« 昭和は遠く・・・・ | トップページ | おばあちゃんのチェロ »

2009年3月16日 (月)

変わらずに変わる

シニアクラブでは、奉仕活動として、夕方から夜にかけての地域パトロールや駅周辺のゴミ拾いをやっている。
朝、通勤の人たちが駅に急ぐ中、みんなで手分けして袋とゴミバサミを持って作業をしていると、時々「おはようございます」とか「ご苦労様」とか声をかけていただく。
引退したら後を引き受けてくれる人たちになるかもしれない。
無言で通り過ぎていく若者たちだって、そのうちの何人かは「むやみにゴミを捨てないようにしよう」と思うかもしれない。

一週間に一回ゴミ拾いをしたって次の日には同じようにゴミは捨てられることを考えると、街を常に綺麗に保つことにはあまり役立っていないかもしれないが、蛍光色の揃いのベストを着て作業をすることは効果的なデモンストレーションになっていると思う。

産経新聞コラム「新饗地」でヴァイオリニスト葉加瀬太郎氏の文章を読んだ。 →「清潔で安全で少し病める国」 

外国にある程度長く住んだ人は、葉加瀬氏の言う「この日本という国がどれだけ清潔で、安全で、何においてもしっかりしているということ。こんなにきちんとした国はどこにもないだろう。」ということを実感するのではないだろうか。

私などは、周りを巻き込んで萎縮させるような清潔好きでもないし、謹厳実直を人に強いる資格など皆無の人間ではあるが、日本人の特性と言われる恥の文化はとてもいいものだと思っている。
きちんとしていなければ人さまに何と言われるか、という、公を意識した生活態度が長らく日本人を律してきたと思うし、それが世界の中での日本の特殊性を育んだ要因の一つでもあったと思う。

その特殊性が葉加瀬氏の言うような「病」の原因であるとは思わないが、たぶん、世界の荒波に漕ぎ出し始める時はいつもこうだったのではないかと思う。

明治維新、敗戦、そしてきっとこれは第三回目の大航海なのだ。その度ごとに日本から見た世界は大きく変わっている。そんな世界に歩調を合わせることに困難が伴い、少し病気になったように感じるんじゃないか。

世界で生き残っていくことは大変だ。でも頑張って生き残り戦略を立てながらも、日本人の心の底に流れているものはいつも変わらないだろうと思う、引き継ぐことに熱心な人々がいるかぎり。

自分の周りの人たちを見ていてそう思う。

.

       いつもありがとうございます →人気ブログランキング

.  

|

« 昭和は遠く・・・・ | トップページ | おばあちゃんのチェロ »

コメント

このタイトルにオャ!
どこかで見たような覚えが・・・。
小沢さんが民主党党首になったときに、映画「山猫」の中の台詞を引用したとして、朝日新聞の天声人語氏が取り上げていました。名作「山猫」を見たばかりだったので、印象に残っています。映画では、アランドロン扮する、リベラル派闘志が、革命で転覆過渡期の体制側にすり寄ったように見られる立場を、「変わらないためには、変わらなければなりません」と、表現したのだったと思います。
アランドロンが、若い闘志なのですよ。時代が分かるでしょ。私は、数年前に初めて見ました。シシリー島の貴族社会が舞台なのですが、大作です。
余りにも、タイトルが、そっくりなので、横道話をしてしまいました。ゴメン。

投稿: 街中の案山子 | 2009年3月17日 (火) 10時39分

★街中の案山子さん、

>余りにも、タイトルが、そっくりなので<

そっくりもなにも、マスコミで話題になっているから、このタイトルをつけたんですよ。
小沢さんが無投票で党首になった時だったでしょうか、あの「山猫」で使われたフレーズを小沢さんが引用し、報道で頻繁に見聞きしましたよね。

「山猫」は高校生の時だったか中学生の時だったか、吉祥寺オデヲン座で三本立てのうちの一つで見ました。
没落貴族と進歩派の甥の対立、ぐらいの内容は覚えているのですが、「変わらずに生き残るために変わらなければならない」という言葉は残念ながら覚えていません。

投稿: robita | 2009年3月17日 (火) 10時56分

小沢さんがらみで、このタイトルだったのですか、不肖案山子は、そこまで思い至らず・・・です。
それにしても、あの長編(途中でインターバルが入ります)が三本立てなんて、すごい時代ですね。文化に飢えていたから、こぞって映画館に向かった時代でしょうか。

