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2007年12月 3日 (月)

事の本質

物事の本質を理解することが重要である。
問題の根本原因がどこにあるのかを見抜けなければ、解決の方法も的をはずれたものになって、事態はますます泥沼化する。

single40さんの記事「ワイドショー国会の行く末」では、事の本質がわからないバカなマスコミのおかげで格差はますます拡大する、と書かれ、また、kakuさんの久しぶりの記事「育児課程三学年修了レポート:少子化施策は聖域か」では、「国の的外れの施策(官僚の陰謀)は何の役にも立たず、親はそれを認識しなければならない」という。

私には難しいことはわからないのだが、わからないなりになんとなくわかる、ような気がする。なにより、日ごろからそのご意見には感服し信頼を寄せるお二人であるからして、必然的に傾聴してしまう。

ところで、先日読んだ週刊新潮の記事にこういうのがあった。

要約:
【近頃の東大生は就職先に官庁を選ばない。民間企業が人気である。しかも、「外資系企業」であり、金融関係である。最高峰に君臨するのがゴールドマン・サックス証券。外資の魅力の第一は給与水準が日本企業とは桁違いであること。外資の試験に落ちた東大生が滑り止めのように霞ヶ関を狙うという構図がここ数年、定着し、天下の財務省が就職先としては“もはや二流扱い”されているわけだ。】

で、これは憂慮すべき事態ではないか、と夫に話を振ると、
「それでいいんだよ。官僚にはカネのことはわからないんだから、わかる人間にまかせればいいんだ。優秀な人間が外資に行くのはかまわない。外資系企業を渡り歩いてキャリアアップしてそれが結果的に日本のためになる。
日本はまだまだ金融の規制緩和が進んでいない。竹中はそれをやろうとしたんだ。政治家もマスコミもそれが理解できない。マスコミが『竹中はアメリカの言いなりになっている』なんてバカなことを言うが、アメリカじゃないんだよ。それが世界全体の流れなんだよ。」と、要約するとたぶんこんなことを言っていたと思う。夫の話は長くなるとこっちも理解しにくくなるので定かではないが。

夫の言い分はsingle40さんの『国とか官が、経済に役立つことは、基本的に「ない」のである。そんな時代は終わった。』というご意見と共通していると思う。

悩んでしまうのは、週刊新潮の記事の中のこういう記述である。

【記者が続ける。「(東大生就職)説明会の感触では、来年はさらに状況が悪化する模様です。その原因は、渡辺喜美行革担当大臣でしょうね。彼が今年の春、新人材バンク設置という天下り規制を提案したため、近い将来の天下り全廃が学生に印象付けられてしまった。これまで、学生に、“うちは天下り分の退職金を含めれば、生涯賃金は8億円”と豪語していたが、その決め台詞がさすがに使えなくなったのです」】

なんとまあ、「天下りが諸悪の根源だから、それを禁止しようとすると、優秀な頭脳は逃げて行ってしまう」というのである。

しかし、その一方で、就職説明会で総務省の担当者が「最近、霞ヶ関に来る東大生の志望動機が変わってきている。昔は権力志向でギラギラしている人間が多かったが、最近は純粋に社会のために働きたいという学生が増えた」と言うのだそうだ。

ギラギラした学生が外資に行ってしまったから、残りのそこそこ頭が良くて真面目な学生が官庁に残ったのだろうか。それとも、公の精神が取り戻されつつあるのか。いずれにしても喜ばしいことではある。

結局、純粋に国のために働こうという志を持つ官僚が、天下りをしなくてもすむような待遇を図ることが最も重要だ、という以前からよく聞く結論に達する。

もうひとつ重要なことは、国民がマスコミに踊らされない知性を持つ、ということだと思う。
先週の「荒川強啓デイキャッチ」での宮台真司教授の話は「マスコミに振り回されないための教育」(つまりメディアリテラシー)の話であった。

一つの国内にも、いろいろな思想があるから、「情報を読み解く教育」というのも非常に難しいとは思う。
しかし、根本に「国を良くしたい」という気持ちがあればこそ、メディア・リテラシーの重要性も国民に周知されるのであろうと思う。

       

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コメント

robitaさん、

ご紹介頂き有難うございました。

>優秀な人間が外資に行くのはかまわない。外資系企業を渡り歩いてキャリアアップしてそれが結果的に日本のためになる。日本はまだまだ金融の規制緩和が進んでいない

>マスコミが『竹中はアメリカの言いなりになっている』なんてバカなことを言うが、アメリカじゃないんだよ。それが世界全体の流れなんだよ。

ご主人のご意見に100%ひれ伏します。ただし、喧伝しているのはマスコミだけじゃなく、少なからぬニッポン・エリートも加わっています。世界全体の流れに乗ればその価値が下がる人たちですから当然といえば当然です。

