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2007年6月21日 (木)

「人生の転換戦争」

真魚さんのコメントへのお返事です。

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私は何も「世の中ってなんて汚いんだそんな世の中でみんな平気な顔して生きている欺瞞だ偽善だみんなバカだバカヤローッ」って夕日に向かって叫んでいるわけではないのでして、なんであんなことを書いたかと言うと、たとえば、公安調査庁の元長官が朝鮮総連とつながってたなんてことが明るみに出ると、いったいそれはどういうことなのかと私たちはとても不思議に思います。

>その覚悟があるのかと問われれば、庶民には、そんな覚悟があるわけがないではないですか。その覚悟がないのならば、悪事に黙っていろというのでは、それこそお天道様に申し訳が立ちません<

私は別に「その覚悟があるのか!」と国民のみなさんを叱責しているわけでも、「覚悟もないのに『悪事を正せ』などと正義ヅラするな」と嘲笑しているわけでもありません。
我々は人間として真っ当な生き方を追求しなければならないし悪事は正さなきゃなりません。

ただ、そこに手を突っ込んだら、底のほうに国家の土台が崩れるほどの何かがあるんじゃないか、芋づる式にぞろぞろ出てきて土台までも崩壊してしまうんではないか、などと思います。
もちろんそれは、「正体ともいえる何か特定の勢力」というのでなく、長年かけて色々な要素が複雑にからみあってできた国の土台そのもの(国家運営のしくみでなく、その底にあるもの)であって、そう考えるとこれは「巨悪」などといったたぐいのものではないようです。
でも、表面的に出てくる「悪事と見えるもの」(たとえば今回のような不可解なできごと)とは、結局国自体がそういう土台の上に立っているからこそ、吹き出物のように時々顔を出すんじゃないか、と。

だから、表面的に出てきた「悪事」だけをチョンと切って、我々のお花畑はとりあえず安泰ということにせざるを得ない。
こういうことをなくすためには国の体制をすっかり変えるしかないとしたら、たぶんその道程はものすごく苦しく、夥しい数の死者も出るのではないか、後遺症に苦しみ続けるのではないか、国の土台がどうなっているのか何が潜んでいるのかまったくわからない私はそんなことを考えてしまいます。あるいは日本はそうじゃないのかもしれない。他の国に比べたらずっと健全で美しいかもしれない。それならそれでいいのですが、今回のような不可解なことが起こるたび、私は「誰もいじることのできないものが国の土台にあるんじゃないか」なんて思ってしまいます。
しかしまあ、こんなことは考えてもしようがないわけで、少なくとも我々は「表面上」というこの世の中での正義を追求する努力をするしか道はないですよね。
angelcatsさんが「私はこんなことを考えています」と書かれたので、コメント返しとして「私もこんなことを考えています」と、なんとなくいつも思ってることを書いてみた、というだけのことでした。

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ところで;
私はこの世は健全な人のほうが圧倒的に多いと思ってますので、ノアの箱舟みたいに一度破滅させたほうがいいなんてもちろん思いませんが、近頃、一部の若い人の間では「破滅願望」「戦争願望」が吹き出しているそうですね。
先日新聞で読んだのですが、
「平和な社会で低賃金や重労働に苦しむよりみんな平等に不幸な戦争状態を望むフリーターたち」のことが書かれていました。赤木智弘という人が書いた「丸山真男をひっぱたきたい」という論文が発火点だそうです。

「ビッグコミック」で、もう連載4年以上になる漫画「太陽の黙示録」の最初のほう、働いても働いても浮かび上がれない若者が、巨大地震による日本列島崩壊を千載一遇のチャンスと受け止め、「俺たちは、目もくらむ自由を手に入れたのかもしれない」とつぶやくシーンを思い出します。

いっそ日本が焼け野原になるほどの戦争や巨大地震を、平和よりマシ、と言ってしまう若者が不健全なのか、あるいは大なり小なりいつの世にもある若者特有の気風であってむしろ自然と受け止めてかまわないのか、私にはよくわかりません。

「フリーター特有の希望の持てない苦しみゆえの破滅願望」は、「若者特有の破滅願望」とは違うとは思うのですが、それでは、ちゃんと「正社員として働いている若者」が希望に満ち溢れているかといえば、今の世の中どうやらそうでもなさそうだ、というのが私の感想です。

