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2010年5月12日 (水)

大石内蔵助だったの?

なーるほど。こういう手があったのか。

「首相腹案」「沖縄の負担軽減」「全国の自衛隊基地を米軍と共同使用」「米軍にはでき得るかぎりお引取りいただく」

私は軍事の細かいことは全然わからないが、これらのキーフレーズで全体を眺めると道筋が見えてくる。

つまりあることへ向けての布石であり、国民へのショックアブソーバーなんじゃないか。手順を逆にしたわけだ。

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コメント

沖縄の方々が「何故、沖縄がここまで基地の負担をしなければならないのか」と憤慨されるお気持ちは重々わかるのですが、「沖縄の位置のせい」というのが彼らに対する答えです。

沖縄駐留米軍の意味合いは台湾有事の即応部隊です。もし台湾が大陸中国に占領された場合、米軍は陸上兵力を投入して台湾を奪還する必要があります。この陸上兵力の移動はヘリコプターが担います。

台湾を中心にヘリコプターの航続距離を逆算すると、沖縄本島が限界になってしまうのです。徳之島でも遠すぎるのです。このような戦術上の問題から、米軍が沖縄から退くというオプションは考えられません。

米軍が沖縄から退くときは、大陸中国が台湾を諦めた時であり、台湾有事の懸念が払拭されない状態で米軍の沖縄撤退を主張することは、台湾を見捨てるようなものです。最近台湾政府が長距離ミサイル開発を再開したのも、普天間問題の迷走を受けての行動かもしれません。


参考:
なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか(週刊オブイェクト)
http://obiekt.seesaa.net/article/136231624.html

投稿: かせっち | 2010年5月12日 (水) 22時55分

★かせっちさん、

はっきり言うと「9条改正」への地盤固めではないかということです。
日本人は右派も左派も揃って「アメリカの言いなりになるな」「アメリカに出て行ってもらおう」と長年言い続けてきました。
で、鳩山さんは「それならできるかぎり出て行ってもらいましょう。そのかわりアメリカが出て行った後、我々が何をすべきか理解しなければなりません」ということを言うために、表面では「うつけ者」を演じながら、水面下でアメリカとの交渉をやっているのではないか、ということです。

>「沖縄の位置のせい」<

まさに私もそのように理解してきたのですが、軍事の詳細については私もすべての論を読破、研究する能力がありませんので、「果たして『抑止力』が海兵隊駐留の論拠のすべてなのか」という疑問だけ提示しておきます。

鳩山さんは改憲論者です。
憲法改正、自衛隊重武装化の方向から入ると、国民のショックがあまりにも大きすぎ、いつまでたっても憲法改正自主独立は果たせません。
ところが、先にアメリカに出て行ってもらうという逆方向からのアプローチであれば、国民も理解せざるを得ません。

鳩山さんの元気な様子を見ると、ほんとうに何か重大な交渉をやっているのではないかと思えてきます。
大石内蔵助のごとく「うつけ」を演じて周りを欺いているのか、それとも真正の「うつけ」なのか、もう少し待てばわかるんじゃないでしょうか。

投稿: robita | 2010年5月14日 (金) 10時41分

>鳩山さんは改憲論者です。

だとするならば、安倍政権時代に成立した国民投票法に反対したのは何故?国民投票法は改憲に必要な法律ですが、当時民主党党首だった鳩山氏が成立を苦々しく思う旨の会見をしたことを、私は覚えています。

また、鳩山氏が内蔵助よろしく改憲のための回り道をしてるのだとしたら、なるほど、党内外を問わず保守勢力は鳩山氏を支持するかもしれません。しかしそれは護憲論者が趨勢のはずの民主党内及びその支持層に対する裏切り行為です。

改憲・護憲云々以前に、自分達の支持層を裏切るような政治家など、人間として信用できません。


>ところが、先にアメリカに出て行ってもらうという逆方向からのアプローチであれば、国民も理解せざるを得ません。

フィリピンのスービック&クラーク米軍基地撤退の二の舞になるだけです。フィリピン国軍が代わりの制空・制海権を整えないまま米軍が退いたおかげで、中国は南沙諸島に進出できるようになりました。robitaさんの見立てはこれと同じ状況になります。

現在でも中国海軍は日本領海を伺い、先日は日本の哨戒機に照準を定めるということまでやってのけました。血の気の多い国なら挑発と見做して戦端を開きかねない行為です。このような国が眼前にあるのに、先に戦力を減らすの自殺行為です。

投稿: かせっち | 2010年5月15日 (土) 00時37分

★かせっちさん、

>だとするならば、安倍政権時代に成立した国民投票法に反対したのは何故?<

「なんでも反対」は野党の常ですから、整合性が取れなくても気にするほどのことではないのではないかと思います。
それに、私はその時の鳩山さんの会見を知りませんが、その時すでに改憲派だったのですから、国民投票法に反対する理由も「憲法改正に反対」ということでなく、投票法の中身についてなんだかんだ言っていたのではないかと思います。

フィリピンの事態については、日本もアメリカも当然念頭にあるでしょう。
こういうことの対策をアメリカと交渉しているのではないかと思うのです。
私も「米軍撤退は中国の南西諸島侵略を招く」という理由で、米軍駐留は必然であると思ってきましたが、実はアメリカの議会でも、日本とより深い協力体制を整えるためには日本も軍事の制約を解く必要があるという見解が定着したそうです。→ 「憲法9条は障害」 (昨日の新聞記事) 
ところが9条改正は国民にアレルギーがあるので容易なことでは実現できない。それでまずアメリカの日本駐留の意味を国民に認識させることから始める、という計画じゃないでしょうか。

そしてこれは、鳩山さんの案というより小沢さんの策謀じゃないでしょうか。小沢さんが考えてそれを鳩山さんが了解した、ということです。だって小沢さんはすでにこんな前歴があります。→「小沢さんの普通の国」 

>しかしそれは護憲論者が趨勢のはずの民主党内及びその支持層に対する裏切り行為です。<

民主党内で改憲派護憲派が入り混じっているのは周知の事実です。
結党のときにそんなことはわかっていたはずですし、鳩山さんは「私は憲法9条を守ります」と公約しているわけでもないでしょう。
それに、事ここに至って、党内の護憲派もわかってきたと思いますよ。与党になり政権を担って苦労して初めてわかるんですよ。
いきなり「改憲します」ではなく、「こんなふうになってさてどうしましょうか」という状況に持っていくだけなら「裏切り行為」にはならないのでは?

