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2008年7月19日 (土)

置いてけぼりにされないために

産経新聞のコラム「断」で、呉智英さんの評論を大変面白く読ませていただきました。 →「メディアを真に受ける悲劇」 (現在、削除されています。内容は以下に)

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★【コラム・断】メディアを真に受ける悲劇

・秋葉原連続殺傷事件から一月余。八日付朝日新聞に社会学者、宮台真司が事件を振り返ってアッパレなコメントを寄せていた。宮台は言う。 ≪メディアは単純な思考や情報を発信する。勝ち組と負け組の二分法もそうだ。「そんな誤ったメッセージを真に受けてしまうのは、なぜか」「一人でメディアに接触するときは情報に『直撃』されやすい」。  身近に、お前はそんな話を真に受けているのかと言ってくれる人がいれば誤解は減る≫

 全く同感だ。

東京の渋谷や原宿で「援助交際」が話題になり始めた時、それを面白おかしく煽るかのように取り上げるメディアに毎回登場する社会学者がいた。その社会学者はきっと援交ギャルの一人と結婚でもするのだろうと思っていたのだが、彼が結婚したのは名門女子大卒の若く美しいお嬢様。しかも今時珍しい“箱入り娘”だった-とは、三浦展(あつし)の書くところだ。その社会学者は、名門の私立中高一貫校から東大に進学し、都内にある名門公立大学で助教授(後に教授)になっている。いやはや、メディアの誤ったメッセージに直撃された人たちはえらい災難だった。

その社会学者の名前は、宮ナントカと言ったが、失念した。

今回、宮台は「いい学校からいい会社へという古びた認識」と言っているが、昔から良識派のマスコミが垂れ流すこの古びたメッセージがどれほど欺瞞的か。
 朝日新聞は全社員の学歴と偏差値と年収を公開してみたらどうだろう。むろん、
 フジテレビにも講談社にも、そして産経新聞にもやってもらいたい。(評論家・呉智英)

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もう3年以上前に、人をやすやすと変節させてしまう恋の威力について書いたことがありますが(「恋におちて」)、 宮台先生はいったい変節したのか、単に大衆を置き去りにしたのか、それともこんな成り行きはただの偶然と開き直るのか、まあ、学者としてはいちいち責任は取らなくてもいいとは思いますが、ちょっと説明は聞いてみたいな、とは思います。

我々は誤ったメッセージに翻弄されぬよう、眉に唾をつけ、一歩引いて、醒めた目を持ち、余裕をもって事にあたらねばなりませんねえ。
もっともそれができないのが大衆というものであるらしいのですが。

社会学者のセンセイがた、「大衆」で遊ばないようにお願いしますよ。

 

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コメント

Robitaさん、こんばんは。

私は、宮台先生のことはこの記事で初めて知ったのですが、ネットで検索してみると、なかなか面白い先生ですね。

文化人だか評論家だか知りませんが、言行不一致でも、恬として恥じないところなどは流石です。

日本人は、インテリ・知識人になるほど、堕落する傾向があると山本七平が指摘していましたが…。

外国人から「日本人は、教育はあっても教養はない」と評されたことを、なぜかふと思い出しました。

投稿: 一知半解 | 2008年7月20日 (日) 19時58分

★一知半解さん、

宮台さんは昔はよくテレビに出ていたんですけどね、ある時期から生番組はTBSラジオの「デイキャッチ」だけに決めた、と言ってました。
で、私は夕方のその時間ラジオを聴きながらご飯の支度をするので、宮台さんの意見をよくこのブログでも取り上げるのです。
たしかに頭の良い人ではあるのですが、独善的で人を小バカにしたような物の言い方に私はよく引っかかります。独善的な人間が嫌いというわけではないのですが、やはり単なる好き嫌いかも。
それにしても、『学歴なんかに依りすがるな』とカッコ良い言葉を自信たっぷりに撒き散らす人間ほど高学歴高収入であろうという呉智英さんの推測はきっと当たっているでしょうね。

投稿: robita | 2008年7月21日 (月) 17時21分

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