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2012年1月30日 (月)

我慢しない女

週刊新潮に連載されている「TVふうーん録」(吉田潮)が好きでよく読む。

新年号の【「カーネーション」の清々しい「我慢しない女」たち】が面白かった。
NHKの朝の連続ドラマについてである。

抜粋・要約すると;

「コケにされても失敗しても『今に見とれ~!』と立ち上がる主人公を演じる尾野真千子の雄姿」

「出てくる女たちのほとんどが『我慢しない女』で、頑固でたくましく、我をぶつけ合っている」

「『ゲゲゲの女房』や『おひさま』のように、人の言いなりで耐え忍ぶ女の苦労自慢に辟易していた私が、岸和田弁で我を通す女たちの姿に毎朝拍手喝采している」

私はドラマを見ていないが、評判は上々のようだ

ただただ我慢強い女が耐え忍ぶ、というより、言いたいこと、したいことを思い切りぶつける、という描写のほうが、ドラマとしてはたしかに面白い。

しかし現実を考えてみれば、我を通す人間同士ぶつかり合えば、結局は、どちらかの敗退、あるいはわかりあうことなく断絶するしかないだろう。

「旺盛な生活力」と「先見の明」のある女性のがんばりは筆者の書くとおり、清々しいものである。おおいにエールを送りたい。

そういうものを持ち合わせていない女性はやはり我慢するしかないわけで、「ゲゲゲの女房」や「おひさま」も見ていないけれど、耐えることで人生を切り拓いた女性の物語と考えていいのではないかと思う。

先日、フジ「新報道2001」に「きんさんぎんさん」のぎんさんの娘4人が出ていた。
平均年齢92歳で、政治に関心があるという彼女たちが、スタジオの安住財務大臣と言葉を交わしていた。
話の中身は大筋で特にどうということはないのだが、消費税が上がるとさらに生活が苦しくなるという母子家庭の嘆きをVTRで見た感想を求められ、娘さんのひとりがこんなことを言った。
「自分のわがままで離婚したんだから、消費税が上がって苦しくなってもしょうがない。我慢が足りなかったのではないか」

スタジオのキャスターは「なんだか人生相談みたいになってきましたけど・・・」と苦笑していた。

VTRの母子の詳しい事情はわからない。
離婚以外に選択肢がないほどひどい夫だったのかもしれないから、単純に「わがまま」と決めつけることはできない。

しかし、よくある「性格の不一致」みたいなことであるならば、「我慢」についてひとつじっくり考えてみることが必要だろう。
我慢のならない夫を我慢して結婚を継続させて生活苦を回避することと、消費税増税におびえるほどの経済的困難と、どちらが自分や子供たちにとって有利だろうと考えてみることだ。

女性の経済的自立が難しかった時代には、女性は離婚もできず、我慢を続け、結局は添い遂げることになった夫婦が大多数だったと思う。
今の時代でも、母子家庭になって苦労するくらいなら、我慢して結婚を継続させる努力をするほうが経済的には有利だ。

経済的自立して子供を育てる力量のある人は自由に離婚すればいいが、自分で充分に稼ぐことが出来なければ、何を選択するか計算することも、生き延びる知恵と言える。サバイバルの問題ではないだろうか。

「国がなんとかしてくれる」と頼る前にまずは子供を食べさせるために自分はどうすべきか考えよと、一見短絡的に思えるぎんさんの娘さんの言葉は示唆しているようだ。

「きずな」大はやりの昨今だが、絆とは決して甘く優しいものではない。

男であれ女であれ、そして老人だろうが若者だろうが、堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍んで、切れないようにするものではないか。生き抜くために。

我慢する女もしない女も、どちらもたくましい。女は強いのだ。

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2012年1月26日 (木)

腹が減っては戦はできぬ

「若者が勝った」に、ekさんから橋下徹氏に関するコメントをいただき、返事を書くうちに長くなってしまったのでこっちに載せます。

≪コメント抜粋≫ 

>今の民主よりもっと危険です。彼の頭にあるのは国のことでも国民のことでもなく自分のことだけです<

何か証拠でもありますか。

>公明党とも組むし小沢氏とだって組む<

組むかどうかわかりませんがいろいろな人に接触してあれこれ裏工作するのも政治家の技量なんじゃないですか。

>「天下」をとり独裁者になることを目指していると思います<

仮にそうだとして、橋下さんはそれでどうするつもりだと思いますか。独裁者になって自分の思い通りに国を動かして快感に浸ろうと悪だくみをしている、と思いますか? 日本でそんなことが本当にできるというなら一度やってみてほしいものです。

冗談はさておいて、ではどういう指導者なら大阪の(日本の)財政再建や景気回復ができるでしょうか? 誰がどういう方法でやれば既得権益を手放さない人たちに少し譲ってもらうということができると思いますか?
誰も動かない、誰も決断しない、このような政治が何年も続いているのを見て「じれったい。どうしてさっさとできないのか」と思った国民の代表が橋下さんじゃないんですか?
「話し合いで穏便に」というのは理想的ですが、では誰がそれをやって改革を速やかに進めてくれるんですか?

