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2010年2月16日 (火)

作っては壊し

中小企業は青息吐息、地方も疲弊、就職戦線は超氷河期、株価は低値停滞、デフレは進み、若者は元気がなく、子どもは生まれない・・・、何も良いことなし。どん底か。

そんな惨憺たる有様の日本を再生しなきゃならない超むずかしい立場にいる鳩山総理は、言うことがコロコロ変わって方針がはっきりせず、指導力が皆無である、と批判される。
なのに安倍さんと違って心身にダメージを受けているように見えない。

心が強いのか、それとも、鈍感なのか。支持率(まだ40%以上ある)や国会勢力に依拠する自信なのか。

テレビなどの討論では、鳩山さん自らが出演することはなく、専ら大臣副大臣クラスが説明やら言い訳やら詭弁やらに大忙しで、国会審議では、野党は「カネの疑惑」を追及するだけなので、鳩山さんは「本当に知りませんでした」と繰り返すだけで事は済んでいる。

結局、本当の矢面に立ってはいないのだ。だから、あのようにノーテンキでいられるのだと私は思っている。

野党に本気で議論を挑まれたらちゃんと答弁できない問題を沢山抱えているはずなのに。

ところで、今もっとも望まれる景気回復については、色々な人が色々なことを言うので、どれが正しい景気対策なのか私にはさっぱりわからない。

私はしろうとながら思うのだが、「行政・政治改革」と「景気浮揚」は同時にはできにくいものなのではないか。特に今のようなにっちもさっちもいかない経済状態の時は、アクセルとブレーキを同時に踏むようなものではないかと思う。

この際、無駄でもなんでも、(極端に言えば、たとえ「穴を掘って埋める」タイプでも)公共事業にお金をつぎ込んだほうがいいのではないか。

子ども手当てのような、何に使われるかわからないお金をあてもなくバラまくよりずっと効果的なんじゃないか。
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「無駄を排除するのが新しい政治であり、民主党の目指すべき改革なのに、何を言ってるんだ!」と怒鳴られそうだが、以前、太田道灌の公共事業のエピソード(青字の部分)を書いた時に、かせっちさんが「雇用を生む公共事業をことごとくつぶして景気をますます悪くしているのが民主党なんですよ」とコメントされた。  

あの時は、自民党がやってきた無駄をやめて行政を刷新するのが正しいと思っていたから、そのご意見に全面的に賛成はしなかったけれど、ここまで景気が落ち込んでしまって不幸な人を沢山生んでいるのなら、民主党のやり方はもはや「正しい」とは言えない。

民主党議員がテレビの政治番組に出て、一生懸命説明はするものの、その様子はあるコメンテーターの言葉を借りれば「支離滅裂状態」だ。弁解、言い訳に終始するあまり基本が崩れ、もはや民主党は自分の支離滅裂を立て直せないところまで来ているようだ。

「まだ半年だ」、「我慢だ」、「もう少しやらせてみなければ」、「結果はすぐには出ない」、そういう問題ではない。
布石を打つ作業を終えた、というならいくらでも待つ。しかし、未だに石をどこに打ったらよいのか自信なさげに迷っているのなら我々は待てない。 「もう少し我慢して支持を続けよう」と言っている人はここのところに気づかないといけない。
この非常時、何が人の命を守るのか、それが、リーダーが真剣に考え迅速に決断すべきことだ。それができないならば首相をやめたらいいのだ。

「事業仕分け」で、搾り出したお金は結局たいした額ではなかった。こういう仕分け作業は自民党時代もやっていたもので、民主党はそれを公開でやっただけで、国民は新鮮さを感じた。
パフォーマンスとして、あれはあれで良かったと思う。斬新な手法にはまさに「政治が変わった!」という衝撃を体感させてもらったし、何より国民が「無駄とは何か」について考えるようになった。それは政治への関心につながる。

しかし、実質的な無駄の排除に成功したとは言えないし、バラマキにまわすお金の額には程遠い。はっきり言って、パフォーマンス以外の点で無意味だった。

自民党時代のような政官業癒着構造外で公共事業を創出することはできないものか。バブル時代のような無駄なハコモノを生み出さない公共事業はないものか。

たとえば、ダムを壊して自然に戻す工事なんかいくらでもできそうだが、それはだめなのか。

「仕事がない」と派遣村に集まってくる人たちにどんどん仕事をやって稼いでもらう状態を作る、まずそこから始めたらいいんじゃないでしょうかねえ。

今年の年末は、「派遣村」などというわざとらしいパフォーマンスをせずに済む状況にしてもらいたい。

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コメント

どこかで読んだ川柳が面白くって。

鶴は千年亀は万年鳩はテンネン(天然)

どうでしょう(笑)

投稿: 街中の案山子 | 2010年2月16日 (火) 13時22分

鳩山さん

お母様からのお金「知らなかった」で通されてますが、知らなかったから許されるんですか?知らなかったこと自体問題じゃないんですか?
今頃お母様はきっと小さくなって暮らしてるんじゃないでしょうか?

