« 母の幸せ | トップページ | 「仲良き事は美しき」かな? »

2008年5月 9日 (金)

仲良き事は美しき哉

おとといのNHK「クローズアップ現代」で、映画「靖国」問題が取り上げられました。
ゲストにノンフィクション作家吉岡忍氏を迎え、番組の論調は「自由な映画製作」に同情的で、日本人が騒ぐのはおかしい、といったものでした。

前にも書きましたが、この問題は、マイケル・ムーアが自国の大統領をからかう映画を作って面白がるのとはわけが違います。  

「表現の自由」「言論の自由」という視点でこの問題を論じるのはおかしい、と私は思うのです。

吉岡氏は、「(言論に圧力がかかる日本の社会は)気味が悪い」「不気味だ」という言葉を盛んに発していました。

不気味って、あなた、共産党独裁で言論の自由がない中国のほうがずっと不気味でしょうが。

そして、その不気味な国が長年にわたって、日本国内の問題である靖国に対して、文句をつけてくるんですよね。

そしてその靖国問題が、外交上日本に不利に働いてしまっているんですよね。

色々な考え方があるのは素晴らしいなどと言って喜んでる場合でしょうかねえ。

私、すごくヘンだと思うのですが;

中国の胡錦濤主席と福田首相の会談で、パンダのこと以外何も具体的に決まらなかったとか、福田さんは中国に対してはっきりと物を言うべきだとか、軟弱外交を世間は責め立てるけれど、いったい日本人は、首相にどうあってほしいんでしょう。

軟弱がイヤなら、強く出るしかないじゃないですか。

強く出てもいいんですか。

いいんだったら、強く出てもらいましょうよ。

中国人が中国人の考えで作った映画に、「表現の自由だ」などとのんきなこと言って助成金を差し上げてる場合ですか。

この映画は決して「反靖国」ではない、とも言われているようです。私も見てないので何とも言えませんが、もし反日勢力が喜ぶような内容であれば、それはやはり警戒したほうがいいでしょうよ、当然。

心の広い日本人が「自由な言論の中の一つにすぎない。認めるべきだ」と言うからには、靖国問題における日本の不利も覚悟しなきゃならないでしょう。中国に強く出られてどうにも対処できない日本の弱さを認めなきゃならないでしょう。

どんな共同体も自分たちの利益のためには一致団結するのに、なぜ国が一致団結するのはそれほど嫌われるのか。

軍事力の行使につながるから、というのがその答えだと思うのですが、今の日本、そんなに簡単に軍事力は行使できません。
ものすごい抑止力が働くと思うので、一致団結して簡単に戦争になったり、ましてや日本が他国に侵攻するなど、そんなこと本当にみんな心配しているのですか。

国益のために一致団結するのは当たり前のことではないでしょうか。

65年前の戦争を「あってはならないこと」として否定し、国民が一丸となったことを「愚かしい」と断罪する日本人ですが、自国の戦いの歴史を「あってはならないこと」として押入れ深くしまいこんでしまう国というのは世界にあるのでしょうか。

私は戦争を肯定してるんじゃないですよ、しつこいようですが。

歴史というものが戦争で成り立っているというのに、人類の歴史そのものを否定したり、いつまでも平身低頭して謝り続けたりしていったいどうしようっていうんでしょう。

戦争をしたのは日本人だけじゃない。昔から世界中の国がみーんなやったんです。

自分の国を「不気味」だとか「反省してない」だとか、それを他国から責められる前に、なぜ当の日本人が自分自身を責め続けるのでしょうか。まさに自虐です。

国益のために団結して何が悪いのか、と私は思いますよ。

おそらく左翼のみなさんだって、「色んな考えがあってこそ素晴らしい」などと本心では思ってないんじゃないでしょうか。

「みんなが私たちと同じ思想を持てばきっと素晴らしい国になるのに」と思っているんじゃないですか。

中国の政治家は立派だ、堂々としている、と褒めちぎる人がいますが、そんなこと当たり前じゃないのと私は思います。

あれだけ愛国心に満ちた国民を育て上げたんですもの、批判される恐れがないんですもの、強力な軍隊を保持しているんですもの、そりゃあ政治家だって堂々としていられますよ。

指導者の自信は世論によって支えられます。

「たとえ支持率1%になっても自分の信念に基づいて政治をやる」と田中角栄は言ったそうですが、今の日本ではそんなこと不可能です。世論の支えがなければ政権はもちません。

日本人も中国のような堂々たる政治家がほしかったら、中国を見習ったらどうなんです?