たしかに橋下さんのような乱暴なやり方では反感を買うし、不安にもなると思います。
もっと良いやり方ですぐに改革できる、という人がいるならその人がやればいいと思います。
その具体的なやり方も示してほしい。

ちょっと前の「週刊新潮」に、京都大学教授の佐伯啓思さんの橋下批判が載っていました。この人は「保守の温かみ」みたいなものを重視する人で、小泉さんにも激しい批判を繰り返していました。

記事の概要: 
≪橋下氏も小泉氏も、大衆を自らに引き付けたデマゴーグ≫ 
≪ヒトラーは当初ユダヤ人殲滅も欧州制覇も掲げておらず、『ドイツの栄光を取り戻す』、この一点を訴えて民主的な選挙で選ばれた。国民は熱狂とともに彼に全権を与えた≫
≪選挙で選ばれたわけではない『非民主的』な官僚組織が行政を担ってきたことの意味に思いを馳せるべき(つまり官僚政治はポピュリズム防止の意味がある)≫

まあ、そんなようなことが書かれています。閉塞感が覆う社会ではこのようなことが起きやすい、と。
これは小泉改革の頃からさんざん言われてきたことで何ら目新しい意見ではありませんが、佐伯教授は最後にこう書いています。

≪では、どうすれば良いのか。
「否の連鎖」により独裁的政治家を生み出す危険性を孕んだ地平から脱するには、民主主義というものは一歩間違えば非常に危険であると我々が認識する、民意なるものが政治であるとの浅薄な民主主義理解は間違っている、と自覚することに尽きます。つまり、プラトンの原点に立ち返り、「民主主義の全能感」から抜け出すことしかないのです。≫

どうですか。
「では、どうすればいいのか」と言うから何か妙案でも提示するのかと思えばこの抽象論ですよ。「どうすればいいのか」の答えでもなんでもありません。失礼ながら、これが評論家のお気楽さと無責任さだと思います。

私は佐伯さんや藤原正彦さんの保守の考え方が大好きです。
でもそのことと、喫緊の課題である行政の無駄や財政赤字やデフレをどうするかというのは別のことです。これはとにかく今すぐ何とかしなくてはなりません。

もちろん橋下さんが全能だなんて思っていません。でも今の政治家に欠けている勇気と決断力がある。いま必要なのはそこじゃないですか。

リーダーを批判する言葉として「この国をどこに導こうとしているのか。何をやりたいのかが見えてこない」というのがよく聞かれます。

佐伯教授も「大阪都構想は手段であって目的ではありません。大阪都を実現した先に、大阪や日本をどうしたいのか、橋下さんからは聞こえてこない。そこに、私は怖さを覚えます。」と書いています。
でも、どんな国にしたいとかなりたいとか論じる幸せを得るには経済を立て直すことが大前提となるのではないでしょうか。
金もないのに理想は語れません。

佐伯先生は「怖さを覚える」と言いますが、何もイデオロギー政党や宗教政党じゃないんですから、そんなに怖がる必要があるでしょうか。
心配しなくても橋下さんは総理大臣にはなりませんよ。自分は起爆剤だと自覚している、と私は思いますね。

私は個人的には、改革などしなくたって生きていけます。むしろ改革などすれば色々手放さなければならないと思います。
それでも私は、このまま経済が立ち直らなければ未来に生きる若い世代が可哀想だと思うのです。

橋下さんの改革を怖がる人はそこのところをいったいどう考えているのか知りたいものです。

参考記事→ 「革命を起こすのは」

                  「根回し・暗躍・水面下」   

 

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2012年1月21日 (土)

根回し・暗躍・水面下

橋下徹大阪市長の勢いがすごい。
仕事も早いし決断も早いし絶大な支持も受けている。

で、地方改革のためには国の制度も変える必要があるので、今度の国政選挙には、考えに同調しない議員に「維新の会」から刺客を立てる手筈になっているらしい。
自民や民主の現職議員たち(閣僚経験者などの大物たちも含む)は戦々恐々としている、と週刊誌に書いてあった。