とにかく、アメリカ海兵隊が沖縄から撤退したあと、中国がどのような行動に出るかによって、国民の意識がおおいに変わる、それが狙いなんじゃないかなあ、と思います。
「国民のみなさんの願いどおり『沖縄の負担軽減』『米軍出て行け』を実行しましたところ、これこのような事態が起こってきました。しかし、安心してください。アメリカは心強い同盟国です。日本を見捨てることはありません」との環境整備のためにアメリカと対策を練っているのでは?

荒唐無稽なのは承知ですが、日本とアメリカが結託して憲法改正の道筋をつけようとしているのではないか、というのが私のようなしろうとが思いつくことです。

そうでなければ、こんなに追い詰められても、ちっとも憔悴していない鳩山さんのノーテンキさの説明がつかないんですよ。

それともやっぱり正真正銘のおバカさんなんでしょうか。

投稿: robita | 2010年5月15日 (土) 10時11分

robitaさん、

なるほど、米軍が出ていけば、中国の軍事的脅威が増すでしょうなあ。

昇る龍みたいなチャイナ・パワーに、今の日本は太刀打ちできません。しかし、この「外国に太刀打ちできない」というどん底を経験した方がいいのではないかと想います。幕末の時だって、太平洋戦争の敗戦の時だってそうだったわけですし。

投稿: 真魚 | 2010年5月16日 (日) 00時52分

★真魚さん、

真魚さんはどーしてもアメリカと組みたくないんですね(笑)
アメリカと組むぐらいなら死んだほうがマシと(笑)

星空を見上げて何百光年、何億光年の宇宙の彼方に想いを馳せていますと、「ま、それでもいっか」と思えてきますが、やはり国民の一人ひとりにしてみれば自分の生活の問題、つまり究極的には個々人の快不快の問題ですので、そう哲学的にもなれないのでありまして(笑)

どん底になるのもいいですが、グローバリズムの中でどん底を選択して世界中に迷惑をかけるのはあまりにも無責任ですし。

投稿: robita | 2010年5月16日 (日) 11時04分

robitaさん、

いえ、アメリカと組みたくないと言いますか、当のアメリカ自身がもう日本と組んでどうこうという時代ではないということです。今のアメリカのアジア外交で最も重要な相手は中国です。日本なんてもんは、アジアの中の親米国の筆頭ですねみたいな程度の意識しかなくて、それ以上、それ以下でもありません。何度も申しますが、とにかくチャイナパワーの存在が大きいわけなんです。こっちの方が重要課題なんです。

それと、もう今のアメリカは昔のアメリカのような寛容さがなくなったといいますか、まあ、それだけ余裕がなくなってきたんです、アメリカもアメリカなりにセカセカとやらないとやっていけなくなってきたわけです。

さらに言いますと、この「セカセカとやらないとやっていけなくなってきた」というのは、どこの国もそうなわけで、急速に台頭し始めている中国やロシアを目の前にして、「さあ、我々はどうしたらいいのか」「こうしよう」「いや、こうしよう」とやっています。これは当然のことであって、アメリカは依然として世界覇権国であり続けていますが、そうであるために、アメリカはそれ相応の努力をし続けています。

ところが日本にはそうした危機感がないんですね。普天間の問題は、もっと大きな視点で、日米同盟とは何であったのか、そもそも、日本国のみなさんは日米同盟をこれからどうしたいのかというレベルで考えるべきことなんです。しかしまあ、そうした方向性もないようですので、いっそのこと日米同盟を破棄して、在日米軍には出て行ってもらうでもいいんじゃないですか。

投稿: 真魚 | 2010年5月19日 (水) 00時11分

★真魚さん、

>普天間の問題は、もっと大きな視点で、日米同盟とは何であったのか、そもそも、日本国のみなさんは日米同盟をこれからどうしたいのかというレベルで考えるべきことなんです。<

はい。そういう意味でこの記事を書いたわけです。もしかしたら鳩山さんは日米同盟のこれからのあり方をこういう形で国民に問うているのではあるまいか、と。

アメリカの基地は世界中にありますが、米軍基地についての研究によりますと、「日本の基地は世界中のどの基地よりうまくいっている」そうです。もちろんアメリカにとって、ですが。
つまりアメリカにとって沖縄に基地があるということは非常に都合がいいということのようです。多大な費用を日本に負担してもらっているという旨みも含めて。
で、アメリカ自身が、これから先の世界戦略上、在日米軍基地が必要ないと判断するのであれば、そして、日本人の多くがアメリカに出て行ってほしい、と願うのであれば、何の問題もなく双方合意で日米同盟解消は円滑に行われる道理となります。

であるならば、日本の自主防衛が非常に重要な課題となってきます。
防衛費増大と米軍駐留にかかる費用とどっちが安上がりなんでしょうか。
そして、懸念される中国の侵攻を日本一国だけで防げるほどの力を持てないとなると、これは日本の信用力低下を招き、経済にも大きな影響を及ぼすんじゃないでしょうか。

しかし、高いお金を払って米軍依存一辺倒になるのでなく、憲法改正してアメリカと共に侵略者に立ち向かえるようにすれば、より対等な同盟関係に深化させていくことも可能じゃないでしょうか。(中国が南西諸島や台湾に侵攻してきた時にアメリカが中国と戦うために兵を出すのかどうか私は知りませんが、少なくともあのあたりに米軍が存在する、ということが大事なわけですよね?)
私はアメリカは同盟国として最適ではないかと思うんですけど。

「そんなのはいやだ、とにかくアメリカに出て行ってもらいたいんだ、9条だって守るんだ」というのではお話にならないし、真魚さんの仰るように『「外国に太刀打ちできない」というどん底を経験した方がいいのではないかと想います。幕末の時だって、太平洋戦争の敗戦の時だってそうだったわけですし。』というのも今の時代、「オトナになるための経験」とはならないと思います。我々はすでに何もかもお見通しの時代に生きてるんじゃないでしょうか。こうすればこうなる、という。
前のコメントを繰り返しますが、「どん底になるのもいいですが、グローバリズムの中でどん底を選択して世界中に迷惑をかけるのはあまりにも無責任です」