平和と豊かさが「弛緩」の原因というのはよく言われますが、そんな世の中で、若者が切望する血沸き肉躍る体験を用意してあげるのはなかなか難しいことです。
しかし、その体験をどのように用意してあげるかが、いま一番考えられなければならないんじゃないかなあ。

        

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コメント

robitaさん、

赤木智弘さんの「「丸山真男」をひっぱたきたい」について、これはぜひとも論じなければならないと思い、コメントを書いていったらまたもや長くなりましたので自分の方に置きました。

投稿: 真魚 | 2007年6月24日 (日) 00時53分

>真魚さん、

読ませていただいて、またまた色々思うことがありますので、いずれ書きます。

投稿: robita | 2007年6月25日 (月) 11時37分

今の世の中に一種の閉塞感があって、それが「戦争待望論」ぽく見えるのは事実だろうと思います。
でも、それは、たぶん「そうして焼け野原になったら、今度は自分達がプロジェクトXをできる」みたいな感じもあるかな、と思うのですね。「夢」とか「やりがい」という言葉にすら、手垢がついていると思うのですなあ。

今の日本経済はマクロレベルでは絶好調のように見えますが、一方で、零細個人企業の倒産件数も最大です。つまり、経済がグローバル化したので、外国の安い労働力や資源を使える会社が(大手一部企業)儲かって、そうじゃない企業は猛烈に淘汰されている。政治は、もうバレバレなんですけど、経済には無力です。景気を左右することも、コントロールすることもできない。まして、世界の国をひきつける成長力も衰えていくわけですから。

世界基準でいえば、日本のワーキングプアですら低収入とはいえないのも一方の真実ですが。

私は思うのですが、いっそ「幸せ」のベクトルを変える、国全体が成熟を通り越して老いていくのですから、いっそ上手に老いることを考えていくべきなんだろうな、と思います。だって、今の日本が高成長すれば、ますます世界でみれば貧富の差が開くことを意味するのですから。お金じゃなくて、成熟した国にふさわしい別の価値が必要なんだろうと思うのですよ。
そういう意味じゃ「オタク」はいい線いってるかなぁ。

投稿: single40 | 2007年6月25日 (月) 22時20分

>single40さん、

>でも、それは、たぶん「そうして焼け野原になったら、今度は自分達がプロジェクトXをできる」みたいな感じもあるかな、と思うのですね。<

そうだと思います。
何もかも焼けてしまったとしても自分だけは生き残る、という前提のもとでの戦争待望論ですよね。

>私は思うのですが、いっそ「幸せ」のベクトルを変える、国全体が成熟を通り越して老いていくのですから、いっそ上手に老いることを考えていくべきなんだろうな、と思います。<

そうですね。
その達観に個々人がたどりつくかどうかが問題ですね。

投稿: robita | 2007年6月27日 (水) 14時26分

違うんだ

戦いたいんだ

十代のみそらから
既得利権にしがみつくジジイに媚び売ってまで
ガリ強して就職だの福利厚生だの
少しでも血の気がある若者なら、そんなのは真っ平なんだよ

あたり前だろう?!
百姓じゃねぇんだよ

昔は兵隊があり戦争があった
戦うためならやるさ!
ただ生きてくために飼われる豚になるのが嫌なのさ!

でももう日本は、俺達は、戦争ができないんだぞ!

投稿: ひろし | 2010年11月17日 (水) 12時22分

★ひろしさん、

はじめまして。
元気があっていいですね。

>ただ生きてくために飼われる豚になるのが嫌なのさ!<

>でももう日本は、俺達は、戦争ができないんだぞ!<

戦う相手はいっぱい過ぎるほどいますよ。
既得権益にしがみつく連中とか、革命を起こすんだと息巻いてたくせに何もできない現政権とか、荒廃した山林とか農村とか。
行くんだ!行って戦うんだ!
君たちのような若者が戦う気を起こせばきっと日本は良くなる!

投稿: robita | 2010年11月18日 (木) 10時27分

ありがとうございます
それが正しい生き方ですね

そう思った矢先に
どうやら戦争が始まりそうです

今後数年間の情勢いかんでは
僕も戦に行く事になるかも知れません

銃後の護りをよろしくお願い致します

行って参ります

投稿: ひろし | 2010年11月24日 (水) 00時47分

★ひろしさん、

>銃後の護りをよろしくお願い致します<

弾が当たるととても痛いのでどうかお気をつけて。
ご武運を祈ります。

投稿: robita | 2010年11月24日 (水) 14時33分

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