フッフッフ
「ボクちゃんはアベちゃんが嫌いなのっ」
TBSラジオに毎週金曜日に出演する首都大学教授の宮台真司先生は安倍さんの話題になるたびそう仰る。いや、本当にそう言うわけではないのだが、なにげなさを装った言い方ながら、怨念のような安倍さんに対する憎悪がこちらにビンビン伝わってくる。個人的な恨みでもあるんじゃないかと勘ぐりたくなるほどだ。
安倍さんの悪口を言ったあと、「わしゃしゃしゃしゃしゃ」とお笑いになるのだが、まるで(笑)の記号を貼り付けているかのような印象を受ける。
(笑)を貼り付けて、どうでぃ、笑ってやったァ、と悦に入る。失礼ながら子供っぽさを露呈しているのに気がついておられない。
どうしても安倍さんに「世間知らずのお坊ちゃん」というレッテルを貼り付けたいという願望があるようだ。
そして、苦労知らずのお坊ちゃんには何もできないんですよ、国民の皆さん理解しましょうね、とラジオで呼びかけるのである。
例えば、拉致問題である。
5人の被害者が帰国した時、外務省と当時官房長官の福田康夫さんは「約束だから一度返したほうがいい。後の交渉も継続できる」と言ったのに、安倍さんは「誘拐されてようやく帰ってきた人たちを犯人の元に返すなんてとんでもない」と主張し、それを国民も支持したために、交渉の窓口がなくなり、今に至っている。威勢の良いだけの安倍さんに与したためにこんなことになってしまった。
と、宮台先生はこのように仰る。
しかし、「北朝鮮との交渉」とはなんぞや。
それは、2.3人の帰国と引き換えに莫大な金を差し出す、ということに他ならないのではないか。
それでいいのだろうか。
しかも、一度に全員返すわけがないのである。
何人かずつ返しては金を要求する。
こういうことではないのか。
これって、ゆすられ言われるままに金品を差し出す、ということではないのか。
百歩譲ってそういう方法でしか帰ってこない、のであっても、あの時、国民の大勢は、5人を返してはならない、というほうに賛成していたし、被害者家族も当然そうだったろう。
それが間違っていたというなら、宮台先生が言うべきは「国民はなんてバカなんだ。5人や10人の拉致被害者に情をかけて国家全体を見失うのか。安倍はバカだが、それに乗っかる国民はもっとバカだ」という本音だろう。
拉致問題解決の難しさについては何度か書いてきた。→例えば 「じっと我慢、しかないのかな」
こういうのが、「普通の人の感覚」だと思うのだが、その普通の感覚が、国家として間違っているのだとしたら民主主義は国家を誤らせるものでしかない。
北朝鮮と国交を結んでいたらどうなっていたのだろうか。
金王朝の延命に手を貸すだけで、日本は何も得ることはできなかったのではないだろうか。
今だって、北朝鮮はアメリカとの交渉で、核を無能力化するからと政権延命をお願いしているようだが、そんなのおかしくないか。
あの貧しい国が莫大な費用をかけてやっとの思いで持った核をいったい手放すものかどうか、ちょっと考えただけでもわかる。
北朝鮮のゆすりを受け入れていれば交渉を続けることができた、と言うなら、その交渉で、なにがどうしてどうなったのかを具体的に教えてほしい。
私は外交やったことないのでわからない。
納得できたら、素直に「ああそうか。それならあの時5人返したほうが良かったんだ、私たちはなんてバカだったのだろう。こんなこともわからないで」と反省できるのだ。
宮台先生が「安倍を信じた国民が最もバカだ」とはっきり言わないんだったら、いっそのこと政府が「外交の何たるかをわかってない国民は黙っててください。我々プロがうまくやりますから」と言ってくれたほうがどれだけすっきりすることか。
福田総理が「あななたちはね、何もわからないんだからね、おとなしくしてなさいよ、フッフッフ」とやったらオモロイやろね。
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コメント
