« 「働きマン」 | トップページ | 男は黙って・・・ »

2007年10月22日 (月)

食う

太田光の政治討論バラエティ番組を時々見る。
真っ赤な顔に青筋立てて平和論をまくし立てる太田光の「左翼ぶり」には敬意を表する。あの磐石の弁論で武装した石破防衛大臣をバカ呼ばわりするその胆力はたいしたものだ。この人に防人の長をやってもらいたいくらいだ。

さて、この平和主義者太田光を支え、日本政府を批判し、アメリカに追従するなという意見を表明するアイドルの子ら(といっても成人していると思うが)がいる。アメリカとくっついていると戦争に巻き込まれる、戦争はいけません、というわけだ。

そういう意見に対して、「国益のために日米同盟は必要です」と、一つ覚えのように「国益」を連発するのが親米派だ。このアイドルたちにもっと明快な説明のしようがあるだろうに。こんな風に:

「国益とは、食っていくことだ。石油や食料その他の資源を手に入れることだ。資源や、何より、国際社会の信頼を得ることができなければ、我々は食っていくことができない。君たちのその金色の髪や可愛いドレスは、食うことができて、それに加えて余裕があるから実現することだ。なんなら、アメリカに歯向かってみるか。自衛隊の出動を余儀なくされる紛争地域への支援をやめてみるか。君たちは化粧もせず髪をひっつめて泥にまみれて農作業をやる覚悟があるか」

実は私にも、アメリカ追随というのは本当に我々の生存に役立っているのかどうかよくわからない。でも日本政府が誇りも何もかなぐり捨てて必死になってアメリカの言うことを聞いているのは、きっとそういうことなんだろうと思っている。

国民が反対しても国のためにリーダーとしてやらなくてはならない、のであれば、どうしてそれをやらなければならないのかわかってもらうために説明する必要があるとは思うのだが、悲しいかな「どんなにみっともなくてもアメリカにくっついているしか生きる道はないのです」と本当の理由はみっともなくて言えないのである。日本にだってそんな小指の先ほどのプライドはあるのだ。

アメリカとの関係だけでなく、日本の外交問題では、国民への説明があいまいになったり、矛盾が起きたり、政府が嘘をついたりしなくてはならない場面が非常に多い。

国家機密というものがあって、何もかも国民に包み隠さず報告するというのは無理だとしても、日本のような隠蔽体質、つまり、嘘をつかなければならない体制の根源は何かということを考えると、憲法9条にたどりつくのではないかと思えてくる。

貧しくとも誇りを持って生きるのか、アメリカや日本政府を責めながらもラクチンに生きるのか、日本人は何を望んでいるのだろう。私はどっちでもいいと思っているけれど。

        

       よろしくお願いします →人気ブログランキング   

この記事はsingle40さんの「食料安保」にトラックバックさせていただいています。  

|

« 「働きマン」 | トップページ | 男は黙って・・・ »

コメント

私も最近はもっぱらこの話題ばかりで(苦笑)たとえば「国際貢献」だとか「対米従属」だとか「独自外交」だとか、ムズカシイことばかりだな、としみじみと思います(笑)

で、この際そういう「思想」が面倒なので(苦笑)仕方なく「思想=食えないもの」という分類にしちゃえと(爆)。すると「食えるもの」だけでモノを考えることになります。

たとえば「世界政府」を考えてみて(笑)その「世界政府」が北米大陸しか食わせられなかったとしたら、それは「世界政府」ではなくて「アメリカ政府、カナダ政府」と呼ぶべきではないか?ということです。
たとえば、もしも「日本政府」が日本人を食わせられなかったら、それは「日本政府」と呼ぶに値するかどうか。たとえば、政府甲と政府乙があるとします。政府甲は日本人を食わせられる、政府乙はできないとします。すると、日本人にとって政府と呼ぶに値するのは甲だけだろう、乙は政府じゃなくて「同好会」か何かだろうと思うのです。そうじゃないと、大変なことになるじゃないか、と。

