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2006年3月24日 (金)

神さま

いのっぴさんの「宗教というもの①」を読みました。

私は何の宗教も信じていませんが、神(大きなもの)の存在は感じることができます。いのっぴさんの記事の蟻の話と同じことをよく思ったものです。

その偉大な存在がキリスト教でいうところの「神」である必然性も、その他のどんな宗教の「神」である必然性もない、というのが私の考えですが、「信じること」「祈ること」という人間の行為において、それぞれの宗教は必要なものです。

いのっぴさんは言います、クリスチャンの方々が「神様がこんなことをしてくださった」などという言葉を聞くたびに、「それ、ホントにそう思ってるわけ??」などというイジワルな感想を持ってしまうのです。】

キリスト教は「ご利益宗教」ではない、と言いながら、何故お祈りの時には「・・・してくださって感謝です」と言うのか、私もいつもヘンだなと思っていました。

ひき逃げ事故をめぐる人間模様を描いた「21グラム」という映画の評を読んだことがありますが、こう書いてあります:

【ジャックは前科者だが、神に出会い、現在は更生している。クジで当たったトラックも「神の贈り物」と喜ぶほど信心していた。ところが皮肉なことに、そのトラックが3人の命を奪う。「神はなぜ私にトラックを与えたのか」と彼は再び絶望感で自分を失う。そんな彼に妻が言う。「神に関係なく人生は続くのよ」】

評者は述べます。弱い人間たちを、神は数え切れず救ってきた。しかし一方で、神は同じ数だけの弱い人間を奈落へとたたき落としてきた。神と付き合えるのは、結局強い人間だけなのではないだろうか。】

新聞のコラムだったと思いますが、アッラーの神を信じるアラブの老人のこんな言葉を見たことがあります;

【神に祈ろうが祈るまいが、何も変わらないかもしれない。しかし、もし、神がいないというなら、自分はこれから何を信じて生きていけばよいのか】

こんな言葉に「宗教」というものの真髄を見ることができますね。

生まれた時から、ひたすらイスラムの神を、生きるよすがとして信じてきた人にとって、その信じることこそが生きるということなんでしょう。ほとんどの日本人には理解することは難しいです。

でも、キリスト教の生み出した数々の素晴らしい文化を思うと、私は「キリスト教、よくぞ生まれ、そして、生きながらえてくれました」と感謝の気持ちでいっぱいになります。

好みなのでキリスト教芸術をありがたく思いますが、その他の宗教とて同様です。

神の一撃なくしてビッグバンは起こり得なかったとか、いや、宇宙は完全に自立し、外的刺激なくして生まれ得る、神はいらないのだ、とか、どっちが最新の研究結果なのか私は知りませんが、自分たちを蟻だと考えると、やはり見えざる「大いなるもの」の存在を私は信じたくなります。

20年ほども前でしたか、同年輩の主婦同士で宗教の話をしていた時に、宇宙の不思議について思うことをちょっと話したら、「あなた真面目ね~。そんな話、若い頃はよくしたけど~、ほんとに久しぶりだわァ、こんな話。あっはっはっはっは~。」と面白がられてしまい、私は赤面して自分の幼さを恥じ入りました。
58歳になった今でも私は相変わらず宇宙は不思議だと思い続けており、悟りきった大人に追いつくことができません。

 

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コメント

こんばんは。ちょうどニュースになっていますが、アフガニスタン人の男性が、イスラム教からキリスト教に改宗したという理由で死刑になるとかならないとか、大変らしいです。
「神は唯一絶対の存在」と教え、自分たちの神以外の存在などは認めないわけですから、そりゃ戦争も起こるし改宗による死刑もあるのでしょう。多神教の日本に生まれて良かったと、こんな時思います。そんな命がけの信仰など、とても持つ気はしません。言語も慣習も文化もバラバラの異民族どおしだったから、宗教でまとめようとしたのでしょうね。

外来の宗教で、日本国内で一番普及したのは「エホバの証人」らしいです。やめる、と言うとかなり迫害を受けると聞きます。いずこも同じ、です。宗教は、全然優しくなんてありませんね。キリスト教文化の発達も、宗教が政治以上に権力を持っていたということなのでしょう。怖い話です。

投稿: ねこっち | 2006年3月26日 (日) 02時02分

宗教はその時代、その地域、風土で平穏に幸福に生きていく為の方法論だというのが私の持論ですが、それはさておき、「大いなるもの」って、あると思った方がなんか楽しいですよね。

