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2014年1月22日 (水)

ホリエモン再び

2週間ほど前だったか、ITベンチャー企業ライブドアの社長だった堀江貴文氏を久しぶりにテレビで見ました。
「中居正広の金スマ」という番組で、離婚で2歳の時に別れたきりの息子さんの話をしていました。
結婚していたことも子供がいたことも知らなかったのでびっくりしましたが、2年ほどの懲役刑を受けたせいなのか、歳を重ねたからなのか、印象が変わったことにも少し驚きました。

どう変わったのか興味が湧いて、近著「ゼロ」を買いました。
育った家庭のこと、東大受験したいきさつ、出会った人々、会社を作ったことなど、面白くて一気に読めます。

時代の寵児などと言われ、マスコミを騒がせて評価が二分されていた頃に、面白い人だと思って私も記事を書きました。→「資本主義への脱皮」 「右や左の限界」 「富豪のつとめ」

「ゼロ」の中で「僕の主張はあの頃と変わっていない」と書いているのは本当だと思いました。
生意気で傲慢に見えたホリエモンが、特に中身が変わったわけではないけれど、やっぱり年月と経験が彼の外面の尖っていたものを削ぎ落したのでしょう。
「人間が丸くなった」ということなんでしょうかね。

本の内容は示唆に富んだものですが、中でも私がなるほどと思ったのは次のような記述です。

「やりがいのある仕事がしたい。
就活中の学生たち、また転職を考えている若者たちの相談を受けるとき、必ずと言っていいほど出てくるフレーズである。
・・・・
しかし、前々から疑問に思っていることがある。
そもそも、やりがいとは「見つける」ものなのだろうか?
どこか遠い場所に「やりがいのある仕事」が転がっていて、それを探し求める宝探しが、あるべき就職・転職活動なのだろうか?
僕の考えは違う。
やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。そしてどんな仕事であってもそこにやりがいを見出すことはできるのだ。
・・・」

そして、収監中、課せられた単純作業や介護の仕事などを、効率良く進めるにはどうしたらいいか考え、より良い成果を出せるように作業に工夫をした様子が描かれています。

読んでいて、「大変なわりに退屈な仕事」と世間的に思われている主婦の仕事を、私が退屈と思わずにやり続けられるのは、きっとそういうことなのだと思い当たりました。

「栗原はるみさん」というずいぶん昔の記事のコメント欄で、私はこんなことを書きました。


「ちょっと前に朝日新聞の「ひととき」にこういう投稿がありました。

『結婚して専業主婦になり社会と隔絶されてむなしく思っていたが、夫のこの一言。【結婚してから毎日違うおかずだよね。これってすごいことじゃない?】
そういえば、情報収集(レシピを集める)、企画(献立を考える)、実行(調理する)、__何だ、私のしていることって、外でする仕事と変わらないじゃない』
そうしてこの主婦は、自分のペースで目の前の「仕事」に自信をとりもどせた、そうです。」

家事を任された者は自分の工夫でほぼ自由に家庭をプロデュースできます。
自分で仕事を作ることができる。これはまさに堀江さんが言っていることだと思います。

家事には賃金は出ないから「稼ぐ」というのではないけれど、私にとってたぶん一番面白くやりがいのある仕事なのです。

いやー、家事は家族で分担するもので、やっぱり仕事ではないでしょ、って言われてしまうかもしれませんがcoldsweats01

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関連記事:
 「働くということ」 
 「結婚までの腰掛け」 

 「家庭をプロデュースする」 

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コメント

私は、結婚してから10年ほどは、どちらかというと、ホリエモンのいう就活中の学生のような発言をしつつ、専業主婦をやっていました。子供が寝てから絵を描いてみたり、5年間で3人の子に恵まれても、資格試験の勉強をしたり。もはや遠い昔です。笑
robitaさん、家事が好きそうで、夫婦ともどもよかったですね。私は主婦業向いていなかった~(男性にとってはハズレでしょうか)。で、仕事に出るようになって25年余り。最近は主婦業のウエイトが8割ぐらいに増えた生活をしているのですが、そんな私だからこそ、引用文の文意に納得なのです。
「仕事が出来る女は、主婦業も出来る」同意です。
でも、向かない私にとっては、家事の達成度=ワタシ、では充実感を得られないから(トホホ)、今、庭にテーマを見つけて、邁進しています。アッハハ
はじめに書こうとしたことと、ちょっとずれてしまいました。けど、送信をクリックします。
またの機会に。

