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2007年10月26日 (金)

秋風が吹いて

戦後、吉田茂の側近としてGHQとの交渉にあたった白州次郎の妻白州正子(能や骨董など古典美に造詣の深い随筆家)が晩年、家を訪れた取材記者に「現在の国際情勢についてご意見を」と求められ、「そんなこと知るか。私は忙しい」と言って立ち上がり、庭に出て草抜きを始めたというエピソードを何かで読んだことがある。
痛快だ。
夫と共に、東京郊外鶴川の里に庵を結んで老後を過ごした人の達観というものだろう。

友人に、とても文章の上手な人がいる。
大上段に構えず、家族のこと、身の回りで見かけたことなどを、まわりくどくない言い回しで素直に表現する。
ほのぼのとした温かみが感じられる反面、彼女の芯の強さ、頭の良さを感じさせる毅然たる意見に感心することもしばしばである。
彼女はホームページを開いていて、そこに比較的短いエッセイを、日にちを置いてゆっくりと書き続ける。
こんなところ(ネットの片隅でという意味である)に、こんな良い文章を置いておくのはもったいない、何かに応募してみたら、と提案したこともある。
やはり、その腕前は正しく評価され、今年の初め、あるエッセイコンテストで優秀賞を受賞した。

政治のことや世界のことなどどこ吹く風、家族のこと、生活のこと、思い出、季節の移り変わりのことなど、当たり前の身の回りのことを描写する力量こそ素晴らしい。
私のような普通のおばさんには、防衛問題や国際関係のことなど、本当はわかるはずがないのだ。
根拠というよりなんとなく勘のようなものでいろいろ論じているに過ぎない。
政治を語るブロガーの方々は、実に多くの本や資料を読み込んでいて、弁論にも優れている人が多い。
国の軌道修正はそういうかたがたや政治家や官僚にお任せして、そろそろこっちの軌道修正もする時が来た。
次世代をしっかり育てるシステムを作ってほしい。言いたいことはそれだけだ。

柔和なおばあさんになりたいので、意地悪なこと激しいことは今のうちに書いておかなければならない。
若い人たちより少し長く生きている者として、これだけは言っておかなければならない。
いささかつんのめり気味の文章の羅列は、そんなあせりにも似た気持ちからでもあったと思う。

もう言いたいことはだいたい言ったので、ある程度満足だ。
これからはゆっくりと、小説なども読みながら国語力をつけ、もう少しましな文章を書いていきたい。

もちろんまだまだこれから先も言いたいことは噴出してくると思うが、硬い話題もなるべくすっきりと読みやすい文章になるよう工夫しながら書いていこうと思う。

草抜きをしながらそんなことを考えた。

  

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コメント

 最初読んでいて、BLOGをやめられるのではないかと心配いたしました。
(最後まで読んで安心しました)
 
 沢山のBLOGをはじめネットでは、様々な情報や論評が錯綜していますが、理念的なものが多く何やら地に足の付いていない不毛なものが多くあると感じています。
(自分自身も、情報に責任を持てる身の回りのことからの発想や、責任の持てるものしか書きたくないとは思いつつも、時々脱線してしまっています。)

 そんな中で、しっかり地に足を付けて書かれていらっしゃるrobitaさんの記事は新鮮で毎回楽しみに読ませていただいています。(なかなかコメントが出来ず申し訳ありませんが...。)

 これからも硬軟取り混ぜて、様々な記事を楽しみにしています。

投稿: 山本大成 | 2007年10月27日 (土) 16時15分

>山本大成さん、

コメントありがとうございます。
火曜日に書けると思います。

投稿: robita | 2007年10月28日 (日) 10時05分

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