投稿: robita | 2010年5月19日 (水) 10時49分

先日は拙ブログへのコメントを有難うございました!
私は時事問題やTVネタに弱いので、貴女のブログ記事はとても参考になります。

 さて、鳩山氏が深慮の上に“うつけ者”を演じているなら結構ですが、どうも疑問に感じます。皮肉を込めて書かれたのでしょうか?
 拙ブログによくコメントされるブロガーさんも、「祖父の鳩山一郎、子息の威一郎、そして由起夫…鳩山家の政治家は皆、国益を崩すような、奇妙な政策を採用する。たんなる八方美人的、大衆迎合的な手法に依存する…」と批判されてました。

 鳩山氏に限らず日本のインテリお坊ちゃまは、欧米に過剰な幻想を抱き、入れ込んだ後、現実の欧米社会を見て失望、その反動でアジアに肩入れするというパターンがありますね。真魚さんも確かアメリカ好きだったのでは?
 実は真魚さんと同じく私も、どん底を経験した方がいいのではないかと時に想うこともあるのです。しかし、幕末や戦後と現代の日本人の精神は違いすぎる。Shah亜歴さんの肩を持つ訳ではありませんが、今のところ、アメリカと組んだ方がベターだし、私は死にたくはないのです。

>>世界中に迷惑をかけるのはあまりにも無責任ですし

 そこは私と発想が違いますね。日本が生き残れるなら、世界中に迷惑を掛けても構わないと思っているほどなので(笑)。

投稿: mugi | 2010年5月19日 (水) 21時45分

robitaさん、

>>アメリカ自身が、これから先の世界戦略上、在日米軍基地が必要ないと判断するのであれば、そして、日本人の多くがアメリカに出て行ってほしい、と願うのであれば、何の問題もなく双方合意で日米同盟解消は円滑に行われる道理となります。<<

これはまったくその通りで、今アメリカは海外に駐留している米軍を再編成しなおそうとしています。アメリカが国防上、日本の在日米軍を減らした方が良いとなって、日本国民のみなさんも米軍には出て行って欲しいと要求するのならば、双方に利害は一致しますので、日米同盟は円満解消となります。

その次ですね。米軍がいなくなった後、日本国の安全保障はどうするのかとなりますので、防衛費は増額になります。ちなみに、陸上自衛隊の予算で一番多くしめているのは人件費です。でまあ、この人件費を安く押さえたいとなると、一番手っ取り早いのは徴兵制度にして、安い給料で兵隊さんをそろえるということです。日本国は日本人の手で守る、という至極まっとうな普通の国になるには、それそうとうのカネと人材がかかります。憲法9条も変えなくてはなりません。

で、仮にそれができたところで、あの中国と対抗するには日本の自衛隊(あるいは日本国軍)では不可能ですな、じゃあどうするのかと言いますと、どうしたってアメリカとの共同防衛になります。中国に軍事的に対抗できる国はアメリカしかありません。つまり、現状の日米同盟の破棄の次に、日本国の自主防衛といいますか自衛隊の国軍化と憲法の改正、そして新しい分担に基づく新しい日米同盟の誕生ということになります。実は、これはアメリカ側でも共和党系の人々が望むシナリオなんです。そして、日本でも親米保守の人々が望むシナリオなんじゃないでしょうか。アメリカの共和党系の人々の中には、必要ならば日本は核兵器をもって自主防衛をしたっていいとさえ考えている人もいます。ようするに、それだけ「信頼している」ということです。

ただ、日本のみなさんがそうしたアメリカからの期待に応えられますか、というか、そもそも、それだけの覚悟が持てますかと言いますと、現状では無理でしょうなあ。日本は経済大国2位の座を中国に奪われました。これから、もっと多くの分野で中国に負ける、中国にかなわないということが起こるでしょう。まあ、大体、とにかく世界一なろうと食うものも食わずにしゃにむにがんばっている国と、「なんで一番にならなくてはならないんですか。二番だっていいじゃないですか」ということを言っている国とではもう勝敗は決まっています。前回、どん底を経験したっていいじゃあないですかとワタシは書きましたが、よく考えたら、この国は(国家としては)没落の一途をたどるというのは、例えば国家財政とか現状を見るとほぼ決まったコースになっていますので、経験するもなにも、そうなります。

投稿: 真魚 | 2010年5月19日 (水) 23時51分

★mugiさん、

>私は時事問題やTVネタに弱いので、貴女のブログ記事はとても参考になります。<

ワイドショーや週刊誌ネタを披露しているだけですが(^^;)、参考にしていただければ嬉しいです。

>皮肉を込めて書かれたのでしょうか?<

皮肉といえば皮肉ですが、もし鳩山さんがあの言動どおりの人物であるならば、驚愕すべきことではありませんか。
みんな何をノンキに評論やってるんですか、という思いです。
あのような無能な夢想家を総理大臣として頂いているこの国っていったい何なんでしょう。
もう絶対に降ろさなきゃだめですよ。
まだ残ってる19%の支持者というのは、きっと日本を一度つぶしたいと思ってるんでしょうね。(鳩山さんが「うつけ」を演じている場合はこの限りではないかもしれませんが)

>幕末や戦後と現代の日本人の精神は違いすぎる。<

精神も違うし、まず経済がグローバル化していることが大きな違いなんじゃないですか。今の時代、日本のような先進国が破綻して、あの戦後復興のようないきいきとした経済発展が可能なのかどうか私にはよくわかりませんが。
仮に、再浮上が可能だとしても、それには恐ろしく時間がかかり、国民の多くが復活を経験しないままの一生を送ることになるかもしれません。まあ、それはそれでいいのかもしれませんが、暗黒の時代というものがどういうものか、今の我々には想像もできないことでしょう。

>日本が生き残れるなら、世界中に迷惑を掛けても構わないと思っているほどなので(笑)。<

いやいや、生き残れない場合の話ですよ。日本のような経済大国が破綻すれば世界中に波及するのでは、という話です。グローバル経済ってそういうことなんだと私は理解しているんですが、違うのかなあ。
小さい頃おばあちゃんに教えられませんでした?「よそ様に迷惑をかけると、結局自分が損をすることになるんだよ」って。(笑)

投稿: robita | 2010年5月20日 (木) 09時59分

★真魚さん、

>この国は(国家としては)没落の一途をたどるというのは、例えば国家財政とか現状を見るとほぼ決まったコースになっていますので、経験するもなにも、そうなります。<

まさにその通りで、国民が意識をガラッと変えないかぎりそうなる、と断言しているのが国民の皆さんが「年寄りが何やってんだ」と揶揄する「たちあがれ日本」であり、経済の面においては「みんなの党」であったりするわけです。
日本の行く末に危機感を持つこれらの政治家に対して、「戦争をしたがるタカ派」だとか、「まだ小泉路線を続けようとしている」などと言ってずうっと批判を続けてきたのがおおかたの国民でありマスコミです。

