血祭り
ジャーナリストの石井孝明氏が国民の「朝日新聞への憎悪」を批判的に書いています。→≪朝日新聞への憎悪はどこまで?--「血祭り」後を考える≫
石井氏は朝日新聞の廃刊を望んでいない、といいます。
≪朝日新聞の存在は大きかった。「朝日が問題をどう書くか」ということを、誰もが注目していた。読者には関係がないことかもしれないが、今回の信用失墜行為によって、朝日新聞が担った「報道価値の物差しの提供機能」が完全に消滅することになるだろう。それは指針のない「荒野」が情報の世界に広がることになる。さらに、巨艦の朝日新聞の轟沈は、メディア界の社会への影響力がさらに減り、業界全体の信用失墜にもつながるはずだ。≫
朝日が一国のリベラル系新聞としてまともな役割を果たしてきたのかどうかは疑問ですが、政府に厳しいことを言う大手メディアがなくなるのはたしかに良くありません。
だから石井氏は、朝日を血祭りにあげて「潰してしまえ」と大騒ぎをする人々に警告を発しているのでしょう。
私は朝日は廃刊せずにすむ道が残されていると思います。でもそれは国民に向って「糾弾はいいかげんにしろ」ということでなく、朝日のほうが負うべき責任だと思います。
朝日の誤報は「政治家や企業の不祥事」などとは違います。
まずそのことを理解しなければなりません。
日本の「知的で信頼の置ける」報道機関が、冤罪が世界中にばらまかれた原因を作ったのです。
そしてそれは日本人がどんなに「違うんだ」と訴えても聞いてもらえないほどの真実味をもって定着しつつあります。
朝日新聞は記事を訂正した後も問題のすり替えをするだけで「日本軍慰安婦=性奴隷」の誤解を解く努力をしようともしない。そしてその朝日に韓国が必死にエールを送る。
かくして、これからも世界各地に慰安婦像なるものが建てられ続け、性奴隷の汚名は歴史に刻印されるのです。
また、石井氏は鈴木宗男氏の例を出していますが、冤罪であるならば、この場合「鈴木宗男」が「日本」に当たります。朝日新聞を鈴木氏になぞらえるのは間違っています。
≪正義の名において人を糺弾すること、そして興奮状態の時に敵が滅びるのは快感だ。未開社会の祭りでは、いけにえの血を浴びる「血祭り」に参加者は興奮状態になるそうだ。≫
石井氏はこのように書いていますが、血祭りにあげられているのは日本ではないですか。
たしかに、ここぞとばかりに興奮して朝日バッシングをする人もいるでしょう。ネットにはそういう人がいます。
しかしほとんどの人は、国民として日本が負わされている冤罪を晴らしたい、恥ずかしい作り話を嘘だとわかってほしいと強く願っているだけだと思います。
鈴木氏は刑期を終えた後もあの騒動についての説明をメディアや講演で訴え続けたようで、その努力が実り、バッシングをした記者たちは素直に謝罪に来たといいます。
わかってもらうまで訴え続けた鈴木氏の行動こそ筋が通っています。
最近、菅(かん)直人元首相が原発事故の対応について弁明の記事を頻繁に出しているようです。
事故当時のことについては時系列的に様々なことが絡み合っていて、とても複雑でわかりにくく、申し訳ないけれどいちいち全部読んで理解しようという気力も体力もありません。でも、この時はああでこうで、と懸命に説明していることには、興味のある人たちは聞く耳を持ってあげたらどうでしょうか。
でも、そういう菅氏の記事に対する批判と言えば「見苦しい。弁解するな」「おっさんは黙ってなさい」「菅だけは絶対に許さない」といったものばかりで、まるで慰安婦問題における韓国の反応のようです。
批判するなら菅氏の言い分をちゃんと聞き、他の検証記事なども全部読んだ上で、論理的に反論すべきではないでしょうか。
菅氏は総理大臣の器ではなかったし、間違ったこともたくさんしたと思います。でも「ここが誤解されているんだ」という必死の訴えには聞く耳を持ちたいと思います。
私は朝日は何が何でも廃刊すべきだとは思いません。
ただ国際社会に向けて、「こんな騒動のタネを作ったのは弊社でした。日本人を貶めるような捏造記事を書いてしまったことを正直に報告します」と発信することに全力を注いでほしいのです。
それができれば、廃刊せずにすむのです。どうしてそれをやらないのか。
聞くところによると、保身に走っているのは年寄りの幹部連中だそうですね。
彼らの命令で、良心的な中堅や若手が書くべき記事を書けないとしたら、なんという言論弾圧でしょうか。
もし上層部の頑迷な態度が直らないのなら、批判はずっと続けるべきなのです。決して手を緩めてはなりません。
石井氏は≪終わる兆しがない≫ ≪そして糺弾は当然にしても、それをする人は「落としどころ」を探してほしい≫と言います。
「落としどころ」は、石井氏が「ボケた同社関係者が事態の深刻さに気づいてほしい」と言う通り、まず朝日新聞の反省がなければならない、それがないかぎり朝日への批判は終わらせてはならないと私は思います。
それを「血祭り」だと表現する石井氏を「正義派ぶってる」とは思いません。ただ善意からくる勘違いをしているだけなのでしょう。
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コメント
ほぼ同時期に同じ記事について書いていたなんて。偶然ですね。まだこの記事がアップされていなかったので下の記事にTBしたのですが、多分コメント欄に書いている間にアップされていたのでしょうねw。ということで同じ物を2回TBするわけにはいきませんのでこのままにしておきます。
池田信夫さん主宰のTruth About Japan(http://ianfu.blogspot.jp/)が一連の慰安婦問題を英語で発信しています。ニューヨークタイムズ等宛てに送信しているようです。でもリツイート数も皆無に近く非常に残念です。
robitaさんのブログは読者が多いようです。この英文記事に言及して頂けないでしょうか。
投稿: さなえ | 2014年9月 5日 (金) 06時51分
★さなえさん
ほんとにほぼ同じ時間でしたね。
>英文記事に言及<
わかりました。次書くとき必ず入れます。
西岡力先生の英語の文書もあります。
これらは既に私たちが知っている内容なのですが、外国に向けて発信する時、ぜひ書かなければならないことがあると思います。
それは、「日本の新聞なのになぜ日本を貶める嘘を書くのか」ということです。
世界中のどこの国に、わざわざ嘘を広めて自国に濡れ衣を着せて喜んでいる新聞があるのか。事実ならば内部告発という意味を持つでしょうが、でっち上げまでしてそんなことをするメディアが存在することがそもそも他国の人々には信じられないことなのではないでしょうか。
国連で信じてもらえない理由はここにあるのではないかと私は思います。
まずは日本に巣食う自虐史観というものを理解してもらう必要があると思います。
投稿: robita | 2014年9月 5日 (金) 10時20分
すみません。
無断リンクはだめみたいで西岡先生の文書は見られません。検索すれば出ます。
投稿: robita | 2014年9月 5日 (金) 10時23分