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2011年4月 4日 (月)

「民難」って・・・

昨日のテレビ朝日「サンデーフロントライン」で、政治学者の姜尚中さんが被災地入りをし、レポートを行っていた。

≪これは、上から目線の「国難」などではなく、「民難」というとらえ方を私はしたいと思います≫と言いながら、現地の被災者の何人かに話を聞いては一人ひとりに深刻な表情や声音で反応していた。

被災者の一人ひとりに直接話を聞くというのは、各マスコミの記者やレポーターが震災のすぐ後から危険をかえりみず現地入りをし、盛んにやっていたことだと思う。私はたくさん読んだしたくさん聞いた。
今ごろ彼がわざわざ出向いて、「私だけが知っている」というつもりなのかどうか「国難ではなく民難だ」などと妙なことをテレビでアナウンスする意味が何かあるのだろうか。

これほど多くの国民のひとりひとりがとてつもない困難に直面しているから「国難」というのであって、それを「上から目線」とはいったいどう勘違いしているのだろうか。

「国家」対「国民」という骨の髄までしみこんだイデオロギーはどうにも変わらないらしい。

国家によって民衆が虐げられている日本、という錯覚から抜け出せないのは、若かりし頃の革命への憧れの残滓の作用にちがいない。

この人を乗せて局の車で被災地まで運んだのはガソリンの無駄遣いだったのだろうなあ。

わたしだけが正しい、わたしだけが愛情深い、わたしだけが民の心を知っている。そういう独善的な匂いがぷんぷんするので、私はあの手の人が苦手である。

昼食の用意をするために途中からテレビを離れたので、その後、姜さんがスタジオで何か意味のあることを言ったのかどうか、もし私の誤解であったら、後で謝ることにする。

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お昼を食べながら見たのが、フジテレビ「ウチくる?!」

今日のゲストはお笑い芸人の間寛平で、息子の慎平氏が子どもの頃の親父の思い出を語る。

「お姉ちゃんの学校でいじめがあるっていう話を聞いて、親父すぐに学校に行くんですよ。
そのクラスに昼休みに乗り込んで、いじめとるヤツに向かって、『コラッ、いじめたらあかんやろ。今度いじめたら、お前の家の玄関の前でウ○コしたるぞ』って。
自分の子どもがいじめられてるわけやないのにそういうことするんです」

上から目線の恫喝でなく、子どもが思わず素直になってしまいそうな叱り方。

寛平氏の真の優しさと男気に感動する。

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コメント

南相馬市、相馬市での直接取材がほかの地域に比べて少ないことに気づいてください。「国難」という大枠のとらえ方の中で(支援が行き届いている地域と、全然届いてない地域が均一化されてとらえられる中で)、一番苦しんでいる人を探し、その人の声に耳を傾ける必要があるということも、忘れてはならないということを言っているのだと思います。「民難」というのは。

国難と言われるとき、被災地の人たちは大変苦しいけど、それを見守り、支援する私たち(国も企業も、個人も)いっしょに苦しいんだ→だから「がんばろう、ニッポン!」ていう流れになる。

国難という認識も確かに必要。だけど、その中でまだまだ3重苦、4重苦という苦しみを背負った人々のことを忘れてはいけないよ、と、あの先生は言いたかったんだと思いますよ。

投稿: | 2011年4月 5日 (火) 10時24分

はじめまして。今日ブログを拝見しました主婦です。

私もあの番組を見てとても違和感を感じました。
日本人ではないので仕方ないのでしょうが、被災現場にいてもどこか他人事のようで、泥まみれの人形を見て絶句したりとか、国難ではなく民難だとか、こんな時に左翼イデオロギーをメディアで流すのかと、呆れました。

今後の彼がどのように具体的支援な展開するのか、注視したいと思います。

投稿: aiko | 2011年4月 5日 (火) 11時09分

★お名前のない方へ、

地域によって、報道されなかったり、支援が不公平だったりすることは、こういう大災害ですから、当然あると思いますし、そういった「取材が届かないところ」や「支援が不公平な状況」についても既にたくさん報道されています。ご存知ありませんか?
私たち被災地以外の人々はそれも心得ているのではないでしょうか。

姜さんが、「みんな知らないのではないか」と憂慮して現地入りしてレポートするのは悪いことではもちろんありませんが、彼は、「国難」という言葉は「上から目線」だから私は使いたくない、と言ってました。
「上から目線」ってなんでしょう。
東北の人々(もちろん地震被害は東北だけではありません)は大変な思いをしている、そして、この大災害は日本という国全体にダメージを与える、それが「国難」ということですよね。

大災害で多くの国民が被災したばかりでなく、原発の破損で国の産業維持も困難な状況にある、産業が廃れればそれは国民一人ひとりにとっての不幸につながる。これを国難と言わずして何を国難というのでしょうか。

・国難は国難。
・被災者の誰一人忘れられることがないよう手当てをする。

こういうことを認識することが大事なのであって、別に「国難ではなく民難だ」などと言葉を作る必要はないのです。

>国難と言われるとき、被災地の人たちは大変苦しいけど、それを見守り、支援する私たち(国も企業も、個人も)いっしょに苦しいんだ→だから「がんばろう、ニッポン!」ていう流れになる。<

「がんばろう、ニッポン!」はいけませんか?