ここに至って、「じんるいは皆ともだち。分け合えるはず」と言ってきた真魚さんでさえ、世界の恐ろしさを強調し始めた、という印象を受けます。

投稿: robita | 2010年5月20日 (木) 10時02分

robitaさん、

いえいえ、ワタシは基本的にボーダーレス経済論者です。
経済というか、ごくフツーの生活において、日米や日中はもはや「ひとつ」になっているんです。「わかり合える」とかそういうことではなくて、実体として関わり合っているのです。そうした観点から見れば、この国はどんどん鎖国化しています。経済のレベルではグローバル化しているのに、人々の意識はものすごく鎖国化しています。しかし、この鎖国は、未来への展望もないもない鎖国であり、世界の潮流からどんどん取り残されてガラパゴス島のようになるのではないかと思います。

投稿: 真魚 | 2010年5月20日 (木) 23時54分

★真魚さん、

よく話題になる日本のガラパゴス化というのは、例えば携帯電話などで日本が開発した技術は非常に高度で多様化しているにも関わらず世界では需要がなく、せっかくの製品が日本国内でしか進化せず、したがって世界のマーケットから取り残されるという現象を指しますよね。
こういう問題を政府や企業がどう解決しようとしているのかは私は知りませんが、この問題と世界経済がグローバル化しているというのは別の問題ではないのですか。
日本が世界経済に乗り遅れないようにと小泉竹中路線を選択したのは必然ともいえますが、今日本経済が萎縮しているのは、グローバル経済の波に乗ることで被るかもしれないリスクに怯えているのではないでしょうか。
日本人はいったいどうしたいのか、それが問題だと思います。
鎖国して日本だけで貧しく暮らしていきたいのか。リスクはあるけれど、世界の市場に果敢に乗り出していくのか。
勝つためには勇気が必要、そう思いませんか?
小泉さんも竹中さんもさんざん叩かれながら内向きの日本を変えようと改革を進めました。
小泉改革が日本をダメにした、という誤解が、今の日本をこんなに萎えさせているのではないかと私は思うのですけどねえ。

投稿: robita | 2010年5月21日 (金) 10時13分

robitaさん、


最近のニューズウィーク日本語版のコラムで「日本の良さが若者をダメにする」というのがあります。
http://newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2010/04/post-158.php

つまりは、フランスと比べて、日本は社会の質が良いし、コストも安く暮らすことができるということが「当たり前」のようになっていて、これが外国への関心力を低下させているということです。

これは日本の携帯電話のガラパゴス化と同じです。

「例えば携帯電話などで日本が開発した技術は非常に高度で多様化しているにも関わらず世界では需要がなく、せっかくの製品が日本国内でしか進化せず、したがって世界のマーケットから取り残されるという現象」というのは、まあ日本のケータイに好意的な解釈ですね(笑)。

携帯電話で言えば、日本の携帯電話は高度な技術が生み出されてハードはものすごく品質が良くて、ソフトのコンテンツも欧米のレベルから見ればよくもまあこんな細かくできるもんだと思えるほどの細かいサービスの提供ができてきて、ビジネスとしても成り立っているというめちゃめちゃ良いものであるという理解は正しいです。

問題なのは「世界では需要がない」という部分ですね。もちろん、「世界では需要がない」のは事実です。で、そもそも市場の需要に供給するのがビジネスの原則であるのならば、日本の携帯電話はおかしいということになります。「せっかくの製品が日本国内でしか進化しない」ということは、外国のみなさんはこんな良い製品を使わないのはへんであるということになりますが、ビジネスの本質から言えば、外国のみなさんが望みもしないものを日本の携帯電話は提供しているということになります。

これは日本の携帯電話は日本人のみなさんを相手にしているのであって、ワールドワイドな世界市場を相手にしているわけではないためです。日本の携帯電話はあくまでも日本市場向けなんです。しかしながら、市場の大きさで言えば、当然のことながら全世界の市場とは比べものになりません。結局、日本仕様は品質は良くて高度な技術がありますが、相対的にコストが高く、やがて世界標準にかなわず自滅していきます。

日本の若者そのものが、世界潮流の流れから取り残された日本列島、じゃなかった、ガラパゴス島のイグアナのように、日だまりでひなたぼっこしながらじっとしている、それはそれで幸福な光景なのかもしれませんが。

このへん、悲劇的と言えば悲劇的です。日本人は日本人としてフツーに暮らし、同じ日本人を相手にして製品やサービスの内容な質を向上させ利益を上げているのに、いつの間にか世界標準から大きく遅れていって、やがて外資に負けるということになっています。

>>今日本経済が萎縮しているのは、グローバル経済の波に乗ることで被るかもしれないリスクに怯えているのではないでしょうか。<<

ようするに、ケータイと同じく、日本人だけを相手にしていても、今は「そこそこ成り立っちゃう」んですよ。でまあ、この「いつの間にか世界標準から大きく遅れていて、やがて外資との競争に負けるということになってしまう」という事実からなるべく目をそらしたいがために、外国への関心を持たないという悪循環になっています。

このへん、日本文化の本質に「欠落しているもの」があるのかもしれません。グローバルな潮流の流れに乗りながらも、日本は日本というアイデンティティを維持するということができなくて、とにかく外国を、閉ざす、閉じる、遮断する、否定する、鎖国する、そうしたピュアな状態でなくては日本人は日本らしさを持てないのだと思っているのかもしれません。そんなことはないんですけど。

しかしながら、そうした「外国を、閉ざす、閉じる、遮断する、否定する、鎖国する」では、今はそこそこの状態を維持できますが、やがてそれもできなくなります。その先に待つのは衰退と自滅です。

投稿: 真魚 | 2010年5月21日 (金) 23時50分

★真魚さん、

要するに真魚さんは日本はこのままでは衰退するということを仰ってるわけですよね。多くの人が言っているように。
で、日本は一度衰退して貧乏になってみるのがいいのではないか、というのが真魚さんの考えなんですよね。幕末だって敗戦時だってその衰退と混乱が復活のエネルギーへと転換したのだから、と。
そして、後世の人はその顛末を歴史として楽しみ、退屈しないで済むというわけですね。

