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2014年6月28日 (土)

生前贈与

「親のスネはどんどんかじりなさい」と学生たちに言ってるんですよ。

・・・・と、ある大学教員が言っていました。

低収入なので、若者は結婚もできず、若夫婦も二人目の子供を生むこともできない、と盛んに言われる一方、親の世代は豊かな時代に順調な給料上昇を経験し、老後の蓄えは充分です。充分ではない人もいるでしょうが、日本国民の貯蓄の6割は60歳以上の高齢者が占めているといいます。

定年後、高齢者は趣味や旅行や買い物を楽しみます。
お年寄りがパアーッとお金を使うのは景気浮揚にはとても良いことだと思います。
しかし若い世代は困窮の中にあり、それはまさに自分の子供たちです。

貧乏な親と貧乏な子供の組み合わせももちろんありますが、そこそこお金のある親と貧乏な子供の組み合わせだったら、遠慮なく経済援助をすればいいと思います。

今の時代、それは「若者を甘やかす」という意味を持たないんじゃないでしょうか。

私にとって、老後の楽しみは旅行でも買い物でもなく、若い人たちが生き生きと活動する姿を見ること。これは何より愉快です。

どんなに貧しくても親に頼ってはいけないと、子の自立を何より願う親御さんもいらっしゃるでしょうし、その精神を受け継ぐ子供たちもまた立派だと思います。
矜持を守るその姿は、たとえこんな厳しい時代でも親の援助を受けずとも幸せな家庭を築くことは可能なのだという証となるのではないでしょうか。

さて、高齢者が貯めたお金は相続分として次の世代に引き継がれるわけですが、親が死んでから引き継ぐというのは社会をうまくまわすという点では効率が悪いのかなと思います。

今の政府は高齢者優遇で若者が困窮している、ということがよく言われますが、それでは、世代間の格差を政策でなくすことができるかというと、それがなかなか難しい。
高齢者は人数が多い上に選挙に熱心ですから、若者優遇策がなかなか立てられません。

それなら自分たちの意志でそれをやればいい。
まとまったお金を渡すと税金がかかることもありますから、それこそ、少しずつ生活費等に紛れ込ませて、貯金を増やすよう勧め、若い世代に少しずつお金を移動させていく方法はどうでしょうか。
老人の死を待つ人々を増やすより健全ではないかと思うのです。

それが冒頭の、親のスネをかじるということだと思います。

老後のためにと思って温存しておいたお金を使いきれないうちに死んじゃって、それを複数人で相続するとなると揉め事のもとにもなるし、それなら生きてるうちに少しずつ分け与えたらいい。

長生きしたらどうするんだ、と心配で仕方がない人は「野垂れ死にの覚悟」という不埒な題名の本など読んでみたらどうでしょう。私もこれから読もうと思っているんです。

ただ、問題は贈与や相続の減少で国の税収が減るということになるのでしょうか。それとも少し生活に余裕ができた若い世代が結婚し、子供を二人以上持つようになるだろうから、長い目でみると国益にかなうのでしょうか。
現実的には、少しずつ資金移動しても生活に余裕ができるほどにはならないか、という気はしますが

いずれにしても、色々な面で、この国を救うのは老人の矜持と覚悟しかない、と思う今日この頃であります。

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コメント

今の税制では、毎年、一人に110万円の贈与まで、課税無しです。子供3人いると、330万円親の金融資産を移譲できます。でも、それをしてまで、相続税減らさなくっちゃ、と考える人、どれくらいいるのでしょうね。20年ほど前は、60万円でした。親から、祖父から、毎年貰っているという話、耳に入ってきましたが、自分には、関係ないはなしなので、聞き流すだけでした。お金って、無いと困るけど、若くしてお金が自動的に入ってくるのも、、、。なかなか難しいと思いませんか。

投稿: 案山子 | 2014年6月28日 (土) 15時00分

★案山子さん

>親から、祖父から、毎年貰っているという話、耳に入ってきましたが<

こういう話、時々聞きますが、110万円毎年もらっていると例えば10年で1100万円にもなりますね。
一年の制限額は110万円だから問題ないと思いきや、相続の時に調べられて贈与とみなされるんですね。「通年贈与」といいますね。申告義務のない相続額ならば問題にはならないでしょうが、年間110万円も渡せるということはそれなりに資産がありますよね。
結局、少額しかあげられないし、少額であれば記事の最後に書きましたようにあまり意味はないのかな、と

>若くしてお金が自動的に入ってくるのも、、、。なかなか難しいと思いませんか。<

そうですね。
子供があまりに困窮していれば、理屈抜きで親は援助するでしょうし、生活保護を受けるほどならば当然親に扶養義務はあるわけですから。
しかし若い人に元気になってほしい。
やっぱり景気がもっと良くならないと何もかも始まりませんね。

投稿: robita | 2014年6月28日 (土) 22時42分

おはようございます。

>一年の制限額は110万円だから問題ないと思いきや、相続の時に調べられて贈与とみなされるんですね。「通年贈与」といいますね<

?。
現在は「毎年110万円までの贈与には課税されない」のであって、相続のときに贈与で税金が発生することはないです。
但し、相続人同士の間で遺産分割協議する際には、生前贈与を受けた分もカウントする、ということはあります。
子供3人だと、毎年330万円まで資産を無税で次世代に移せる仕組みです。…ウチには関係ないですけどね。苦笑
で、こんな風に知恵を凝らすと、税金の減少となるのでは、と心配されているようですが、今回相続税課税の控除基準をぐんと下げて(5000万円+相続人×1000万円だったのを3000万円+相続人×600万円に)、相続税を納めなくてはならない人を、ドドンと増やしたのですよ。
株式から発生する利益に対する課税も、10%から20%になりましたし。それで株式に興味をうせる人をひき止めようと、NISAの制度(5年間に限り、年100万円までの投資につき無課税)を作ったりもしていますよね。
税金徴収担当の政府のさじ加減、怠りなし、って感じです。

総論としてご心配だったのかも知れませんが、生前贈与分が相続時に調べられて、、、とありましたので、コメントしました。

投稿: 案山子 | 2014年7月 1日 (火) 06時59分

★案山子さん

「相続の時に調べられて贈与とみなされる」→「相続の時に調べられて相続分とみなされる」の間違いでした。
贈与は贈与なんですから、「贈与とみなされる」という言い方は変でしたね。
相続人同士の遺産分割協議の際のことではなく、税務署に調べられるということです。(収入に比して預金が不自然に多いとか)
定期的に110万円が何年も続けて振り込まれているとそれは「通年贈与」とされ相続分に加算されることがあると何かで読んだことがあります。もしかしたら私の記憶違いかもしれませんが。

>今回相続税課税の控除基準をぐんと下げて<

以前シニアクラブで相続の勉強会をやった時にこの話になって「死なないようにしなきゃね」と冗談が出ました。

>株式から発生する利益に対する課税も、10%から20%になりましたし<

既に経験済みです(泣)

投稿: robita | 2014年7月 1日 (火) 13時49分

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