愛国心、これでどうでしょう
改正教育基本法の「愛国心」について、「国家は権力の言いなりになる国民を作ろうとしている」って、それはいったいどういうことなんだろうか。
繰り返すが、今の指導者は永遠に指導者のままではない。民主主義国では政権は変わり得る。立場が変わるかもしれないのに、なんで「自分たちにも都合が悪くなるかもしれないこと」を制定するだろうか。
そりゃあ、個別の色々な政策についてはそういうことは当然起こるだろう。自分たちの都合の良いような施策をするのはどんな政権になっても起こる。政権維持のため仕方がないことだってあるだろう。
そういうことについてはよく監視して批判をしていかないといけないと思う。
でも、「権力の言いなりになる国民を作る」だなんて、教育の基本政策でそんなことしたって仕様がないではないか。
それとも、「今の日本のような民主主義政権が続くかぎり、国民は政権の言いなりになり続ける。政権は、民主的でない**党や**党に担当してもらうべきだ」ということなのだろうか。
そんなことはないだろう。国民が今の政権に任せているのは、他の政党にはとてもこの国の舵取りはできないとわかっているからだ。
「良い国にしよう」という心、つまり愛国心を育てることは大事だと、そのことを私は繰り返し書いてきたけれど、反対する人はどうしても「愛国心は押し付けるものではない」「愛国心を持つと国の言いなりになる人間ができるだけだ」と言ってきかない。
先日、ラジオで例の宮台真司先生が次のようなことを言っていて、私は「あ、そうか。このように言えばいいんだ」と目からうろこが落ちる思いがした。
「国民は政権には常に疑いの目を持っていることが必要なんですね。先進国はどこもそうなっています。権力者は国民を思うように操って何か悪いことをしているのではないかと。圧制に対する抵抗。政権を覆す権利。アメリカなどは憲法で革命権を認めているんですね。愛国心というのはそういうことを含むんです」
つまり、政権が信用ならないとなったら、力ずくででもそれを倒して国民のための国家を再構築する、という覚悟を含む、という意味だろう。
私の考える愛国心はこれに近い。非現実的だが、究極的にはそうなる。愛する国を良いものにするために行動を起こす、ということだ。理念的にはそういうことになる。
もちろん、国家の転覆を図ることは重大な罪だし、誰もそんな過激な方法は望まない。第一、不可能でまるでお笑いだ。
しかし、「国家の言いなりになる日本人」を作るのでなく、「良い国にするにはどうしたらいいかを考える日本人」を作る、という意味で愛国心を考えると、革命権の理念に行きつく。
あくまでも、「突き詰めると」ということだ。「良い国にしよう」という心とは、突き詰めるとそこのところに到達する。
しかし、日本ではその必要がない。民主国家であり、選挙も公正に行われる。意見は自由に言える。肥大化したマスコミ権力が作り出す世論は為政者を引きずり降ろすことも可能にする。
革命は必要がないが、要するに自分たちで何とかしなきゃいけないんだという覚悟が愛国心なのではないだろうか。
ところで、宮台先生はその話をしている時、なにやら楽しそうであった。
全共闘世代のちょっと下の世代の人たちで、「革命」に甘美な興奮を覚える知識人は結構いるのではないか。
宮台先生がそうだとは言わないが、法政大学の田中優子教授は、白土三平の「カムイ伝」を教材に用い、百姓一揆を例に挙げながら学生達をそそのかすような講義をしているらしい。「あなたたちは元気がない。昔の学生は考える前に行動を起こしたものです」と。
宮台氏など団塊世代よりちょっと若い世代にとって、年かさのお兄さんお姉さんたちが、権力に立ち向かって闘っている勇ましい姿はさぞかしまぶしかったことだろう。
「自分ももう少し年がいってたら共に闘えるのに」と歯軋りしたことだろう。
でも、自分たちが革命に憧れたからといって「蜂起せよ」などという教え方は間違っている。
「良い国を作ろう」という志を育てることが大事なのだと思う。
__________
どうだろうか。このように書けば愛国心を教えることの大切さは伝わるだろうか。
よろしくお願いします →人気ブログランキング
| 固定リンク

コメント
robitaさん、
この記事についてのコメントを、長くなるので、またまた自分のブログの方で書きました。まあ、書いていることは、いつも同じなんですけど(笑)。
投稿: 真魚 | 2006年12月24日 (日) 22時30分
アメリカ憲法の革命権?・・またまた、憲法の素人の宮台真司さんが何を言ってるので、終わりですね。TB付けさせていただきますね。
投稿: KABU | 2007年1月13日 (土) 09時54分
>KABUさん、
素朴な思いを書き連ねているだけのブログに内容の濃い記事のTB本当にありがとうございます。
少しずつ読ませていただきます。
宮台さんの言葉は、炊事をしながらのラジオですので、もしかしたら聴き間違いかもしれません。(いや、でも、たしかにそう聞こえた)
考えてみると「革命権」なんてヘンですよね。
国家というのは国民がどうにでも変え得るものだ、というニュアンスを含む条文があるということでしょうか。
投稿: robita | 2007年1月15日 (月) 09時19分