でも今生きている国民の多くは貧乏は絶対にいやだと思ってますよね。
それなのに誰も何も真剣に考えようとしない、そう真魚さんは憤慨しているわけですか。
それとも、うまい具合に貧乏に向かって進んでいるぞ、と歓迎しているのでしょうか。

真魚さんは「日本はもうおしまいだ」と言い続けていらっしゃいますが、私は金星探査機「あかつき」の雄姿など見せていただきますと希望で胸がいっぱいになります。

投稿: robita | 2010年5月22日 (土) 10時05分

robitaさん、

>>要するに真魚さんは日本はこのままでは衰退するということを仰ってるわけですよね。多くの人が言っているように。<<

そうです。

>>で、日本は一度衰退して貧乏になってみるのがいいのではないか、というのが真魚さんの考えなんですよね。幕末だって敗戦時だってその衰退と混乱が復活のエネルギーへと転換したのだから、と。<<

そうですね。

>>そして、後世の人はその顛末を歴史として楽しみ、退屈しないで済むというわけですね。<<

100年後にも大河ドラマがあって、20世紀末から21世紀にかけてのドラマはぜひ見たいですね。

>>でも今生きている国民の多くは貧乏は絶対にいやだと思ってますよね。
それなのに誰も何も真剣に考えようとしない、そう真魚さんは憤慨しているわけですか。
それとも、うまい具合に貧乏に向かって進んでいるぞ、と歓迎しているのでしょうか。<<

ここのところがよくわかりません。日本の財政が破綻するのは、1+1=2のように算術的にそうなるということであって、国民のみなさんが「破綻したくない」と思えば破綻しないというものではありません。国民のみなさんが「貧乏は絶対にいやだ」と思おうが、思わないが、この国の財政は破綻することは避けられません。

ワタシが言いたいことは、国家と我々は「別である」ということです。ここがワタシとrobitaさんの違うところなのです。

ワタシが社会について少し真面目に考えるようになったのは高校生の頃ですが、その頃から世の中は政治改革だ、政治を改革しなくてはならないと言われていました。しかしながら、あれから30年近くたった今でも、この国は全然変わっていないではないですか。つまり、この国は政治を改革することは、しない、できない、のです。30年もやってこなかったことが、これからできるとはまったく思いません。この国は黒船とかGHQとかいった外国からガツンとやられなくては変わろうとしないのです。ちょっとでもほおっておくと、すぐにガラパゴス化する国なのです。

しかし、国家や体制が崩壊する、滅びるなんてことは歴史上何度もあったではないですか。徳川幕府の崩壊がありましたし、大日本帝国の崩壊もありました。それでも、私たちは元気(まあ、元気と一言ではいえなかったかもしませんが)にやってきたではないですか。

日本の個体燃料のロケット技術もまたガラパゴス化している日本の技術のひとつです。純国産の科学技術というのは、それはそれで独自路線の中で非常に高い技術水準に達しますが、世界の主流から離れていきます。

金星探査機「あかつき」の雄姿を見て、日本の前途に希望を感じるというのは、まことに失礼ながらガラパゴス島でガラパゴス山の向こうに昇る朝日を眺めながら、ガラパゴスの自然は雄大だ、なんとすばらしい、ガラパゴス国の未来は順風満帆だと感動をしているのと同じだと思います。それはそれで幸福であるかもしれませんが、島を取り巻く海の向こうにはもっと雄大な自然があります。希望は海の向こうにあるのです。坂本龍馬だって、秋山兄弟だって、「この国はいかんきのぉ」と思いながら、他の国々に学ぶ、ということをしてきたではないですか。

投稿: 真魚 | 2010年5月23日 (日) 00時59分

★真魚さん、

>しかしながら、あれから30年近くたった今でも、この国は全然変わっていないではないですか。<

ある程度の長さを生きて世の中を眺めている人はそのように思うのも無理はないと思います。
「この国は」と仰るけれど、世界中の人たちも自分の国の政治に年がら年中落胆しているのではないかと思います。「いつまでたっても変わらないじゃないか」と。何も日本だけじゃないでしょう。
で、「日本が内向きで世界に出て行かないからだめなんだ、中国なんかどんどん世界に進出してどんどん発展している、中国はすごい」というのも事実ではあると思いますが、そう言うなら、「官から民へ」「郵政民営化」「規制緩和」などなどの路線から逆戻りしているような今の政権がだめだ、ということになると思うのでそれをまず認識することから始めたらいいんじゃないでしょうか。
ここのところを国民もよく考え、投票するということが大切じゃないかと思います。
なにしろ、政治家を選ぶのは国民ですから。

>希望は海の向こうにあるのです。坂本龍馬だって、秋山兄弟だって、「この国はいかんきのぉ」と思いながら、他の国々に学ぶ、ということをしてきたではないですか。<

若者に海外に出てほしい、というのは私もそう思います。
海外留学を政府が積極的に支援するとか、あるいは、そもそも元気のある若者が育っていないというなら、それは教育の時点である程度なんとかできると思います。これは真魚さんは反対するでしょうけど(笑)

>日本の前途に希望を感じるというのは、まことに失礼ながらガラパゴス島でガラパゴス山の向こうに昇る朝日を眺めながら、ガラパゴスの自然は雄大だ、なんとすばらしい、ガラパゴス国の未来は順風満帆だと感動をしているのと同じだと思います。<

看過できませんねえ。
技術の進歩というのはそもそも壮大なる無駄の積み重ねとも言えます。
さしあたってカネにならないからと、始めから開発努力をしないでおこうというものではないでしょう。
真魚さんだって前のコメントで仰ってるじゃありませんか。
【「なんで一番にならなくてはならないんですか。二番だっていいじゃないですか」ということを言っている国とではもう勝敗は決まっています。】と。

一番になるためには、今すぐに儲けられるか儲けられないかなどということが問題にされるべきではないと思いませんか。

「あかつき」の使命については、その解説は各所でなされていますので、そこを読んでいただくとして、もうひとつ嬉しいのはこのロケットに搭載されている宇宙ヨット「イカロス」ですよ。
すでに100年前に太陽風を利用した帆船構想は想起されていたそうですが、私がそれを初めて知ったのは、10代の頃に読んだアーサー・C・クラークの宇宙ヨットレースを描いたSF短編小説でした。
夢物語のようだった宇宙ヨットを日本が世界で初めて航行させようとしているんですよ。これが興奮せずにおらりょうか!
失敗するかもしれません。でもいいじゃないですか。日本の最先端技術が投入された技術者たちの夢と汗と涙の結晶ですよ。