投稿: robita | 2011年4月 5日 (火) 13時13分

★aikoさん、

初めまして。
読んでくださってありがとうございます。

一人ひとりが被災して苦しんでいる、だから「国難」ではなく「民難」なのだ、というのはヘンな理屈ですね。だって私たち一人ひとりがこの国を形作っているんですから。

姜さんはじめ、左翼の人たちというのは、優しい人たちだと思いますよ。
なにか魂胆があって、日本をつぶしてやろう、などと考えているわけではないでしょう。

その優しさが頑強なため、始末が悪いんです。

投稿: robita | 2011年4月 5日 (火) 13時23分

神奈川県在住の渡辺ことエリオットと言います。
はじめまして、被災者の方々にお見舞いと被害者の方の冥福を祈り、
亡くなられた自衛官に対し、哀悼の意を申し上げます。

また国家的命とは言え後方支援してます災害派遣の10万の自衛官並びに警察官、消防官、ボランテア方々の活動に敬意を表します。
および他国の軍とボランティアや救助隊の皆様ご苦労を感謝してます。

さて

国難ではなく民難?

聞き慣れない言葉です。
日本人ではないので価値観が違ので勝手に定義したのでしょう。
又、番組の前は事前に打ち合わせをスタッフとしていますから
朝日のイデオロギーの押し付けと言っても過言ではない。

民難のイメージ
国家ではなく、市民レベルだけで、この難は政府は関与しない事。民間人のみが被害者で市民レベルで相互に助けあう。

国難のイメージ
日本経済、農作物も含め国民の安全面も、日本国全てが大変な状況になっていているのが「国難」なんですよね。

そのコメンテ-ターは他人事なんですね。世論を歪め様と操作しているとしか思えません。

投稿: エリオット | 2011年4月 9日 (土) 01時42分

★エリオットさん、

初めまして。

>また国家的命とは言え後方支援してます災害派遣の10万の自衛官並びに警察官、消防官、ボランテア方々の活動に敬意を表します。
および他国の軍とボランティアや救助隊の皆様ご苦労を感謝してます。<

同感です。
左翼イデオロギーの情感にのんびり浸っている人がテレビの前面に出ている裏には、危険や極度の疲労の中、実際の活動をしているそうした人々がいることを我々は忘れてはなりませんね。

「民難」という言葉は聞いたことがないのですが、前からあったんでしょうか。それとも姜さんの造語なんでしょうか。
前からあったとしたら、エリオットさんの仰る「民難のイメージ」でしょうね。
姜さんはとにかく、「国家」というものが、国民の上のほうにある何か別のかけはなれたものというふうにとらえているようです。
「国家」と「時の政権」を混同していると思うのですが、あんなに頭の良い学者先生なのだから、私のほうが何か間違っているのかなあ、と自信がなくなりそうです。

投稿: robita | 2011年4月 9日 (土) 15時01分

この人とは肌が合わないや。
考え方のみならず、上から目線の態度・話し方等々、嫌いだなー。
何故国はこんな奴を東大教授として受け入れてるのだろうか?、サッパリワカラン。
民主党政権はお得意の事業仕分けで排除して貰いたい(笑)。

投稿: トトロ | 2011年4月 9日 (土) 17時59分

姜尚中教授は日本の政治と政治家評を中心とした活動をしている政治哲学者です。
在日のためか、双方を理解している人物でもあります。
「民難」彼は政治哲学者です。意図はあったはずです。(プロパガンダ)
なぜ国難と解っていながら民難と表現したか政治学者としての説明責任があったと思います。
それと彼は自衛隊の活動に触れていなかった。公務死一名、行方不明2名の自衛官の犠牲者も出ています。マスコミはその事実も発表しない。

日本頑張ろう。この国難を乗り切り復興しましょう。
世界の人が祈ってくれています。

投稿: エリオット | 2011年4月 9日 (土) 19時08分

★トトロさん、

>考え方のみならず、上から目線の態度・話し方等々、嫌いだなー。<

考え方のせいで、態度や話し方まで嫌いになっちゃうんですよね

東大の教官として、学生に思想を植え付けるということはもうこの時代にはあまりうまく機能しないでしょうが、崇拝者もいるのでしょうね。若い人をあまり洗脳しないでいただきたい。

