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2007年10月30日 (火)

市場と道場

真魚さんが、私の記事を取り上げてくださったので、お返事を書きます。

真魚さんの仰ることは正義感にあふれたものだと思います。

>本当の強さとは、あの国には信頼がある、尊敬ができる、だから、あの国の言うことは正しいと思う、あの国に従います、そうなるのが本当の強さです。
そうした「強さ」を持つ国にならなければなりません。<

私の言う「強い国」とは、まさにこういうことも含まれます。(「含まれます」というのは、真魚さんの弁だけでは「理想論」と言われても仕方のないほど国際関係は複雑であり、生存競争の力学で動かざるを得ないものだと理解しているからです)

真魚さんの文章を読んで3つポイントがあると思いました。というか、私が無知なので知りたい点です。

① 日本が再び軍国主義になって自分たちをいじめるのではないか、中国韓国は、本当にそんなことを心配しているのだろうか。

そうではなく、特に中国は自身がアジアの覇権を握る、その目的のために日本をとにかく恫喝して抑えておく、そういうことではないのでしょうか。でなければ、中国自身が「嫌われたり」「警戒されたり」「恐れられたり」するようなことを平気な顔でやっていることの説明がつきません。核兵器を所有しながら、「日本は怖い、日本は怖い」ってなんですか、それ。

>前の戦争を反省していない不気味な国があったら警戒するのは当然です<

この言い方がどうにも私には理解できません。
現在進行形の自国の行為を反省しない不気味な国は当の中国ではありませんか。
中国も、過去の戦争についての60年以上にわたる日本の国内論争を眺めていれば、色々な観点はあろうけれども「反省」にまみれているのは日本だということを知っているはずです。

アメリカから独立したはいいけれど、今度はあの中国の属国になるのではないでしょうか。中国ってそんな戦略で動いている国ではないのでしょうか。

「日本が恐ろしい国になるのではないか」と心配する中国の気持ちはわがことのように理解してあげられるのに、中国の恐ろしい計画を警戒する日本を理解しない・・・、これはまさに、左翼のかたがたに見られる自虐体質ではないのかなあと思います。

>また、あの連中は何がしでかすんじゃないか、どうも信頼できない、あの国は今度は核ミサイルを抱えてカミガゼ攻撃をしてくるんじゃないか、
そういう懸念があるから、国連でも日本はまだ敵国条例の対象になっているのです。<

懸念ですか・・・、アジアを侵略し収奪しておいて、勝手に敵国条項を作った連中にそんな懸念を持ってほしくない、そう思いませんか。まるで、世界の中で悪いのは日本だけ、みたいな仰りようです。

② 憲法9条を変えなくても、国外で武力行使は可能か。

わが国の防衛の面だけで考えるならば、核兵器でも持たない限り、改憲しようが護憲しようがそれほどのかわりはない、と私は思っていますし、今までもそう書いてきました。
ただし、発展途上国への支援を考える時、お金さえあげれば済むという話でなく、やはり、各分野での技術指導を行う際など、特に紛争地などでは危険が伴うわけで、他国の軍隊なども入って治安維持に努めている国では、日本だって軍隊を送る必要が出てきますよね。いつもいつも他国の軍隊に守られるしかないのではそれこそ自主独立の精神に反します。
改憲しないで紛争地で正当防衛の戦いはできるのでしょうか。

