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2007年11月19日 (月)

トップランナー日本

「選択」という雑誌の今年5月号に「『宇宙技術』の先端行く日本」と題した論説が載っている。
これを読むと、日本は何も手をこまねいて他国に後れをとるに任せているわけではないことがわかる。

【 宇宙開発競争はますます熾烈になってきた。わが国でもJAXA(宇宙航空研究開発機構)を中心に、宇宙インフラ構築や各種宇宙開発プロジェクトが進行中である。国際宇宙ステーション(ISS)建設において、日本はその中枢施設である有人実験棟「きぼう」の開発を担当した。___中略___円筒状の船内実験室には、最大四名までの研究者の長期滞在が可能である。】

以下、要約。(面倒くさかったら読み飛ばしてもOK。要するに日本がどんだけすごいことを着々とやっているかの紹介です)

・無重力の環境下では、地上では生成不可能な特殊金属や有機素材を開発することができる。また、医薬品の開発や病因の究明に必要なタンパク質の構造や機能の解明には、微小重力空間での単一の分子からなるタンパク質の結晶が不可欠だ。

・ISSからは地球表面の85%を観測できるので、自然環境問題への総合的な対応を図ることができる。

・JAXAはH-ⅡA型ロケットをさらに大型化し一段と性能を高めたH-ⅡB型ロケットを開発中。(このメリットはすごいものだが長くなるので省略)

・「水素推進系エンジン」に代わって、安価で小型軽量化可能な液化天然ガス使用「LNG推進系エンジン」や両推進系併用の新エンジン開発を進めている。

・昨年末に打ち上げられた技術試験衛星「きく八号」は移動体の通信能力を飛躍的に高める基礎技術を目的としている。災害時や非常時の情報交換、緊急車両の運行支援、被災者救助の迅速化などに役立つ。

・これから続々と打ち上げが予定されている特殊目的衛星は高速インターネット網を僻地までカバーし、「遠隔医療」が促進される。

・NASAと共同開発の全地球降水観測衛星は、豪雨や旱魃などの予知、それらへの対応、さらには良好な地球の水環境の維持に役立てるねらい。

この他、書ききれないが、温室効果ガス観測技術衛星、宇宙ゴミ処理技術、金星、水星、月面探査機などの研究は進行中であり、また探査ロボット、特殊な電波処理技術の研究などは日本がもっとも得意とする分野であり、現在世界の最先端を走っている、ということだ。

そして【 科学の全力域にわたる最新知識や最先端技術を結集した宇宙開発は、副産物として膨大な民需技術を生み出すから、技術立国を標榜する日本は、この競争で後れをとるわけにはいかない。 】と結ぶ。

これらを担う人材育成、それに先立つ子供たちへの科学教育、そのための教育予算、国民にこれらの壮大な計画の重要性を知らしめて納得してもらうことが大切だ。

余談だが、この論文の中で、太陽風(太陽光)を利用し燃料なしで推進する太陽帆船の計画も進行中、とある。

昔、アーサー・C・クラークの短編で読んだ荒唐無稽と思われた太陽帆船がリアリティを帯びてきたことに深い感慨を覚える・・・というのは前に書いたか。 太陽系の大航海時代ですと。植民地獲得競争が始まるのかね。

      

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コメント

こんにちは。はじめまして。
株式日記さんのブログから来ました。
「独立宣言」を興味深く拝見しました。
「謝る謝らないの問題でなく」のエントリーが気になりました。

中国(外国)には事実に基づかない謝罪はしてはいけませんね。
理由は、謝罪することは彼らの誇大妄想を支持することになり、支持されたことで彼らがさらなる妄想を繰り返すことになるから。

こちらに私の師事する岸田秀先生の論文『屈辱の連鎖としての歴史』が掲載されています。そもそもここからの議論が必要だと考えます。
http://www.geocities.jp/nowandthenwy/dvd-ronbun-01.html

上記は株式日記でも紹介された『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』のコアの章です。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/d37981eb24500133db34ec0aa0ae61f7

投稿: id | 2007年11月19日 (月) 14時51分

宇宙開発って夢があっていいですね。
私も大好きなのでよくネットで情報漁っているのですが、日本の宇宙開発ってあまり楽観できる状況じゃないみたいですよ。(夢のある話に水を差すようでスミマセン)

私も本屋の立ち読み程度なので詳しくないのですが「航空情報」(だったと思う)によれば、衛星の基本バス技術で欧米に立ち遅れ、商業衛星を受注できない理由もそれだとか。
また、技術が高いと言っても、目標達成するまでのコストが欧米に比べて高く効率が非常に悪いため評価が低いそうです。

>・「水素推進系エンジン」に代わって、安価で小型軽量化可能な液化天然ガス使用「LNG推進系エンジン」や両推進系併用の新エンジン開発を進めている。

このLNG推進系エンジンもトラブル続きで、本来の予定ならもう打ち上げているはずなのに未だにいつ打ち上げられるかわからない有様。ひょっとすると打ち上げずに中止されるかも知れません。

