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2011年4月16日 (土)

老いの志

一年前から総勢60人ほどの会員を抱えるシニアクラブの役員を務めている。

シニアクラブとは、まあ昔でいう「老人クラブ」ではあるが、皆さんお元気で若々しい。

会のイベントの企画、運営もてきぱきとこなされる。
私はその中でも若年なのだが、やはり社会の一線で活躍されてきた方々は実行力があるし、視野、視座が違うなあと感心するばかりだ。

私がこの会に入ったのは、おじいさんおばあさんの仲間入りをしてゲートボールでも始めようかと思ったわけではなく、地域コミュニティの絆をもっと強くすることはできないか、これからの日本を担う若い世代を何らかの形で支援することはできないか、という高邁な(笑)志があったからである。
一人じゃ何もできない。まずは地域の人を知ること。そういうことが土台になる、と考えたからである。

入ってみたら、特に役員の皆さんは、私以上にそういう気持ちが強いことがわかった。

もちろん、友達がほしい、老人仲間で楽しくやりたいというかたがたも大歓迎だし、家に引きこもらず、人と交流することが高齢者にとって大切なのは言うまでもない。

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役員の中には、地域の高齢者の交流ばかりでなく、「学校との連携を密にし、子どもたちを地域で見守ろう。地域全体の絆を深めよう」という、これからの活動の指針ともなる希望を語る人もおり、心強いかぎりである。

人生の終盤を迎えようという人たちがこのように高い志を持ち、実行していくということにどれほどのエネルギーを要するものか想像もつかないが、私はそういう人たちのリーダーシップのもと、できることは何でもさせていただこうと思っている。

ここには、政府への不満に終始し、国に何かしてもらうことしか考えていない年寄りはいない。

人間はいくつになっても志というものを忘れてはいけないのだなあと思う。

それでなければただの「役に立たない老人」になってしまう。

役に立たない老人とは、体が動かなくなり何かしたくてもできなくなった人のことではない。

元気なくせに自分では何もせず、あれはいやだこれはいやだ、あれしてくれこれしてくれ、と不満や要求ばかり口にする老人のことだ。

先般の統一地方選挙の際、候補者事務所でボランティアで「電話かけ」をしていた知人に聞いた話だが、「私は後期高齢者と言われている年齢の者なんだけどね、あんたのとこは後期高齢者にいったい何をしてくれるんだ」などと威勢よく詰め寄る元気な老人が結構いたようだ。

こういう老人が多いと国も大変だよねえ。

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