③ 日本の経済的豊かさの維持発展について。

例えばアメリカで民主党政権ができると、国内企業の保護政策がもっと強くなるので、日本の輸出産業にとっては不利だ、などと聞いています。
もちろん、アメリカは日本を言いなりにしておけば自国にとって有利だと考えているから、民主党政権だろうが共和党政権だろうが日本を言いなりにするために悪いようにはしないとは思いますが、日本の側から「アメリカと距離を置きます」という態度を取った場合、日本の商売上の損得はどうなるのでしょう。そしてそれは国内景気にどう影響するのでしょう。
商売はアジア、とりわけ中国にシフトすれば万事OKだというならそれでちっともかまわないと思います。
じゃあなぜ、日本政府はこんな簡単なことができないのでしょうか。
国内景気に大きな影響が出てくるからじゃないんでしょうか。
そして、今の日本人に「それでもいいんだ、景気悪くなっても、アメリカから独立できるんなら少しの貧乏は我慢しよう」というつもりなどないことを知っているからじゃないでしょうか。
おそらく、今の日本人は一年も我慢しないんじゃないかと思います。
誇り高いサムライのような日本人などもうどこにもいません。
政治家や官僚だけが腰抜けだと思ったら大間違い。
豊かさにあふれながら「お金が足りない」と不満を言い続ける日本人。もちろん私だってもっとお金がほしい。ああ、お金があったらなあ・・・。

で、真魚さんが、例に出された空手の達人の毅然たる精神ですが、個人レベルでこれは素晴らしいと私は思います。
ストイックな生き方を選ぶのは個々人の自由ですし、そういう生き方の人を私もとても偉いと思うし尊敬もします。

でも、国は生き残らなければならない。豊かにならなければならない。国は精神性を求める道場ではないから。

だけれども清く美しく強い精神を国として育てることも大事。そういう精神を持たなければ世界から一目置かれることもないから。

国家はこのバランスをうまく取ることが大事で、日本はそのバランスを世界で一番うまく取ってやろうじゃないか、というのが戦後体制からの脱却を願う人々の考えであろうかと思います。
そのために、辛い年月を乗り越えなければならないのなら、そうしたらどうなんでしょう。
でも、「少しも我慢したくない」というのが民意であれば、そうはならないでしょう。

     

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コメント

Robitaさん、初めて書き込みいたします。よろしくお願いします。
真魚さんとRobitaさんのやり取りを見ていて気になった点「前の戦争を反省していない云々」について。

私は、過去日本が何度も公式に謝罪を繰り返したり、また、左翼の方々の対アジア謝罪活動がいかに繰り返されようとも、中国や韓国が受け入れる事はないと確信しています(これは彼らにとって日本を屈服させる交渉カードという面もありますがそれはひとまず置いておきます)。なぜなら、日本式「謝罪」と彼らの「謝罪」は全然異なるからです。

それは何故か?日本人の考える謝罪というのは「自分が悪かった」ということを率直に認める”だけ”だからです。謝罪する相手が日本人ならそれでもいいんです。「あれだけ潔く認めたんだから‥」「いやこちらも悪かった」という事になり「所詮は同じ人間じゃないか」という風に同じ日本人なら受け取ってくれるでしょうから。

実際の日本の行動を考えても見てください。日本は”自ら”A級戦犯を裁きましたか?天皇を軍事裁判にかけたでしょうか?また、例えば中国では売国奴とされている「秦檜」を侮辱するために、唾を吐きかけるための銅像があるのですが、同じような「東條英機」像を作ったでしょうか?彼らが求める謝罪というのは、そういうことだと思います。

戦後60年経っても、日本では戦争責任であーだこーだ言っていますが、いつも落ち着く先は「一部の軍国主義者」「日本軍」「天皇」はたまた「マスコミ」が悪かったでオシマイです。”抽象名詞”である「一部の軍国主義者」「日本軍」「天皇」「マスコミ」を槍玉に挙げれば、日本人は反省したつもりになっているだけなのです。
そして、具体的な「一部の軍国主義者」や「昭和天皇」を裁くことなど全然実行しようとしないのですから(マスコミ自身も全く反省してないですし)。

こんなことで中国が、日本が反省したと思うでしょうか?
中国側から見れば、自分が悪いといって謝罪しておきながら、当然実行すべきことをやるどころか、逆に戦犯を靖国神社に合祀するとは、日本人は嘘つきでとんでもない連中だと思うのではないでしょうか?
彼らに日本式謝罪は通用するんだとの思い込みはもういい加減捨てるべきなのです。

日本人は、実際に「軍国主義者」や「昭和天皇」を裁くつもりなど毛頭ないのですから、日本式謝罪などを今後繰り返す事は、相手をますます誤解させるだけなので、もうこれ以上謝罪を繰り返すべきではありません。

