「この世界の片隅に」
毎日寒いなあ。
窓開けたくないし、掃除もしたくない、洗濯もしたくない。
おこたでぬくぬくしていたい。
こういう時、団地のマンションにいた頃は楽だったなあ、と思います。
お風呂場も台所もこんなに寒くありませんでしたもの。
昔から動作はのろかったけど、年とともにますます起動が鈍くなりつつあります。
家の者を送り出したあとは、新聞なんか読んじゃって、テレビなんか見ちゃって、それからようやく動き出すこともよくあります。
寝たきりの母の朝のケアは母の家に同居している妹まかせなので、そっちは特にすることもなく、ああ、なんだか怠惰に流れつつある還暦直前の専業主婦。
でもこういうお話を読むととたんに、顔をぴしゃぴしゃ、まわしをぱんぱんする単純な私です。 → こうの史代 「この世界の片隅に」
「長い道」にも「夕凪の街 桜の国」にも描かれる、のほほんとした人々の日々の営みに、自由や情報という強力な武器を手に入れた現代の威勢の良い人々とは別種の、底知れないパワーを感じるのはなぜでしょうか。
「普通の母親」 という記事を書いたことがあります。
女が知恵の木の実を食べることによって得たものは、悩み苦しみの部分のほうが大きいのかもしれない、という趣旨でしたが、こうのさんのこの作品に、知らないでいることの幸せを思いました。
彼女の好きな言葉は、ジッド(アンドレ・ジード)の 「私はいつも真の栄誉を隠し持つ人間を書きたいと思っている」 だそうです。
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コメント
robitaさん、
「夕凪の街 桜の国」は映画も見ました。見る前は、あの原作をどう映像化するのかと思っていましたが、うまく映画化していました。麻生久美子が平野皆実を良く演じています。田中麗奈は初めて見たのですが、この子の明るさが作品を暗いトーンではないものにしてくれています。
皆実が「「やった!またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる?」と言いながらこの世を去っていくシーンは、こうして書いているだけでも、あーまた泣けてきました。
「ひどいなあ てっきりわたしは死なずにすんだ人かと思ったのに
ああ 風… 夕凪が終わったんかねえ」
あーだめだ、また涙が出てきました。なんか、言葉が出ません。
投稿: 真魚 | 2008年2月 2日 (土) 02時59分
★真魚さん、
あの映画、私も見たいのですけどねえ。
早くテレビでやらないかしら。
麻生久美子はイメージがピッタリだと思います。
投稿: robita | 2008年2月 3日 (日) 15時10分