投稿: 街中の案山子 | 2014年1月22日 (水) 18時21分

★街中の案山子さん

>家事が好きそうで<

違うんです。私は外で仕事をするのが苦手で(脳力の問題です)、それに比べると、家事や子育てなら曲りなりにできる、という程度のことなんです。
色々なアルバイトやりましたけど、失敗して迷惑ばかりかけてました。家事や子育ても失敗すれば大変ですが、とてもパーソナルな仕事である程度自分のペースで進められます。
要するに、家事のほうがまだ自分に合ってるということですcoldsweats02
それ以外だったら、私は職人か工場労働などの仕事が比較的向いているんじゃないかと思います。
案山子さんは邁進できるテーマを見つけられましたね。
堀江さんが「没頭することが大事だ(没頭するうちにその仕事が好きになる)」と書いてます。

投稿: robita | 2014年1月22日 (水) 23時05分

あるとき、こんな言葉を投げかけられました。
「アレコレ理由をつけて、だから出来ない、という人がいるけれど、出来る人(能力がある人)はどんな状況でも、環境に応じたやりかたでやっていってるのだよ」と。
胸にストンときました。
だから、今の自分の現状は、自分が選択して今の状況になっているのだと、そう受け止めるようになりました。
夕飯の支度を思い、地下鉄のコンコースを小走りに帰路を急ぐ時代も今は懐かしいです。きっと、能力もたかだかこんなものしかなかったけれど、周りに恵まれて、自分を生かすことも出来た人生だったのだろう、とも思います。
あとは、せっかくの人生なのだから、こうして生きたかったんだ、と振り返られるような人生にしたいなー、と今思っています。自分のできる範囲で。
上記の台詞を吐いた娘本人は、すっかり忘れているでしょうけれど、お母さんには名言だったのです。アッハハ

投稿: 街中の案山子 | 2014年1月23日 (木) 07時46分

★街中の案山子さん

>今の自分の現状は、自分が選択して今の状況になっているのだと<

柔軟な受け止め方が一番自分を幸せにすると思ってます。
案山子さんが、幼いお子さんを抱えながら仕事に出かける様子、ブログで読ませていただいてます。大変だったでしょうが、こうした努力の積み重ねが今の充実につながっているんですね。

>上記の台詞を吐いた娘本人<

そうでしたか。
案山子さんのお嬢さんは別にお母様を批判したわけではないでしょうけど、娘って厳しいです。嘗ての私も母親に対しそういうところありました。こんな娘になんとまあ親は寛容だったのだろうと思い返しています。今の私も娘にはほんと、弱いです。順繰りですねhappy01

投稿: robita | 2014年1月23日 (木) 10時52分

ホリエモンの「ゼロ」は本屋で立ち読みして不覚にも泣けてきて慌てて離れました。息子にクリスマスにプレゼントをして、今、貸してくれるのを待っているところですw。彼は私がブログを始めたきっかけであり、両親、娘共々株も購入して応援してました。

私は13年間専業主婦をしてとっても気に入っていたのですが、残念ながら3人の子供つきで荒海に放り出されて今の仕事に。今となっては他に選択肢が無く始めた仕事ですが、結構スリルもサスペンスもあり、面白く、やって良かった。死ぬまでやるぞとw。でも一番面白い仕事はなんと言っても子育てでしたね。病気に非行にと大変でしたが。あと1人2人は欲しかったなあ。孫にも手出し口出ししたいのですが、娘に叱られるのでじっと我慢です。

投稿: さなえ | 2014年1月23日 (木) 11時47分

★さなえさん

そうなんです、泣けます。
私は読んだ後、末息子に貸しました。さてどんな感想を持つか。

さなえさんもいろいろあったのですね。
死ぬまでやりたいと思う仕事をみつけたというより、ホリエモン流に言うなら、自分の天職として作り上げていったということですね。

>でも一番面白い仕事はなんと言っても子育てでしたね<

そうですね。一人ひとり問題もあったけれど(特に男の子)、やっぱり振り返ってみると面白いものです。
私も孫が楽しみですが、今は「孫が楽しみ」なんて許されない時代のようでcoldsweats01

投稿: robita | 2014年1月23日 (木) 21時33分

皆さんに好評なようで、「ゼロ」キンドル版を注文。読んでみます。
私も、初ブログはライブドアでした。こんな世界を提供してくれたことに感激で、株も購入。さなえさんと行動パターン類似しているでしょう。笑
みなさん「子育てが一番楽しかった」なんですね。
そう、なんでしょうね~。
いつの時代も。
母の口からも、聞いたことがあります。
さなえさんはお近くに沢山お孫さんがいらして、恵まれていますね。
そろそろ、「ゼロ」が届いているでしょう。読みます。
では。