それではどうすればいいのか?ということになりますが、彼らの考えるとおりの謝罪をすることは到底出来ない以上、日本人は一部の人間に責任を負わす形での謝罪は出来ないことを説明した上で、今後自ら戦争を起こさないよう実際の行動で示していくだけで充分だと思います。

私が思う本当の反省とは、どうして戦前の日本があのような無謀な戦争に突入して行ったのか、その当時の日本人の思考形式・行動様式を分析し理解すること。そして同じ過ちを繰り返さないこと。これだけでいいはずです。
なにも、「日本軍が残虐だった」とか「中国韓国の言い分を認める」ことが反省ではないと思うのですが、左翼の方にはどうもわかってもらえないんですよね。

長々と書いてスミマセン。お二人の意見を読んでいてまず「謝罪・反省」とは何か議論しないとかみ合わないまま終わってしまいそうな気がしたものですから書き込ませていただきました。乱筆失礼。

投稿: 一知半解男 | 2007年10月31日 (水) 18時40分

★一知半解男さん、

いらっしゃいませ。
仰る通りだと思いますよ。ただ、個々の事柄について異論を述べていくとあのようなやりとりになってしまいます。ご理解ください。

小林よしのりが、「朝まで生テレビ」に出演の際、控え室で中国人の論客たちとじっくり話し合って、ついに「日本人の説明不足だ」という回答を得、「中国人との話し合いは可能だ」と感じたエピソードを書いていました。
しかし、それでも「中国人はなお『A級戦犯』や『お詫びの文言』にこだわる。どうしたらいいものか」とも書いていました。
向こうが「日本軍が残虐だった」とか「中国韓国の言い分を認める」ことを要求し続ける以上、いくら日本が「そういうことが反省なのではない」と言ったところで、ことは収まらないのではないでしょうか。
それとも一知半解男さんは、「日本の左翼のかたがたさえこれを理解すれば、ことは簡単なのだが」というお考えですか。

投稿: robita | 2007年11月 1日 (木) 09時24分

>個々の事柄について異論を述べていくとあのようなやりとりになってしまいます。ご理解ください。

そうですね。場違いなコメント入れてしまって済みません。

>向こうが「日本軍が残虐だった」とか「中国韓国の言い分を認める」ことを要求し続ける以上、いくら日本が「そういうことが反省なのではない」と言ったところで、ことは収まらないのではないでしょうか。それとも一知半解男さんは、「日本の左翼のかたがたさえこれを理解すれば、ことは簡単なのだが」というお考えですか。

でも、せっかく質問を頂いたので、私なりの考えを述べさせて頂くと、Robitaさんのご指摘どおり、事は収まらないのを覚悟のうえで対応するしかないと思います。

具体的には、靖国参拝については、謝罪とは関係がないことをはっきり主張し内政干渉を止めさせることです。 南京大虐殺等については、欧米を舞台に反論を展開し、中国のプロパガンタに対抗していくしかないでしょう。

そこで難しいのは、中韓の主張を否定することが、反省していないと受け取られてしまうことですね。しかし事実でないことについて反省するまねをすることは、結局事実でないと信じる人達の反発を招き、中韓に迎合する左翼はこの人々の口を塞ごうとやっきになってしまう。
そして左翼の人達は、事実論では敵わないから相手を「反省していない軍国主義者」とのレッテルを張るのみでまともに討論しようとしない。これもやっかいな問題です。

結局、「事実」は思想・信条・善悪とは関係ないということをわきまえていない人が、左翼の人達に多すぎるような気がします。彼らはまず「結論」ありきで事実をそれに当てはめようとしちゃうんですよね。

何だか回答になってないような気がしますがスミマセン。難しい問題ですね。

投稿: 一知半解男 | 2007年11月 2日 (金) 23時42分

★一知半解男さん、

今日の記事にしました。

投稿: robita | 2007年11月 5日 (月) 10時22分

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