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2006年9月12日 (火)

はじける笑顔

櫻井よしこさんのブログで「はじける笑顔の雅子妃に複雑な思い 皇室はなんのために存在するのか?」という記事を読んだ。  要するに、雅子妃は皇室がどういうところかわかってない、皇太子妃の務めというものがどういうことか自覚していない、というかなり手厳しい内容だ。

この国をこよなく愛し、日本統合の力であるところの皇室の存続を願う櫻井女史の気持ちはよくわかるが、彼女はいったい雅子妃に何を望んでいるのだろうか。
体の不調など我慢してさっさと公務に復帰せよ、とせかしているのだろうか。
もっと子作りに励め、と尻を叩きたいのだろうか。

講演を聴いたこともあるが、櫻井氏はとても聡明で美しく優しく清々しい女性という印象を受けた。

しかし、雅子妃批判を読むと、これではまるで話のわからない姑のようではないか。

小和田雅子さんが皇太子殿下と結婚しようと決意した経緯をちょっと振り返ってみてほしい。

皇太子殿下は長年妃選びに苦労しておられた。それはもう皇室や宮内庁側が「選ぶ」というより、是非来ていただきたい、というお願いの状況だったと思う。皇室に嫁に行ってもいい、と思う女性がそれほど少なくなっているということだ。

もちろん、雅子妃はいやいやながら嫁したのでなく、徳仁親王という一人の男性に惹かれたからこその話ではあっただろうが、それでも天皇家に入るということには大いなる迷い、苦悩があっただろう。

それを「なんとか来ていただきたい」と説得したのは皇太子殿下はもとより、宮内庁側であっただろう。

説得の内容は察しがつく。
「外交官としてのキャリアは皇室外交として生かせる。あなたでなければできないことだ」というようなことであったろう。

雅子さまは非常に賢明なかたであるから、「皇太子妃として外国訪問さえしていればそれですむ」などと思ったはずはなく、さまざまのことを考え、たいへんに重い決心をして皇室に入られたことだろう。

「子供をたくさん生みたい」という希望も、婚約会見の時、はにかみながらも表明されていた。

皇太子ご夫妻は不妊治療に極めて積極的で大変な努力を重ねておられるという報道もあった。

雅子妃は日本国内の公務が嫌で、外国訪問をしたいのだ、とか子産みのために日本国内にとどめ置かれるのがたまらなく辛いらしい、とか、そういう言い方が意地悪なマスコミでなされる。

バカを言うな、と言いたい。
もとよりわがままな性格の人ならあのような病気になるはずがないのだ。
まわりに気を遣う、いかにも長女らしい性格の人だと聞いている。

雅子妃殿下の心の内はまわりにはわからない。
男子が生まれなくて皇位継承者が途絶えることに責任を感じておられるのか。
それとも、愛子様を天皇にしたくないと思っておられるのか。
それならば弟宮家に男子が誕生したことで救われるのか。
それとも、皇統が「分家」に移ることに心を痛めておられるのか。

先日の新聞に、【男児出産 思いひとしお___後継者に悩む「伝統の世界」】と題して、男児が生まれぬ旧家の嫁の悩みについての記事があった。

伝統工芸職人、お寺、旅館、などの嫁たちが、「男の子だから後継者」と決めつけないでほしい、と雅子妃と思いを重ね、心情を吐露する。

しかしこれはまったく次元の違う議論ではないか、いや、似たようなことかもしれないが、規模の違いにおいて比較することはできない、と言ったらいいのか。

ずっと前、作家の林真理子氏が皇室について書いていたのを読んだことがある。彼女の意見は実にはっきりしていて、「皇室にそもそも男女同権や民主主義の概念を持ち込むことが間違いなのだ。雅子様が自立した女性だから皇室に変化をもたらすのではないかと期待することも間違い。古色蒼然、旧態依然こそが皇室のアイデンティティなのである。女系に移行する必要もなく、それで皇室に跡継ぎがいなくなって、皇統が途絶えてもそれはそれでしかたがない。国民はそれを受け入れるだけのことである」というような表現だったと思う。

そこまで割り切ることは私にはできないが、天皇制という摩訶不思議なものを考えると、そういう意見もわからないことはない。

しかし、もし、国民の多くが天皇制をなくしてはならない、と思うなら、新しい時代の皇室というものを是非とも考えていかなければならないと思う。

ただし、そこに「女系天皇容認」の考えを持ち込むのはどうか。

男子の万世一系ということが、歴史的文化的科学的にどれほどの重要な意味があるのか私にはよくわからない。
しかし、もし、女性天皇を容認した場合、たぶん皇統は途絶えてしまうのではないか、という強い懸念がある。
それは以前から言っていることだが、女性天皇には配偶者はみつからないだろう、ということだ。
嫁でさえみつかりにくく苦労しているのに、婿入りなど誰がしてくれるだろう、ということだ。

