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2009年8月 6日 (木)

自民党に不満 民主党に不安

前記事に、わっきーさんからコメントをいただきました。

そう、自民党以外の政党がこの国の政治をやるなんて不安ですよね。
民主党自身も、威勢だけはいいけれど、おそらく不安でいっぱいでしょう。
我々国民よりはるかに政治の難しさをわかっているはずの人々ですから。

それはともかく、民主党が政権を取ると、わっきーさんの仰る「経済からシステムからめちゃくちゃに破壊して国民の生活破綻も大規模に起こすほど崩壊」の状態になるのは非常に確率の高いことなんでしょうか。

もし、そうであるならば、我々のような一般国民より、学者や評論家が、もっともっと真剣に警告を発してもいいと思うのですが、けっこうみなさん「民主党のお手並み拝見」みたいな感じで鷹揚に構えておられますよね。
保守系オピニオン誌や自民党支持の一般のブログなどでは「民主党が政権を取ると大変なことになる」と書いている人は多いようですが。

たしかに民主党には、防衛、外交、教育などの分野でとんでもない考えの人たちがいますよね。
一方で、まともな人たちもいます。実際に政権を担当することになって問題に直面したら、その人たちが政権党の議員あるいは幹部としてどのように発言、行動するかが注目されます。
私は分裂すると思っているんですけど。

民主党に支持が集まった一番の理由は、わっきーさんの仰る「手腕をふるえる能力が各担当大臣にあるのか」という疑問が、自民党自身へ向けられるようになったからですよね。

誰なら経済対策をちゃんとやれるのか、誰なら公務員改革を握りつぶさずにちゃんとやるのか、誰なら外交をちゃんとやれるのか、自民党にもまともな政治家いないじゃないか、というのが国民の思いなんだと思います。


ところで、話は変わりますが、いわゆる自民党政治というのは、談合、派閥、利権、世襲、などのマイナスイメージがあって、そういう古いやり方がいけないんだ、という気運が高まったんですよね。

しかし、これらをなくそうという過程で負の結果も生み出すことがあります。

談合に厳しくなったことで倒れる中小企業が出てきました。
昔ながらの強固な派閥政治が崩れたために、度量の大きい政治家が生まれにくくなったとも聞きます。
世襲政治は悪いと言うけれど、政治がまったく世襲されなくなったらいったいどういうことになるのか。

良かれと思って廃止したら前のほうが良かったなんてことはたくさんあります。

それじゃあ、そういうものを温存すればこれからも日本は成長を続けるのか、といえばそんなことはないでしょう。

かといって、自民党が政権についたまま、そういった古い政治を改革していけるのかといえばそれも難しい、と言うより、不可能に近いんじゃないかと私は思うんですね。
自民党はあまりにも長く続き過ぎた。あまりにもしがらみが強固になり過ぎた。そういうことじゃないかと思います。

で、わっきーさんの最初のコメント、「政権交代が目的でその後の改革が目的にはないという意識でしか無い国民の投票行動には、悪く変化した場合の我慢について全く想定は無いのではないだろうか。」なんですが、これを民主党はもっと言うべきだろうと思うのです。

「政権交代が目的ではない。改革には痛みが必要です。一年我慢してください」と言うべきだと思うんです。ま、言えないでしょうが。

とにかく、決めるのは国民です。

民主党に投票するなんて、なんてバカな国民が多いんだ、といくら嘆いても、数が多けりゃ勝つんです。

有権者には大きく2種類の人がいます。
1・自分にとって得だからこの党、この人に入れる。
2・自分の生活はさておき、日本を良い方向に持って行かなければ長い目で見て国民の生活も良くならないからこの党に入れる。

2のほうが賢明だとは思うのですが、さて、自民、民主、どちらに政権を渡せば日本が良い方向に向くのか、誰にも断言できないのが辛い。


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コメント

自民党政権でも、既にワヤワヤ、なのじゃないですか。
国家財政が大赤字と言っておきながら、各省庁のどこかに余裕資金があるとか、それがどこにどれだけあるのか、きっと把握されているのでしょうか。全体を把握している人はいるのでしょうか?麻生さんではないでしょう。官僚は省益優先でしょう。
そして、自民党に任せておくと、今後も明らかになることはない、と思うのですが、いかがでしょう。年金も破綻しているというし、どうなるのでしょうね。
マニュフェストを詳しく読んでいるわけではないのですが、道州制にして、国政は、安全保障や外交などに限って役割を果たす、っていうシステムにしたほうがいいと思う。
1億2000万人の中央集権の現状、把握しきれず、臭いものに蓋的な部分が大ありなのではないでしょうか。
イギリスやフランスは人口は日本の約半分。アメリカは3億程だけれど、州政府の機能があるし。
福祉国家スェーデンなどは、1000万人未満じゃなかったかしら。
文明国であるはずの私たちの国、国政が破綻の暗闇を隠して舵取りしているような気分を感じるから、失望、です。
ま、失望は次に期待できる、ということでもあるから、これからの日本の有り様、興味深いですけれど。