「維新の会」は政治塾も立ち上げ、候補を育てる計画だという。

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しかし、勢いに乗って改革をどんどん進めるというのはいいのだが、そういう選挙戦略というのはいかがなものかと思う。

候補者を粗製乱造し、経験豊かな現役政治家を蹴散らすというのは果たして得策なのだろうか。

むしろ、現役議員の中から、一本釣りのようにして同志を集めていくというようなことはできないのだろうか。

与党にも野党にも熱意のある政治家はいる。
彼らが公開の場で本音が言えなかったり、信念に従って思い切った行動を起こせなかったりするのは、「核」となる人物がいないからじゃないだろうか。
橋下さんのような大胆な人がもし国政の場にいて、改革の旗印を上げれば集まってくる議員は少なくないんじゃないだろうか。

集まってどうするんだと思われるかもしれないけれど、私はとにかく今の政党の枠組みのままじゃだめだと思うのだ。政界再編がぜひ必要と思う。

野田首相は腹をくくったようで、消費税解散も視野に入れていると言われるが、総選挙になって、経験のある議員が落選し、代わりに未経験の人間がいきなり国会に入ってきたってやはりおかしなことになるのではないか。急いで探してきた候補者や、政治塾で短い期間学んだ者が大きな力になるとは思えない。
民主党が大勝した選挙の時に当選した議員の中にはわけのわからないウゾームゾーがたくさんいた。あれと同じことになりはしないか。

橋下さんやブレーンたちが手分けして、これと思う議員に密かに接触し、本音を引き出したり説得したりして自分たちの陣営に引きこむ企みをするほうが本当の改革につながると私は思うのだが・・・。

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2012年1月15日 (日)

革命を起こすのは

経済学者の浜矩子氏が、テレビでこんなことを言っているのが、耳に入った。
(資本主義の行き詰まりを見せつけられたかのような経済混迷の世の中、「何か方策はあるのでしょうか」というインタビュアーの問いに答えたもの)

「そうですねえ・・・『協調』でしょうか。それとやはり『絆』ですねえ」

これ、経済を安定させるためにそういうことが必要だということなのだろうか。

つまり、価値観の転換や欲望の制御をしなければ問題は解決しないということなのだろうか。

そういうものを「制度」として整備するのであれば、「規制」や「教育」、それもかなり厳しいコントロールが必要になる。

それならそれで良いと私は思う。

浜さんの意図するのはおそらく社会主義革命を起こせということなのだろう。
だって、人の価値観を変えたり欲望を抑えるたりすることは自由主義の世の中では不可能なのだから、「財政が正常化するほどに協調し絆を強める」ためには、革命を起こして無理やり社会主義社会を作るしかないんじゃないだろうか。

この社会の行き詰まりを打開するためにはそれしかないというのであれば、そうしたらいいと思う。

でも、この浜矩子さんとか、同じようなことを言っている人たち、例えば内田樹さんとか山口二郎さんとか香山リカさんたち(「橋下主義《ハシズム》を許すな!」という橋下批判本を共著)は、自分で革命を起こす気など毛頭なく、こういうことを言い続けていれば誰かが決起するだろうと思っているのだろう。

橋下徹大阪市長が、こういう人たち、つまり批判するだけで何もしない人たちに対して腹を立てる気持ちが私にはよくわかる。

「協調・絆・分け合う」というきれいな言葉を発する人々が高い評価を受ける一方で、腐敗・疲弊した組織や構造を改革すべく思い切った革命的行動を起こす人が「独裁者」だと批判を浴びる。

「性急すぎる」とか「荒っぽい」とかの批判の言葉が聞かれるが、革命は荒っぽいものである。

橋下さんが「統治機構をそのままにしては改革はできない」と、3年間大阪を預かって実感したのであるならば、それを信頼して任せるべきだと思う。

政治の構造を変えるのは容易なことではない。権力闘争は避けられず、荒っぽくならざるを得ない。

それでもその困難をやってみよう、と手を突っ込んだ勇気ある人がいるのだ。殺されかねない危険を犯してもやってみようという人がいるのだ。

学者は、安全な場所から気楽にものを言うが、口だけでなく実際に行動を起こす人を、私は評価したい。

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しかしながら、橋下さんにも言いたいことがある。
自分を批判する人を口汚く罵るのはやめなさい。
「紫頭おばはん」なんて言ってはいけない。
年長の学者を目の前にしてバカにするような喋り方をしてはいけない。
頭の固い人にイライラするのはわかるが、ああいう言動は自分自身を貶める。
ツイッターで悪口書く暇があったら、政治をしっかりやってほしい。

あなたに期待し、応援する人はたくさんいるのだから、罵詈雑言を並べるのはネット住人に任せておけばいい。

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