先日、衆議院議員の平沼赳夫氏がテレビで言っていた。
「天皇制反対のある学者が、『天皇制を崩壊させるには女性天皇を容認すればいいだけのことだ』と言っています。女性天皇を認める、ということはそういう意味なのです」

女性女系天皇を容認するということはそういう事態を引き起こすということを認識し、その上で、それでも女系天皇容認派に与するというなら、そうすればいいと思う。何年か後、天皇制は存続不可能になって崩壊するだろうけど、国民がそう願うのならそうするしかない。

紀子妃殿下の懐妊発表以前、「皇室典範改正有識者会議」で改正論議が盛り上がってきた頃、「改正はちょっと待ってくれないか」という皇太子殿下の意向が伝えられた、ということがあったそうだ。

秋篠宮家に期待されていたのかもしれない。そうだとすれば、たとえ「本家本流」でなくても男子の生まれた今、雅子様へのプレッシャーは大幅に取り除かれたことと思う。

それがオランダ訪問時の「はじけるような笑顔」として反映されたのかもしれない。

そのはじけるような笑顔を、「外国だとそんなに楽しいのか」などと意地悪く批判するのはやめなさい。

そういう心ない報道が病を治りにくくしているのがどうしてわからないのか。

救いは皇太子殿下との信頼関係は強いとのことだ。

批判する人もいるかもしれないが、皇太子ご一家を支持している国民のほうがずっと多いと思う。
雅子妃殿下におかれては、バッシングなど気にせず、ゆったりとした気分で毎日を過ごしていただきたい。

             

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コメント

お久しぶりです。
このrobitaさんの記事読んで、胸がスッキリしました。
私が思ってモヤモヤしてたこと、
本当に上手くお書きになってます。

あの時の平沼氏の話もそうですが、櫻井よしこさんの皇室に興味がなかったが云々、
そうそうと頷いてしまいました。
自分もそうでしたから。
が、愛子内親王さまがお生まれになってから、
いろいろ自分なりに皇室のことを調べ考え、
その重要性に気が付いたところです。

とにかく、雅子様にはゆっくり静養していただきたい。
子どもが同じような症状で苦しんだことがあるので、
そのお辛さは、よくわかります・・・

投稿: ロビン | 2006年9月13日 (水) 22時42分

>ロビンさん、

お久しぶりです。
ロビンさんはいじめっ子が嫌いでしょう。
私も嫌いなんです。
だから厳しく批判してやるんです(笑)

>その重要性に気が付いたところです<

そういう人はだんだん増えているように思います。

仰るとおり、雅子様はあせらずゆっくりと養生していただきたいですね。
またのご訪問お待ちしています。

投稿: robita | 2006年9月13日 (水) 23時39分

robitaさん、こんばんは。

桜井女史のこと皇室に関する主張については、私はrobitaさんと全くの同意見を持って見ていました、彼女のブログだけでなく、文芸春秋などの最近のものも拝見した上で。

第一にご成婚までの経緯を彼女の様な識者を含め国民全体が忘れたフリをして語るのは、桜井女史お得意の表現を借りれば「節操が無い」「人間としての素養が無い」こと、と思います。

林真理子女史の話は、あなた「個人の意見」でしょ、「国民」を代表しないでね、程度で済ませるとしても、平沼氏の:

>「天皇制反対のある学者が『天皇制を崩壊させるには女性天皇を容認すればいいだけのことだ』と言っています。女性天皇を認める、ということはそういう意味なのです」<

確認ですが、彼は「女系」でなく、「女性」と仰ったんでしょうか。
だとするならば、私は純粋に、WHY?(何でそう思うの?)と問いたい。

女性/女系天皇容認に関する皇室典範議論においては、賛成反対どちらにしても、その主張の根拠や前提が思い込みに頼りすぎて殆ど外国でよく見かける「文化論」に陥っている(文化論争は答が出ないもの、とされています)。

私は、「女性天皇」を容認することに関しては何の問題も無いのでさっさとやればと思っています。

「女系天皇」に関してですが、そもそも天皇家と言うのは、今も昔も存続の為になりふり構わぬところがあり、驚くほどしたたかに変節を重ねて自主的に時代に取り込まれて来た、ある意味天才的な家系だと私は思っています。

ですから、ここで我々国民が「こう変えてしまっては存続が」などと余計な心配する必要はないんじゃないかと思います。それこそ「民」と「時代」の思いに合わて自分たちで「繋いで」行かれるのではないでしょうか。今回も秋篠宮がそれはもう、鮮やかに手を打たれました。

