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2008年9月 4日 (木)

無責任とは

福田首相の突然の辞任を受けて、新聞もテレビもネットも強い批判で埋めつくされている。
表面に表れたことを見て、「政権を放り出した」だの「無責任」だの言うのは簡単だ。

single40さんの丁寧な分析を読んでいただきたい。→「茨の道」 

見えないところでどんな展開があったのか、本当のところは我々にはわからない。
しかし、どういうことが起こっているのか、どうしてこんなことになっているのか、そこのところに色々考えをめぐらせなければ、批判は薄っぺらなものとなる。

外国のリーダーはたとえ支持率が低かろうが議会のほとんどが野党でも政権を投げ出したりしない、などと言って日本の首相を批判する人もいるが、国家体制も政治システムもリーダーの権限の大きさも違うだろうと言いたい。

「もう少し頑張るべきだった」などと人は言うが、これは、例えば「スポーツ選手が壁にぶつかったが、あきらめずに歯を食いしばって頑張った結果、努力が実を結んだ」といったたぐいの話ではない。
頑張って歯を食いしばってどうにかなるようなことではないのである。

断っておくが、私は福田首相を素晴らしい指導者だと言っているのではない。福田さんだから擁護しているのでもない。

この政治状況では誰がやっても似たような結果になっただろうし、誰が首相でも私は同じ事を言う。よほどひどい人でないかぎり。

「二世のひ弱さ」「わがまま」「迷惑を省みない」「自己中心的」「リーダーの心構えがない」「未熟」などと、あらん限りのいかにもありきたりな言葉をぶちまけてこの政変を批判しているブログなども目にするが、冷静な分析とは私には思えない。

指導者の立場に自分を置いてみる気などさらさらないから、好き勝手なことが言えるのだ。

ひ弱、わがまま、迷惑を省みない、自己中心的、未熟、と言うなら、国民のほうが余程当てはまっているんじゃないか。

政治の劣化より、国民としての劣化を心配するほうが先だと思うよ。

ゆめゆめ忘れまい、国家は国民の姿の反映だということを。

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コメント

robitaさん、トラックバックありがとうございました。私の記事は「分析」というよりも「穿った見方」というほうが当てはまると思いますが(苦笑)

おっしゃる通り、現在の状況ですと「誰がなっても同じ結果」にしかならないように思います。
「辞めろ」と言った人物達が思い通りになって快哉を叫ぶのではなく「無責任だ」といきなり豹変する無責任さは言うまでもありませんが(苦笑)それは「民意」が招いた混乱でもあります。
そもそも、2005年郵政解散のとき、小泉元首相は「自民党総裁の任期満了でやめる」と公言していました。つまり、国民は「純ちゃんの後継も含めて支持した」としか考えられません。
マスコミは、「小泉大勝の民意」の後になって「郵政民営化か否かという二者択一を迫り、本質から目をそらせた」とさんざん放送しておりますが、後からじゃなくて先に言え、と思うのであります。もちろん、実は「結果次第」なので、先には言えないわけですね。三振の後で「ここではバントですよ」と解説するサイテー野球評論家と同次元なのであります(苦笑)

この程度のマスメディアですから、そりゃ国民が未熟わがままなのも諾なるかな、と思うのですよ。

まあ、民主党政権の誕生を待つしかないでしょうな。何しろ、参院は解散できないんですから。
つまり、事実上「参院選が政権選択の選挙」になってしまっているということです。
ホントに米国製品は質が悪いな(笑)

投稿: single40 | 2008年9月 4日 (木) 16時04分

★single40さん、

>「分析」というよりも「穿った見方」<

政界の裏を実際に見ていない国民は色々な「穿った見方」を出し合って、ああでもないこうでもないと想像をめぐらすのがいいと思います

誰がなっても同じ結果だとは思います。しかし、私が素人ながら唯一「こうすれば良かったかな」と思いつくことは、首相が国民に向かって鬼気迫る形相で演説をすることでした。
「国家の一大事である重要な法案がことごとく参議院で否決され、何も決まらない状態が続いていることを国民の皆さんはどうお考えか。この事態を打開することになるかどうかわからないが、衆議院を解散して総選挙を実施する。民主主義に則って国会で物事が決まる正常な状態にするかどうかは、国民の皆さん、あなたがたの意志にかかっている。国の存亡に関わるこの選挙にどうか真摯に向かい合って判断を下していただきたい」とかなんとか、郵政選挙の時の小泉さんのような熱弁をふるって解散をぶち上げることです。その結果、自民党が負けたとしても、「国のため」に決断をした福田さんは下野した自民党からは恨まれても誉れ高い宰相となって名を残すことになるんじゃないでしょうか。
実際には、民主党が勝たなければねじれは解消しないので、どうにもならないわけですが、内閣支持率が上がってもう少し福田さんやりやすかったんじゃないかなあ、と思います。
まあ、あの福田さんでは、演説は国民を動かす「熱弁」とはならないでしょう。持って生まれたキャラクターは無理するとかえって不信感やシラケを招きかねませんし。

>この程度のマスメディアですから<

結局彼らだって立派なことを並べ立てながら、「国のこと」なんてこれっぽっちも考えてなくて、自分たちの利益のために色々やってるわけですから無理もないですね。

>ホントに米国製品は質が悪いな<

この不都合な二院制は米国製日本憲法によって定められている、ということでしょうか?

投稿: robita | 2008年9月 5日 (金) 10時13分

はい、その通りです。私は、これは「憲法の不具合」である、と考えております。

衆院で2/3を持ちつつ、再可決できないのは与党の意思の弱さですが、そもそも参院で多数をもっていないと、重要法案はすべて否決になってしまいます。そして、否決しなくても「みなし否決」つまり60日間ひっぱりさえすれば衆院に送致されて、そこで国会会期の期限切れで自然消滅、、、これじゃ、解散のない参院を握ったほうが、事実上国政を左右してしまいます。
現行制度では、ねじれ解消のためには「野党が勝つまで解散総選挙を繰り返す」ほかありません。
しょせん1週間で立案された憲法草案だったので、こんなバグを見逃していたんだろうと思います。

ちなみに「だから、与野党協力すれば?」というマスコミさんが大好きな見解は「そもそも協力しあえないから別の政党なんじゃん」とか「政党同士が反目し合うのが当然で(じゃなきゃ翼賛政治じゃないか)それを調整するために法律をつくったんでしょ」という前提をちゃぶ台ひっくり返しています。
そんなコメントを聞くたびに「ものの理屈を考えてからしゃべれよ、公共の電波なんだからさぁ」と思ってしまうのです。テレビ離れが進むわけですなあ。

投稿: single40 | 2008年9月10日 (水) 10時36分

★single40さん、

国の一大事で一丸とならなければいけない時に(今、一大事なんでしょう?)与野党協力するのは当然だと、マスコミさんと同じように私も思うのですが、与野党の反目を調整するべき法律が機能不全に陥っているということで、つまり、この二院制を定めている憲法を改正しなければどうにもならない、ということですか。

投稿: robita | 2008年9月10日 (水) 15時31分

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