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2008年11月 7日 (金)

「いちばん綺麗なとき」

先週の土曜日、昔のドラマの再放送を見ました。

NHKアーカイブス「いちばん綺麗なとき」

つけっぱなしのテレビで、途中からだったけれど、引き込まれてお終いまで見てしまいました。やはり山田太一はいいです。

数ヶ月前にも、向田邦子の「父の詫び状」をやっていて、これも昔すでに見ていましたが、今の時代に見ても、改めて素晴らしいドラマだなあと感激しました。

まだ見ていない人に種明かしをしてはいけないので内容は書きませんが、機会があればぜひ見てほしいと思います。

私は特に山田太一のものが好きなので (山田太一のドラマが見たい)、これからも昔のドラマの再放送は見逃さないように気をつけなければ。

昔は本当に良いドラマが多かったです。

今でも、面白いものはあるにはありますが、そして、時代に合った問題なども上手に盛り込んであって、なかなか楽しめるとは思います。

でも、昔のドラマの「正統性」は、今の時代、逆に新鮮味を味わえるのです。

ドラマの後、脚本を書いた山田氏のインタビューがあり、こんな話がありました。

「世の中にメッセージを送りたければ、論理的な文章で良いわけだけれども、言葉で伝えられないものがある。ドラマはそれを伝えることができる」

正確ではないけれど、そういう主旨でした。

ほんとうにそうだなあと思います。
芸術の使命なのですね。

劇団四季の浅利慶太氏も言っています。

「演劇の使命は、人生は素晴らしいという感動を味わってもらうこと」

100の言葉を尽くして説教されるより、一篇のドラマで心を激しく動かされることを、誰でも経験しているはずです。
感動は人間の行動の原動力となります。子供たちにも大いに演劇を見てもらいたいものです。

山田太一の新連続ドラマ「ありふれた奇跡」(主演 仲間由紀恵・加瀬亮)が来年1月から始まるそうです。楽しみに待ちたいと思います。

 

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コメント

見ました。夫婦とも山田太一ドラマは殆ど欠かさず見ています。
よって、アーカイブスのことでもあり、コレは私二度目。
山田さんが、アーカイブスから何か1作品、と問われて、コレを採り上げられたのだと、そんな山田さんの心裡を詮索しながら見ていました。
林家一平さんだかの、「山田作品はテーマー性がはっきりしていて…」というようなコメントに対して、やんわりと、相手を傷つけないように否定しておられたところが、山田太一さんの優しさなのだろうと、そんな脇の辺りに関心が行ったり…。
主義主張を前に出すのではなく、人とのやり取りを描くことによって、それぞれの思いが浮かび上がってくる、それが、山田さん脚本の特徴だと思います。
先日、NHKの吉田直哉さん(こちらも大ファンでした)のアーカイブス(20代のときのドキュメンタリー)も見たのですが、皆さん若いときから、魅力的に作品書いていますよね。
60代に近くなると、つい20代、30代が幼いように思えてしまうけれど、それは錯覚。
失礼ですよね。
みんな、真剣なんだ。老いも若きも。

投稿: 街中の案山子 | 2008年11月 8日 (土) 07時52分

★街中の案山子さん、

ご覧になりましたか。
良かったですよねえ。
山田太一の作品は、最近でも単発ドラマとしてちらほら作られていますが(「それからの日々」「星ひとつの夜」「本当と嘘とテキーラ」など)、私はこれらの新作より、昔の作品のほうがずっと好きなんです。
たぶん単純なメッセージがわかりやすく盛り込まれているからだと思います。
今の時代の複雑怪奇な社会に向けてのメッセージを受け取るには私は時代を読みきれていないのかな。

「男たちの旅路」シリーズなど、非常に重要なメッセージを伝えてくれているしドラマとしてすごく楽しませてくれると思うのですが、教訓的な示唆は今の人には受けないのかもしれませんね。教訓といっても押し付けがましくないところがいいんですけどねえ。
でも、あのシリーズ、もう一度見たいと強く思います。DVDで出てるんでしょうかねえ。

>吉田直哉<

「この人の作品」と意識してはいなかったけれど、きっと私もNHKドキュメンタリーなど見ていたことと思います。

>60代に近くなると、つい20代、30代が幼いように思えてしまうけれど、それは錯覚。<

そうですね。年齢じゃないですね。

投稿: robita | 2008年11月 8日 (土) 10時35分

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