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2011年7月19日 (火)

総理の自己実現

民主党政権は「左翼政権」と言われる。

「左翼」は普通は「共産・社会主義者」を指すことが多いが、その意味合いは限定的でなくおおまかに「リベラル」という風に言われるようになった。

右翼とか左翼の区別は単純なものではないかもしれないが、「左翼」といえばいわゆるああいう人たちである、というイメージはある。

世界のいわゆる「リベラル」とは異なり、日本では「左翼」というと、特殊な思想を持った人々のことを指す。「国家は悪」「日本は悪」「軍隊は必要ない」みたいなことである。

諸外国では少なくとも、日本でのような意味合いはないと思う。

右だろうが左だろうが、国政に携わる政治家ならば、国家観が必要だし、愛国心も国防意識も不可欠だ。右でも左でも根底に自分たちの国家の成り立ちについての共通認識がある。

しかし、現政権のトップは左翼活動家出身で、国会議員になってからはほとんど野党として国家権力と戦ってきた。

戦ってきたものだから、いざ自分が国家権力そのものになると、何をしていいかわからなくなっている、というのが現在の混乱の原因ではないだろうか。

活動家の菅さんとして、ここでやるべきは「革命政権」樹立なのだろうが、国の体制を根本からひっくり返すほどの勇気はないし、国家観がないから体制転換しようにも目標がない。

まあ、民主党独自の政策などはあるようだが、ことごとく評判が悪い。
結局今までの政治を大筋で継承するだけになってしまう。

継承してもいいし、自民党と似たり寄ったりになってもそれはそれでかまわないとは思うが、能力がない。与党内のとりまとめの能力も、野党との折衝能力も、やるべきことの優先順位の判断能力もない。

能力がなくても、それはそれでまあいいかとは思うが、やっかいなのは、自分で何でもやりたがることだ。

組織では、「無能な働き者」が一番困るんだそうである。

菅さんの、首相という地位への異常なまでの執着心が多くの国民に見えるようになった。

これはもう政治問題ではなく、人格問題だと指摘されることも多くなった。

 

ちょっと「自己啓発本」なるものを例えに出してみよう。

たぶん、そういう本には、「『自分はできる』というイメージを作り自信につなげよう」とか「マイナス思考はやめてプラス志向に」とか「何があっても絶対にあきらめないことが大事」とか書いてあるんじゃないだろうか。

とてもよく菅さんに当てはまる。
つまり、菅さんは、国政を自己啓発の道具に使っているらしく、我々は菅さんの自己実現という究極の個人的マターにつき合わされているんじゃないだろうか。

自分を愛するのに頭がいっぱいで、国を愛することが出来ない人なんだと思う。

やっぱり政治家は「国家」を悪として否定する人じゃなく、ちゃんと「国家観」を持った人じゃないとだめだ、ということがわかっただけでもよかった、と思うより他ない。


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コメント

昨朝の澤選手の同点ゴールで、「人間、あきらめちゃいけないんだ」と思い知りました。

でもあの同点ゴールも、コーナーキックを正確にニアに入れた宮間選手と、相手選手に競り勝ってゴールに放りこんだ澤選手の実力があってこそ。

やっぱり無能な働き者の「あきらめない」は害悪です。

投稿: かせっち | 2011年7月19日 (火) 19時30分

★かせっちさん、

サッカーのことはよくわかりませんが、菅首相が「なでしこジャパンの諦めない精神に習って私も諦めない」などと言うのはまったくもってズレているというしかありませんね。
国民が「もう諦めてよ」と言っているのに・・・。

投稿: robita | 2011年7月20日 (水) 14時32分

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