それと最初言ってたこととだいぶ変わってきた政策・・・今まで野党だったから霞ヶ関のことが何にも分からなかったというのも分からなくはないですが、少し見通しが甘すぎませんかね?

普天間問題も5月までに決まるなんて思えませんけど。

子ども手当ても昨夜のテレビで言ってましたが、子どもにお金がかかるという親が多いのであれば、ばら蒔きでなく学校で徴収している給食費や教材代、体操着など教育にかかる費用を国が負担すればいいという意見に賛成です。
その手当てが各家庭でどう使われるか、私は?です。

あと景気対策で医療や介護で雇用を増やすと言っていましたが、であれば医療や介護保険の制度を大幅に見直さなければ無理だと思います。グループホームの夜勤のヘルパーさんなんて信じられない勤務時間で働いているのが現実です。
だって、介護事業所かつかつです。
     
          一応ケアマネの資格を持つ そよ風

投稿: そよ風 | 2010年2月16日 (火) 16時55分

★街中の案山子さん、

総理大臣がテンネンじゃあ、国民があまりにも可哀想(笑)

あまりに巧みで唸らされたのが、↓


 中国から見れば「カモ」に見える。

 米国から見れば「チキン」に見える。

 欧州から見れば「アホウドリ」に見える。

 日本の有権者には「サギ」だと思われている。

 オザワから見れば「オウム」のような存在。

 でも、鳥自身は「ハト」だと言い張っているようだ。


私は最初あるブログで紹介されていたのを見たのですが、今ではラジオやテレビでもすっかり有名になりましたね。お上手です。

投稿: robita | 2010年2月17日 (水) 11時11分

★そよ風さん、

>知らなかったこと自体問題じゃないんですか?<

そうなんですよね。非常におかしなことだと思うのですが、なんかそれほど問題視されてないような印象です。
ただ私も、この人が総理大臣として日本を立ち直させる頼りがいのある人であるならば、お母さまのお金であろうがなんであろうが、目をつぶってもいいと思ってるんですが、まったく頼りにならないし、はっきりしない。頭は良いのかもしれませんが政治家向きの頭脳ではないですね。
普天間問題も子ども手当ても、「どうしよう、どうしよう」と頭を抱えているだけなんじゃないかと思います。
民主党には優秀な議員がたくさんいるのに、彼らに同情してしまいます。ま、トップを選んだのは彼らなのだから責任はありますが。

先日TVタックルという番組で、色々な分野の一般の人たちが10人くらい出演して意見を言っていましたが、全員が子ども手当てに「反対」でした。 →   youtube  
出ていた民主党議員(渡辺周、櫻井充両氏)「心が折れそう」だったんじゃないでしょうか。

>その手当てが各家庭でどう使われるか、私は?です。<

仰る通りで、確かに該当する子どものいる家庭は潤うでしょうが、何に使われるのかわかりません。貯金なんかされたら最悪です。
子どもへの投資はたしかに重要ですが、「給食費や教材代、体操着など教育にかかる費用」限定にすべきですよね。

今重要なのは雇用創出だとよく言われます。
でも、TVタックルに出た人たちも言ってましたが、「仕事はある。でも求人出しても人が来ない。雇ってもすぐに仕事がいやになってやめてしまう」というような状態らしいです。

三宅久之さんなんかは「嫌な仕事でも、生きるためにやらなきゃならない時はある」というスタンスですが、心優しい森永卓郎さんは「介護の仕事をやれ、と言う人は一度自分でやってみればいい。ほんとに大変なんですよお」と強調します。
たしかにキツイ仕事は誰もやりたくないですから無理もないですが、報酬が高ければ人は集まると思いますから、現場の厳しさも緩和されると思います。そういうところに国のお金をどーんとつぎ込めばいいのにねえ。子ども手当てよりこっちのほうが先でしょう。


