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2012年6月25日 (月)

ミルクピッチャー

三月に亡くなった主人の伯母の形見分けに加わらせてもらった。
「良いもの」が好きな人で、結構高級感のある食器なども残されており、義母や義妹が「何でも好きなもの持っていって」と言ってくれたものの、日々の生活で使うようなものではなく、かといって、かしこまった客はほとんど訪れない我が家に持ち帰ったところで箪笥のこやしになってしまうのが関の山だ。
それで、実用的なものをいくつかもらって帰ってきた。

美しいものを使いこなすには手間と時間とお金が必要である。

沖縄県竹富島に住むおじいさんが、自生する月桃という植物を編んで籠などの工芸品を作って細々と商いをする様子をテレビで見た。
「近頃は100均でも同じようなもの売ってるからね」とおじいさんは苦笑する。
しかし、このような工芸品の価値は、その材料の醸し出す独特の風合いと長年培った伝統的な職人技にある。手間ひまかけた品はどうしても高い値段をつけざるを得ない。

星野リゾートが竹富島でこのたび開業した高級宿泊施設「星のや」で、ホテルの備品としてその工芸品を使うことが決まった、とリポートにあった。

全国各地に事業展開する星野リゾートの各施設は、映像などで見るところ、その土地の風土に合った建物とそれを取り巻く全体のデザインが魅力的な景観を生み出している。

竹富島では自然破壊を戒める「憲章」があり、観光開発反対運動も起きたようだ。
しかし、高級リゾートを金持ちが利用することで、おじいの職人技や収入は守られる。

私など手間と時間とお金を惜しんで安物買いになってしまっているが、お金持ちの方々にはぜひ高級品を楽しんでいただきたい。

この世に「金持ち」は必要だ。金持ちを妬んだり恨んだりするばかりでは経済はまわらない。

コーヒーや紅茶を飲む時、クリーミングパウダーや牛乳を直接カップにぶち込んでいる私も、贈答品で戸棚の奥にしまいこんである花飾りのついた磁器のミルクピッチャーを使って、たまには優雅な雰囲気を楽しんでみようかしら。

職人芸は日々の生活の中で愛でたいものだ。

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コメント

>美しいものを使いこなすには手間と時間とお金が必要である。

金言です。そして手間をかけられている間だけ、物は道具としての命を得ているのではないかと思います。
コメント頂き有難うございます。小坂と申します。よろしくお願いいたします。

投稿: 小坂 | 2012年8月 2日 (木) 01時09分

★小坂さん

コメントありがとうございます。
ラム帖ブログのpawadekunさんですね。
以前、たしかsingle40さんのブログでお見かけし、お気に入りに入れさせていただいたと思います。
今回反原発デモの記事を読んで共感し、コメントさせていただきました。

>そして手間をかけられている間だけ、物は道具としての命を得ているのではないかと思います。<

そうですね。私も日々の生活を反省するところ大です。
質素で堅実な生活を営む上でも、あくせくしない心の余裕を保つためにこそ、電力の安定供給は必要なのではないかと思っています。

投稿: robita | 2012年8月 2日 (木) 14時10分

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