我々国民が話し合うべきは、その存続を「日本国にどのように使うのか」だけで、それはその時々の状況に拠るのではないかと思います。

大雑把に私の意見を言ってしまえば、憲法改正で「天皇」の章について手を入れたくない、と言う声が多い場合、「男系の血」に神聖さを感じる人も多い、と言うことでしょうから、四の五の言わずにももっと皇族を増やすとか、いままで以上に存続の為に必死になるべきだと思います(その代わり、どの様な立場の方であっても、皇室離脱権は保証して差し上げるべきかと…)。

天皇制を辞める、もしくはそれほど窮屈・神聖なものとせぬように手を入れる、と言う声が多いのであれば、その場合は「それほど“男系の”血には拘らない」と言うことでしょうから、皇室典範なんて破棄して、基本的に皇族自身にお任せすればよい、と言うことです。

私個人は、日本国が天皇制から得たものは非常に大きかったと思っています。しかしそれは、「男系の血」だからではなくて、その時々の「天皇制」の果した梃子の様な機能によるものと思っています。そして、その「梃子の様な機能」は、現代においては「男系の血を持つボンクラ」より「女系の血でもこちらが襟を正したくなる崇高な精神を持つ方」の方が効果的に果されるであろうと思います。

要するにどの様な為政者だろうと組織であろうと、神社だろうと(←何となく、ズキッ)、何であろうと、民(=あくまで大衆)の思いと乖離しては、その“地位のまま”存続なんてどうせ出来ません。これはdemocracyとかの問題ではなく、人間社会の法則ではないでしょうか。

投稿: kaku | 2006年9月15日 (金) 21時40分

>kakuさん、

お忙しい中、コメントありがとうございました。
長くなりそうなので、明日、記事にします。

投稿: robita | 2006年9月19日 (火) 08時50分

はじめまして。
以前から、時々覗かせていただいたものです。
私も、心に病があります。
こころの病は、症状は人それそれなので、なんとも言えない事なのですが、それでも、やはり時間は必要だと思います。
薬を服用すれば、子供を作るにあたって、ある程度、使えない薬などあるかと思います。
それに、国内で静養していても、つねにどこかへいけば、
記者が付いてきますし、海外はよいと思うのですが。

また、海外の王室では、皇太子が女性の国もあると聞きます。
日本人も、そういう場所へ婿入りできる、強くしっかりした
人がいれば、と思いますが。

皇太子一家が笑顔多き日が、たくさんありますようにと
願うばかりです。

投稿: かりん | 2006年9月19日 (火) 13時14分

>かりんさん、

初めまして。
ブログを拝見しました。
もうすぐご結婚なんですね。おめでとうございます。
心の病はとかく偏見を持たれがちでしたが、風邪と同じで誰でも罹る可能性があるし、適切に治療すれば完治するということが世間に浸透しつつありますね。
雅子様は回復に向かっているとのことなので、騒がず静かに祈りたい気持ちです。

投稿: robita | 2006年9月20日 (水) 10時38分

なんだこりゃw
人を見る目無さすぎwww
まあその内気づくんだろうがな

投稿: さる | 2010年1月26日 (火) 15時09分

はじめまして。
雅子妃殿下のバッシング記事があまりにひどいので心を痛めていました。
あれこれ検索をして、こちらを見つけました。
2006年の記事にコメントをつけるのもなんですが、私と同じように感じておられる方がいるのだと心強く感じ、このページをなぐさめのようにして読んでいました。
この頃、ようやく流れが変わったかなと思っています。

有難うございました。

投稿: ポーポー | 2012年7月 3日 (火) 10時09分

★ポーポーさん

ようこそお越しくださいました。
雅子様の病状は少しずつ回復に向かっている、と言われ続けてもう何年もたちましたね。
それは誹謗中傷記事や識者の批判論文などが途絶えることなく出続けていることと関係があるかもしれませんね。
私には雅子妃殿下が、言われるような我儘な人には思えないのです。
聡明な人というのは我儘にはなり得ません。わがままを言ったり不機嫌になったりして周りの人を困らせることは結局は自分を貶めることだと理解できるからです。だから雅子妃は聡明じゃないんだ、という理屈を言われそうですが、果たしてそうなのか。
皇太子殿下ともども立場もわきまえず我儘を通しているのでしょうか。本当にそうなのか。
何か私たちにはわからない(知らされないのでわからない)こみいった事情があるのではないだろうか、そう思っています。

こんな記事も書きました。よろしければご覧ください
 「沈黙と忍耐」 2009年5月  
 「いつかきっと」 2009年10月         

投稿: robita | 2012年7月 3日 (火) 23時38分

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