投稿: 街中の案山子 | 2014年1月24日 (金) 06時50分

★街中の案山子さん

私も初ブログはライブドアでした。あの騒動でブログが消されちゃ大変と思ってココログに引っ越しました。
あの頃の株ブームに影響されたのかどうか忘れてしまいましたが、私も株買いましたscissors (ライブドアではありませんが) 
こんな記事も→株のはなし 

誰もが言うことですが、子育ては色々なことを教えてくれますね。 

投稿: robita | 2014年1月24日 (金) 11時18分

読みました。
堀江貴史という青年がどういう風にして、出来ていったのか、説得力ある書きぶりでした。
子供時代の逆境に押しつぶされない個性が、彼の持ち味(才能)でしょうね。
譲歩すれば執行猶予が付くと判っていても、ブレずに自分を通したのも、これまでの彼の辿ってきたやり方の延長なのでしょう。「ライブドアのことはもういい、前を向いているから」という姿勢も、同様です。
刑務所暮らしで、スリムになって健康を手に入れたので、これからが楽しみです。まだ40代始まったばかりですから。
母親とのエピソードを曝してしまうところは、幼少期の育ち方の後遺症なのでしょうか。
子供のときより、自分で働くようになったときの方が自由だというのは、共感できます。そして、責任が伴っている自由こそが本来の自由だというのも、納得する部分です。

投稿: 街中の案山子 | 2014年1月26日 (日) 08時02分

★街中の案山子さん

早かったですね。
堀江氏は父母の激しさや理不尽さだけを語っていますが、(一人っ子ゆえかどうか)親の濃い愛も同時に受け取っていたのだろうなと思います。
心の強さの根源はそこにあるのではないでしょうか。
祖父母の愛によるものかもしれませんが。

>これからが楽しみです。まだ40代始まったばかりですから。<

自分は40歳のジジイになった、なんて書いてたのには苦笑いです。30代から40代に入るとそういう心境になるんでしょうかね。まぎれもなく青年ですよね。

自由って、誰かに「これが自由というものだよ」と教えてもらうものでなく、自分で感じ納得するものなんじゃないかと思います。
そういう意味で現代の人は昔より自由を手に入れたように見えて、実はより不自由さを感じているんじゃないかとよく思います。

投稿: robita | 2014年1月26日 (日) 11時30分

封建時代のように、親の職業を世襲することを強制されているわけでもなく、徴兵制度があるわけでもない、のに、
robitaさんのいう「現代の人は不自由さを感じいてる」としたら、それは、自由を感じるセンサーが不足している(育っていない)のではないでしょうか。
そういえば「自由からの逃走」という本ありましたね。
画一的であることはラクでもあるのです。私にもその要素がおおありです。自分(の能力)に自信がない分、大勢に合わせるラクを選択する傾向があるのだと、自覚しています。
懲役刑に甘んじてまで、自分を貫いたのは、彼らしいですね。「あの裁判、ボクだったら執行猶予をつけるよ。認めないと実刑、という現在の司法の傾向は情けない」と、元裁判官の夫は申しております。
出る釘は打たれる、だったのでしょう。まだ若い。1000冊も本を読んで過ごした時間をプラスにしていく人でしょうね。

投稿: 街中の案山子 | 2014年1月27日 (月) 07時31分

★街中の案山子さん

「自由からの逃走」、知らなかったので検索して池田信夫氏のブログに行き当たりました。

【近代社会では「個人が自立する」というのは錯覚で、共同生活の形が変わっただけだ。】
【自由主義とは、そういう神話を信じない懐疑なのである。】 

あー、何となくわかる、と思いました。

>画一的であることはラクでもあるのです<

たぶんこれは「奴隷の幸せ」に通じることだと思うのですが、「自由からの逃走」という言葉だけに対する感想としては、それはラクを選ぶということではないのではないかと思います。
現代人は確かに自由を手に入れたし情報も好きなだけ獲得できる、でも所詮それは家庭だとか国だとかの入れ物の中での生存を享受しているからこそなんですよね。
それは昔も今も未来も何も変わらない。人間に必要不可欠な共同生活が前提であるかぎり、現代人の抱えるジレンマは池田氏の言うように「個人の自立」に関する錯覚から来ているのではないかと思います。(池田氏の言うことはそういうことではないかもしれないけど)

案山子さんはご主人が元裁判官なので、法律のこといろいろ聞けていいですね。
堀江氏のこれからは私も楽しみです。

投稿: robita | 2014年1月27日 (月) 11時15分

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