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2006年4月 6日 (木)

子供は増えない

このあいだの日曜日の朝日新聞の「声」欄にこんな投書がありました。

【少子化について議論が続いていますが、私は第4子を妊娠中です。特別な訳はありません。ただ赤ちゃんが可愛いからです。3人目を産んだ時、小学1年生と幼稚園だった上の2人は楽しそうにおむつ替えなどを手伝ってくれました。そして「弟や妹を産んで」と言うのです。
世間では、子供が産まれると「1人あたり1千万円かかる」とかいう話ばかりが先行し、一番大切なものが後回しになってしまっているように思います。
夫は会社員で給料も特に多いわけではありません。
でも生活できなくはないし、家族が1人増えるごとに喜びは倍に増えます。そして何よりも、子供はお金では買えないのです。
3人目のとき、母が「赤ちゃんは自分の食べる分ぐらい背負って出てくるから大丈夫」と励ましてくれました。本当にそうだなあと思います。
でも周囲の人は3人目となると「私にはできない・・・・」という反応になります。私は悲しくなります。
身近に3人以上の子供さんを持つ方がおられたら、ぜひ「あんたはえらい!」とか「応援しているよ」などと、めいっぱい褒めてあげてください。少子化を止めてくれるのは子供を産むお母さんです。】  滋賀県 主婦 28才

私は、「こんなに頑張ってる若い母親もいるのだから、みなさんもがんばりましょう!」などという気は毛頭ありません。

私が思ったのは、ひとつには、「子育ての大変さ」を訴える人々がいる一方で、このように割合気楽に子育てができている人々もいる、そこには必ず環境の違いがあるはずだ、という、当たり前といえば当たり前のことです。

この投書の主は、祖父母の援助(経済的にも時間的にも)を受けているかもしれないし、夫はきっとすごく協力的でしょう。地域社会がしっかりしていて、近所で助け合う環境が整っているかもしれない。自治体の子育て支援対策も充実しているかもしれない。

しかし、もっとも大きな要素は、この若い夫婦の価値観なんですね。

子供が大好き、大人数の家族でワイワイ賑やかに暮らしたい、そのためには、他のあれやこれやは面倒くさくても我慢するし、自分だけのための楽しみは二の次三の次、というか、そういうことより子供を産み育て楽しい家庭を作ることに人生の最も大きな意義を見出す、といった価値観を持っている人たちなのです。

人の価値観はいろいろで、子供はいらないが、自分たちの生活を充実させて楽しみたい、という人たちも当然いるわけです。

また、子供が欲しくても経済的にかなりきついし、だからといって、教育費を削るわけにはいかない、自分たちはボロをまとってまでも子供を育てる気にはなれない、という人たちもいて当然です。

みんなそれぞれの価値観で自分の人生を生きているのですから、「産むのが国民としての義務だ」などといった乱暴な押し付けはおかしいのです。

考えてみれば、上述のような価値観の違いは大なり小なり昔からあったでしょうから、今の世の中でも、産まないからといって責められる筋合いはないのです。

だから、産みたい人が産めばいいんです。何人でも産めばいいんです。投書者の言う、【3人目となると「私にはできない・・・・」という反応になります。私は悲しくなります】という感想はちょっと押し付けがましいかな、と思います。

そういう自然の成り行きに任せていては子供が増えず、国家の存亡にかかわるというなら、その、「欲しくても経済的に苦しい」という人たちを国が援助すればいいんです。ぐずぐずしないで早くしてあげてください。「ほしくても経済的に苦しい人たち」も、もっと大きい声をあげて、「これだけ援助してくれれば産みますとも」って言い続けましょう。

そして企業も、大変でしょうが、育児がしやすい労働環境を作る努力をしていただきたい。

しかし、私が、これが少子化の原因の一番大きいものであろう、と思うのは、昔は見られなかった社会現象、結婚しない人がものすごく増えた、ということです。

他のさまざまな原因は昔からあったでしょうが、結婚しない男女の大量発生、これはなかったでしょう。

これは、行政で「男女の出会いの場を作ってあげる」とかなんとか、そういった付け焼刃的なことをやったって、絶対に解決しません。男女の意識の問題なんですから。
「意識」は、政策やら説得やらでどうにかできるものではないので、これは本当に難しい問題ですよ。

いや、これは「問題」というより、人間社会はそう変わりつつある、と理解したほうがいいかもしれません。

だから、「子供を産め」という号令より、「高齢者は自立しろ。もっとお国の役に立て」という空気を盛り上げることのほうが合理的なんじゃないかと思います。

というわけで、いずれ「団塊世代のこれからの生き方」について書いてみようと思っています。

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