しかし、親と言うのはなんと必死な生き物か。何としても子供たちを生き延びさせん、と。私もやっと学んでまっす。

投稿: kaku | 2007年12月 3日 (月) 13時52分

robitaさん、拙記事のご紹介ありがとうございます。

>「最近、霞ヶ関に来る東大生の志望動機が変わってきている。昔は権力志向でギラギラしている人間が多かったが、最近は純粋に社会のために働きたいという学生が増えた」と言うのだそうだ。

つまり「お坊ちゃん官僚」が増える、ということなんでしょうか(笑)そうであれば、私は歓迎したいと思います。

>結局、純粋に国のために働こうという志を持つ官僚が、天下りをしなくてもすむような待遇を図ることが最も重要だ、という以前からよく聞く結論に達する。

たぶん、と思うのですが、今の官僚だって(あのモリヤさんだって)きっと、入省当時は「青雲の志」に燃えていたのじゃないでしょうか?だけど、だんだん年数が経って、いつしか「稼ぐが勝ち」「要領よくやったもん勝ち」だと思うようになり、ずぶずぶと深みにはまる。

北朝鮮と手打ちを図った外務省の田中均氏について、私は「国賊」と呼んでいたのですが、外務省内ではサムライなのだそうです。「何もしなけりゃ黙っていても6千万円の退職金」なので、事実、歴代何もしない北朝鮮担当が続いたわけです。なので、動いただけでもスゴイ奴らしい。。。拉致家族のことを思えば、実にトホホなんですが、それでも「国賊」呼ばわりは辞めたほうがいいかなぁ。。。

それより、こんな官僚機構に、どうして「優秀な頭脳」が必要なのか?スポイルされる頭脳は「最初からバカ」のほうが、当然国の損失は少ないじゃないか(←暴論)、、、などと大声で言えば、当然抗議が殺到しますので、小さな声でボソボソ言うんですよ。

無責任メディアをのさばらせてしまったのは、私のような小市民なのかもしれませんなぁ。。。

投稿: single40 | 2007年12月 3日 (月) 14時37分

 藤原正彦さんの本で、「1000人のテロリストが居ても国は滅びないが、1000人の真のエリートが居なくなれば国が滅びる」との文章を読んだ記憶があります。
 「公(おおやけ)」の為に踏ん張ろうという意識を持った、真のエリートを育てる仕掛けを改めて考えねばならない時期なのでしょうね。
 そして少なくともその方達には、それに見合った収入成り社会的な地位を与えてあげたいものです。
(私個人は、役人の給与が安すぎると考えていました)

PS.
 加盟している業界団体で天下りを受け入れてきていますが、天下りも決して悪いことばかりではなくその方達でないと出来ない仕事があるとの評価を持っています。
(海千山千の業界各社を仕切れるのはその方達以外にはあり得ず、また中央に業界としての考え方を伝えるにもその方達の人脈が必要不可欠です。天下りがダメになるとうちの業界は困ります。)

投稿: 山本大成 | 2007年12月 4日 (火) 09時58分

★kakuさん、

>ただし、喧伝しているのはマスコミだけじゃなく、少なからぬニッポン・エリートも加わっています。
世界全体の流れに乗ればその価値が下がる人たちですから当然といえば当然です。<

すると、こう書き直したほうがいいですね。

「保身を図る少なからぬニッポン・エリートとそれに乗っかるマスコミが『アメリカの言いなりになっている』なんてバカなことを言うが」

>しかし、親と言うのはなんと必死な生き物か。何としても子供たちを生き延びさせん、と。私もやっと学んでまっす。<

kakuさん、えらい。
私なんかそんな必死でなかった。たぶん、kakuさんや多くのお母さんたちにとって、今の時代、子育ては私たちの頃より色々な意味で格段に苦労が多いのだなあ、と思います。
でも、時代がこうなのだから仕方がない。昔の子育て法や制度を云々してたって始まらないのだから、変えていくしかないんですね。

kakuさんのブログの記事のコメント:
>ちょっと前までなら「情熱」でした。しかし、今は「危機感」「切迫感」以外の何物でも無くなりました。<

人間、根本に「熱」がなければ、危機感だって感じなくなるんじゃないですか?
もうどうでもいい、誰かがなんとかしてくれるだろう、とか、愚痴だけしか言わない人はやっぱり「熱」がないんですよ。
私も偉そうなことは言えないけれど、このネットという便利な手段を使って「だって国民主権って国民が決めるってことなんでしょ。国民が決めたことが今の政治なんでしょ・・・」ってボソボソつぶやくぐらいの熱はあります。
だから、政治ブログやってる人はみんな情熱家じゃないのかなあ。


投稿: robita | 2007年12月 4日 (火) 11時16分

★single40さん、

>たぶん、と思うのですが、今の官僚だって(あのモリヤさんだって)きっと、入省当時は「青雲の志」に燃えていたのじゃないでしょうか?
 だけど、だんだん年数が経って、いつしか「稼ぐが勝ち」「要領よくやったもん勝ち」だと思うようになり、ずぶずぶと深みにはまる。<