私は、この「交渉の窓口を失った」批判が、本当によくわからない。交渉が継続したら、おっしゃる通り身代金(もちろん、経済援助という名前がついてるでしょうが)をたんまり支払うだけの話だとしか思えないのです。
そうすると、どうなるでしょうか?貿易の弱い北朝鮮にとって「拉致日本人」は実に重要な外貨獲得商品になる、ということですね。もちろん、そうなれば、ますます「商品の仕入れ」にも力が入る、というものでしょうね。
拉致問題というのは、拉致された方々を取り戻すということはもちろんですけれども、それ以上に「拉致をすると損をする、不利益なことが起こる」と相手に教えてあげなければなりません。それがわからないから、拉致をしたわけですから。
そういう意味で、たとえば宮台さんのような方は、いったい相手に何を教えようと考えておられるのか、私にはさっぱりわかりません。「日本はちょっと脅せば、なんでも言うこを聞くぞ」とか(笑)。政治家であれば「説明責任を果たしていない」と批判されるべきところでしょうね。タレントさんに言っても仕方がないですけれど。
投稿: single40 | 2007年9月15日 (土) 13時56分
弁護させてもらうと、宮台さんは本業の社会学では大変面白ですよ。彼のニュータウン・郊外論や援交少女評論は一見の価値ありです。ちなみにゆとり教育旗振り役の一人でもあります。
彼は政治思想で言うとは基本右よりです。天皇制を支持して現代日本の政治体制を田吾作民主主義と批判する。戦後に左翼の広げた平等がバカを増長させた。政治家は人気取りばかりするようになったのだ。政治はきちんとモノを考えられるエリートがやるべきであるといったところでしょうかね。
だからこそ、ゆとり教育によってパンピー(彼曰く一般人)は基礎をしっかり学ばせ、あまった労力を優秀な人間につぎ込むめばいいと考えました。まあ、失敗しましたが。
田吾作民主主義論から考えると、「わずかな被害者に国があそこまでの金と労力はつぎ込む必要はない。核ミサイルや核の輸出のほうがはるかに大事、安倍も人気取りはやめろ」ということになります。
まあ、現時点での安倍批判は「勝ち馬にのる以外」の何物でもないですがね。宮台さんには「じゃあ、自分が総理やれば」ってことで。
投稿: のれそれ | 2007年9月15日 (土) 22時15分
>single40さん、
>政治家であれば「説明責任を果たしていない」と批判されるべき
ところでしょうね。<
そうですね。説明してほしいですよね。
しかし、こういう方法しかないのであれば、我々国民に「説明しろ、とか、ゆすられて平気なのか」とせっつかれるのは辛いところでしょうね。
政府は「拉致問題(もちろん核問題も)を解決するには、北朝鮮の崩壊を待つしかないんです。でも今崩壊したらどうなりますか。やぶれかぶれで核ミサイルぶっ放すかもしれませんよ。大量の難民も押し寄せるかもしれませんよ。それでもいいんですか」と言いたいところなんじゃないでしょうか。
だから私は北朝鮮対策は生かさぬよう殺さぬよう、徐々に弱体化していくのを待つしかないんじゃないかと思います。
仰るように、窓口なんか作っちゃったらあちらは大喜びですよね。延命に手を貸すことだけはしないでほしいと私は思っているのです。
因みに私は福田さん嫌いじゃないし、むしろあの飄々とした人柄に好感を持っているのですが、拉致問題に関しては生真面目に少しでも「実」と取ろうとしているのじゃないでしょうかね。
投稿: robita | 2007年9月16日 (日) 10時25分
>のれそれさん、
宮台さんの頭の良さ、並外れた知識量には、さすが「学者」だといつも感心しています。
著作は読んだことがないのですが、ラジオや時々新聞の評論などで、考え方はだいたい知っているつもりなんですけどね。
その思想は変節を繰り返した、なんてことも聞いたことがありますが、結局右でもなく左でもなく、その都度まともなことを言っているという感じは受けます。(加藤の乱の時に加藤さんをベタ褒めしてたので、あ、こういう人なのかとは思いましたけど)
