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2009年7月28日 (火)

用心

千葉女性殺害次女連れ去り事件で、監禁されていたわけでもないのに被害者の女性が何故逃げようとしなかったのか、疑問に思う人も多いと思う。

しかし、私は彼女の気持ちがわかる。

20歳の頃、電車の中で酔っ払いにからまれた。

ふらふらと通路を歩いてきた男が、ボックス型の座席に並んで座っていた私と友人の向かい側に座り、私の手を取ってなんだかんだ話しかける。
後から考えると手を振り払って逃げればいいものを、私も友人も怖くてすくんでしまった。

しばらくすると男は立ち去り、私たちも電車を乗り換えた。

乗った電車に、また別の酔っ払い集団がいるのに気がついた。
友人は腰を浮かし、その場を離れるそぶりを見せたが、私は小さく首を振って制止した。
今動けば、彼らに気づかれ、「なんで逃げるんだよ」と追いかけられるかもしれない、というあり得ない想定にとらわれてしまった。
ここは、目立たず、群衆の中に埋もれるのが一番だ、という、実におかしな判断が働いてしまい、そこを動くことができなかった。
幸いその酔っ払い集団は大声で騒いでいるだけで何も危害を加えるわけではなかったのだが、電車を降りるまで本当に怖かった。

千葉の事件の場合、数日間も連れまわされている間に、冷静さを取り戻し、周りの人に助けを求める隙をみつけることができたのかどうか、私はそういう経験がないのでわからないが、怖くて体が萎縮し、行動が起こせなくなるというのは、犯人に同情してしまうというストックホルム症候群とは別の心理だと思う。

恐怖のあまり冷静な判断ができなくなくなったり、体がすくんでしまう女性の気持ちは本当によくわかる。

だからこそ、なにより大事なのは防犯だ。

悪い男はそこら中にいる。警察も事が起こらなければ動きようがない。

事前に用心するのは、本人にしかできないことなのだ。

出会い系で知り合った男性に安易について行かないとか、夜遅くまで繁華街で無防備に遊ばないとか、とにかく予防できることは予防することだ。

もちろん、用心していても事件に巻き込まれることはある。私も電車の中で絡まれたのは食事をした後、たしか夜8時頃だったから、別に不真面目に夜遊びをしていたわけではない。

しかし、最低限本人ができる予防策として危険回避を心がけるのは当然のことだと私は思うのだ。

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コメント

同感です。
防犯とは 言えないかもしれませんが、護身術の放送を見ていたら、師範が「まず 胸骨を意識して 姿勢を正すこと」と言っていました。知りあいに いつでも胸張って姿勢のよいご婦人がいるのですが、確かに「堂々としていて邪気をよせつけない」迫力を感じさせるのです。

夜道を女性が一人で歩いても安全な 日本、いつまで続くでしょうか。

投稿: でこサングン | 2009年7月28日 (火) 16時51分

★でこサングンさん、

>夜道を女性が一人で歩いても安全な 日本、いつまで続くでしょうか<

娘の帰りが夜10時を過ぎると、私は必ず駅まで迎えに行くのですが、その途中、一人で歩いている女性をよく見かけます。
一人暮らしなのか、家族が迎えに行けない事情があるのか、仕方のないことなのかもしれません。
防犯ベルなどは携帯していることとは思いますが、できるだけ危険回避に努めてほしいと思います。

投稿: robita | 2009年7月29日 (水) 10時18分

私も同感です。
過去は変えられず、未来はわからないとなれば、人間の能力の中でできることは、現在(瞬間の積み重ね)の用心・予防策しかないと思います。

養老孟司さんは、「人間には起こったことしか見えず、起こらなかったことは評価されない」とか、「歴史のほとんどは何も起こらなかったことで構成されている」と書かれていますね。

防犯によって防がれた犯罪の数を数えることはできませんが、数えることができないことに驚くことは可能だと思います。

投稿: 某Y.ike | 2009年8月 1日 (土) 22時20分

★某Y.ikeさん、

>養老孟司さんは、「人間には起こったことしか見えず、起こらなかったことは評価されない」とか、「歴史のほとんどは何も起こらなかったことで構成されている」と書かれていますね。<

そうですか。なるほどねえ。
たしかに、「起こらなかったこと」は見えないわけですが、「起こらなかったこと」には「理由」も「意味」もあって、そちらのほうが膨大だということですね。

>防犯によって防がれた犯罪の数を数えることはできませんが、数えることができないことに驚くことは可能だと思います。<

驚く感性を時々は呼び起こしたいものだと思います。

投稿: robita | 2009年8月 3日 (月) 09時32分

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