74歳のご老人がご自身のブログで、「この歳まで生きてくると、なにか言葉では説明のつかない大きな力によって生かされているとしか思えんようになってくる」というような意味のことを書いていらっしゃって、とても興味深く読みました。

人間、自分の力で生きているって思うより、生かされているって思った方がなんか素敵な気がするし、謙虚に生きられる気がします。

それと、この世の不思議にときめくのはいくつになっても素敵な事だと思いますよ。どんなにお金をかけるよりも若さを保つ秘訣かも。見習わなくては(汗)

投稿: haru | 2006年3月26日 (日) 14時29分

>ねこっちさん、

>ちょうどニュースになっていますが、アフガニスタン人の男性が、イスラム教からキリスト教に改宗したという理由で死刑になるとかならないとか、大変らしいです。<

そんなニュースがあったんですか。イスラムの世界ってほんと窮屈。

>多神教の日本に生まれて良かったと、こんな時思います<

まことにまことに。

でも、クリスマスの雰囲気は大好きだし、聖歌も感動的なものがいっぱい。
仏像仏画も人の心を癒すというし。
宗教が生み出した芸術に敬服。

投稿: robita | 2006年3月27日 (月) 10時06分

>haruさん、

>74歳のご老人がご自身のブログで、「この歳まで生きてくると、なにか言葉では説明のつかない大きな力によって生かされているとしか思えんようになってくる」というような意味のことを書いていらっしゃって、<

これ、わかりますね。というか、私は若い時からそんな思いを持ってました。自分で何か全く違う方向へ舵を切ろうとしてもすぐ軌道修正されて、なんだかレールが敷かれているような気がしていました。ま、これは、意志が弱いことの表れかもしれないので、神の力が働いたということではないかもしれませんね。てへ。

74歳のおじいさんのブログ拝見してみたいものです。
私はあまり自分からあちこち探さないほうなのですが、ブログ界にもけっこうおじいさんおばあさん増えているのでせうか?
もしかしたらそれと知らず読んでいるのかもしれないけれど、皆さんあまりご自分の年令明かされませんよね。だからいったいおいくつなのかよくわかりません。

投稿: robita | 2006年3月27日 (月) 10時11分

robitaさん(このニックネームは“火の鳥”に登場したロビタから取られたのでしょうか?)生かされているという気持ちは大切だし、クリスマスも聖歌も私は好きです。
しかしそれは日本人通しにしか通じないコアな会話です。そういうことを言って通じ合えるおだやかな国で良かったとつくづく思うのですよ。私は何人かの欧米人の友人を、宗教がらみでなくしていますから。ひとたび「信仰」となると、これまでの自分を全部捨ててすごく幅の広い河を越えなければなりません。神様の存在を信じさえすれば、後は何をしても良いというのがキリスト教です。とてもついていけません。
余談ですが、私50歳です。子供は3人おります。あ、どうでもいいか(笑)。

投稿: ねこっち | 2006年3月27日 (月) 11時28分

>ねこっちさん、

>“火の鳥”に登場したロビタから取られたのでしょうか?<

はい、その通りです。プロフィールに書いてあります。スターウォーズのR2D2に似たブザマな格好、親しみが持てます。いや、違った、R2D2のほうがロビタに似てるんですね。

>私は何人かの欧米人の友人を、宗教がらみでなくしていますから。<

それは不幸なことでしたね。
ただ、私の知る限り、欧米人も「宗教行事などは大切にするが、皆が皆信じているわけではない」と理解しています。
以前、日本人のいい加減な宗教観についてイギリス人に話したところ、「ほとんどのイギリス人と変わりないですね」と言ってました。

>どうでもいいか<

いえいえ、貴重な情報です。
ねこっちさん、お子さん小さいようなので、もっとずっと下かと思ってましたから。
貴重なご意見、いつも感謝しております。

ライブドアから引っ越した際のブログのリンク先などの不備があるので、調整しようとさっきからずっとパソコンの前にいます。
うまくいかないのでもうやめます。疲れた。

投稿: robita | 2006年3月27日 (月) 11時53分

興味がおありでしたら。http://blogs.dion.ne.jp/36sabue74/

投稿: haru | 2006年3月27日 (月) 19時34分

>haruさん、
ありがとうございます。
覗いてみました。
おもしろそうですね。

投稿: robita | 2006年3月28日 (火) 17時40分

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