健全な野党になりさえすれば
維新の会と結いの党が合併し、「維新の党」が発足しました。
これまで多くの政治グループが誕生しては分裂するということを繰り返してきたので、この新党に対する冷めた視線も仕方のないこととは思います。
そんな中、産経新聞の社説には、政権に対抗し得るしっかりとした野党を築いてほしいという期待のこもった応援の気持ちが感じられました。
≪ただし、単なる「アンチ安倍政権」のスローガンを掲げ、保守色を薄めてリベラル色を強化することを結集軸とすべきではない。
そうした手法の中から、現実的な代替案が生まれ、政権を競い合う本格的な論争が期待できるだろうか。国家ビジョンの方向付けができずに漂流する民主党と同じ道を歩みかねない。≫
この助言には強く同意します。
リベラル色が強かった結いの党は「集団的自衛権」「自主憲法制定」「原発」など、国の根幹に関わる課題に、政権と対立する姿勢をとってきたように思います。
これらの姿勢は、大衆を取り込むためなのか、それとも党としての信念なのか、いずれにしても、現実に政権を担った場合のことを真剣に想像してみてほしいのです。
ポピュリズムに陥っては絶対になりません。
橋下氏と組むことによって、結い側の支持者が減少したと聞きますが、恐れることはないと思います。それを恐れていてはきっとまた分裂してしまいます。
集団的自衛権は戦争を起こさないための抑止力の一つであること、自主憲法制定の考えは断じて右翼イデオロギーではないこと、原発や放射能の正しい理解が日本をエネルギー危機から救い得ること、そういうことを政治家が率先して国民に訴えるべきなのです。
これらは与党野党に分かれて争うような問題ではないと思います。
(原発については「そういう問題」だと言われるかもしれませんが、燃料調達のため膨大な国富を失い続けていること、安全性の高い次世代型小型原発の研究が進んでいること、CO2の増加、そもそも放射能に関する間違った思い込み、などにしっかりと思いを致さねばなりません。原発の危険性を問題にするなら、原発を封印することの危険性についても同量の理解が必要です)
しっかりと話し合って、「国益とは何か」を突き詰め、共通の土台となる国家観を築いてください。
くれぐれも「集団的自衛権を認めると戦争になる」だとか「自主憲法なんて右翼のたわごとだ」とか「何が何でも放射能は怖い」といった大衆の思い込みに引きずられないようお願いします。
そんな大衆に支持されても国は良くなりません。
維新の党が掲げる「脱官僚主導」「既得権益打破」「地域主権」などの改革方針は日本の経済成長にとって必要なことです。この点で完全に一致している維新の会と結いの党が一つになったことは歓迎すべきことであり、健全な野党への大きな前進だと思います。
しかし、それ以前にしっかりと確立しなければならないのは国家観だということに自覚的であってほしい。
ま、それができれば石原グループと袂を分かつ必要はなかったんですけどね
よろしくお願いします →
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