記事で、「若者がワールドカップのノリで選挙に繰り出したのではないか」と書いたけれど、色々なメディア上でなされる分析を少しずつ見聞きしていると、そうでもないのかな、と思えてきました。
tomoさんが「選挙、すごい結果ですね」の中で、【本気度をアピール出来た政党が政権を執る事が出来る可能性を示唆しているのだと思う。】 と仰っています。

たしかに、小泉さんは「本気」に見えます。たぶん今度こそ「本気」なんでしょう。今までの4年間は妥協ばかりでがっかりだったけれど、「今度は本気だぞ」という気迫を国民が感じ取ったのかもしれません。

よく、「国民は小泉の扇動に酔っている」などと言われます。
そういう単純な人もいるかもしれません。でも、たぶん、そうでない人のほうがずっと多いのではないでしょうか。
いえ、「酔っている」というのは正確に言うと当たっているかも知れないのです。

私は思うのですが、実は、民というのは、いつの世も「殿」を求めているのではないでしょうか。
何か国民の心をつかむ絶対的な指導者の存在に憧れを抱く動物ではないのか、それが人間の本性というものではないのか、と今回の第二次小泉フィーバーを見ていて思いました。

それはなにも「我を忘れている」わけでも何でもなく、ただただ、「あなたの仰ることなら間違いないと思いますので、どうか我々国民のために君臨していてください」、という信頼感みたいなものでしょうか。
(おそらく、日本人が天皇制を手放したくない理由も人間のこんな根源的な性向に基づくものではないのかと思うのですが。)

私たちは既に、民主主義というシステムを手にし、安定して根付いています。その上での「独裁的手法」であるならば、それほど危険視する必要はないと思います。

人間というのは、蜂や蟻ではないので、「システム」だけで満足しません。想定外のことや理不尽といったものがごちゃまぜになったものが、次から次へとドラマを生み出す人間社会というものです。

小泉さんがかくも人気を博す理由は、「嫌われることを厭わない」というところだと思います。
媚を売る、とか、あっちにもこっちにも気配りをして嫌われないように努力しているところなど、まったく見えないからじゃないでしょうか。
これは、「国家を建て直す」ためにはなくてはならない姿勢です。

しかし、小泉さん、ずるいんだよねー。自分が何しても何言っても嫌われないキャラクターの持ち主だってことをしっかり承知してるんだから。

すごい自信家。

______

民主党に一言:
良い若手がたくさんいるんだから、この人たちを埋没させてはなりません。
左翼と手を切って(少数になってもいいではありませんか。「本気」を出せば国民が支持して育てますって。)、
「政策は自民党とそんなに変わらないのだからわざわざ無理して対立軸を作ることはない。手法と体質をこそアピールするべきだ」と力説していた野田佳彦さんを党首にしたらどうでしょうか。

|

« 投票率67.5% | トップページ | 続・「おばあさん仮説」 »

コメント

私の記事を取上げて下さってありがとうございます。

>民主党に一言。

 こうなったら自民党に入り直したらどうでしょうか?手法と体質をアピールしたのは小泉さんだったのですから。以前体質改善出来ていなかったらまた新党を結成すればいい話しですので。

投稿: tomo | 2005年9月13日 (火) 14時26分

 コメント・ありがとうございました。
 女性の方でこんなに落ち着いた評論を書ける方がいるとは心底ビックリしました(ちょっと失礼かな?)!どれもこれも素晴らしい記事です!
 忙しくて”カテゴリー分類”する暇がないので、分りにくいかも知れませんが、私の記事には「動物行動学」「生物学」に関するものが沢山あるのですよ!
 とりあえず一つTBさせていただきます。分類のほうも早く完成させますので、今後ともよろしくお願い致します。

投稿: 紫藤ムサシ | 2005年9月13日 (火) 15時26分

>>私は思うのですが、実は、民というのは、いつの世も「殿」を求めているのではないでしょうか。<<

と同時に民衆は、権力者・支配者を決して信用しないというしたたかさ、強さがあるのではないかと思います。今回の選挙の結果で、ネットでは、ようするに自民党をここまで選んだ民衆はなんてアホなのかという意見が多いのですけど、果たしてそう言えるのかどうかという気持ちが僕にはあります。

このへん、ショージキに言いますと僕もまた、例えばテレビの街頭インタビューで「民主党の言っていることはよくわからなかった」と言っている(自民党に投票したと思われる)有権者の言葉を聞いて、「なにを言っているのか、民主党の言っていることがわからないというのは、あんたが理解しようという意思がないからだろう」と思ったものなんですが。

投稿: 真魚 | 2005年9月14日 (水) 01時58分

(続き)

しかし、果たしてそう思うべきなのだろうかとも思いました。そこで、はったと思い出したのは、黒澤監督の『7人の侍』で、農民たちは野伏りに米を差し出して平伏しているようで、実は隠し米を持っていたというシーンです。農民というのは、したたかで、しかし力強いものなのだということです。そして、最後のシーンの勘兵衛の「勝ったのは農民だ」という言葉をよく考えてみると、これは今の日本もそうなのではないかと思いました。勝ったのは自民党ではなく、一般民衆なのではないかと。

