じっと我慢、しかないのかな
金王朝はいつ崩壊するのだろうか。
もちろん、誰でもわかることだと思うのだが、「拉致問題」だとか「核問題」だとか「人権問題」だとか、個別に外交交渉を試みているものの、北朝鮮の体制が崩壊しないかぎり、つまり、今の指導者たちがいなくならないかぎり、何も解決しない。
「今までも、世界は様々な独裁政権と交渉し暴走しないよう何とか抑えてきた、それが外交というものだ」ということが言われる。
しかし、少しずつ民主化を進め、国際社会に徐々に受け入れられていくように事を運ぶ、というのは、北朝鮮のような一族支配の王朝で可能なのだろうか。
とにかく「国交正常化を」と一時は小泉さんも外務省もシャカリキになっていた。そうすることで核問題も拉致問題も話し合いが進めやすくなる、ということだった。
しかし、国交正常化していったいどうなるのか、と私は最初からはなはだ疑問に思っていた。
北朝鮮と国交がある国はたしかにある。しかし、それらの国々が北と自由に行き来ができているか。
日本と国交を結ぼうが、北は自国を開放などしないし、秘密主義だって変更するわけもない。
拉致被害者をこれ以上返すわけがないし、その真相を明らかにするわけもないのである。約束など守るわけもなく、核兵器は平気で作るだろう。
結局日本にとってのメリットなど何もなく、ひとり北朝鮮だけが、援助を手にして喜び、独裁政権が延命するだけの話である。
国交正常化によって国民レベルの交流が盛んになり、そうなれば国と国の関係も徐々に良くなっていく、などと考える人も以前はいたと思う。
しかし、これはまったくおかしな夢物語だ。
国交正常化してもそんな楽しいことにはならないのは明らかだが、もし国交が結ばれ、交流が始まったとしたらどういうことが起きるか。
日本に来て民主国家の豊かさや自由を目の当たりにして、「我々は独裁者にだまされていた」と気づかない人がいるだろうか。
他の民主主義国家と自由に行き来して、その結果、起こることは「金正日に対する疑念」「金王朝独裁に対する恨み」に他ならない。
しかし当然、日本に留学や旅行に来ることのできる人々は選ばれた人々であろうから、本国でも豊かに暮らしている彼らにそのような「疑念」や「恨み」の気持ちが起こるはずもなく、従って、彼らが日本人と交流しても、何も変わらないのである。
これは、日本で豊かに暮らしている在日北朝鮮の人たちの姿勢を見ていても明らかなことである。
食うや食わずの哀れな人民は相変わらず放っておかれ、拉致被害者は隠され、テポドンをちらつかせて物乞いをする、その体質は何も変わらないのである。
そうは言っても、力ずくで政権を倒すことはできない。少しずつ弱らせ内部崩壊を起こす方向に持っていくしかないのではないか。
だから、拉致被害者家族の人たちには酷なことではあるが、それを辛抱強く待つしかないのかもしれない。
なるべく早くそれを起こさせるために、経済制裁をさっさとすればいいと歯がゆくてしかたがないのだが、なぜしないのだろう。言えない理由でもあるのだろうか。
私は長らく日朝実務者協議というのを、あんなこといくらやっても解決するわけないのに、何をやっているんだろう、と思っていたが、 「茶番」で書いたように、そういうことでもするしかないのかもしれない。
想像したくないが、拉致された人々の中には非業の死を遂げられた方もおられるかもしれない。しかし、たとえそうだとしても、真相は必ず明らかにされなければならない。
うやむやにしてはならない。
それが正義を貫くということであると思う。
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コメント
腹立たしいというより、いらいらする思いですが、この時の状況よりは一歩前進かと思います。2002年の春の状況。少し醒めたタッチで書いていますが、ご一読いただければ嬉しいです。
http://www31.ocn.ne.jp/~matsuo2000/E/E30.htm
投稿: KABU | 2006年7月 4日 (火) 14時40分
>KABUさん、
北朝鮮関連のところ、拝読しました。
KABUさんは当時北との国交正常化に賛成で、しかも拉致された同胞は武力行使してでも奪還すべし、という考え方だったんですね。
私は、日本は戦争できないし、国交正常化しても拉致被害者の消息が明らかになるわけがないと思っていたので、国交正常化には最初から反対でした。
今朝のミサイル打ち上げは、北朝鮮指導部の何らかの異変だとか。崩壊への序章でしょうか。
投稿: robita | 2006年7月 5日 (水) 11時47分