携帯機能のガラパゴス化だって一概に悪いと決め付けられるようなものではないかもしれませんよ。
今儲けられなくても、高度な技術というのは、将来どんなメリットをもたらすかわからないのですから。
そういう機能で外国に売り込みたいのなら、それなりの戦略が必要なだけかもしれませんし。

それより、真魚さんと私のこうしたやり取り自体がガラパゴス化してませんかね。(「閉じた空間で二者だけで盛り上がっている」というところがですよ。:追記)
誰も何も言わないけど外からはそう見えるかもしれませんよ。

投稿: robita | 2010年5月23日 (日) 10時02分

ちょっと手短にコメントします。黒船や敗戦のショックと今の中国の台頭では根本的な違いがあります。これからの発言はpolitically incorrect(「差別的」と受け取られかねない発言を大胆にする)です。

前者の場合、西洋列強がだた強かっただけではありません。もう、社会制度から教育、科学技術に至るまで何もかも日本より優れまくっていたわけです。そもそも、第二次大戦の時はいわゆる国際派のみならず、ナショナリストも対米開戦には反対でした。東条英機自身が「清水の舞台から飛び降りる」と言ったほどです。どん底に叩きつけられた日本が西洋に学びまくったのは、相手がどうしようもないほど優れていたからです。

これに対し、今の中国はどうでしょうか?GDPが2位に上がったとは言え、これは人口が多いだけ。一人当たりではとでも先進諸国には及びません。いわば、ただの太った龍に過ぎないわけです。またG2というのもただの言葉遊びです。現実の中国はG9にも入れません。つまり、日米欧にロシアを加えたG8よりも「格下」のわけです。社会制度から教育、科学技術に関して言えば、中国は日本より劣りまくっています。こんな中国に叩きのめされてどん底を経験する日本?

物事はpolitically correct(人工的に差別や偏見を抹殺した視点)だけでは誤ります。時にはincorrectな視点も必要です。私の視点・論点は少しもガラパゴス的ではありません。より詳しくはこちらのブログに記します。

投稿: Shah亜歴 | 2010年5月23日 (日) 11時52分

★Sha亜歴さん、

私も、幕末や敗戦時の日本の立場や世界情勢と今のそれとでは、全然違うと思うんですよ。

>社会制度から教育、科学技術に関して言えば、中国は日本より劣りまくっています。こんな中国に叩きのめされてどん底を経験する日本?<

たしかに中国はなりふり構わずがむしゃらに稼ぎまくっていますが、仰るように「ただの太った龍」なのかもしれませんね。太りすぎてそのうち破裂するとの警告も盛んなようですし。
破裂するとこちらも困るわけですが、それでも今のうちにやるべきことは「中国はすごい」とただ怯えて諦めるのでなく、日本はやっぱりもう一度立ち上がる努力をするしかないんだと思います。

投稿: robita | 2010年5月24日 (月) 10時19分

横レス失礼致します。

 nobitaさんと真魚さんの論争を面白く拝読させていただきました。
 真魚さんは何度も“鎖国化”という言葉を使い、内向きになっている日本人を批判されてますが、“鎖国化”心理は日本の特殊現象ではありませんよ。

 そして、「じんるいは皆ともだち。分け合えるはず」とまで彼は言っていたのですか??本当なら日本人的アマちゃんの典型ですね。確か、真魚さんはインドでのボランティア体験があったはず。古い歴史のある多民族、多宗教国家のインドで、宗教対立が恒例行事化しているのを知らないとは言わせませんよ。異教徒は基本的に信用せず、カーストが違っても殆ど異教徒に近い存在となってくる。インド人同士さえ「皆ともだち。分け合えるはず」状態ではありません。
 世界史では異教徒、異民族は基本的に信用しないのが常でしたし、これはこの先も変わりない。実は「相互理解」とは、社会主義用語だったことをご存知でしょうか?この言葉を使って東側は西側のアホな知識人を取り込んだそうです。

 彼はニューズウィーク誌も根拠として挙げられてますが、まさか、欧米メディアを鵜呑みにしているのではないでしょうね?
 日本のマスコミもクズ同然ですが、欧米マスコミもまた胡散臭さでは同じでしょう。特にニューズウィーク誌などねぇ…私は戯れに“ジューズウィーク”とあだ名しており(Sha亜歴さんが怒るかも)、この雑誌記者をこき下ろした記事を書いたことがあります。欧米、イスラエルを非難する「過激左派」の私から見ても、真魚さんの意見は左寄りで、ホロン部みたいですね。
http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/35437c38ad0b92410cf4fb07e44f2a44

投稿: mugi | 2010年5月24日 (月) 23時48分

mugiさん

>>日本のマスコミもクズ同然ですが、欧米マスコミもまた胡散臭さでは同じでしょう。特にニューズウィーク誌などねぇ…私は戯れに“ジューズウィーク”とあだ名しており(Sha亜歴さんが怒るかも)、

いえ、私はちっとも怒りません。そもそもニューズウィークを引用したことは殆どありません。エコノミスト(英)は時折引用しています。いずれにせよ、どこのメディアでも誰の論文でも何から何まで信じ込まぬようにはしているつもりです。

そう言えば以前、真魚さんに「OOOに感動すると・・・」なんて言ってエライ目に遭ったことがあります。その手前、何でもかんでもは信じないようにはしています。

ちなみに、私の引用先はかなり多国籍です。アメリカ人、ヨーロッパ人ばかりでなく、日本人は当然!それにロシア人、中国人、インド人、イラン人、アラブ人・・・・・・と。

何せブログの表題がグローバル・・・です。

投稿: Shah亜歴 | 2010年5月25日 (火) 00時32分

robitaさん、

あの、黒船に時代や敗戦の時と時代が違うから大丈夫とかそういうことではなくて、国家財政の破綻というのは、時代がどうであろうとなかろうと「起こる」ものなのですが。

>>夢物語のようだった宇宙ヨットを日本が世界で初めて航行させようとしているんですよ。これが興奮せずにおらりょうか!<<

>>今儲けられなくても、高度な技術というのは、将来どんなメリットをもたらすかわからないのですから。
そういう機能で外国に売り込みたいのなら、それなりの戦略が必要なだけかもしれませんし。<<

といって、ニッポン国はなんとすばらしい、と言っている姿そのものが、この国は今やパラダイス鎖国の状態になっていることを表しているように思えます。

投稿: 真魚 | 2010年5月25日 (火) 02時12分

★真魚さん、

>あの、黒船に時代や敗戦の時と時代が違うから大丈夫とかそういうことではなくて、国家財政の破綻というのは、時代がどうであろうとなかろうと「起こる」ものなのですが。<