投稿: 真魚 | 2005年9月14日 (水) 01時59分

(続き)

郵政民営化なら圧倒的な支持をしますが、増税となると手の平を返したように反発するでしょう。無党派層の支持ほど曖昧なものはありません。今の自民党は、その曖昧なものに乗っかっているだけです。政治家はそのことに気がつかなければ(つまり、支配者が民衆を支配するという意識があるから、選挙で圧勝すれば、これで民衆の支持を得たと思い込んでしまう)やがて民衆に足下をすくわれるだけです。

投稿: 真魚 | 2005年9月14日 (水) 02時00分

(続き)

小泉総理は民衆の絶対的支持を得たように論じている(だから、これはキケンである。こんな投票をした民衆はアホであるという)(これは結局、上からの視線の裏返しでしかない)意見が多いですが、実はその逆で民衆が野伏りに平服しているように見えるだけで、税金も年金も今回の選挙の争点ではなかった以上、なにがどう変わったというわけではなく、民衆からすれば、「ああそう、郵政民営化ね、結構なことじゃあないですか」とポンと自民党に投票しただけであった、ということなのではないかと思います。だたそれだけのことだったのではないか。それが小選挙区制という制度のために、こうなったしまったわけで。そして、このことだけで、自民党は国民の絶対的支持を受けたと騒ぐのも、あるいは、なんて民衆はアホで衆愚政治なのかと声高く言うのも、どっちもなんだかなあと思います。

投稿: 真魚 | 2005年9月14日 (水) 02時01分

(続き)

しかしながら、自民党は民衆の期待を受けたということは確かなことです。だから、これで世の中良くならなかったら自民党ってナニということになります。なにしろ、過半数をとったんだから、もう「野党の反対があって」とか「抵抗勢力があって」とかいういい訳はできなくなりました。つまり、追いつめられたのは民主党だけでなく自民党もまた有権者によって追いつめられたんですよ。

だからこそ、志村喬の演じる島田勘兵衛のように、世間の喧噪の中で、一人カッコよくつぶやきたい。「勝ったのは農民、じゃなくて、有権者なんだ」と。

投稿: 真魚 | 2005年9月14日 (水) 02時25分

>tomoさん、
二大政党制にするために日本の場合どんな対立軸が考えられるんでしょうね。
改憲についてはもはや争点にもならないと思いますが、「大きな政府か小さな政府か」ということになるんでしょうか。
そうなると、誰があっちに行って誰がこっちに来て、というのが私にはよくわかりません。

投稿: robita | 2005年9月14日 (水) 11時31分

>紫藤ムサシさん、
お褒めに与り恐れ入ります。
紫藤さんのブログは過激で興味深く、動物行動学的な思考癖のある私にとっては共感する所がたくさんあります。短期間で全部は読めませんので少しずつまいります。
私は過去の記事読んで戴きたい時は文章の中に関連する記事を貼り付けて織り込むようにしています。
カテゴリー別に分けるのは、ここまでたまってしまうと大変な作業になりそうなので。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: robita | 2005年9月14日 (水) 11時36分

>「勝ったのは農民、じゃなくて、有権者なんだ」<

なるほどそうですねえ。
だけど、そこのところを身にしみてわかったのが、政治家たち自身かもしれません。
自民党の高笑いが全く聞かれなかったのも、「有権者はこわい」と思い知ったためだろうし、民主党は民主党で、こりゃあ「支持母体」より、ちょっとしたきっかけで雪崩を打つ「無党派層」を大事にしたほうがいいな、なんて思ってるかもしれません。
どちらにしても、「地元の利益誘導型」を抑えて、「国家」を意識する国民が増えてきたということなんでしょうかね。

投稿: robita | 2005年9月14日 (水) 11時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/30899/736071

この記事へのトラックバック一覧です: 「本気度」を示すこと:

» 専業主婦擁護論Part.2「男女の役割分担が家族の原型」 [ブログ・カミカゼ:燃えよ!ニッポン:武士の国!]
 1) 人類の歴史は ”専業主婦の誕生” から始まった!  人類がサルからハッキ >「勝ったのは農民、じゃなくて、有権者なんだ」< なるほどそうですねえ。 だけど、そこのところを身にしみてわかったのが、政治家たち自身かもしれません。 自民党の高笑いが全く聞かれなかったのも、「有権者はこわい」と思い知ったためだろうし、民主党は民主党で、こりゃあ「支持母体」より、ちょっとしたきっかけで雪崩を打つ「無党派層」を大事にしたほうがいいな、なんて思ってるかもしれません。 どちらにしても、「地元の利益誘導型」を抑えて、「国家」を意識する国民が増えてきたということなんでしょうかね。 [続きを読む]

受信: 2005年9月13日 (火) 19時28分

« 投票率67.5% | トップページ | 続・「おばあさん仮説」 »