投稿: robita | 2011年4月10日 (日) 09時17分

★エリオットさん、

>双方を理解している人物でもあります<
>意図はあったはずです。(プロパガンダ)<

ああ、たしかにそうですよね。当然、無知のなせるわざではないはずですよね。

>日本頑張ろう。この国難を乗り切り復興しましょう。
世界の人が祈ってくれています。<

そうですね。
世界の支援、特にアメリカに対して「下心がある」というような論調のマスコミもありますが、そういうことを今マスコミが言っていいのかと思います。

投稿: robita | 2011年4月10日 (日) 09時19分

はじめまして。

名付けとかカテゴライズというのは、学者の悲しい習性なのではないでしょうか。
よくM先生もおっしゃいますよね。「これを私は~と呼んででいますが」とか「~という考え方があります」とかですね。
日本語だと作り易いのかもしれませんね。

投稿: サヌカイト | 2011年4月11日 (月) 13時56分

★サヌカイトさん、

はじめまして。

>名付けとかカテゴライズというのは、学者の悲しい習性なのではないでしょうか。<

なるほど。それが学者というものかもしれませんが、自分の思想に誘導するためにそれをやられるとヤな感じですよね。

>よくM先生もおっしゃいますよね<

私がよく取り上げる宮○先生のことでしょうかね。

>日本語だと作り易いのかもしれませんね。<

そうですね。日本人のセンスで作られる新語は実に面白いです。「民難」は面白くないけど。


サヌカイトという石を使った楽器の高く澄んだ音色を、和太鼓奏者の林英哲の演奏で聴いたことがあります。余談ですがお名前で思い出しました。


投稿: robita | 2011年4月12日 (火) 13時45分

久しぶりです。
番組を見ていないのですが・・・。

彼は、「国難」という言葉は「上から目線」だから私は使いたくない、と言ってました。

きっと、その論理で行くと「『国民』っていうのも、『上から目線』に聞こえるから使いたくない」ということになるのでしょう。考えてみれば、国ということに拘り続けて、今がある人でしょうから。

私はあの手の人が苦手である。
  ↑
同感。彼の40代頃からの新聞掲載文章を読んできましたが、昨今のテレビ出演しての語り口が、苦手になりました。

投稿: 街中の案山子 | 2011年4月20日 (水) 11時15分

★街中の案山子さん、

お久しぶりです。

>国ということに拘り続けて<

そうですね。なんといいますか、アレルギーのようなものではないかと。
実際に「君が代・日の丸アレルギー」などというものもあって、本当に湿疹が出たりするそうなんです。

>昨今のテレビ出演しての語り口が、苦手になりました。<

あのささやくような喋り方がどうも苦手です・・・

投稿: robita | 2011年4月20日 (水) 16時18分

拝読しました。私もあの番組を見て、
何だかなーと思いました。
まだ田原総一朗が取り仕切っていたサンプロの方がマシです。
今のサンデーフロントラインはリベラルばっかじゃないですか。
偏り過ぎです。もともとテレ朝自体がそうなんだから仕方ないと
諦めざるをえないのが辛いです。
このままでは日本の国がなくなってしまいます。
リベラル派の想いと特亜の抗日運動とつながります。
本当に、「がんばろう日本」と思い褌を締めなおさなければなりません。
専業主婦は幸です。日本国の土台であり要諦です。
夫婦別姓や外国人参政権なんてとんでもないことです。
私ゃ保守ながら自然主義なので原発と八ッ場ダムは絶対反対です。
もう、右翼左翼では片づけられない事態ですね。
日本は良い国です。守りましょう。

投稿: Jiken | 2011年7月25日 (月) 01時41分

★Jikenさん、

初めまして。

>今のサンデーフロントラインはリベラルばっかじゃないですか。<

そうですか。私はあの番組あまり見ないので。
たまたまあの「民難」発言は見ました。
ただ、姜尚中氏をレギュラーに据えているということはそういうことなんでしょうね。

>もともとテレ朝自体がそうなんだから仕方ない<

朝日新聞と違って、そうでもないような気がするんですけど・・・

私はいわゆる「リベラル」ではありませんが「保守派」とも違うので、過半数が望むことならまあ従おうか、程度のもので・・・、緩くてすみません。

>専業主婦は幸です。日本国の土台であり要諦です。<

いえ、私は外で働く能力がないし、たまたま主人が稼いできてくれるので、家の中で働いてきただけのことです

>もう、右翼左翼では片づけられない事態ですね<

そうなんです。
だいたい「反権力」でずっとやってきた人が「権力」を持つこと自体、日本のような成熟社会ではわけのわからない事態を招きます。
個々の政策は状況によって適宜やればいいと思うのですが、国家の土台ぐらいはちゃんと共有しましょうよ、という思いです。
国家観のない人が総理大臣やってるこの異常。

>日本は良い国です。守りましょう。<

はい。

投稿: robita | 2011年7月25日 (月) 10時51分

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