おばちゃん外交
何か相手の喜ぶことをすれば外交はうまくいくんだろうと思ったのかどうか、菅首相は韓国との決着済みの問題に対し、わざわざ蒸し返すような形で心からのお詫びと反省を表明した。
私ども、巷の普通のおばちゃんなどは、お世辞を言ったり相手の喜ぶものをあげたり、へりくだってでも周りの人々と余計な摩擦を起こさないようにしたりする。
だから、日本国として外国とうまくやるためにも、相手の嫌がることをしないとか、喜ぶことをしてあげればそれで平和が保てて結構なことじゃないか、と思うこともある。
でも、私など普通のおばちゃんには計り知れないことだが、聞くところによると、外交とは自国に利益をもたらすための熾烈な駆け引きであり、生き抜くために、また誇りを保つために、相手が嫌がろうが(むしろ相手の嫌がることをチラつかせながら)腹を据えて真剣に取り組むものであるらしい。
それは国民の生命財産をまもるという重責をに担っているからで、どこの国もやっていることらしい。
菅さんや仙石さんのやり方で、日本が損をしないのなら別にかまわない。
でもそこいらのおばちゃんのような発想で外交をやって果たして大丈夫なんだろうか。
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コメント
戦争と軍事戦略について記したクラウゼヴィッツの古典『戦争論』には、「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」という有名な記述があります。
外交が他国との政治交渉であることを考えれば、この言葉は「外交とは他の手段をもってする戦争である」と言い換えることができるでしょう。
おばちゃん外交が通用するのは日本の中だけだと肝に銘じるべきです。
投稿: かせっち | 2010年8月13日 (金) 13時43分
この件に関しては、こちらのブログに以下のコメントをしています。このブログはお薦めです。
日韓関係もまた、両国だけを見ていてはいけないのではと思います。先の広島原爆式典にジョン・ルース米大使が出席したことは、菅首相の談話決断に何らかの影響を与えているかも知れません。
ただ、私自身は日韓併合の合法性を論争する意義はないと考えています。植民地主義時代の冷血なパワー・ポリティックスでは、列強の力関係がほとんどの事態の推移を決めてしまいます。イギリス、アメリカ、ロシアといった当時のstake holdersが日韓併合を認めました。それ以上でも以下でもありません。
もっとも、韓国民を相手に談話をする以上、菅首相の立場はルース大使よりもさらに難しいものだと思います。
投稿: Shah亜歴 | 2010年8月14日 (土) 14時38分
★かせっちさん、
>「外交とは他の手段をもってする戦争である」<
はい、肝に銘じます。
投稿: robita | 2010年8月16日 (月) 13時17分
★Sha亜歴さん、
>私自身は日韓併合の合法性を論争する意義はないと考えています<
なるほど、そうかもしれませんね。
合法も何も、あの言わば野蛮な時代の争奪戦のことを今の人が論理立てに躍起になってもそれはあまり意味のないことかもしれません。
投稿: robita | 2010年8月16日 (月) 13時18分
ナルホド、
そうですよね。
例えが解りやすかったです(笑)。
投稿: トトロ | 2010年8月23日 (月) 19時32分
★トトロさん、
菅さんはほんとに小粒な人ですよね。
投稿: robita | 2010年8月24日 (火) 11時01分