あの、大丈夫とかそういうことではなくて、同様の体験はできないだろうと言っているのですが。 真魚さんが「幕末や敗戦の時のように、外国に太刀打ちできないということを体験したほうがいい」と仰ったものですから。
日本のような経済大国が今のグローバル経済下で破綻すると幕末や敗戦時とはまったく違う状況をもたらすのではないか、ということです。
まあ、それも経験してみないとわからないので、一度そうなってみるのもいいかもしれませんね。怖いもの見たさ(笑)、というか、怖いもの体験したさ。

>ニッポン国はなんとすばらしい、と言っている姿そのものが、この国は今やパラダイス鎖国の状態になっていることを表しているように思えます。<

日本は危機的状況にあって、パラダイスではないからこそ、立ち上がるための手段の一つである科学技術に力を入れるべき、と私は思うのです。
日本の科学者技術者が努力に努力を重ねて夢の第一歩を踏み出した、それを歓迎することが真魚さんの目にはそんなに愚かしく映りますか。
悲観論をまとって閉じこもるほうがずっと鎖国的というか後ろ向きだと思いますけどねえ。
日本国破滅が確定しているなら、なぜみんな日常の生活を続けているのですか。
わかっている人だけでノアの箱舟でも作っている最中なんですか。

今の日本人に足りないのは「元気」だと思います。
悲観論はひとまず置いて元気にならなくては。
・・・・と言うと、真魚さんからは「今の日本の状態では元気が空回りするだけです」という言葉が返ってくることが予想されますので、まずは、空回りしないような政策を果敢に打ち出してくれる政治家を応援することから始めないと。
せっかく日本を変えようとした構造改革路線を逆行させて日本を沈めようとしている今の政権をこのままにしておいてはだめなんじゃないですか。
もちろん、改革が逆行し始めたのは民主党政権からではなく、小泉さん以降、自民党守旧派が盛り返してきた時からのことなんでしょうが。

投稿: robita | 2010年5月25日 (火) 10時47分

★mugiさん、

コメントありがとうございます。
mugiさんは真魚さんもSha亜歴さんもご存知だったんですね。

>「じんるいは皆ともだち。分け合えるはず」とまで彼は言っていたのですか?<

そういうはっきりした言葉ではないですが、今まで沢山コメントくださって、それが言葉の端々にあらわれていたと思います。
人種のるつぼのようなニューヨークに滞在された時の印象を「国籍などということを問題にせず、【じんるい】として助け合って生きられる社会」と語っておられましたし、「分捕り合戦をしなくても世界は【WinWin】の関係が築ける」と仰っていた記憶もあります。
そういう考え方は全然悪いことではないですよね。真魚さんはコスモポリタンなのだと思います。

投稿: robita | 2010年5月26日 (水) 14時04分

nobitaさん、

 真魚さんがニューヨークで過ごされた体験があることは知りませんでした。
 実は私は海外在住体験は皆無の東北の田舎者にすぎませんし、Sha亜歴さんと違ってアメリカ事情は浅学です。しかし、ニューヨークがアメリカでも特殊な都市であることだけは存じています。そして、この町に住んだ他の日本人ブロガーの感想はかなり違いました。もちろん海外体験は十人十色ですから、真魚さんの感じ方はそれで結構ですけど。

 ただ、私のようなへそ曲がりからすれば、「国籍などということを問題にせず、【じんるい】として助け合って生きられる社会」「分捕り合戦をしなくても世界は【WinWin】の関係が築ける」など、かなり笑えますね。コスモポリタンとはお花畑頭の根なし草の別名でしょうか。しかも、彼は若くもないはず。

 そもそも、そんな“コスモポリタン”がなぜ日本に在住しているのでしょうね?日本がダメと言うなら、なぜ海外移住し、そこに永住しないのか不可解です。日本に絶望している人は、どんどん海外に移住した方がよいと私は考えています。世界は広い。ただし、海外も甘くありません。何の技能も才能もない外国人を、赤絨毯で迎えてくれる国など何処もありません。
 日本脱出しても結局芽が出ず、尾羽うち枯らして帰国するタイプもいますからね。ダメな人はどこに行ってもダメと言った人もいます。

投稿: mugi | 2010年5月26日 (水) 22時21分

★mugiさん、

遠い未来に、どんな形であれ世界は一つになるとは思いますが、自分の生きている間は損をしたくない、と思うのが人間ですからねえ。

>ダメな人はどこに行ってもダメと言った人もいます。<

わ、耳が痛い。私,何やってもダメなタイプだもんで。

投稿: nobita | 2010年5月28日 (金) 09時41分

robitaさん、

例えば、日本がギリシャみたくなるのかというと、外国のメディアでは、日本が次のギリシャになる可能性が高いと言われていますけど、そうはなりません。なんでそうならないのかというと話が長くなるのではしょりますが。

で、じゃあ、日本はギリシャみたくならないということでオッケーじゃないですかというと、そういうわけでもなくて、国の借金がこれほど大きくなっていることでの危機の可能性はあります。今のところは、国や国民個人の資産がたくさんあるので、これほどの大きな債務を国が持っていても、まあ、なんとかなっているわけです。ただし、これからさらに国や国民個人の資産を食いつぶしていくわけですから、そうなるとアウトなわけです。

そうならないためにはどうしたらいいのか。簡単です。成長企業がバシバシ出て来て、国際市場で日本製品がどんどん売れるようになる。日本の科学技術は世界最高で、外国が日本の科学技術を次々と買うようになる。科学技術を支える人材を育成する大学教育は、中国の北京大学や清華大学よりもレベルが上で、アジアや欧米から留学生がじゃんじゃんくるようになる。日本に外国の投資家がどんどん投資してくれる、外国の企業が日本にどんどんくる、等々と、とまあこうなればいいわけです。ようするに開国です。外国に関心を持ち、外国の文物に学び、国内に「外国と同じ」「外国とつながっている」場をたくさん持つことです。この外国とは、アメリカだけではありません、ロシアもあるし、中国もあります。

しかしながら、現状はまったく逆なわけです。外国からの投資は日本ではなく中国の方がいいということで、日本から去っていきます。国内では、小子高齢化が進みます。年寄りが増えるし、社会保障をもっと上げてくれとなります。税金の上がるのは反対(消費税を上げることには私は反対ですが)。で、住みやすくて心地よい「美しい国」日本に住み、外国には関心ありません。日本はなんていい国なんでしょうと自画自賛するパラダイス鎖国の中でガラパゴス化が進んでいきます。