宮台さんの解説はわかりやすくよく勉強させてもらっているので、このブログでもよく引用させてもらっています。
「政治はきちんとモノを考えられるエリートがやるべきである」という考えは私も賛成します。
その土壌作りに安倍さんの言う「美しい国」という理想がまず掲げられていいだろう、と私は思っていましたよ。
システムを整備しただけでは人は動かないのではないか、と思っていますのでね。
というわけで、別に宮台さんの考えに反対する気はありませんが、人の批判をする時に「だいっきらい」の感情が丸出しになるんですね。それだけ正直なのかもしれませんが、その批判の対象が誰であれ、そのあまりのおとなげなさに聞いてて不愉快になることがあります。
まあ、意識してそういう「大人でない大人」を目指しているのかもしれませんので、「大きなお世話」と言われるかもしれませんが、今回は異常とも思える安倍さんへの憎しみがちょっと気になって書いてみました。
投稿: robita | 2007年9月16日 (日) 10時41分
宮台さんが批判を通り越して、毒舌になるのはいつものことですよ。
小林よしのり氏との論争では「小林は「個人は弱すぎるから国家が上げ底する必要がある」というが、背の低い小林ならではの発想(笑)」と著作で述べています。ちなみに、現在は、サイゾー誌上対談(宮台真司×小林よしのり×菅野)での左翼批判など共闘関係にあるようです。
彼は確信犯的にプロレスをやっているのでしょう。これを本人は、宮台真司とは別人格の「みやだい」と呼んでいます。
私も宮台真司はわりと好きです。まあ、どちらかというと相方の宮崎哲弥さんのほうが好きですがね。(一番好きなのは呉智英)
では、残暑に負けずお元気で
投稿: のれそれ | 2007年9月16日 (日) 14時38分
>のれそれさん、
>宮台さんが批判を通り越して、毒舌になるのはいつものことですよ。<
毒舌大好きの私ですから、毒舌なら歓迎ですが宮台さんの貼り付けたような「嘲笑」がとても嫌いなんですわ。
>小林よしのり氏との論争では<
あ、これこれ、前に宮台さん「今度小林よしのりと対談します」とラジオで言ってたので、聞いてみたいなあと思ってました。
高レベルの論客の間では、一般人と違って、批判したり共闘したりのくんずほぐれつをやっているということですね。
今、遅ればせながら小林よしのりの「戦争論」を読んでいます。
読み終わったら感想でも書いてみます。
>呉智英<
私も好きです。といっても新聞のコラムで見る程度と、著作は「バカにつける薬」しか読んでませんが。
今日も朝から暑いわ。
投稿: robita | 2007年9月17日 (月) 09時12分
はじめまして。
しりなめ先生こと宮台教授の問題の発言はわたしも聴いていました。宮台さんの言うことは現状を踏まえれば正論なのかもしれませんが、政治家はその時々の限界状況の中でのるかそるかの勝負をしなければいけないことを考えると感情剥き出しの安倍批判は見苦しいなと思えます。
品のない嘲笑はブルセラ、団地妻の売春を語ることが過激な風俗紊乱やアジになると期待してしまうおぼっちゃまの露悪趣味の一環なので許してあげてください。トリックスターとして目立ちたい一心なんでしょう。
投稿: 豹悟郎 | 2007年9月17日 (月) 21時25分
>豹悟郎さん、
はじめまして。
>わたしも聴いていました<
そうですか。宮台先生の「嘲笑」は前回だけでなく、以前からずっと安倍さんの話題になるたびのことなので、もういい加減にしんしゃいという気持ちでこの記事書きました。
>政治家はその時々の限界状況の中でのるかそるかの勝負をしなければいけない<
仰るとおりですね。
評論家の自由と、現場の不自由と。
ところで
こんな記事書いたこともあります。よかったらお読みください→ 「恋におちて」 http://blog.livedoor.jp/robita_48/archives/17567936.html
投稿: robita | 2007年9月18日 (火) 09時17分