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2011年6月10日 (金)

重大な責任

私はシニアクラブの会計係で、お金の出し入れをやっています。
引き受けた時は「小遣い帳をつけるようなもんだろ」と思っていましたが、どんなことにも不測の事態はつきもので、あせったことは何度かありました。
それでもすぐに思い違いに気づいたり、簡単に解決できる細かいミスであったりするので、大過なく務めているわけですが、これがもっと大きな会計を扱う仕事だったらさぞ怖いことだろうなあ、と思います。
そんな責任の重い仕事はとても私にはできそうにもありませんし、やりたくもない。

 

一億数千万人の生命財産の安全を預かる総理大臣の仕事がどれほど重いものか。気が遠くなりそうな仕事です。

しかるに、国会議員のほとんどの人は「総理大臣になりたい」と思っているそうなのです。

まあ、「国会議員としての気概」をアピールするべく、聞かれればそう答えるしかないのかもしれませんが、権力闘争を眺めていると「トップに立ちたい」というのは多くの政治家にとって本音なのかもしれません。

あんなにきつい仕事をよくやりたいなどと思うよなあ、と私などは思うのですが、政治家たちが「総理大臣になって日本を良くしたい。国民に幸せをもたらしたい」と心から思っているのであればそれは本当に有難いことです。
どうか志を持ち続けていただきたい。


どうもそういう志のなさそうな個人的権力志向ばかり強い菅直人総理のことでありますが、まだ「8月までやりたい」なんて言ってるそうです。

「菅さんじゃなければ誰でもいい」というムードになってきているようですが、今の事態を鑑みればそれを現実として受け入れるしかなくなってきています。

 

≪日本は戦後、エリートを育てる教育をしてこなかった、とりわけ「指導者」となる人材を育てることをしなかった、しかし「日米同盟」と「官僚の優秀さ」と「従順で勤勉な国民性」が功を奏して経済大国にのしあがった≫
というのが私の理解するこの国の戦後の流れです。

だからこの日本の国家運営には力強い指導者など必要はない、というわけではもちろんありませんが、現実に総理大臣にふさわしい人物がいないのだから、いない中でどうしたらいいか知恵を絞るしかないと思います。だめだだめだと言ってるだけでは物事は進まないのです。

官僚がどんだけ腹黒いのか、アメリカがどんだけ狡猾なのか、政治家がどんだけ国民そっちのけで私利私欲にとらわれているのか、私は詳しく知りませんが、無垢な日本国民がこれだけ悪い者どもに虐げられているとしたら、なんとまあ可哀想なことかと思います。
そこで、我々国民は本当にそんなにかわいそうなのか、ちょっと考えてみます。

我々はあの時、政権交代を望みました。
純粋に民主党に期待した人もいたかもしれませんが、期待はしないが自民党にとにかく一度下野してほしかった、という人が多かったのではないでしょうか。
なぜなら、自民党による長年の政官業の癒着構造が財政赤字を増大させたのに、その構造をどうしても変えることができなかったのが大きな不満の一つだったからです。

民主党にそれができるとは思わなかったけれど、政権交代によって、どうせしろうとの民主党が失敗して分裂し(もともと政治理念がばらばらで安定していない)、政界再編が起きるのではないかと期待したからではないでしょうか。少なくとも私はそのように考えていました。

そして、民主党は期待通り未熟さをさらけ出し、外交、内政とも打つべき手を打てず、政権担当能力がないということを知らされた国民の不安は頂点に達しています。

震災が起きて、菅さんが延命したことは彼自身を喜ばせたのですが、政治はさらに混迷し、国は惨憺たるありさまです。

国家の一大事に与野党が一致協力すべきだ、というのはその通りですが、凄まじい権力欲に取り付かれたあの菅さんに仕切られては混乱するばかりです。

それで、信頼関係が結べて協力できる人を、と野党自民党が要求するのは当然のことと思います。

そういった動きを「党利党略だ」などと批判するのはやめて、ここはひとまず政治家たちに筋を通させてあげたいと私は思います。

民主党の次の代表を速やかに決め、速やかに与野党協力体制を作って、速やかに復興に向けて動いてほしい。

こんな時に、「強いリーダーを」と要求するのはかえって混乱するんじゃないでしょうか。温厚な人を選んで自民党に主導権握られてもいいじゃありませんか。
自民党には長年政権を担ってきた蓄積があります。悪い蓄積もあるけれど、ノウハウも沢山持っていると思うのです。

メンツにこだわっている時ではないです。
能力もないのに下手にリーダーシップを発揮されても非常に困ります。

とにかく、菅さん、早くやめてください。

それをさせるのは国民の声ではないでしょうか。

我々は「一番かわいそうなのは国民だ」と言って政治家を責めます。
でも我々自身が選び、結果的にこうなったのだから、責任は国民にあります。

 

とは言え、今の状態で我々国民に直接政権をどうこうする力はないので、せめて新聞やテレビの政治解説など読んだり聞いたりして、ああすればこうなるんじゃないかくらいのことを考えたらいいと思うのです。
それでもわからないなら「誰がなっても同じ」なんてわかった風なことを言うんじゃありませんよ。

それから、政治家は保身をやめれ。やめれば結果的に得をする。これに気づきなさいよ。
(・・・・といっても保身をやめて信念に従うということは、組織に抗った結果独り相撲に終わってしまうことになりかねないので、なかなかできないものだということはわかっているのですが)


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