投稿: robita | 2010年2月17日 (水) 11時18分

経済学者といわれる専門家でも見解が分かれる問題なんですから、簡単にデフレ脱却、景気回復といいますけれども、そりゃ難しいんだろうと思うんです。
思うに、テレビのイケナイところは、簡単な白黒で物事は解決する、と思わせてしまうことですね。「自民党政治がいけない、だから自民党政治をやめれば全て解決だ」とみんなに信じ込ませちゃった。で、実は「悪代官をやっつけたらメデタシメデタシ」は水戸黄門の話だった、現実はもうちょっと難しかったというオチじゃないでしょうか(苦笑)
おまけに「小泉改革と格差社会に反対」を叫んでいた民主党の党首は、毎月1500万円の「お小遣い」について、なにも知らなかったという「悪い冗談」までついてきました。
「お金持ちだから分からない」そうですよ。そりゃ仕方がないですねえ(爆笑)今でも「格差社会に反対」と、ハッキリおっしゃるのでしょうかね。
この方が知らないのは1500万円じゃなくて「恥」じゃなかろうか?などと思ってしまうのですなあ。

おりしも確定申告の季節。真面目に納税するのが馬鹿馬鹿しいと、みんなが気づいたのが、せめてもの進歩なんでしょうかねえ。やれやれ。

投稿: single40 | 2010年2月17日 (水) 18時14分

呼ばれたようなので…(笑)

ある本の受け売りですが、景気がいい時であれば無駄な公共事業を削ることに問題はないんですよ。景気がいい時というのは民間が積極的に事業を起こす時期ですから、事業は自律的に増えていきます。そんなときに政府のやる事業は、それこそ民業圧迫以外の何物でもないです。

しかし不景気を通り越して恐慌下にある時は、民間が事業立ち上げに委縮して手仕舞いする時期ですから、そのまま放置すれば事業が減っていって経済が爆縮します。だから政府が率先して事業を立ち上げる必要があるんです。そして経済が立ち直ったところで速やかに民間転用するべきでしょう。

問題は経済が立ち直ったかどうかの見極めが難しいということ。日本の失われた10年では経済が立ち直りきらないうちに緊縮財政に走って、景気回復が失速したことが二度あると言われています(橋本政権と小泉政権)。そして今回の鳩山政権は三度目をやらかそうとしています。

もちろん好景気のときに民間転用を怠り、ずるずると公共事業を残し続けたことは問題であり、無駄な公共事業を削るという構造改革派の意見にも一理あります。ただし不況の今はそれをやる時期ではないというのが私の意見です。

PS
あの鳥の冗句には実は以下のような強烈なオチがあるんです。

「しかし俺はあれは「ガン」だと思うんだ」

投稿: かせっち | 2010年2月17日 (水) 23時21分

robitaさん、悪いところばかり挙げすぎ。良いところもあります。例えば日本のポップ・カルチャーの人気が世界で高まっているとか。

今のような状況で下手に専門家に伺いを立てて常識通りにするよりも、非常識に活路を求めては?企業が人を雇いたくない、これは景気ばかりではありません。産業構造の変化もあります。

それなら逆に「こんな仕事がやりたい」と勝手に立ち上がる人々を支援した方が何か面白いことが起こると思います。人を雇いたくない既存の企業にてこ入れしても無駄です。やりことが営利でも非営利でもかまいません。多くの企画はずっこけものだと思いますが、そこは思い切って目をつぶりましょう。

例えば秋葉原のオタク達が漫画をずっと描いていたいなら、それを支援する、そんなところから新しい文化そして経済ができるかも知れません。この方が子供手当てや派遣村よりずっと波及効果があると思います。

そう考えると「アニメの殿堂」は優れた構想だったのかも知れません。ただ科学技術にさえ「1位でなくてはいけないのですか?2位では駄目なのでしょうか?」という仕分けをするような政権では駄目です。下手に既存の知識に依存しているのは自民党と何ら違っていません。

投稿: Shah亜歴 | 2010年2月19日 (金) 00時24分

★single40さん、

そうですよねえ。景気回復こうすればいい、なんてみんな言うけれど単純なことではない。
ただ、与野党で対立している場合じゃない・・・、と思い出すのは、福田さんと小沢さんの大連立構想です。あの時小沢さんは「民主党に政権担当能力はない」と言いました。その判断は正しく、私はぜひとも自民民主両党が協力して日本の国のために働いてもらいたいと思いました。
でもその構想を民主党に持ち帰ると、大反対され、ご破算になりました。あれを思い出すと「小沢さんが独裁的」とは思えないのですが、今、民主党の誰もが小沢さんに遠慮しているのは、あのとき、大連立していれば、という悔恨の念があるからじゃないのかなあ、なんて思ってしまいます。