他にもルナーA(かぐやより前に企画された月探査衛星)のペネトレータ開発難航に伴い衛星本体が老朽化して開発中止した件(数百億円がどぶに消えました)もありましたね。

アメリカの宇宙ステーション計画にも振り回され、延期に次ぐ延期。さらには費用負担の増加などで、本来の宇宙開発にまわす予算も食われてしまっているらしいですし。

どうも日本の宇宙開発は、行き当たりばったりのアメリカ頼みでどうも先行き暗そうです。

宇宙開発ウオッチャーの間では有名な松浦晋也さんの記事を読むとなかなかばら色ではなさそうです。参考にどぞ。

日経BPの松浦氏の記事↓
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/matsuura/space/

松浦氏のブログ↓
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/

水をさすような話だけではなんですから、一つ期待できる話も紹介しておきます。
それは北海道で民間が開発しているカムイロケット(無火薬のプラスティック燃料を使ったハイブリットロケット)です。

つい先日にもTBSテレビの「夢の扉」↓で開発指導者の永田先生が紹介されたりしていました。
http://www.tbs.co.jp/yumetobi/backnumber/20071007.html

日本もアメリカに負けじと民間宇宙開発に取り組んでいる様を見ると本当に嬉しくなります。

この永田先生と植松先生が書いているブログは本当にお勧めです。お二人の先生は忙しい研究時間を割いて、地元の子供たちにロケット教室を開いたり講演活動を行なったりされていますが、子供たちに必要な教育活動とは、きっとこのようなものだと思います。
このような人達が活躍すれば、日本の未来も明るいものになるんじゃないでしょうか。

カムイスペースワークスブログ↓
http://myhome.cururu.jp/camuispaceworks/blog

みんなが、植松先生のように前向きに考えればきっと日本はよくなるはず。是非ご一読ください。

投稿: 一知半解男 | 2007年11月19日 (月) 21時57分

★一知半解男さん、

わあ、詳しいですね。
私は雑誌「選択」の記事を読んですごく嬉しくなったのですが、そうですか、実際は悲観的なんですね。
確かに私の記憶では日本の宇宙開発事業は失敗続きという印象が強く、いつの間にこんなすごいことになっていたのだろう、と思っていました。
ご紹介いただいた松浦さんの記事「日本の宇宙開発はインドにも対抗し得ない」を読むと、インタビューに答えるJAXA研究員の焦りがひしひしと伝わってきます。
日本の宇宙開発は予算も人材も不足しているので壮大な計画も立てられず、行き当たりばったりにならざるを得ないのでしょうか。
というより、壮大な計画を立てる重要性を認識してないので、予算がまわらないのでしょう。
インドの下層階級の貧しさは相変わらずだと思うのですが、それでもその対策のために技術開発や人材育成で世界に後れを取るわけにはいかない、それは国自体の発展のためにならない、という考えなのでしょうね。
記事の最後の言葉で暗澹とした思いになりました。
「つまり、独自の有人宇宙活動には、予算が必要で、予算をきちんと使うには人材が必要です。人材は一朝一夕に育たないから、10年間かけて育成していかなければならないけれども、日本は『10年間、独自の計画を持たない』と言い切った時点で計画的な人材育成を放棄してしまった。それどころかリストラでJAXAの職員数は減少しています。」
未来を見据えた国力強化の重要性を強く訴えられれば、それに応える器量を皆で持ちたいものです。マスコミの役割も重大だと思います。
カムイスペースワークスブログは科学分野のブログランキングで2位なんですね。
ここのような主婦のブログでの紹介も一助になると思います。ありがとうございました。

投稿: robita | 2007年11月20日 (火) 10時26分

★idさん、

はじめまして。
株式日記さんのコメント欄にも書いたのですが、私は反米というわけでもなく、日本がどうするべきなのか実はどちらでもいいというかよくわからないというか、成るようになる、なんていい加減な思いでいるのですが、左翼の人たちの考えにアメリカと決別した後の対策もなければそのことに伴うさまざまのデメリットについては覚悟があるのかどうかもなさそうなので、その疑問を含めて書いた記事です。

「謝る謝らないの問題でなく」はかなりのコメント量です。実際は一人のかたとのやり取りが長引いてしまっただけですが。

>中国(外国)には事実に基づかない謝罪はしてはいけませんね。<

私もそう思うのでその前の記事の応答としてあのエントリーを書きました。
ご紹介のサイト、読んでみます。ありがとうございました。

投稿: robita | 2007年11月20日 (火) 10時34分

 日下公人さんの本などを読むと、先端技術は勿論の事、文化・思想・価値観などの「日本が今持っているもの」「古来より伝わっているもの」は今の世界に通じるものが多く、21世紀の世界を切り開くのは日本かもしれない等と書かれていて、元気が出ることがしばしばあります。
(アニメの輸出を通して、そのアニメの背景となる日本の文化や思想が世界に伝わり、世界中の価値観そのものを変えつつあるそうです)

 どこの国にもある「悪い点」ばかりを注目するのではなく、私たち日本人が持っている「良い点」をもっと評価した絵も良いように感じています。

(余談で失礼しました)

投稿: 山本大成 | 2007年11月22日 (木) 09時50分

★山本大成さん、

なるほどねえ、こういう話はほんとに元気が出ますね。
日本の良いところを、日本人自身より世界の人のほうがわかっているかもしれないということでしょうか。
余談どころか、こういうことこそ、今の日本の問題の核心ではないかと私には思えます。

投稿: robita | 2007年11月22日 (木) 17時23分

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