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2006年6月 2日 (金)

蘇れ 日本の林業

「ガイアの夜明け」というのは、午前中に再放送やっているのね。
良い番組だと思ってはいるものの、あまり見ることはないのだが、たまたま12チャンネル押したら、「よみがえれ、日本の林業」というのをやっていた。

国産の材木は安い輸入材に押されて青息吐息、儲からないので森林はほったらかしの状態で、荒れ放題。

画面一転、アラスカの樹齢1000年の原生林が次々と伐採され、木材として輸出されるその先は日本。
アラスカの森林面積が減少し、森と共に生きる先住民の生活が脅かされる。

これではいけないと立ち上がる人々が出てくる。

・ビジネスとして成り立つ経営戦略を考え、努力を重ねて黒字に転じた林業経営者。
・彼の運営する「林業塾」に集まる若者たち。
・森林組合に就職し、林業者と組合との協力関係構築のため奔走する若い女性。
・輸入材と国産材を合わせた安くて丈夫な修正材(←誤、正→「集成材」)に力を入れる木材製造業者。
・営業マンにその集成材を売り込まれ、興味を示す建築業者。

いま、日本の森林面積は増えていて、管理さえちゃんとすれば、国産材木だけでまかなえるんだそうだ。

「アラスカの原生林を守るためにも日本の森林を守るんです。森林はつながってるんです」という林業経営者の言葉は感動的だ。

「ガイアの夜明け」は本当に良い番組だと思う。
勇敢なチャレンジャーたちに尊敬の気持ちが湧き上がり希望も見えてくる。
「プロジェクトX」よりサラッとしてて好感が持てる。

たぶん、経済とそれに基づく人間の営みというのは、あっちを立てればこっちが立たずみたいな関係になっていて、そう簡単に構造を変えるわけにいかないのだろうな、とも思うが。

それでも、こういう良質の番組は考えるための大きなきっかけになると思う。
職業教育の一環として、高校生にこういう番組を見せればいいと思うのだが、そういうことはやっているのだろうか。

このごろ、あまり知られてない職業が映画のヒットなどで人気が出る現象が起こっている。「海猿」とか。

林業とか農業とかに従事する若者の映画なんか、・・・既にあるのかな?

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コメント

この番組、私も偶然見ていました。日本の林業は壊滅状態なんです。実は、私自身が、祖父の植林した山を放置している犯人でもあります。。。
一度、人工林になってしまった山は、放っておいても元通りの原生林には戻らない。放っておけば自然に帰ると思っている人が多いんです。落葉しない針葉樹林は、放置すると表土を失い、山崩れの原因になるんですが、一度滑落してしまうと、再び土ができるまでには百年以上かかります。
私の故郷も含めて、あちこちで日本の山林が危機に瀕して居るんですね。
この番組で紹介されたような、国産材を利用した集成材ビジネスなどがうまく行けば、また光明も見えてくるのかもしれないと思いました。

投稿: single40 | 2006年6月 2日 (金) 15時56分

>singleさん、

えっ、singleさんは山林王だったんですか。

>一度、人工林になってしまった山は、放っておいても元通りの原生林には戻らない。放っておけば自然に帰ると思っている人が多いんです。落葉しない針葉樹林は、放置すると表土を失い、山崩れの原因になるんですが、一度滑落してしまうと、再び土ができるまでには百年以上かかります。<

ならば、落葉樹を植林したらいいのに、なんて思ってしまいましたが、はは、ばかですね。落葉樹を植えたところで、肥沃な土ができあがるほどに育つまでにやはり何十年もかかるんでしょうね。その間にいろいろ弊害が起きるわけで。うーん、むずかしいですね。

>集成材<

あっそうか。
国産材のスギとアメリカ産のベイマツ(だったかな?)をサンドウィッチのように交互に重ねて圧縮して過熱して作る、なんて言ってましたよね。
寄せ集めて成型するから「集成材」なんですね。「修正材」、直しとかなきゃ。

投稿: robita | 2006年6月 3日 (土) 10時12分

いえいえ。「落葉樹を植林する」のは、道理にかなっております。手入れをしなくても秋になれば勝手に落葉しますから、土も肥えますし、春になれば太陽の光が地面まで差し込みますし、風も通ります。落葉樹はクヌギやナラなど、果実をつけるものが多く、野生動物の餌になりますので、熊や猪の被害も減る(里に下りてこなくなる)が期待できます。
「じゃあ、なんでしないの?」
。。。お金がないんです。。。針葉樹を伐採して落葉樹に植え替える経費は、今の針葉樹の売却費用からしか出ませんが、実際は伐採費用すらまかなえません。。。そして、落葉樹は材木になりにくい樹種が多く(まっすぐ育ちにくい)また、針葉樹よりも育成年数がかかるので、採算が合わないのです。
まあ、それでみんなが針葉樹を植えてしまったので、かえって値崩れして採算が合わなくなったワケですが。。。
というわけで。
山林資源の問題とは「経済では、売れないものを『資源』とはいわない」ことに起因しております。そう、価値がない山は、資源でなく「ゴミ」なんです、経済では。価値を認めているのは「お金」であって、「自然」ではないので、それは当然です。
だけど、きっと、そのうち大きなしっぺ返しがくるように思っています。
国が貧乏になっていくのに、毎年災害防止工事を必要とするようにしてしまった山だけが残っているのですから。

投稿: simgle40 | 2006年6月 5日 (月) 11時23分

>singleさん、

>お金がないんです<

>落葉樹は材木になりにくい樹種が多く<

うーんと、それでは、やっぱり、儲かる林業をめざして何か手立てを考えるしかないわけですね。
手始めに、(林業の問題はずいぶん昔から憂慮されていることだとは思いますが)みんなが「山の現状」に興味を持つことが大切だと思うので、こうやってブログに書くことも少しはお役に立ってるかもしれませんね。

投稿: robita | 2006年6月 6日 (火) 10時38分

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