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2007年10月19日 (金)

「働きマン」

日本テレビの新ドラマ「働きマン」の第二回目を見た。
演技派だと思っていた菅野美穂が、意外とコミカルな演技が下手でちょっとがっかりしたが、脚本や演出のせいかもしれない。それはともかく内容は興味深いものだった。

仕事こそ生きがいとばかりにギラギラバリバリフル回転で働く出版社社員松方弘子(菅野)の台詞、これは現代の働く女性の心情そのものだろう。

「男と同じように働きたいけど、女でありたい」
「結婚したいけど結婚したくない」

両方達成したいのよ、というキャリアウーマンの願望が痛いほど伝わる。
そしてその願いの中には「社会そして男の理解は必要不可欠である」という条件が当然加わるのである。
しかし、現実、社会も男も冷たい。
松方が携わる雑誌の編集会議で彼女の企画「世界に斬り込む日本の侍たち」は通ったものの、野球選手志村への取材も思うようにいかず疲れ果てる。

一方、他誌の編集者で野球記事の連載を持つ女らしいゆみちゃんは、空回り気味の松方を嘲笑うかのように、姫力を駆使して、猛者揃いの記者たちを尻目に取材困難な志村へのアプローチを果たす。

「女の武器を仕事に利用する姑息な女」と軽蔑する松方。
しかしドラマの後半、彼女はゆみちゃんがただ者でないことを知るのである。

「女の武器」とは、媚びることではなく、柔軟に対処することによって男をこっちのペースに巻き込むことだとゆみちゃんは松方にアドバイスする。「ぶつかっちゃだめです。かわすんです」
それは決して「男と対等に」「男と同じやり方で」物事に取り組むことではなかった。

その上、「薄っぺらな記事しか書けない能力のない女」と松方が決め付けていたゆみちゃんの記事はよく読んでみると、野球選手たちへの女性ならではの優しい眼差しにあふれた素晴らしいものだった。彼女は行動力だけでなく執筆者としても有能な女性だったのだ。

ゆみちゃんはきっと「バカな男は変わらない。賢い女こそそれに合わせて変わるべき」ということにとっくに気づいていたんじゃないだろうか。

そしてゆみちゃんは、「仕事よりももっと守りたいものがみつかった」と言って、結婚して家庭に入るため、職場を去っていくのである。

余談だが、ゆみちゃんの助力で志村の取材にこぎつけた松方の台詞:
「海外に出て行く選手が多い中、メジャーからのオファーを断って敢えて日本にとどまり、日本の野球を大きくして世界を巻き込む、という志村さんの姿勢がこの企画にピッタリなんです」

愛国心もさりげなく織り込んでるところに拍手。

さて、「女の特性をもって男を取り込み、相手の力を利用して主導権を握る」という柔道技についてだが、
そんなベタ言われなくてもわかってるけど、それができたら苦労はないのよ、というのが女性たちの本音であろうと思う。
たしかに、妻が夫を操るのとはわけがちがう。
女性のキャラクターだっていろいろある。みんな同じようにはできないのである。

しかし、かわし技について先刻ご承知の諸姉には釈迦に説法なれど、「男が変わらないんだから、女のほうで変わるべき」、このことをヒントに発想の転換をして新しい動きに出る女性がいるとしたらそれは大きな意味があると思う。
まあ、実際の社会を知らない者の想像の域を出ないわけだから安易の謗りを受けても仕方がない。
でも、そうだとしたら、安野モヨコのあの描写には冷笑が浴びせられるのだろうか。

 

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コメント

亭主と子供の世話をして、家庭と親族を守って、地域の中で一生懸命に生きて居る御婦人に、もう少し尊敬と感謝が与えられる社会でなければいけません。
男女は同権、されど異質。そう諭された賢婦人が居られましたが、全くその通りと思います。
って、私には一番不得手な話ですがね(笑)

(-.-)y-~~~マタイップク

投稿: 飴屋惣助 | 2007年10月22日 (月) 02時37分

>飴屋惣助さん、

専業主婦を否定していたある学者が、自宅前での女児殺害事件について「地域社会を守っていた専業主婦がいなくなりましたから」などと言っていました。
たしかに、私が子供の頃は、よく外でおばさんたちが立ち話したり家の周りの清掃したりしていましたが、今は昼間でも人っ子一人いない寂しい雰囲気が漂っています。
たぶんこれからは退職した団塊世代が地域社会の担い手になると思うので、その点は埋め合わせはできると思いますが。

仰るように、男女は異質ですが、その異質であることを優先させるのか、それとも、世の中の動きに合わせて異質でなくする方向に進むのか、要するに問題は人類生き残りについて、なのですが。

投稿: robita | 2007年10月22日 (月) 12時05分

御互いを大切にしましょうよ、それだけなんですよ(笑)
何故だ。どうしてなんだ。そう立ち向かう事を正義として尊ぶ事も大事でしょうが、そんなもんだろう、そうなんだ、そう受け入れる事も大事。判断の物差しを善悪だけにしてしまわない事…
そんないい加減さも許して下さいな

ナンテネ(*^_^*)/~~~~~

投稿: 飴屋惣助 | 2007年10月23日 (火) 02時55分

>飴屋惣助さん、

>そんないい加減さも許して下さいな<

許しましょう。適当でいい加減をモットーとしておる私といたしまして。

投稿: robita | 2007年10月23日 (火) 11時01分


そんな余裕と遊び心が大切(*^-')ノオシマイ

投稿: 飴屋惣助 | 2007年10月23日 (火) 17時45分

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