国益にかなった世論形成がちっとも成されない、そんな中で、首相に「毅然としろ」とか「中国にはっきりものを言え」とか無理難題言いなさんな。

国益にかなった国民の意思統一が恐ろしい、というなら、政治家が毅然とものを言えなくても、日本が損をしてばかりでも、文句言わず我慢するのが筋なんじゃないかと思うのですが。

私は右翼のみなさんのように、中国を敵視したりしません。圧力かけて映画上映中止に追い込んだり、中国への罵詈雑言を並べ立てたり、そういう愚かしい行為は是非やめていただきたい。

ただ、バカを見ないためにはどうしたらいいのか少し考えたらどうでしょうか、損をするのはイヤでしょう?と言ってるだけなのです。

中国に文句言うより、まず日本国民が少し自分たちを反省するのが先なんじゃないですか? そう、反省するならこのことをこそですよ。

その上で、対等な関係で外交交渉するべきですよね。

もし、中国が本当に「自分さえ良ければ」の国でないなら、共に発展する関係になれるはずでしょう?

本当にそういう国でないなら。

(参考:櫻井よしこさんの「福田首相に申す」 )

__________________

それともですよ、

日本はペコペコ、へいへいしてさえいれば、中国とうまく商売ができて、結果的に日本に富をもたらすので(つまり国益になるので)、そのほうがいいのでしょうか。
たとえ、毒餃子事件が日本に原因があるということになっても、東シナ海ガス田の権益を奪われても、著作権侵害の問題を無視されても、日本は主張せずに大人しくしていたほうが身のためなんでしょうか。
どう思います?

しかしまあ、庶民がこんなこと心配しなくたって、日本の政治家や官僚は、国益を損ねないよう水面下で画策してうまくやってくれてるのかもしれませんね。国民(マスコミ)になんと罵倒されようと「言わせておけ。ガス抜きだ」みたいな感じで。

この世のことは何が本当なんだか、よくわかりませんねえ。


           よろしくお願いします →人気ブログランキング  

 

|

« 母の幸せ | トップページ | 「仲良き事は美しき」かな? »

コメント

Robitaさん、こんばんは。今回の記事には、私も頷くことが多かったです。

〉吉岡氏は、「(言論に圧力がかかる日本の社会は)気味が悪い」「不気味だ」という言葉を盛んに発していました。

これって、左翼の常套手段なんですよ。狼少年のように騒ぎたて、相手の口を封じる卑怯な手口です。そして、自分たちの隠れた目的(この場合は、靖国を貶めること)を達成しようとする。右翼はストレートに嫌中とか表現しますが、左翼のやり方って正義の仮面(この場合、表現の自由)をまとうなど、実に嫌らしい陰険な手法を使います。その分、注意しなければいけません。
宮崎正弘も次のように警告しています。
「左翼の戦術は執拗且つ卑怯が常道。」

>自分の国を「不気味」だとか「反省してない」だとか、それを他国から責められる前に、なぜ当の日本人が自分自身を責め続けるのでしょうか。まさに自虐です。

ほんとそのとおりです。
ただ、なぜそのような行動を取るのかは、私の師匠、山本七平が「私の責任=責任解除」論として次のとおり分析しています。これを彼は「狸の論理」と名付けていますが、ちょっと引用します。

--その事実を記し、それを日本人の責任だと言ったことによって、そういった者の責任およびそれを掲載した者の責任は免除され、またそれを読んでこの事実を知リ、われわれの責任だといった者は、その瞬間に責任が免除される。だが、われわれの責任だと認めないもの、いわば『ゴメンナサイ』と言わない者は徹底的に追及される、という--。

この分析は、結構的を得ているのではないかと思います。
ちなみに、この分析について拙ブログで詳しく取り上げていますのでリンク貼っておきますね。
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-54.html

こんな行為(日本人同士でしか通用しない謝罪)をやったところで、アジア諸国と仲良くなるどころか、却って相互不信を募らすだけだと思うんですけどね。

投稿: 一知半解男 | 2008年5月 9日 (金) 23時18分

★一知半解男さん、

この記事のタイトル、『「仲良き事は美しき」かな?』にすれば良かったです(笑)

>右翼はストレートに嫌中とか表現しますが、左翼のやり方って正義の仮面(この場合、表現の自由)をまとうなど<

その通りですね。
右翼はストレートだから過激で怖いんですが、左翼の言い分はまさに「正しく美しい」ので、当然普通の人々はそっちに共感してしまうんですよね。

そちらのブログで山本七平の文は読みましたよ。
なるほどなあ、と思いました。見事ですね。

>こんな行為(日本人同士でしか通用しない謝罪)をやったところで、アジア諸国と仲良くなるどころか、却って相互不信を募らすだけだと思うんですけどね。<

やっぱり日本人はもっと世界に出て行かないと大人になれないんでしょうねえ。
この国の中で住んでいさえすれば、安全で楽しくて可愛い国だと思うのですが、これから先食べてかなきゃなりませんもんねえ。

投稿: robita | 2008年5月11日 (日) 14時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 仲良き事は美しき哉:

« 母の幸せ | トップページ | 「仲良き事は美しき」かな? »