投稿: 街中の案山子 | 2009年3月17日 (火) 11時16分

★街中の案山子さん、

いつもは、他から引用した言葉はタイトルにする時も「」をつけるようにしているのですが、これは短縮した形でそのままではないので、ま、いいか、と。
あの映画って長編だったのですか。その頃の私にはあまり面白くない映画で(もう一度見てみなければなりますまい)、もしかしたら寝てたかもしれません。
目当ては他の二本のどちらかだったと思いますが、何を見たのか記憶にありません。「山猫」を観たのももしかしたら高校生よりもっと後だったかもしれません。
記憶がごちゃごちゃです。
昔はよく三本立てってありました。
安上がりなので、評判の映画は封切り館でなく、2・3年たってから近所の映画館に来たのをよく見にいきました。
よくそんなエネルギーと時間があったと今にして思います。
文化に飢えていたというより、私の場合この値段で3本も見られるというおトク感でだけでした。ガツガツしてたんですね。

投稿: robita | 2009年3月17日 (火) 15時44分

はい、素晴らしい映画です。ビスコンティ(?)だったかしら、名監督の超力作ですよ。美術的な美しさも素晴らしいし、時代考証に力を注いでいる映画だと思いました。
貴族社会が没落していく様が描かれているので、勉強になります。録画して、DVDに保存して、友人らに勧めたりしています(私って、しつこいでしょ。笑)
すごく長いので、好みが合わないと、迷惑かもしれませんね。
私ばかりコメントして、ごめんなさいね。

投稿: 街中の案山子 | 2009年3月17日 (火) 20時45分

★街中の案山子さん、

>美術的な美しさも素晴らしいし、時代考証に力を注いでいる映画だと思いました。<

色彩的に華やかな印象が残っています。クラウディア・カルディナーレのバストが大きかったな、とか(笑)
しかし、そんなに良い作品、もう一度見てみないといけませんね。

>私ばかりコメントして、ごめんなさいね。<

とんでもない。案山子さんのコメントはいつもエキサイティングで楽しみです。ありがとうございます。

投稿: robita | 2009年3月18日 (水) 15時29分

映画導入部の、抑制された色調(気品のサンプルのようでした)、画面をストップすれば、そのまま西洋絵画になるような気品。貴族社会の醸し出すたおやかな風情から始まりました。
そして、確かクラウディア・カルディナーレは、豪商の娘役。没落貴族が、資産につられて、カルディナーレ父娘に近づくという流れ…だった記憶。
実は、学生時代、部活で、洋画好きが、遊び半分に、○○さんは、カトリーヌ・ドヌーブ、とか△△さんは、ブリジット・バルドー、とか言っていたのです。
で、私クラウディア・カルディナーレだったのですが、洋画に詳しくないので知りませんでした。
そうか、バストが大きい人でしたか。個性的な顔で、美人系じゃないですよね。本人が美人系じゃないのに、美人系に似たいって、そりゃー、無理だけれど。アハハ、rovitaさんが、女優さんの名前を挙げておられたので、くだらん話を思い出しました。

投稿: 街中の案山子 | 2009年3月18日 (水) 16時14分

★街中の案山子さん、

>画面をストップすれば、そのまま西洋絵画になるような気品。貴族社会の醸し出すたおやかな風情から始まりました。<

なるほど。我々が今も憧れる貴族階級の作り出す文化の高貴さというんでしょうか。貴族の存在価値というものが浮き彫りになりますね。

>で、私クラウディア・カルディナーレだったのですが<

案山子さんはC.C.似なのですか。華やかな雰囲気のかたなんですね。セクシーなんだけど眼差しに強い意志が感じられたように記憶しています。
B.B.とC.C.と言えばグラマー女優の双璧みたいな感じでしたね、あの頃は。
父や姉の影響で、小学生の頃から欧米のスターたちには結構詳しかったんですよ。映画をたくさん見たわけではないけれど、姉が「洋画スター名鑑」みたいなのを持っていて、全部覚えちゃいました。

投稿: robita | 2009年3月19日 (木) 09時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/30899/28645683

この記事へのトラックバック一覧です: 変わらずに変わる:

« 昭和は遠く・・・・ | トップページ | おばあちゃんのチェロ »