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2007年4月21日 (土)

「世界の日本人ジョーク集」

「世界の日本人ジョーク集」(早坂隆)を読んだ。 
「バカ売れ」だそうだから、お読みになったかたも多いことと思う。

読んで思った。世界は一つになんかならないし、また、なったら面白くもなんともなくなる、と。
国柄というか、国民性というものは実に面白いものである。
国内の地方ごとの特性などというものよりずっと興味深い。

なんとも愛国心をくすぐられる本なのである。著者はくすぐる意図は毛頭ないだろうが、世界各国を旅しながら集める日本に関する情報は日本人として誇らしい気持ちになるものがほとんどだ。

我々は、「こんな態度では外国にバカにされる」とか「こんな外交姿勢では孤立する」だとか、日々おどおどと心配し反省してばかりいる。
たしかに「日本人のあいまいさ」は世界の常識からすると外国の人を戸惑わせることが多いとしても、そのことをはるかに越える長所をたくさん備えていることにもっと自信を持ってもいいのではないかと、あらためて気付かせてくれる。

日本人は和を好み、真面目で勤勉で、科学技術力はどの国よりも優れている・・・、日本人ジョークを成り立たせる要素はそういうものばかりである。

ジョーク集としての面白さだけでなく、国際情勢や歴史などのわかりやすい解説が有難い。

例えば、自衛隊が長期間イラクに駐屯した挙句、当初の歓迎振りから一転「日本人は何もしてくれない。早く帰れ」などと非難されたのも、日本人が来てくれれば、サマワは日本のような高層ビルが立ち並ぶ近代的な都市に生まれ変わるのだ、という過剰な期待があったからだ、というような説明がある。

「無党派日本人の本音」「教育基本法改正案について」にもイラク人民がどれほど日本に期待し頼りにしているかということをブログ主さんが書かれている。

日本は何としてももっと国力をつけ、途上国の期待に沿うのがよろしいかと思う、将来の国益を考えるならば。

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国柄の違いは大変面白いものではあるが、そのことは一方で、例えば、先日のヴァージニア工科大学の銃乱射事件などで見られるように、何か重大事件が起こった時に、「その国の人間は」などとひとくくりで見てしまうおっちょこちょいが出てくる側面もあり、「*国人や*国人コミュニティに対する迫害」が懸念されるのもまた常である。
「犯人はアジア系の男」という一報で、アジア諸国が「どうかうちの国の人間でありませんように」などと祈るような気持ちになったであろうことも想像できる。

個人の犯罪であるにも関わらず、その個人の出身国全体が国際社会に対して責任や引け目を感じたりするのも、「国家」という形が国際社会での基礎となる単位であるからこそだろう。

60年以上も前に、我々自身ではない、前世代による行動がいまだに一部の国から非難され続けても、「私たちがやったことじゃないんですから。無茶言わないでくださいよ」とは言えないのも、「国家」というくくりが厳然と存在するからだ。当たり前のことであるが。

いっそのこと国家なんぞなければ、すべてのことは個人に帰結するのに。国家がなければあのような大戦もそもそも起こらなかったわけで。
しかし我々は国家なしに幸福にはなれないし、国際社会に対して責任の取りようもない。

「世界の日本人ジョーク集」、お薦めです。

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