(「食わせられる」のが政府だとすると、世界政府が成立するというマルクス主義の主張も分かります。食わせられないものを政府と呼ばないのですから。原因と結果を入れ替えれば、そりゃ無矛盾になるはずですなあ)

さらに踏み込んで、仮に「食わせることに、国家が一切関与しない」とします。そのとき、もしも世界中の人が「食える」ようになっていたら、きっと政治は古代ギリシャのように、単なる「弁論術による世界規模の人気投票」に過ぎなくなるでしょう。暇つぶしは、それなりに大事ですもん。
また逆に、「食えない」状況で「食わせる」役割のない政府は、どーでもいい存在でしかありませんね。

最近のテレビや新聞は「食える」議論をしなくなりました。自分の食い物の由来を考えなくて良いのですから、豊かなことだと思います。太田光さんもそのうちの一人でしょう。食うことを議論の中心にしなくて済んでいるのですから。

ただ、皆が皆それじゃ困るように思うのですが。。。

投稿: single40 | 2007年10月22日 (月) 16時31分

 自国が「食うため」「生きるため」「発展するため」の対米追随ならまだ良いのですが、政治家の発言やマスコミの論調を聞いていると「対米追随」が目的となってしまっているような違和感を感じることが多々あります。
 何のための対米追随なのかを議論しておかなければ、対米追随が是か非かは分からず、何時しかアメリカが頼れる存在でなくなったときに、切り捨てられるのが目に見えています。
 この議論もタブー化しているような雰囲気ですね...。

投稿: 山本大成 | 2007年10月23日 (火) 09時08分

>single40さん、

>で、この際そういう「思想」が面倒なので(苦笑)仕方なく「思想=食えないもの」という分類にしちゃえと<

「思想=食えないもの」ではなく、そもそも「食うため」に思想というものが存在するのだとばかり思ってましたが、えっ、違うんですか(笑)

>暇つぶしは、それなりに大事ですもん<

御意。
とりあえず食えてる私なんか、今のところ趣味といえば弁論術を磨くブログだけですもん。

投稿: robita | 2007年10月23日 (火) 10時49分

>山本大成さん、

>自国が「食うため」「生きるため」「発展するため」の対米追随ならまだ良いのですが<

その通りでしょう。
政治家はそれを「国益」と繰り返すわけですが、一方でアメリカが頼れる存在でなくなった時のために、自主憲法を制定し、自立しなければならない、としきりにみなさん言っておられるんじゃないですか。
いつもいつもどこかにくっついて生きていくのもひとつのしたたかな生き方とは思いますが。

投稿: robita | 2007年10月23日 (火) 10時55分

>山本大成さん、

TBしてくださった記事を今読ませていただいて、私も普段から思っていることを真面目に書きたいと思いました。
いずれ記事にします。

投稿: robita | 2007年10月23日 (火) 11時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 食う:

» 米軍は何故、日本に駐留しているのか?(日本を守るためではなく、アメリカの都合:沖縄の基地問題:嘉手納基地:自主防衛) [山本大成 「かわら屋の雑記帳」]
 先月後半から、このBLOGにアクセス解析を付けました。  それから今に至るまで、主に業界関連の記事を書いてきたこともあり、見ていただいた方々の多くは住宅関連だったのですが、一つとても目立つ組織からのアクセスが相次いだのを見て驚きました。  そっ、そっ、そっ、それは、なんと「米国陸軍」からのものでした。  恐らくは、「終戦の日」関連の記事をどこかで検索して来てくださったのでしょうけれども、アクセス数も1回や2回ではなく、しばらく目をパチクリしていました。 「終戦の日」の国旗は、「半旗」が作法。(正式... [続きを読む]

受信: 2007年10月23日 (火) 09時09分

« 「働きマン」 | トップページ | 男は黙って・・・ »