この、今の日本のパラダイス鎖国を壊すのは、実は中国なんじゃあないかと思います。中国に対する日本人の嫌中意識が、逆にこの国を開国に向かわせるのではないかと思います。

「中国は嫌いだ」「日本は正しい」でいいんです。あるいは「普天間から米軍は出て行け」でもいいんです。それでいいのだと思います。こちらがどう思おうと、思わないと、アメリカや中国はこの国に関わってきます。その、そこにある不条理、例えば、米軍が沖縄にいるということに対する怒りが物事を動かしていくのではないでしょうか。なんでいつもアメリカや中国に従わされるのか、という怒りが、アメリカや中国に従わされないためには、どうしたらいいのか、そうか、この国は太平洋戦争に負けてから、真に独立自尊した国になっていないんだ、これではいけない、尊皇攘夷ぜよ!!という方向へ向かうのではないでしょうか。

そして、21世紀の初頭の日本でそうした、沖縄を犠牲にして、アメリカの言いなりにならざるえないという状況を如実に見せてくれた、アメリカのメディアから馬鹿にされる一国の総理大臣がいたということを、100年後の大河ドラマでやるわけですよ。また、福山雅治と香川照之と大森南朋で、ぜひとも。

投稿: 真魚 | 2010年5月29日 (土) 19時01分

日本人が内向きの自己満足に浸るなという真魚さんの主張には全面的に同意します。私が反論したのはまるで「中華ドラゴンズ・ファンクラブ」の一員のような発言に対してです。

確かに内向きの自己満足な日本人も見られますが、今の学生達は昔の学生よりも国際協力の課外活動に積極的に関わっているのではないのですか?実際に、途上国支援のボランティア・サークルは私の学生時代より増えています。そうした現状では、田舎者だのコスモポリタンだのといったレッテルも意味はなくなりつつあるのでは?

国家としての日本は外の世界とどのように関わるか?私は日米欧の三極同盟の再強化により、形を変えて甦った冷戦の怪物(ロシア、中国)とアジア新興経済に対処すべきと主張します。テロでも核でも、やはり利害と理念を共有するのは日米欧です。詳細はTBで。

個人としてはどうするか?少なくともネットであれば田舎者でもコスモポリタンでも外国人と議論できる機会は多いです。他に機会があれば、自ら参加してゆけばよいと言うだけです。

投稿: Shah亜歴 | 2010年5月29日 (土) 22時36分

★真魚さん、

>住みやすくて心地よい「美しい国」日本に住み、外国には関心ありません。日本はなんていい国なんでしょうと自画自賛するパラダイス鎖国の中でガラパゴス化が進んでいきます。<

なんか基本的なところで勘違いしてらっしゃると思うのですが、日本の長所を正しく認識することがどうして「鎖国化」に直結するんですか。
日本の強いところ、良いところはたくさんある、これを生かして国際社会に打って出てどんどん稼げばいいじゃないですか。
知識人の中には「もうそんなに稼がなくていいじゃないか、経済の豊かさより心の豊かさを」などと力説する人もいます。
例えば≪「家にいてもたのしく飯が食える人間」は「世界標準仕様」になる必要がない。そして、私は「家にいてもたのしく飯が食えるなら、どうして寒空に外に出て行く必要があるものか」とこたつにはいって蜜柑を食べている人間である。≫
と書いておられる人もいます。これは内向きでいいじゃないかということでしょう。
で、私はその文章を取り上げて「世界に出て稼がなくては日本はどんどん落ちる、それではこたつでみかんを楽しむ幸せさえ得られないではないか」と書きました。
なぜ「日本は良いところがいっぱいある。科学技術の力も優れている」と書いただけで、内向きだと言われるのかわけがわかりません。

>なんでいつもアメリカや中国に従わされるのか、という怒りが、アメリカや中国に従わされないためには、どうしたらいいのか、そうか、この国は太平洋戦争に負けてから、真に独立自尊した国になっていないんだ、これではいけない、尊皇攘夷ぜよ!!という方向へ向かうのではないでしょうか。<

その通りだと思いますよ。真魚さんもずいぶん変わったじゃないですか。ただし単なる「尊皇攘夷ぜよ!!」ではいけないと思いますけどね。やはり他国の力を利用しながらの成長戦略でしょう。

投稿: robita | 2010年5月31日 (月) 10時40分

★Shah亜歴さん、

若者たちに希望も夢もない、と言われ続けていますが、そろそろ転換点に来たかなと思わないでもないです。
挫折や悲惨な状況を味わって立ち上がる人が増えてくるんじゃないでしょうか。
私は世間が狭いので確かではないですが、発想の転換をして生き方を変える人や、欲を出してきた人をちらほら見かけるようになりました。
年配者としてこういう人たちを応援します。

投稿: robita | 2010年5月31日 (月) 10時42分

robitaさん、

日本の長所を正しく認識するのが科学技術になるのがわかりません。日本の科学技術は全般的に見てまだまだです。やらなくてはならないことは山のようにあります。科学技術よりも、日本には美しい景観や、古典芸能など、数多くのすばらしいものがあるではないですか。そうしたものこそ、グローバル化しえない、つまりガラパゴス化しえない、本当の日本の価値ですよ。

幕末の日本は攘夷から始まりました。攘夷の感情が倒幕へと向かったのです。薩摩も長州も攘夷をやって西欧にボコボコにされて初めて、ただ単に攘夷、攘夷と言っているだけではイカン、欧米に対抗できる力を持たなくてはならない、よし、開国だ、というようになっていったのです。攘夷は開国のためのステップなのです。

投稿: 真魚 | 2010年6月 1日 (火) 08時36分

★真魚さん、

>日本には美しい景観や、古典芸能など、数多くのすばらしいものがあるではないですか<

同意します。
文化の面でも科学技術の面でも日本は良いところ強いところがたくさんありますね。

>やらなくてはならないことは山のようにあります<

当たり前じゃないですか。

>攘夷は開国のためのステップなのです<

厳重な鎖国の状況の中、外国の脅威を目の当たりにした幕末と、既にグローバル化した今の状況とでは踏むべきステップはだいぶ違うと思いますけどね。

投稿: robita | 2010年6月 1日 (火) 10時55分

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