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2012年3月22日 (木)

時間がない

危機に直面した国の経済を立て直そうにも、政治家や官僚が旧弊をどうしても改められず、何も進まないまま徒に年月が10年20年と過ぎていく時、「思い切ってこの状態を打破しよう!」と頼もしいことを言い、実際にガンのような組織に勇ましくメスを入れる人物が現れると、その人物にいちゃもんをつける人々が必ずいる。
私がよく目にするのは、山口二郎、内田樹、浜矩子、佐伯啓思ら各氏であるが、この人たちの反橋下論は、ちっとも建設的じゃない。つまり、日本が今抱える重大問題を志ある政治家に解決してもらいたいという意思がゼロなのだ。「とにかく性急はいけない」と言うだけで、「それでは、この20年何も変えられず、悪くなる一方の事態をどう考えるのか」ということについて、何も言わない。

例えば、産経新聞【土曜日に書く】「維新の会」は何を目指すのか(論説委員 福島敏雄)も同様だ。 

≪トリックスター(いたずら者)は外部から不意にやってきて、さまざまなトリック(奇策)をめぐらし、権威に挑戦する。≫

≪強圧的な部分もかなりあったが、抵抗する職員らに対しては、しきりに「民意」を強調した。
だが「民意」は、いかようにも解釈することができる。最低限、求められるのは、反対派の「民意」をくみいれつつ、諸施策を打ちだしていくことである。
その意味で、民主主義は、とんでもなく「手間」がかかるシステムである。英国の宰相チャーチルが「最悪の政治形態」と指摘したとき、念頭にあったのは、ワイマール憲法下で、正規の民主主義の手続きを踏んで登場したヒトラーであったはずである。≫

経済が右肩上がりの時には、政治家も官僚も、「思い切った政策」「厳しい措置」など打ち出す必要もなく、どんどん入ってくる税収を、政治家、官僚、経済界のさまざまな結びつきに従って、ただ配分していれば良かった。政治家はその配分を調整する能力がありさえすればそれで済んだ。
潤沢な税金が国庫に入り続け、政治は同じ事をやっていればうまくいくという時代がとっくに終わり、「これを続けていたら国は破綻する」と気づいてもう20年も経った。

政治が動かないのは、「変わることを怖がる人々」がいるからだろうと思う。
先に挙げた評論家思想家の先生方は、「過激はいけない」「性急はいけない」「少数の意見も取り入れて」と、一見至極まともなことを言いながら、実は「変えたがらない人々」の後ろ盾になってしまっている。

「短兵急に変わりすぎるのは民主主義に反する」とか「大衆は独裁に騙されやすい」などといって、せっかく現れた勇気ある政治家にケチをつけるのである。

橋下さんもスーパーマンでも神でもないのだから、間違うこともあろう。
しかし、大局的に見て彼のやろうとしていることそのものを否定するのでなく、疑問があるなら、一つ一つの具体的なやり方について、「ここはこうしたほうがいいのではないか」と提案するのが筋というものではないだろうか。
学者には政策の具体的なことはわからない、と言うなら、逆に、具体的なことがわからないのになぜ批判できるのか、と聞きたい。

要するに、いかにも日本人らしい「出る杭は打たれる」のたぐいではないのか。

20年間できなかったのは、誰も「本気」を出さなかったからだろうし、守旧派との「妥協」を大切にしてきたからだろう。
それを、今に至っても「妥協」を大切にするべきと言い続けているのを見ると、それではいったいあなたがたは日本の財政がどうなればいいと思っているのか、と聞きたくなるのが正常な反応というものではないだろうか。

今はすでに、時間がたっぷりあった時代ではない。

「民主主義とは恐ろしく時間のかかるものなのだ」などとのんびり言っていられた時代ではない、と私は思うのだがどうだろうか。

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「革命を起こすのは」  

「根回し・暗躍・水面下」  

「腹が減っては戦はできぬ」

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2012年3月10日 (土)

進歩と成熟

先日、TBSラジオ「キラキラ」で司会の小島慶子がこんなことを言うのを小耳にはさんだ。
(常盤貴子が可愛い奥さんを演じる胃腸薬のテレビCMで)
「旦那のネクタイを甲斐甲斐しく結んであげてるのを見るとイラッとする」
「従順で我慢強い妻が一所懸命旦那に尽くして、旦那は妻にお母さんの役をやらせてるみたいな」

社会で活躍する現代女性としての彼女らしい「男が女に甘えるんじゃないよ」的な、いかにも進歩的な物言いだ。
しかし女性の生き方の多様性を認める私としては、そのお決まりのフレーズがすでに古臭く感じられ、同時にそういうことを何の疑いもなく言い続ける女性になんだか「青っぽさ」を感じたのだった。

女のほうが我慢したり、身の回りの世話をしてあげたりして、男を気分良くしてあげ、その分守ってもらったり、しっかり稼いできてもらうのも、女の生き方の一つだと私は思っている。
それは封建的な考え方として戦後どんどん封じ込められてきたのではあるが、歴史の繰り返しの中で、巡り巡って最先端の考え方の一つと言えなくもないのである。
いや、最先端というより、いつの時代も人が経験とともにたどりつく「成熟の証」であるかもしれないではないか。昔から人は年を取ると「保守的」になるのだから。

異論もあるだろうが、家庭を「丸くおさめる」ために譲ったり甲斐甲斐しく世話をしたりするのは決して卑屈になることではない。南京事件の濡れ衣問題とは根本的にちがうのである(笑)

ずいぶん前にこんな文章を書いたことがある。→「お酌する?」 

ブログを始めて間もない頃で、尻切れトンボのなんとも面白くない記事だが、「その程度のことで男が喜ぶのならお安い御用ではありませんか。」と書いた気持ちは今も変わらない。

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(偶然、あのラジオを聴いた同じ日にととさんの「女は我慢しろ、男は命をかけろ」を読んでいて共感したのだ)

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2012年3月 3日 (土)

御堂筋を歩こう

今朝の読売テレビ「ウェークアップ」で大阪応援ソング「御堂筋を歩こう」(ssllee)という歌を聴いた。

スローテンポの哀愁ただようメロディだが、やたら元気な曲より応援の気迫が感じられるのが不思議だ。

堂島川の橋もと 通る船 (橋下徹)

新しい蝶が飛ぶ (新しい市長)

貴方が待つ1時に (松井知事)

心斎橋まで ゆっくり歩いて行こう


http://www.youtube.com/watch?v=8ZWCvfo00iA


番組では、橋下市長、民主党の大塚耕平、自民党の世耕弘成、共産党の穀田恵二ら、国会議員が生出演して改革について話し合った。
しがらみに苦しみながらも改革の方向を理解している大塚さんや世耕さんたちと、変化を拒む「超保守的な」共産党の対比が見えてくる。社民党もそうなのだが、かつて「革新」と定義付けられたグループが既得権を手放すまいとする抵抗勢力に見えてくるのはなぜかしら。
弱者を救うために政治は何をすべきか大局的な判断をしようとしない「革新派」は今や時代遅れの守旧派で、老舗自民党の中の守旧派と同類だ。

思想的に対極に位置づけられてきた「保守派」と「革新派」がくっついてお仲間になってしまったような感がある。

こんな時代に出現した橋下さんが、そういったおかしな構図を我々に見せつけてくれたのだと思う。

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