「女性は子供を産む機械」②
「女性は子供を産む機械」の記事に、ぐーたんさんからコメントをいただいた。
ぐーたんさんも私も、このことを「騒ぎすぎ」と思っている。
比喩として人をモノや動物に喩えることはよくあることで、例えば私も「子供の人権」という昔の記事で「調教」という言葉を使った。
「子供の人権を何と心得る!」などという抗議も来なかったし、私自身、子供をモノだとも動物だとも思っていない。
社民党の福島党首は「私たちが何に対して怒っているのか大臣はまったくわかってない」と言い、「機械」に喩えたその表現に怒っているのではなく、自分たちの対策不備を棚に上げて産まない女性に責任があるかのような言い方をするから怒っているのだ、と説明した。
それならばなおのこと怒る必要がないのではないか。
柳沢大臣は、何も対策を考えないで、ただ女性に子供を産め、と言っているのだろうか。目下少子化担当大臣で、いま現在、子育て支援対策について努力している最中ではないのか。
制度案がまずいというのなら、そこのところをこそ野党は攻めるべきだ。自分たちならこのようにする、こうすれば子どもを産みたい人が産みやすくなる、と激論を交わしてほしいものである。
言葉というものは、発する時の声音、表情、間合いなどが非常に重要で、文章のみでよく誤解が生じるのはそれがうまく伝わらないからである。
実際の松江市での講演のその部分をテレビで聞いたが、柳沢大臣は、「女性なんて所詮子供を産む機械なんだから四の五の言わずにどんどん子供を製造すりゃいいんだよ」などというニュアンスで言ったのではないことは確かだ。
産む女性の数は決まっている、その生み出す装置の数は決まっている、とただそれだけのことを言ったに過ぎない。実際「女性が一生に生む子供の数」を「出生率」として「数字」で発表しているではないか。「出生率」の提示でさえ、女性を傷つけるというのか。
とにかく、女性たちよ、ちょっと冷静になってほしい。
いや、これもマスコミの単なる煽りで、ほとんどの女性はわかっていると私は思いたい。
街頭インタビューでは怒る女性ばかりを選んで放映しているのだろう。
野党の女性議員たちが柳沢大臣を訪れて辞任要求をしたのもやむにやまれぬ野党のサガにちがいない。
マスコミも野党も、それぞれの事情があるから辛いよね。
よろしくお願いします →人気ブログランキング
| 固定リンク
コメント
柳沢大臣の年齢は71歳です。で「時代錯誤の女性蔑視」だという批判は、まあ現在の情勢からして仕方ないとも思うんです。つまり、明らかに「失言」ですなぁ。が、それが重要な国会の審議拒否すべきほどのものなのかどうか?「ごめんなさい」でちゃんちゃん、でいいんじゃないの?とも感じるのです。
といいますのも、大臣の年齢からした場合に「機械」=「悪」だという前提はなかったんじゃないか?と思うからでもあります。
かつて、日本が貧しかった頃は「機械」は「夢を叶える素晴らしいもの」でした。ロボット=鉄腕アトムがヒーローで、日本の工場では生産ロボットに愛称をつけたりしますが、これは他国に見られないことなのだそうです。「機械のように正確」「機械のように淡々と」などという表現は、決して否定的ニュアンスだけでなく、一方に賛意を含んでいたと思いますね。
それが、だんだん世の中の傾向で「産業=悪」という図式が流布されるにつれて、機械は悪になっていったのだと思います。
で、かつて「機械のように」という表現ができなくなった日本語が、代わりに採用したのが「オニのように」という奴です。
「オニのように正確」になった。畏怖と賛意を微妙に含む形容詞として「機械のように」は死語になってしまった。なんだか、そこに思想統制のようなうさんくささを、私は個人的に感じるのですけどね。
と。ついつい、つまらぬ横道にそれました。あまり関係ない?!そうですなぁ。まあこの論争に関しては「外野」なのでねぇ。とほほ。
投稿: single40 | 2007年2月 1日 (木) 09時43分
>single40さん、
柳沢大臣が本当に「女性は子供を産む機械だ」と思って言ったことなら確かに「時代錯誤の女性蔑視」だと思うんですが、そうではないですよね。
講演の発言を全部聞けばそんなことはすぐにわかります。
しかし、今朝のワイドショーでアンケートを取っていたのですが、女性のほとんどが怒っている、というのを知って、意外と了見の狭い女性が多いものだと思いました。(というより、文脈を読み取る力のない人が多いということかな)
>「機械のように正確」「機械のように淡々と」などという表現は、決して否定的ニュアンスだけでなく、一方に賛意を含んでいたと思いますね<
なるほど、面白くて余裕ある考え方ですね。
>まあこの論争に関しては「外野」なのでねぇ。とほほ。<
まあそんなこと仰らずに一人頭で頑張ってください。
投稿: robita | 2007年2月 2日 (金) 09時37分