>今でも「格差社会に反対」と、ハッキリおっしゃるのでしょうかね。<

格差社会の頂点にいる人ですからねえ。

投稿: robita | 2010年2月19日 (金) 10時36分

★かせっちさん、

>呼ばれたようなので<

お呼びたてして申し訳ありません(笑)

>経済が立ち直りきらないうちに緊縮財政に走って、景気回復が失速したことが二度あると言われています(橋本政権と小泉政権)<

橋本さんの時のことは覚えてないのですが、小泉さんの時の国民の反応はよく覚えています。
小泉さんは「行財政改革をやる!」「苦しいかもしれないが我慢してくれ!」と訴えて大きな支持を得ました。
カネの無駄遣いばかりして財政を悪化させ続ける自民党に対する怒り、政官業癒着をもうやめてほしい、そういう強い思いから、国民は「自民党をぶっ壊す」と言ってくれた小泉さんに期待しました。
それをしてくれるなら、1,2年は景気の悪さも我慢しよう、という覚悟だったと思います。
その時その時で、やるべきこと、また国民の覚悟も変わります。

>そして今回の鳩山政権は三度目をやらかそうとしています<

今の不況はほんとうにこの底のまま定着してしまうんではないかと思わせるような不安感がありますね。

>「しかし俺はあれは「ガン」だと思うんだ」<

なんとまあお見事な作品!

投稿: robita | 2010年2月19日 (金) 10時42分

★Shah亜歴さん、

>非常識に活路を求めては?<

そうですね。「ピンチがチャンス」の精神で。

>そう考えると「アニメの殿堂」は優れた構想だったのかも知れません<

国がやることはこういうハコモノを作ることじゃなくて、アイデアを持っている人がその力を発揮しやすいように環境を整えることじゃないんでしょうか。
私は社会に出てないのでわかりませんが、これをやりたい、あれをやりたい、と構想を練っている人はきっといるでしょう。でも、規制の壁があって思うようにベンチャーできない、ということがあるなら、やはり規制緩和で民間をもっと元気づけてあげたらどうなんでしょうか。

公共工事も規制緩和も、活気づくならどんどんやればいい。停滞よりいいです。
とにかくバラマキはいけません。

投稿: robita | 2010年2月19日 (金) 10時46分

robitaさん、

また唐突なことを言いますが(笑)、やっぱり景気回復は、軍隊なんじゃないでしょうか。自衛隊の人員と規模を大きくして、ワカイモンとか中高年とか、どんどん雇う。技能を持っている人は、その技能の職についてもいいし、他の技能を学びたい人は、その方面の教育機関にいかせればいいし。自衛隊には、教育機関が数多くあります。

軍隊というのは、そもそも国家が行う最大の公共投資です。ようするに、国がカネをばらまく先として、軍隊こそ意味があるのではないでしょうか。軍隊は大規模な雇用の場であり、軍需関連産業に国の予算が流れていきます。これが景気対策になります。

自衛隊増強ハンターイという方々には、増大化する中国の軍事力の驚異にどう対抗するのですかと問い、そんな大きな軍隊を持って戦争でもするのかと言われれば、今の時代、戦争なんかできるわけないじゃあないですか、経済で世界は一蓮托生になっているんですからと言えばいいんです。

投稿: 真魚 | 2010年2月27日 (土) 17時55分

★真魚さん、

自衛隊は雇用創出になるというのは、よく言われますね。
技能修得や心身鍛錬の場としても注目です。

>自衛隊増強ハンターイという方々には、増大化する中国の軍事力の驚異にどう対抗するのですかと問い、今の時代、戦争なんかできるわけないじゃあないですか、経済で世界は一蓮托生になっているんですからと言えばいいんです。<

サンセーイ(笑)

軍隊増強やら、ダムを壊す公共事業やら、なんかヤケクソの様相を呈してきましたが、ヤケクソが功を奏することもたまにはあるんじゃないでしょうか。
明治維新も案外若者のヤケクソの集合体だったんじゃないか、なんて。違うか。

投稿: robita | 2010年3月 1日 (月) 11時07分

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