国民はバカか?
現政権に不満を持つ人たちが、「国民が政治に無関心だから、権力者にやりたい放題やられる。国民はバカだ」と言う。
国民がだまされやすければ、たしかに政権は維持しやすい。
で、今の野党、例えば民主党が政権を取ったとしても、やはり国民は無関心で、政権にだまされ、一部の熱心な人たちが相変わらず「国民がバカだから」と言い募るのだろうか。
自民党と民主党では国の方向性としてはあまり変わらない。だから問題になるのはいつも政治手法だ。その点ばかりが問題になる。経済のしくみや安全保障については国の形はもう決まっているとも言えるのでそれは当然のことだ。
しかし、私が面白いと思うのは、「現政権は我々国民をどこに連れて行こうとしているのか」「国民はだまされている」などと、あたかも我々は独裁者に支配される哀れな人民なのだと言わんばかりの口調で政府批判をする、いわゆる「左翼」と言われる人々の主張である。
もし、(あり得ないが)共産党とか社民党が政権の座についたとしても、彼らはやはり、政府の考え方の正しさを押し付けるに違いない。国民をだますに違いない。愛国心を押し付けるに違いない。政権を維持するためにはそうせざるを得ないからである。
それは当然といえば当然のことで、効率良い国の運営のためには国の方針に従ってもらわないと困るのだ。国民がてんでんばらばらに「個人の自由」など主張すると「国のかたち」など謳うこと自体無意味になる。「我々は正しいのだ。我々指導者の言うとおりにしていれば国民は幸せになるのだ」と、あまねく国民に政府の正しさを広めなければならない。
しかし、なんだ、59年間、自由主義の国で生きてきたが、「蓄財のため」とか「独裁者になって国民を思うがまま操って快感を得るため」とか「大国に尻尾を振るため」とか、そんな動機で指導者になった人物にいまだかつてお目にかかったことがない。
すべては「日本が生き延びるため」、このことなのである。
ただ、長期政権は癒着が生じやすいので政権交代が必要だ、というのは多くの人が指摘するところだ。
参院選の結果で政権交代は起こらないが、その道筋をつけることはできる。
政権交代と政界再編、これを国内事情や国際的立場を鑑みて、いま生じさせることが適切なのかどうか私にはわからない。
しかしそのことがいずれ日本の政治に必要であるならば、国民はもう少し政治に関心を持って投票に行ったほうが良いと思う。
ただ、国民全員が政治に関心を持って、喧々囂々喧々諤々議論する図というのは、不気味で恐ろしい。
大衆は大衆のレベルでしか政治を語れないし、それでいいのだと思う。
じゃあ、何を基準に候補者を選べばいいのか、ということになるが、結局「勘」ということになるかもしれない。
そう、この世は案外「好き嫌い」で方向が決まるものなのだよ。----------→「好きな人嫌いな人」
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コメント
基本的に民主主義は「バカは正しい」という思想なので、こりゃ仕方がありませんねえ。
たぶん、基本的な了解事項の問題だと思うのですが。
私が思うに、結局「文学」と「政治」は違う、ということじゃないかと思いますね。
「我々が正しい」という方々の主張を聞いてしばしば思うのは「こりゃ文学の範疇の問題なんじゃないか?」ということです。「正しさ」が「文学的」である必要はありませんから。
「よくわからんけど、まあ、こんなとこだろうなぁ、実際」なんてのが「正しさ」だと思う人間にとっては「ゆるぎない正しさ」がうさんくさく思えて仕方がないんですよ。
小説の中のお話ならともかく、と思うのであります。
なんだか関係ない、ですかね。失礼しました。
投稿: single40 | 2007年6月 9日 (土) 13時53分
>single40さん、
>「よくわからんけど、まあ、こんなとこだろうなぁ、実際」なんてのが「正しさ」だと思う人間にとっては「ゆるぎない正しさ」がうさんくさく思えて仕方がないんですよ。<
ちょうど曽野綾子さんのエッセイでこんな文章読んだばかりです。
「・・・・知らない相手とでもすぐ仲良くなることがいいとする人と、知らない相手とは仲良くなる方がヘンだ、と言う人とは、どちらが正しいか正しくないかの問題ではない。どちらにも理屈があって、一朝一夕には決められないことである。」
私もゆるぎない正しさを主張する人々を鬱陶しく感じるのは、こういう感性を共有しているからかもしれません、と同時に、あわてて自省もするわけですが・・・。(笑)
投稿: robita | 2007年6月10日 (日) 09時53分
robitaさん、
この記事へのコメントを書いていたら長くなりましたので、自分のブログの方に置きました。TBしましたので。
投稿: 真魚 | 2007年6月14日 (木) 00時04分