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2008年12月26日 (金)

報道は公平に

企業の派遣切りや内定取り消しが批判されています。
大企業なんて内部留保がこんなにあるのに、弱者切捨てだ、冷酷非道だ、と言われます。

内部留保というのは、今まで儲けて貯めてあるお金のことだそうです。

私はこれは、「大企業とて、いつ何があるかわからない。天災もあるだろうし、とてつもない訴訟を起こされることもあるかもしれない。そういう時のために是非とも確保しておかなくてはならないお金なのではないか。そういうものまで使ってしまうことは良くないのではないか」と思っていました。

でも、昨日たまたまつけていたラジオで内部留保の話をしていました。

≪ 今、企業は国際化していて、海外投資家による支えがあって成り立っているところが多い。筆頭株主が外国企業ということも珍しくない。首を切られる派遣社員が可哀想だからといって日本が雇用のために内部留保を取り崩すことは、外国人投資家を納得させるものではない。彼らは「我々の儲けを日本の雇用対策の税金のように使われるのか」と怒り出すだろう。そんなことをすれば誰も日本に投資しなくなる ≫と、こんな説明でした。

また、日本の企業はこれまで従業員の面倒を見過ぎてきたというのです。企業年金など、本来国がやるべきことを企業が手厚くやってきたし、福利厚生の面でも充実していて至れり尽くせりのようなところがあった、と。
でも今は時代が違う。だから一方的に企業だけを責めるのは可哀想だ、という話でした。

そうですねえ。思い返してみればあの温かさが日本人を甘やかしてきたのかもしれませんねえ。

温かい処遇はとても良いことだけれども、「ためにならない」のかもしれません。荒波が襲って来た時、どうしていいかわからず、政治や企業に「なんとかしてくれ」とぶつけることしかできなくなります。

麻生首相がハローワークを訪ねて、職探しの若者に「やりたいことを絞らないとね」と言ったことをマスコミが報道し、「麻生は何もわかっていない。やりたいことを絞るなんてそんなレベルの話じゃないんだ」とあちこちで非難ごうごうでした。私も「この人は何を言ってるんだろう」と思っていましたが、事実はそんなことではなかったようです。
妹に聞いたのですが、若者が「六本木で何かおしゃれな仕事をしたい」と言った後に首相はあのように返したらしいです。ところがほとんどのマスコミはそこをカットし、故意に「麻生はバカだ」という印象を世間に振りまいています。

内部留保の事情だって、私はたまたまラジオで知ったけれど、テレビなどでそういう説明を聞いたことがありません。

マスコミがちゃんと双方の言い分を報道すれば、ほとんどの人は納得すると思います。

今さら改めて言うまでもないことなんでしょうが、マスコミというのは、国民が理性的に納得して落ち着くと困る業界なんですね。
騒ぎ立て、ことを大きくし、社会不安を煽ることによって儲けてる業界、ということでよろしいでしょうか。

この辺のことは、山本大成さんの記事とコメント欄の沢山の方のご意見をお読みになるとよくわかります。

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コメント

こんにちは。私が勝手に想像しているのですが、企業の内部留保のお金にしても、昨今の超低金利の貯金をとているとは思えません。内部留保のお金を投資に資産運用していたら、そちらでも莫大な損失が出ているのではないでしょうか。
大学が資産運用で大損していると報じられたように、企業も影響を受けているハズです。
営業収益が左前で、さらに保有する株式や投資信託が大幅下落、そんな風になっているのでは、これは勝手な想像です。
大きいところは何とか持ちこたえられても、こんな下降経済では経営者はしんどいでしょうね。

投稿: 街中の案山子 | 2008年12月26日 (金) 15時18分

 拙記事をご紹介下さり、ありがとうございました。

 私が思うに、最初に内部留保を取り崩し或いは借金してでも潰れるまで救済をしなくてはならない一番の主体は、雇用元である「人材派遣会社」なのだろうと思っています。
 米国のBIG3救済に関して、自助努力無しで国に頼るのは筋違いではないかとの米国議会での議論と全く同じで、上前をはねた「口入れ会社」が全くマスコミにも名前が出ず、経営破綻に陥ったと言う情報も聞こえないうちに派遣先企業の責任ばかり言われるのは、どうにも違和感を感じます。

 おそらく派遣先会社・人材派遣会社のいずれもその辺りのことは当にご承知で、派遣先会社の方は社会不安や地域不安を回避するために多少の内部留保の放出を考えてはいても、筋の通らない話になってしまっているが為に、使いたくとも使えない要素もあるとすら考えられます。(非を認めたなどとの報道が予想されますから)

 マスコミも広告収入が減った危機感で自局へのスポンサーを増やすべく、何でも有りのルールを無視した視聴率競争の局面に突入しているのでしょうね。

投稿: 山本大成 | 2008年12月26日 (金) 17時36分

(追記)
 設備投資によって原価に於ける固定費比率高い「製造業」にとって、内部留保という名のキャッシュは「命綱」です。
 さらには、販売システムを維持する必要から赤字になろうとも(キャッシュをつぎ込もうとも)、今期のような為替相場では製品を販売し続けていかねばならない局面もあり、会社を生産するつもりならば別ですが巨額の内部留保と言えども目減りは予想以上に早いです。

 製造業はハイリスク・ハイリターンという宿命を背負った業種であり、不況時に対応し、さらには不況後の新しい市場に対応するための次なる設備投資を行うためには、売上規模に見合った内部留保がどうしても必要になります。

投稿: 山本大成 | 2008年12月26日 (金) 17時47分

★街中の案山子さん、

企業の財務(収支報告というのですか)が公表されていて内部留保分が明記されていても、運用状況についてはわからないということなんでしょうか。そうなると恐ろしいですね。

投稿: robita | 2008年12月29日 (月) 10時39分

★大成さん、

>上前をはねた「口入れ会社」が全くマスコミにも名前が出ず<

そうですね。マスコミでこのことは全然聞きませんね。大成さんの記事を読んで、その通りだなと思いました。
派遣会社も企業もマスコミも政治家も国民個人々もみんな自分たちこそ生き残らなければならないと思ってるから、なかなか風穴が開かないんですね。この閉塞状態を打破するのは何でしょう。
首相の強い決断に期待するのか、それとも、渡辺喜美さんが考えているような、与野党で「危機管理内閣」を作り、首班指名一位二位の人が協力して対策をどんどん打つ、という構想が良いのか、私としては渡辺さんを応援したいのですがどうでしょうか。

投稿: robita | 2008年12月29日 (月) 10時41分

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