« 海ゆかば | トップページ | 「日本人の死に時」 »

2008年4月24日 (木)

どこもかしこもねじれてる

昨日の夕方、TBSラジオ「デイキャッチ」を聞いておりましたら、ゲストコメンテーターの鴻上尚史という人が映画「靖国」騒動についてこんなことを言っていました。
「政治色のある映画に助成金を出すのはおかしい、なんて騒いでいるようですが、全く政治色のない映画なんて面白くもなんともないんですよね。僕だって助成金をもらって作品を作ったことありますが、良い作品に国が助成金を出すのは当たり前のことなんですよ。こういう映画に税金が使われるのはおかしいと抗議する自民党議員はおかしい。」

私はこの問題についてあまり詳しくはないのですが、この人は何か勘違いをしているのではないだろうかと思いました。
この問題は、マイケル・ムーアが自国の大統領をからかう映画を作って面白がるのとはわけが違います。

映画「靖国」は中国人の監督が作り、製作スタッフもほとんど中国人だそうです。日本で作られてはいるけれど中国の考え方で作られていると言ってよいものなのでしょう。
中国の靖国否定を正当化しているとか反日目的で作られているかどうかは、見ていないのでわかりませんが、少なくとも国会議員が、日本の政府出資法人が助成金を出すにふさわしい作品かどうかを見極めるために試写会を要求した、というのはおかしな行動とは思えません。

靖国問題は、ご注進マスコミが種を蒔いて以来、中国の我が国に対する内政干渉問題として長年にわたって我が国をひどく悩ませてきました。

その中国の強弁が有利に働くような映画に助成金として税金が使われるというのなら、我々はそれがいったいどんな映画なのか知る必要があると思います。

日本はとても良い国で、言論の自由、表現の自由があります。
どうぞ、靖国批判でも反日映画でも作ったらいい。しかし、そういうものに税金が使われることには反対する、という簡単な話であると思います。

鴻上氏の、「何を騒いでいるのだ、(助成金は)当然のことじゃないか」という自信たっぷりの意見が放送されて、純朴な人たちがそうだそうだと納得してしまうとしたら、日本の国としてはちょっと困ります。

話変わってチベット問題ですが、善光寺が聖火リレースタート地点を辞退したことや、チベット国旗を掲げようといった静かな抗議行動は良いことだと思います。

でも、日本政府としては福田首相的あいまいな態度で通し、あまりあからさまに中国批判をしないほうがいいんじゃないでしょうか。

私は、靖国問題でさんざん悩まされてきた可哀想な日本を考える時、このチベット問題が今回白日の下に晒されたことは本当に良かったな、と思うのです。

中国が「内政干渉だ」と言い張るその強引な姿勢が、靖国に対する干渉の異様さを浮かび上がらせることになるだろうと思うからです。

まあ中国はそんなダブルスタンダードは百も承知でやってることかもしれませんし、日本に対する高圧的な態度を改めるなどということはないでしょうが、一般中国人はどうでしょうか。日本国内の反日勢力はどうでしょうか。少しでも考えてくれるんじゃないですか。

なにより、世界中の人々が中国のチベット弾圧を知ってしまったのですから、その中で日本が中国に同情的な態度で(というより、オリンピックはオリンピックと割り切って)聖火リレーを淡々とこなすことは、中国に貸しを作ることにはならないでしょうか。日本という国が、中国と違っていかに穏やかで物分りが良いかを見せることは、国益上悪くないんじゃないかと思うんですけどどうでしょう。

それとも、そういう態度が、国際社会では日本の評価を下げる、というなら、ここは、「民族浄化」という国際社会にとっての非常識に毅然たる態度を示すべきなのでしょうか。

何に対して抗議をしたいのかするべきなのか、それを私たちはわかっているはずなのですが、「得をとるか」か「筋を通す」かということになると、何がなんだかわけがわからなくなってきます。

そのわけのわからなさが、近頃の左翼や右翼の主張の複雑怪奇なねじれ現象を引き起こしているのでしょうかねえ。

筋を通すのは、とても難しい。

     
             よろしくお願いします →人気ブログランキング

.

|

« 海ゆかば | トップページ | 「日本人の死に時」 »

コメント

 日本が支那に対し『貸し』を作ったと思っても、
支那がそれを日本からの『借り』と受け取るかどうか
怪しいです。
日本に借りがあるとは、受け取らないでしょう。

確か天安門事件の時、支那が国際社会から
非難を浴びている時に、日本は助け舟を出しましたよね。
それが今では、この有りさまです。

毒餃子問題然り、ガス油田問題然り、支那人の靖国での
老人に対する暴行と日の丸毀損。
御茶ノ水駅ホームから電車が走り込んでくる線路上に
日本人を突き落とし、右足切断、腰骨粉砕骨折の重症を
追わせた事件。
多分この方は車椅子にも座れない、一生寝たきりの生活で
しょう。

robitaさん、考えが甘杉ないですか?