そう、人間は堕落するものですからね。
結局どんな組織もこうやって堕落し崩壊し構築し直す必要にかられる、その繰り返しなんでしょうなぁ・・・、(とsingle40さん風に)

いや、しかし、ボソボソというつぶやきの中にも「真の情熱」はしっかりと感じ取れますとも!
なにしろ、主権者たる国民が変わらないことには何も変わらないのは明らかなのですから。
これからもボソボソと怒りの記事お願いします。少しでもそれを広めることぐらいは私にもできます。

投稿: robita | 2007年12月 4日 (火) 11時18分

★山本大成さん、

>「1000人のテロリストが居ても国は滅びないが、1000人の真のエリートが居なくなれば国が滅びる」<
>真のエリートを育てる仕掛けを改めて考えねばならない時期なのでしょうね。<

その通りだと思います。

>(私個人は、役人の給与が安すぎると考えていました)<

そうらしいですね。だから、天下りをせずにはいられないのだとか。

>天下りも決して悪いことばかりではなくその方達でないと出来ない仕事があるとの評価を持っています。
(海千山千の業界各社を仕切れるのはその方達以外にはあり得ず、また中央に業界としての考え方を伝えるにもその方達の人脈が必要不可欠です。
天下りがダメになるとうちの業界は困ります。)<

なるほどねえ。
これが天下り廃止がとてつもなく難しいといわれる所以なのですね。
何かそれに変わる仕組みを作らないといけないのでしょうかねえ。


投稿: robita | 2007年12月 4日 (火) 11時22分

robitaさん、

ちょっと真面目にコメントします。

>私なんかそんな必死でなかった。たぶん、kakuさんや多くのお母さんたちにとって、今の時代、子育ては私たちの頃より色々な意味で格段に苦労が多いのだなあ、と思います。

私の母も全く同じ事を言います。そうなのか…そうなのかもしれない、でも、子育てに限らず、その時代にはその時代なりの苦労があり、だから、世代間でお互いに対し敬意を払って接する。利害対立ではなくて。それが成り立っている国こそが、最も幸福なかたちなのでしょうね。

それにしても、今、本当に思うのです、三人のお子さんを立派に育て上げられたrobitaさんはまったくもって偉大。ご主人も偉大。

家庭の平和を維持することは、家庭内での愛情が絶えていれば不可能で、しかも、その「愛」は各構成員にきちんと伝わっていなければならないわけで。今の時代、これは本当にすごい事です。

前から頭では知っていましたが、今は声を大にして社会に伝えたいわけです。これぞマザーテレサの【愛】を実践出来ているということ、国民栄誉賞に値します。

しかし、出産しただけで「一人前!」みたいに扱われる様な時代に、「子供をたくさん持ち育てたい」と言うお嬢様を育て上げた…親として人間として、もうこれ以上の勲章/褒章は無いですね。

ああ(溜息)…私なんぞ、皆目自信がありませぬ。


投稿: kaku | 2007年12月 6日 (木) 12時38分

★kakuさん、

励ましのお言葉、本当にありがとうございます。力がみなぎってきます。
私まだまだ子育て終わってないし、これから孫育ても控えているし。
「グレートマザー」目指して、これからの私にもできることがあるかもしれません。
何をするにしても、周りの人々の助けがなければ何もできません。
私はそのおかげでなんとかやって来られました。
私の周りのお母さんたちは私なんかよりはるかに大変で一生懸命子育てやっていました。もっとも、私のいい加減さが効を奏した部分も少しはあるかなあ、とは思いますが。
たしかに子育てはその時代なりの苦労がありますが、色々な意味でとてつもなく複雑になってしまった今の時代の子育てはやはり大変なのです。
おじいちゃんおばあちゃんの世代は今まで以上に子育てに協力する必要がでてきたんじゃないかと思います。
過ぎてしまえば、乳幼児の大変な時期も思春期の難しい期間もほんの数年です。
苦労の時期がなければ実りの有難みもありません・・・・(なんて立派なこと言い過ぎ、へへへ)

>ああ(溜息)…私なんぞ、皆目自信がありませぬ。<

自信というのは、どれだけ懸命に子供に尽くしたか、というより、どれだけ鈍感だったか、ということで持てたような気がします。私の場合。
kakuさんは今はとてつもなく忙しく、ブログをやる暇もないとは思いますが、陰ながら応援してます。

投稿: robita | 2007年12月 7日 (金) 10時00分

はじめまして(^-^)
偶然、お邪魔しましたが・・
面白く読ませていただきました。

応援1票、ポチッ!

投稿: 卯月 | 2007年12月 7日 (金) 23時39分

★卯月さん、

はじめまして。
読んでくださってありがとうございます。
一票に深謝いたします。m(_ _)m

投稿: robita | 2007年12月10日 (月) 11時22分

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