投稿: 街中の案山子 | 2009年8月 6日 (木) 15時19分

★街中の案山子さん、

「だらしのない男」と「たよりない男」のどっちがいいですか、
という究極の選択だそうですよ、自民党と民主党は。
以前、宮崎哲弥さんが言ってました。

まあ私としては、だめな政治家ばかりだと文句を言うより、良い人材が育つような教育体制を整えることが大事なんじゃないかと思いますけどね。急がば廻れ。

>道州制にして、国政は、安全保障や外交などに限って役割を果たす、っていうシステムにしたほうがいいと思う。<

私もそう思うのですが、事はそれほど簡単ではないらしいです。
道州制反対の意見など読んでも私には理解ができないのですが、もっとよく議論をして、私たちにもわかるようにして、どっちがいいのか選択できるようにしてほしいと思います。
こんなのはありましたけど →http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1214190582?fr=rcmd_chie_detail

投稿: robita | 2009年8月 7日 (金) 15時37分

私は、「だらしのない男」と「たよりない男」のどっちも選びません(笑)。
でも、こんなに長く同一政党が政権を担当しているって、腐敗しないはずはない、そう思っています。
だから、人心一新に期待したい。
財源が・・・、なんて自民党が民主党を揶揄していますが、担当していないのだから、おぼつかない部分が出てきても、それは理解できます。だけど、バラマキ臭は自民党もアリアリなのではないですか。
よりよい国にするため、国民にも応分の負担をお願いします、でもいいはずなのだけれど、
上から目線の、「してあげる」ばかりですよね。

投稿: 街中の案山子 | 2009年8月 8日 (土) 10時43分

★街中の案山子さん、

>私は、「だらしのない男」と「たよりない男」のどっちも選びません(笑)。<

死んだほうがまし(笑)

>でも、こんなに長く同一政党が政権を担当しているって、腐敗しないはずはない、そう思っています。
だから、人心一新に期待したい。<

国民の多くもそう思っていて、だから民主党に期待が集まるんですね。
日本はまだ二大政党制にするほど政治的に成熟していない、と言う人も多いですが、今の動きは始まりの始まりなんじゃないかと。
国民はおそらく民主党政権に失望するでしょうし、失敗だったとがっかりすることでしょうが、成熟のためには必要な過程ではないかと思います。

>よりよい国にするため、国民にも応分の負担をお願いします、でもいいはずなのだけれど、<

そう、国民がそう言ってるんだから、もっと毅然とすればいいのに、度胸がないというのか、潔くないというのか。

投稿: robita | 2009年8月 9日 (日) 09時04分

「死んだ方がまし」ではありません。
もっといい男がいると、その路線です。

聞いたことがあります。
中国政府は、今共産党一党独裁政治ですが、将来のいずれは、選挙をとりいれる方向に移行することになるだろう。
その時は、日本のような、選挙はしても一党が長期政権を続けるという形にもっていきたいともくろんでいる、と。日本の形が理想だと。
こんなに長く政権交代がなく、人を育てる教育もそれなりの先進国並みにして人を育ててきたのに、それで、私たちが政権担当能力のある第2政党を作り得ていない、なんて言っていたら、未来永劫、その時はこないと思います。

投稿: 街中の案山子 | 2009年8月10日 (月) 09時44分

★街中の案山子さん、

>「死んだ方がまし」ではありません。
もっといい男がいると、その路線です。<

一応「究極の選択」、という前提があるので

それより、
>その時は、日本のような、選挙はしても一党が長期政権を続けるという形にもっていきたいともくろんでいる、と。日本の形が理想だと。<
これは、非常に大きな意味があると私は思っていて、いずれこのことについて書いてみたいと思っています。

中国がそこに気づいたのは鋭いとも言えますが、他面、勘違いもはなはだしい、と思うのです。

投稿: robita | 2009年8月10日 (月) 11時45分

こうした時には政党のバランスを考えるのも一つの視点です。どちらが勝ってもそれほど信頼はできない。しかし選挙予測は民主党の圧勝らしい。確かに自民党には不満だが民主党に圧勝までさせて良いものか?

場合によっては小選挙区は政党に関係なく「人柄」で選んで、比例区は政党で選んでも良いと思います。両者が矛盾しても仕方ありません。そんな選択肢しかないので。

マニフェストも大事ですが、選挙後の議席バランスが余りに偏ることの方がもっと懸念されます。私もどの党にも不満なので、後でTB送ります。

投稿: Shah亜歴 | 2009年8月26日 (水) 12時55分

★舎亜歴さん、

>場合によっては小選挙区は政党に関係なく「人柄」で選んで、比例区は政党で選んでも良いと思います。両者が矛盾しても仕方ありません。そんな選択肢しかないので。<

私もそんな風に思っています。幸い、うちの選挙区は、考え方に賛同できる無所属の人がいますのでその人へ一票入れることには迷いはありませんが。
比例区はバランスを取ろうと思っています。
民主を圧勝させることにはやはり不安を感じますね。

投稿: robita | 2009年8月27日 (木) 10時30分

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