>>民族浄化」という国際社会にとっての非常識に
>>毅然たる態度を示すべきなのでしょうか。

ワタクシは、こちらに一票入れます。

投稿: 護国児 | 2008年4月24日 (木) 21時02分

おはようございます。
今朝のウォーキングをしながら考えていたことと重なっているので、書かせてくださいね。
①助成金:私は申請をしたことも受取ったことも経験無しですが、近頃、周りで、申請したとか、毎年申請しているとか、耳に入ってきます。
「靖国」の場合も、具体的にどこから、どれだけでているか、判りませんが、そこを明確に公表したらいいですね。
例えば、文部科学省が、映画作成団体○○件に対して、総額○円、平均で○円。「靖国」に対しては、○円、と。
全体がつかめていないところで、怒っても疲れてしまいます。それとも、皆さん周知の情報なのですか。
②いよいよ、件の聖火が日本に到着しました。
整然と無問題だとしたら、日本の文化度に??がともるのでは、とも思ってしまう立場です。中国の外務報道官が早速、プレッシャーを掛ける発言をしています。
圧力に弱い日本だからなー。でも、国境なき記者団が日本にやってくるとも伝えています。暴動は困るのですが、抗議の意思表示するぐらい、の元気な英明な日本であって欲しいものです。

投稿: 街中の案山子 | 2008年4月25日 (金) 07時42分

少し、古めの記事ですが、4月上旬に書いていましたので、TBさせていただきました。よろしく。

投稿: 街中の案山子 | 2008年4月25日 (金) 07時49分

★護国児さん、

>日本に借りがあるとは、受け取らないでしょう。<

ですよねー。
私も甘杉るんじゃないかなーと思いながら書いてましたが、やっぱり甘杉ますよねー。

>確か天安門事件の時、支那が国際社会から
非難を浴びている時に、日本は助け舟を出しましたよね。
それが今では、この有りさまです。<

ああ、そうだったんですか。
日本の「善意」を受け止めるんじゃなくて、「従属」を期待してるような国だということを認識しなければなりませんね。

4月15日の産経新聞の「正論」なんですが、西部邁さんが、
「なぜ我が国は普遍的かつ具体的な国際価値の問題に、かくも鈍感なのだろうか。それは、戦後の日本がアメリカからの浄化を喜んで受け入れた、という経緯の然らしむるところであろう」と喝破しています。
私も知らず知らず浄化されていたのかもしれません。
詳しくはこちら→  「ラサ」の悲劇と「北京」の笑劇  

もう一つ、同じく産経新聞4月16日、スポーツジャーナリスト二宮清純氏の
『「中国政府のチベット“弾圧”に抗議する」と言ってボイコットする気骨のある日本人ランナーはいないのか。』→ 「誰のため?聖火リレー」 

投稿: robita | 2008年4月25日 (金) 09時14分

★街中の案山子さん、

>全体がつかめていないところで、怒っても疲れてしまいます。それとも、皆さん周知の情報なのですか。<

たしかに仰る通りですね。
私たち一般国民は普段から政府のやることなすことに目を光らせているわけでなく、国会議員にすべておまかせの状態ですが、いったん報道されると、「えっ、そんなことがあるのか。これは抗議せねばなるまい」と、その報道された事案のみに関心を持ちます。
でもまあ、これはこれで毎日の生活に忙しい国民にとっては仕方のないことで、市民運動に明け暮れている人でもなければ全てのことは把握できません。
でも、報道で取り上げられることで蒙を啓かれるのは良いことだと思っています。助成金に関してはたぶん細かく公表されているんじゃないですか。我々が見ようとしないだけで。

北京への抗議については、護国児さんへのレスに書いたとおりです。
西部邁さんの正論はなるほどと思わせてくれます。

TBしていただいた記事、拝読しました。
抗議の意思表示は重要ですね。

投稿: robita | 2008年4月25日 (金) 09時16分

どうもランキングから来ました。

ほわほわって感じです。

投稿: rau | 2008年4月25日 (金) 19時31分

★rauさん、
はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。

>ほわほわって感じです<

  ?

投稿: robita | 2008年4月26日 (土) 12時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/30899/20530527

この記事へのトラックバック一覧です: どこもかしこもねじれてる:

» 聖火リレー [街中の案山子]
オリンピックの聖火に罪はないものの、あちこちで難儀にあっている。 ロンドンでは警備の警察官とそっくりの服装をした人が、突然聖火を消そうと消火器を向けたとか。 次のフランス、パリではロンドンの倍の警備をつけたものの、はたまた混乱。 聖火が消されてランタンに入れられて護送用の車に乗ることもあっり、リレーも一部で取りやめになったとか。今のニュースが伝えています。 聖火リレーをすることは、国際行事であるオリンピックを歓迎しようという一環。 嫌うこともないことだけれど、これにチベットの人権侵害が重なるとなると... [続きを読む]

受信: 2008年4月25日 (金) 07時47分

« 海ゆかば | トップページ | 「日本人の死に時」 »